滋賀の市街化調整区域の土地・中古戸建ての落とし穴と購入前に確認すべきこと
滋賀で土地や中古戸建てを探していると、相場よりはっきり安い物件に出会うことがあります。
その背景に「市街化調整区域」という区分が関わっているケースは少なくありません。
安いのには理由があり、内容を知らずに買うと「建て替えられない」「住宅ローンが通らない」といった想定外につながることもあります。
この記事では、市街化調整区域とは何か、主な落とし穴、そして購入前に確認すべきことを整理します。
「絶対に買ってはいけない」という話ではなく、正しく確認したうえで判断するための情報としてご覧ください。
市街化調整区域とは
市街化調整区域とは、都市計画法にもとづいて「市街化を抑制すべき区域」として定められたエリアのことです。
都市計画区域は、すでに市街地になっている、または優先的に市街化を進める「市街化区域」と、市街化を抑える「市街化調整区域」に分けられます(これを「線引き」と呼びます)。
市街化区域では、用途地域などの制限の範囲内で住宅や商業施設の建築が想定され、道路や上下水道などのインフラ整備も比較的進められやすい区域です。
一方の市街化調整区域では、原則として建築・開発・増改築・用途変更が認められず、都道府県知事または権限移譲先の市長等による許可が必要です。
開発行為を伴う場合は都市計画法第34条の立地基準、開発行為を伴わない建築等については第43条の許可が問題になる場合があります。
許可されるのは法令や自治体基準に当てはまる場合に限られ、誰でも自由に家を建てられるわけではありません。
この「建てにくさ」が、価格が安くなる大きな理由です。
知っておきたい主な落とし穴
価格の安さの裏には、次のような注意点があります。
1. 再建築・建て替えができない、制限されることがある
既存の建物でも、建て替えには許可や自治体基準への適合確認が必要です。
用途・規模・構造が大きく変わらない場合に認められることもありますが、自由に建て替えられるわけではありません。
「既存宅地だから自由に建て替えられる」という認識は誤りで、その根拠だった既存宅地確認制度は2001年(平成13年)の法改正で廃止されています。
古家付きで安く売られていても、同じように建て替えられるとは限りません。
2. 住宅ローンが通りにくい
建築制限により担保としての評価が低く見られやすいため、住宅ローンの審査が厳しくなる傾向があります。
そもそも取り扱わない金融機関もありますが、「第三者が取得しても再建築できる」と確認できれば対応する金融機関もあります。
フラット35(住宅金融支援機構)も、適合証明書が発行される物件であれば対象になり得ます。
3. 上下水道・ガスが整っていないことがある
市街化を抑える区域のため、上下水道や都市ガスが未整備のエリアもあります。
下水道がなければ浄化槽の設置と維持費が自己負担になり、都市ガスがなければプロパンガス(一般に都市ガスより割高な傾向)になるなど、ランニングコストに差が出ることがあります。
4. 用途変更や「建てられる人」の制限
住宅を店舗に変えるといった用途変更は原則認められません。
また、農家住宅や分家住宅のように「建てられる人」が限定された物件もあり、第三者が購入しても同じ条件で住んだり建て替えたりできない場合があります。
5. 売却しにくい(流動性が低い)
建築制限やローンの組みにくさから購入を検討できる人が限られやすいため、市街化区域の物件に比べて売却に時間がかかりやすく、資産価値も低めに評価される傾向があります。
なお、固定資産税は評価額が低く安めになりやすく、原則として都市計画税はかかりません。
保有コストが軽い点はメリットですが、それは「使いにくさ・売りにくさ」と表裏である点を押さえておきたいところです。
それでも検討する場合に確認すべきこと
市街化調整区域でも、条件しだいで建築・購入できるケースはあります。
分家住宅:その地域に長く住む親族から土地を受け、子や孫が自分の住まいを建てる場合、自治体の要件を満たせば許可されることがあります
農林漁業用や、周辺住民の日常生活に必要な店舗等:都市計画法第34条各号や自治体基準の要件を満たすもの
都市計画法第34条11号等に基づき、自治体が条例で指定した区域:要件を満たせば住宅を建てられる場合があります
線引き前からの宅地・既存建物の建て替え:自治体の基準にもとづき、一定の範囲で認められることがあります
いずれも要件は自治体ごとに異なるため、最も大切なのは、物件がある市町の都市計画担当部署に「再建築できるか」「どんな条件か」を必ず確認することです。
不動産会社の重要事項説明でも、再建築の可否やインフラの状況を具体的に確認しておくと安心です。
ご自身が気になっている物件が市街化調整区域かどうか、建て替えできるかを確認したい方は、こちらからお気軽にご相談ください。
滋賀で確認するときの窓口
滋賀県内では、市街化調整区域の建築・開発の可否は、物件のある市町の都市計画担当部署が窓口になります。
例えば大津市は都市計画課、守山市は都市計画交通政策課、野洲市は都市政策課などが担当しています(組織名は変更される場合があるため、最新の窓口は各市町公式サイトで確認してください)。
注意したいのは、開発許可の権限が市ごとに分かれている点です。
大津市(中核市)をはじめ多くの市に許可権限が移譲されており、市ごとに運用基準や条例、審査の扱いが異なる場合があります。
一方、日野町・竜王町・多賀町などは県に権限があり、滋賀県の条例(既存集落などで自己用住宅を例外的に認める基準)が関わります。
同じ「滋賀の調整区域」でも、市町によって建てられる条件が変わるため、必ず現地の自治体で確認することが欠かせません。
まとめ
市街化調整区域の物件は、価格の安さと保有コストの軽さが魅力に見えますが、その裏には再建築・住宅ローン・インフラ・売却のしにくさといった落とし穴があります。
大切なのは、安さだけで判断せず、「再建築できるか」「住宅ローンが使えるか」「インフラはどうか」を、物件のある市町の都市計画課や金融機関に確認することです。
条件を正しく押さえれば、用途に合う方にとっては選択肢になり得ますし、合わない場合は見送る判断も明確になります。
市街化調整区域かどうかの確認や、住まい探し(購入・賃貸)のご相談はお気軽にどうぞ。
ONZA EstateのLINEから、希望条件をお送りください。
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データ出典:国土交通省(都市計画制度)、都市計画法・建築基準法、住宅金融支援機構、滋賀県・各市町の都市計画関連資料(2026年6月確認)
制度・条例は変更される場合があり、適用の可否は物件ごとに異なります。最終的な判断は各自治体・専門家へのご確認をおすすめします。