新築 vs 中古、投資用物件はどちらを選ぶか ── 利回り・立地・融資・設備で整理する

2026-06-27

投資用の物件を選ぶとき、迷うのが新築か中古かです。

新築はきれいで、設備も新しく、買ってからの手間が少ない。
中古は市場に数が多く、利回りも取りやすい。
どちらにも理由があり、迷って当然です。

先に結論を言います。
新築か中古かは、本質ではありません。
本質は、立地・価格・スペックのバランスです。
立地が弱ければ新築でも苦しく、立地が良く価格と収支が合えば中古でも長く回しやすい。
この考え方は別記事
なぜ"毎月赤字"でも不動産投資が成立するのかでも触れています。
そのうえで、新築と中古で差が出る軸を一つずつ見て、利回りとリスクの関係や、中古が合理的になりやすいケースまで整理します。

まず、共通点を押さえる

比較の前に、いちばん大事なところを置いておきます。

新築でも中古でも、いちばん効くのは立地と賃貸需要です。
家賃が下がりにくい立地か、出口で買い手がつく立地か。
ここが投資の成否を最も左右します。

しかも、投資用物件は、買い手の多くが投資家で、家賃と利回りから価格を見ることも多いです。
だから賃貸需要が強い立地は、家賃が下がりにくいだけでなく、出口の売却価格も支えられやすくなります。
立地は、家賃の面と価格の面の、二重に効いてきます。

新築だから安心、中古だから得、という話ではありません。
立地が弱ければ、新築でも空室や家賃下落に苦しみます。
新築か中古かの違いは、この立地という土台の上での、味付けの差です。
土台を外して新築・中古だけで選ぶと、判断を誤ります。

差が出る軸で整理する

そのうえで、新築と中古で差が出る軸を、表にします。

新築物件中古物件
利回り利回りは低めになりやすい築年が古いほど利回りは高くなりやすい
物件の選びやすさそのとき分譲されている物件に限られる市場に数が多く、立地を選びやすい
設備・修繕設備が新しく、当初の修繕負担が小さい築年に応じて修繕・設備更新。旧耐震は要確認
融資ローン年数を長く取りやすい築古は融資年数が短くなることがある
減価償却償却期間が長く、年あたりは小さめ築年数によっては年あたりの償却額が大きいことも

なお、利回りには表面利回りと実質利回りがあり、判断では分けて見ます。
その見方は別記事
利回り表示の見方 ── 表面利回りと実質利回りで詳しく扱っています。
順に見ていきます。

利回り ── 同じ条件なら築年が古いほど高い

不動産の価格は、築年数の影響を受けながら、市況や金利、賃料、立地、管理状態によっても動きます。
そのうえで、同じような立地・条件の物件どうしで比べると、築年が古いほど価格はこなれ、利回りは高くなりやすいです。
これは新築か中古かというより、築年数と利回りの関係です。

家賃も、築年とともにゆるやかに下がる傾向があります。
これは需給で決まるもので、同じ立地でも、新しい部屋より古い部屋のほうが下がりやすい。
ただし下落のペースや立地による差は大きく、その詳細は別記事
家賃下落カーブの真実で一次データから整理しています。
家賃の下がり方よりも価格のこなれ方が大きい範囲では、築年が古いほど利回りは高くなる、という関係になります。

同じ融資条件で購入価格を抑えられるなら、毎月の返済額は抑えやすくなります。
返済の負担が軽いと、キャッシュフローに余裕が出やすく、運用を続けやすくなります。
結果として、次の物件を検討しやすくなることもあります。
これが、中古が選ばれる実利的な理由の一つです。
ただし、築年が古いと融資の年数が短くなることもあるため、実際の負担は物件ごとに確認します。

もう一つ、忘れてはいけないことがあります。
利回りの高さだけで選ばない、ということです。
利回りとリスクは、基本的に比例します。
相場より利回りが高い物件には、立地や築年数、建物の状況、管理状態、売りやすさといった、さまざまなリスク要因が反映されています。
高い利回りに釣られず、その数字の裏にどんなリスクが乗っているのかを、必ず確かめます。

物件の選びやすさ ── 中古は立地を選びやすい

中古ならではの、もう一つの強みがあります。
市場に出ている数の多さです。

新築は、そのときに分譲されている物件の中から選びます。
中古は、すでに建っている膨大なストックから選べます。
投資でいちばん効くのは立地です。
選べる数が多いほど、家賃が下がりにくい立地を選びやすくなります。
立地が最重要だからこそ、選べる数の多さは、中古の実利的な強みになります。

設備・修繕と耐震 ── 新築は当初が軽い、中古は見極め

新築の強みが、はっきり出るのがここです。
設備が新しく、当初の修繕はほとんど要りません。
立地や家賃設定が合っていれば、空室リスクも比較的抑えやすく、買ってから当面は手がかかりません。
売主や物件によっては、アフターサービスや設備の保証がつくこともあります。
これは中古にはない、新築の強みです。

中古は、築年に応じて、設備の更新や修繕の負担が出てきます。
とくに旧耐震(建築確認が1981年5月31日以前の建物)は、耐震性と融資の両面で論点になります。
竣工年ではなく建築確認日で見ます。

中古を選ぶなら、管理状態や修繕の履歴、区分マンションなら修繕積立金の積み立て、そして耐震を確認したうえで選ぶ。
ここを飛ばすと、安く見えた利回りが後で目減りします。

融資と減価償却 ── 表裏の関係

融資と減価償却は、築年で表裏の関係になりやすいです。

新築・築浅は、法定耐用年数に余裕があるぶん、ローンの年数を長く取りやすいです。
法定耐用年数は構造で異なり、住宅用のRC造なら47年です。
返済期間が長いと、月々の返済を抑えやすくなります。

築古は、金融機関によって融資の年数が短くなることがあります。
築年数・構造・担保評価・借り手の属性で見られるため、物件ごとに確認が必要です。
その代わり、築年数によっては、減価償却を短い期間で多く計上できることがあります。
ただし税負担への影響は所得の状況や売却時の税金でも変わるので、計算は税理士などに確認する前提で、副次的な要素として見ます。

つまり、新築は"長い融資・小さい償却"、築古は"短い融資・大きい償却"になりやすい。
どちらが合うかは、家賃で成り立つ収支と、長く持てるかを中心に見ます。

中古が合いやすいケース

軸を並べると、中古が合理的になりやすい理由が見えてきます。

市場に数が多く、家賃が下がりにくい立地を選びやすい

同じ条件なら築年が古いほど利回りが取れ、毎月の負担を抑えやすい

負担を抑えられれば、キャッシュフローに余裕が出やすく、運用を続けやすい

中古は、この続けやすさが、実利的な強みになります。

ただし、中古なら何でもいいわけではありません。
旧耐震や、管理状態、区分マンションなら修繕積立金の積み立て不足は、必ず確認します。
立地が弱い中古は、新築以上に苦しくなることもあります。

一方で、新築が合う人もいます。
当初の手間を最小限にしたい、設備の新しさやアフターサービスを重視したい、長い融資年数で月々の返済を抑えたい ── そういう人には、新築が向きます。

まとめ

本質は、新築か中古かではなく、立地・価格・スペックのバランス。立地が弱ければ、どちらも苦しい

利回りは新築/中古というより築年で見る。同じ条件なら築年が古いほど利回りは高くなりやすく、毎月の負担を抑えやすい

ただし利回りとリスクは基本的に比例する。高い利回りには立地・築年・建物の状況などのリスクが反映されるので、数字ではなく中身を見る

中古は市場に数が多く、家賃が下がりにくい立地を選びやすい。立地が最重要の投資で効く

新築は、設備が新しく当初の手間が軽い。物件や金融機関によっては融資年数を長く取りやすく、アフターサービスがつくこともある

融資と減価償却は築年で変わる。新築は長い融資・小さい償却、築古は融資が短く・償却は大きくなりやすい

ONZA Estateが好立地物件を中心とした投資用不動産の仲介をしているのは、新築・中古という分類よりも、家賃が下がりにくい立地と、無理なく持てる価格・収支を最優先に考えているからです。
新築でも中古でも、立地と収支設計が崩れていなければ、長く持ちやすくなります。
逆に、そこが崩れていれば、どちらを選んでも苦しくなります。

新築と中古のどちらが自分に合うか、検討中の物件が立地と収支の面で長く持てるか ── ご自身の資金と目的から、一緒に整理しませんか。
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立地の選びやすさや、毎月の負担とキャッシュフロー、利回りの裏にあるリスクまで含めて、無理のない設計を一緒に考えていきます。

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