大津市

大津市の住まい選びで後悔しないためにーーよくあるケースと対策

駅徒歩圏のマンションを選んだのに、その駅には新快速が停まらず、通勤が想定より長かった。
琵琶湖の眺めに惹かれて湖西を選んだが、冬の強風による電車の運休を知らなかった。
こうしたギャップは、大津市での住宅購入でよく聞かれる声です。

大津市は南北45.6kmと細長く、市街地は湖岸の限られた平地に沿って続いています。
琵琶湖線・湖西線・京阪という沿線ごと、中心部・南部・湖西・北部というエリアごとに街の性格が大きく異なるため、「大津市」という一つの単位で選ぶと、その差をつかみきれないまま購入に至るケースが少なくありません。

この記事では、京都・滋賀エリアを専門とするONZA Estate代表の飯田の視点から、大津市での住宅購入で後悔につながりやすいパターンを整理いたします。
購入を検討している方は、事前のチェックリストとして活用してください。

ケース1:思ったより車が必要だった

大津で後悔の声として多いのが、車の必要度に関するものです。

大津駅・膳所駅・石山駅など中心部の駅徒歩圏は、商業施設や生活機能が集まり、徒歩や自転車で用事を済ませやすいエリアです。
一方で、駅から離れた郊外や湖西・北部の住宅地では、日常の買い物・通院・送迎の多くが車前提になります。

注意したいのは、「駅への距離」と「日常の生活動線」は別物だという点です。
「駅までバスで10分」という説明で安心していたが、スーパー・小児科・保育園の送迎は別方向で、結局毎日何度も車を出すことになった、というのは郊外でよくある実態です。
路線バスは2026年3月1日から京阪バスの大津営業所管内の路線を江若交通が引き継いで運行していますが、運転士不足の課題は続いており、本数や時刻は購入前に最新を確認しておきたい点です。

駅徒歩圏を選ぶなら、必要なときだけ自転車やカーシェアで補うという方法もあります。
郊外中心の生活なら車の保有・維持費を家計に織り込み、物件価格だけでなく生活コスト全体で判断しましょう。

ケース2:駅は近いのに新快速が停まらず、通勤が想定以上だった

大津駅から京都駅まで新快速で約9分、石山駅から大阪駅まで乗り換えなしの約46分(いずれも2026年時点の目安)と、京阪神への通勤利便は大津の大きな魅力です。
ただし、この所要時間はあくまで「新快速が停まる駅から乗車した場合」の話です。

大津市内で新快速が停まるのは、琵琶湖線では大津駅と石山駅、湖西線では大津京駅・比叡山坂本駅・堅田駅です(2026年時点)。
膳所駅・瀬田駅・唐崎駅などは普通列車のみの停車で、たとえば瀬田駅から大阪駅へは乗り換え1回・約52分と、石山駅との差は小さくありません。
「駅徒歩5分」で安心して選んだのに、毎朝の乗り換えや待ち時間が積み重なる、というのは大津ならではの後悔です。

湖西線側は、大阪方面へは山科駅での乗り換えが基本になる点と、冬の強風(比良おろし)による運転規制がある点も押さえておきたいところです。
JR西日本は防風柵の整備(総延長14.6km)により、運転見合わせの規制値を風速25m/sから30m/sへ緩和し、見合わせ時間は以前より大きく減りました。
それでも冬季の運休・遅延リスクがゼロになったわけではないため、湖西線通勤なら遅れたときの代替手段(京阪や車)も考えておくと安心です。

内覧は週末や昼間に訪れることが多く、平日朝のラッシュ時の実際の所要時間を確認できていないまま決断しがちです。
「どの駅に、どの列車が停まるか」まで確認したうえで、平日朝に一度実測してみることをおすすめします。
駅から離れたエリアの注意点は、別記事「
大津市で駅から遠いエリアに住むときの注意点」で整理しています。

ケース3:「市の相場感」で判断して、予算オーバー・高値づかみになった

注文住宅を取得した世帯が購入後に満足していない項目で最も多いのは、価格です。
国土交通省の「令和7年度住宅市場動向調査」(2026年7月公表)では「価格(予定より高くなった)」が36.1%で最多、ほかの種別でも価格は上位に挙がっています。

大津で注意したいのは、「大津の相場はこれくらい」という市全体の感覚で判断すると、高い・安いを見誤りやすい点です。
中古マンションの駅別の中央値は、60〜80㎡で堅田駅の1,680万円から大津京駅の3,380万円まで、80〜100㎡で堅田駅の2,080万円から大津駅の4,880万円まで(SUUMO掲載情報・集計期間2025年7月1日〜2026年6月30日・各駅徒歩15分以内の最終掲載価格で、成約価格ではありません)と、同じ面積帯でも駅によって約2倍の開きがあります。
市の平均で見ると割安に見えた物件が、その駅の水準では高値だった、という逆転が起こりやすいのが大津です。

「早く決めないと」と焦り、予算を超えて購入してしまうケースも見られます。
無理のない返済額から逆算し、同じ駅・同じ条件の成約事例と比較し、新築だけでなく築浅の中古も含めて検討すると、納得感のある選択がしやすくなります。

ケース4:沿線とエリアを一括りにして、街の性格を誤った

大津でとくに起こりやすいのが、沿線やエリアの性格の違いを把握しないまま「大津市」で物件を選んでしまうケースです。

大津駅・膳所駅周辺は、県庁・市役所などの行政機能と商業が集まる、落ち着いた県都の中心市街地です。
石山駅・瀬田駅周辺は、商業に加えて大学や事業所が集まり、通学・通勤の実需が根強い南部エリアです。
湖西線側は琵琶湖と比叡・比良の山に挟まれ、眺望や自然の近さが魅力である一方、大阪方面は山科乗り換えが基本で、北へ行くほど価格は抑えめ、生活は車が前提になっていきます。
京阪沿線は、びわ湖浜大津駅から三条京阪駅まで乗り換えなしという別の通勤軸を持っています。

そのため、落ち着いた住環境を求めていたのに学生街の賑わいが想定以上だった、眺望で選んだのに通勤の乗り換えが負担になった、というミスマッチが起こります。
「どの沿線・どの駅を生活の軸にするか」を先に決め、そのうえでエリアと物件を絞り込むことが、後悔を防ぐ近道です。

ケース5:学区・子育て環境を後から知って困った

大津市には市立小中学校の学校選択制があり、住所で指定される学校以外も選べると聞いて安心して購入したが、実際には条件があった、という声があります。
学校選択制は、希望校の施設に余裕がある場合に限り、基本的に隣接する中学校区内から選べる仕組みで、どこでも自由に選べるわけではありません。
兄姉が在籍する学校への入学は、学校選択制ではなく就学指定校変更の申請で扱われます。

保育所や児童クラブ(学童)の入りやすさも、エリアや年齢によって差があります。
「大津は子育て支援が手厚い」という全体のイメージだけで選ぶと、希望の保育施設に入りにくい地域だった、通学距離が想定より長かった、というケースもあります。
保育施設・小学校・中学校の場所と通園・通学距離、児童クラブの状況を、物件選定の段階で具体的に確認しておくことが重要です。
制度や校区は変わることがあるため、最新は大津市の公式情報で確認しましょう。
詳しくは、別記事「
大津市の子育て環境を住まい選びから考える」で整理しています。

ケース6:規制や災害リスクを後から知り、出口が狭くなった

購入時は「広い家がいい」「静かに子育てしたい」と郊外や山手の戸建てを選んだが、将来の住み替えを考えたときに「売れるか不安」という声が出てきます。

大津では、流動性の差に加えて、後から知って困りやすい規制や区域があります。
○ 風致地区:建物の高さや建蔽率、緑化などに制限があり、建て替え・増改築の自由度が変わる
○ 市街化調整区域:分家住宅など特定の条件の人向けに許可された住宅は、第三者が購入してもそのまま住めない・建て替えできない場合がある(契約前に市の開発許可窓口で確認)
○ 土砂災害警戒区域・がけ地:山手の住宅地では該当することがあり、建築や売却時の説明事項になる

ハザードマップも「今」の注意点があります。
滋賀県が2026年3月末に洪水浸水想定区域を更新した一方、現在公開されている大津市のハザードマップ(土砂・洪水)は更新前の令和4年3月作成のもので、市は令和8年度中に新しいハザードマップを作成予定です。
購入を検討する際は、市のマップに加えて、県の最新の洪水浸水想定区域図や防災情報マップもあわせて確認しておくと安心です。

流動性の面では、新快速が停まる駅の徒歩圏は需要が安定している一方、駅から離れたエリアや普通列車のみの駅の周辺、北部は、価格や住環境に魅力がある反面、売却・賃貸のしやすさは駅距離・交通手段・建物の状態で差が出ます。
居住用として買う場合でも、10〜15年後に売る・貸すという選択肢が取れる立地かどうかで、選ぶべき物件・エリアの基準が変わってきます。
規制と出口の詳しい整理は、別記事「
大津市で将来売却しにくくなる住宅の特徴」「大津市のハザードマップと防災リスクを住む前に確認する」をご参照ください。

エリア・物件選びのご相談は、こちらのLINEからお気軽にどうぞ。

まとめ:後悔を防ぐための3つの視点

大津での住宅購入における後悔の多くは、「今の暮らしやすさ」や「市全体のイメージ」だけを基準に選んだことに起因しています。
後悔しない購入のために持っておきたい視点は、次の3点です。

① 生活コスト全体で考える
物件価格だけでなく、車の維持費・通勤交通費・保育費なども含めて予算を組む。
市の相場感や「早く決めないと」に流されず、無理のない返済額から逆算し、同じ駅・同じ条件で比較する(ケース1・2・3に対応)。

② 将来の出口を想定する
10〜15年後に売る・貸すという選択肢が取れる立地かを購入前に検討する。
規制・区域・ハザードは契約前に確認し、とくに駅から離れた物件は流動性の確認が重要(ケース6に対応)。

③ 沿線・駅・暮らしのシーンで確認する
平日朝の通勤、子どもの送迎、週末の買い物を想定し、どの沿線・どの駅か、新快速が停まるか、どのエリアかまで絞り込む。
学校選択制の条件や校区も含め、週末の内覧だけでは見えない情報が多い(ケース4・5に対応)。

大津市での住まい探し(購入・賃貸)のご相談は、LINEからお気軽にお問い合わせください。
沿線・エリアごとの特性や物件の流動性について、個別に整理してご案内いたします。
大津の街全体の特徴は、別記事「
大津市はどんな街?」もあわせてご覧ください。


ONZA Estate | 滋賀・京都エリアの不動産仲介