大津市

大津市で駅から遠いエリアに住むときの注意点

「駅徒歩〇分」という表示だけで判断すると、大津市では通勤時間や車の負担を見誤ることがあります。
結論から言えば、駅から遠い物件が必ずしも避けるべき選択肢というわけではありません。
ただし、通勤の実態・車の維持費・将来の売りやすさ・子育ての送迎という4つのポイントを把握したうえで判断しないと、入居後に「思っていたのと違った」と感じやすくなります。

この記事では、京都・滋賀エリアを専門とするONZA Estate代表の飯田の視点から、大津市で駅から遠いエリアの住まいを選ぶときに確認したい注意点を整理いたします。

大津市における「駅から遠い」の実態ーー2つの意味がある

大津市は琵琶湖と山に挟まれて南北に長く、市街地は湖岸の平地に沿って続いています。
琵琶湖線・湖西線・京阪の各線が通り、駅の数自体は多い市ですが、「駅から遠い」には大津ならではの2つの意味があります。

1つ目は、文字どおり最寄り駅までが遠いケースです。
山裾の傾斜地に開かれた住宅地や、駅から距離のある郊外では、駅までバスか車が前提になります。

2つ目は、駅は近いのに新快速が停まらないケースです。
琵琶湖線の市内4駅のうち新快速が停まるのは大津駅・石山駅のみで、膳所駅・瀬田駅は普通のみの停車です。湖西線では大津京駅・比叡山坂本駅・堅田駅などに新快速が停車します。
たとえば大阪駅まで通勤する場合、新快速が停まる石山駅からは乗り換えなしの約46分で直通できますが、隣の瀬田駅からは途中で新快速への乗り換えが必要になり約52分。乗り換えを避けて普通だけで行くと1時間を超えます(2026年時点・平日朝の目安)。
駅徒歩圏どうしでも、新快速が停まるかどうかで乗り換えの有無と所要時間が変わり、毎日の通勤の負担に差が出ます。
「駅近かどうか」だけでなく「どの駅の近くか」まで含めて、暮らしと通勤への影響を見ておくのが大津での住まい選びの基本です。

注意点①:通勤時間は「駅から」ではなく「自宅から」で計算する

大津駅から京都駅まで新快速で約9分、大津京駅からは約10〜12分と、大津市の京都への通勤利便は高い水準です。
ただしこの数字は、あくまで「駅から乗車した場合」の所要時間です。
自宅から駅までの移動が加わると、実態は変わってきます。

・バスを使う場合:本数は路線によって差があるため、検討している住所の路線の時刻表を、平日朝の時間帯で実際に確認しておく
・駅まで車で向かう場合:大津京駅前や大津駅北口などの公共駐車場には定期利用の仕組みがあり、JR西日本のICOCA利用者向け駐車場優待「パーク&ICOCA」の対象駐車場も市内にあります(料金・対象は各公式でご確認ください)
・自宅から駅までの移動が長いエリアでは、乗車時間が短くても、自宅から職場までの片道は思った以上に延びる

バスについては、2026年3月1日に京阪バスの大津営業所管内の路線が、同じ京阪グループの江若交通に引き継がれました。
運行は維持されていますが、運転士不足など路線バスを取り巻く環境は全国的に厳しく、大津市も「第2次大津市地域公共交通計画」(令和8〜12年度)を策定して公共交通の維持に取り組んでいる段階です。
バス前提の立地を選ぶなら、現在の本数と使い勝手を自分の目で確かめておくことが大切です。
購入前には、平日朝の時間帯に「自宅→駅→職場」を実際にたどってみると、休日の内覧では見えない部分が確認できます。

注意点②:車の維持費を生活コストに組み込む

大津市の郊外や山手では移動が車中心になり、勤務や送迎の時間が重なる世帯では車2台が前提になることも珍しくありません。
郊外で車を持つこと自体は自然な選択ですが、維持費を家計に織り込んでおくと安心です。

車2台を維持するコストの目安は次のとおりです。

・自動車保険(2台):年15〜25万円
・自動車税(2台):年6〜10万円
・ガソリン代(2台分):月2〜4万円(年24〜48万円)
・車検・整備:年10〜15万円(2台合計)

合算すると、標準的な組み合わせで年間50〜70万円程度が目安です(2026年時点。各費目は車種・年間走行距離・契約条件で変わるため、実際の見積もりでご確認ください)。
物件価格だけを見て「郊外のほうが安い」と判断すると、月々の生活費が想定を上回ることがあります。
「住宅ローンの返済額+車の維持費+(電車通勤なら)駅前駐車場の費用」をセットで試算しておくと、無理のない予算が組めます。
個別の条件で試算してみたい場合は、世帯人数や勤務先の最寄り駅などを添えて
LINEからお気軽にどうぞ。

注意点③:将来の売却・賃貸のしやすさはエリアで差が出る

住まいは、買った時点から「将来動かせるか」も考えておきたいものです。
大津市内でも、売り買い・貸し借りのしやすさはエリアで差があります。

大津市の駅周辺は、京都方面への通勤需要に加えて、県庁などの官公庁や市内事業所への通勤といった需要源が複数あります。
駅や主要な雇用先を中心に円を描くようなイメージで、中心に近いほど買い手・借り手の候補が広がり、離れるほど絞られていきます。
実際、中古マンション60〜80㎡の中央値は、駅によって堅田駅の1,680万円から大津京駅の3,380万円まで幅があり(SUUMO掲載情報・集計期間2025年7月1日〜2026年6月30日・各駅徒歩15分以内の最終掲載価格で、成約価格ではありません)、同じ市内でも駅・沿線ごとの需要の厚さの差が価格に表れています。

一方、駅から離れた物件は、買い手の属性が「車を持つ世帯」に絞られやすく、賃貸の需要も駅周辺ほど厚くありません。
転勤・住み替え・相続などで動かす必要が出たとき、買い手や借り手が見つかるまで時間がかかることがあります。
「価格が手ごろだから」だけでなく、10〜15年後に売れるか・貸せるかも、購入前の判断軸に加えておくと安心です。

注意点④:子育ての送迎と、山手ならハザードの確認も

子育て世帯にとって、保育施設・習い事・医療機関への送り迎えは日常的なテーマです。
駅から離れたエリアでは移動が車中心になり、共働きでは朝の送迎が通勤スケジュールと重なって時間の余裕がなくなりやすい点は見込んでおきたいところです。
保育園や児童クラブの送迎と通勤の組み合わせ方は、別記事「
共働き世帯が大津市に住むときの注意点」で詳しく整理しています。

もう一つ、大津ならではの確認点がハザードです。
大津市は市域の多くが山地で、山裾の傾斜地に開かれた住宅地もあり、滋賀県により土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域が市内に指定されています。
山手の物件を検討する場合は、価格や眺望だけでなく、ハザードマップと指定状況の確認を判断材料に加えてください。
詳しくは別記事「
大津市のハザードマップと災害リスク」をご覧ください。

それでも駅から遠い物件が合うケース

駅から遠い立地が合うケースもあります。
次のような条件が揃うなら、郊外や山手の選択は十分に合理的です。

○ 広さと価格を最優先したい:同じ予算で、駅周辺より広い家を選びやすい
○ 車の体制が既に整っている:維持費の追加負担が家計に響きにくい
○ 通勤が車で完結する、または在宅勤務が中心:駅距離の重みは下がる
○ 琵琶湖や山の緑に近い、静かな環境を重視したい

大切なのは、「なんとなく郊外を選ぶ」のではなく、通勤・維持費・流動性・送迎の条件を把握したうえで意図的に選ぶことです。
暮らしの優先順位がはっきりしているなら、駅から離れた住まいは納得のいく選択になります。

まとめ:駅から遠い物件を選ぶ前に確認したい4点

大津市で駅から遠い物件を検討するときは、次の4点を整理してから判断すると後悔を防ぎやすくなります。

○ 通勤時間は「自宅から職場まで」をトータルで測る。最寄り駅に新快速が停まるかも含めて確認する
○ 車の維持費(2台なら年50〜70万円程度が目安)を含めた生活コスト全体で予算を組む
○ 10〜15年後の売却・賃貸のしやすさを購入前に見ておく
○ 子育ての送迎動線と、山手ならハザードマップも確認する

駅から遠い物件にも選択肢はありますが、これらを押さえてから判断することが、大津市での後悔しない住まい選びにつながります。

大津の街全体の特徴は、別記事「大津市はどんな街?」もあわせてご覧ください。
大津市での住まい探し(購入・賃貸)のご相談は、
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