米利上げ観測、慢心の株式市場に影響大かーー政策金利の予想は9カ月で利下げ4回から利上げ4回へ反転、VIX先物売りは1年ぶりの大きさ|ONZA的市況ニュース
2026-09-14

記事内容:米利上げの確率が9割近くに、慢心の株式市場に影響大か
2026.9.14の日経ニュースで、米連邦準備理事会(FRB)が今週15〜16日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げに踏み切るとの見方が優勢になったと報じられました。
今年に入って米金融市場で起きた政策金利の予想経路の修正は過去最大級のようで、利上げを実施した場合、日米の株式相場に与える影響は大きくなる可能性が高いと記事は指摘しています。
11日発表の8月の米消費者物価指数(CPI)の結果を受け、短期金利先物の値動きから金融政策を予測するフェドウオッチでは、FRBが9月に0.25%利上げする確率が9割近くまで上昇しました。
実際に利上げに踏み切れば2023年7月以来、3年2カ月ぶりです。
2025年末時点の米金融市場は、2026〜2027年夏にかけて4回、計1%程度の利下げを想定していましたが、足元では一転して4回程度の利上げを織り込んでいます。
米金融情報のコベイシ・レターは、わずか9カ月で金融政策のベクトルが変わり、計2%の政策金利の予想経路が修正されたことを、2022年3月から始まった倍速利上げと同様の、過去最大級のタカ派傾斜の政策期待変更だと紹介しました。
米金融市場は、FRBのHigher For Longer(政策金利がより高く、より長く)が再来するリスクを警戒する形で今週のFOMCに臨みます。
8月のCPIの結果を受け、ゴールドマン・サックスやシティグループなど、それまで年内の金利据え置きを予想していた米系金融機関も一斉に利上げ再開予想に変更しました。
11日のニューヨーク債券市場で長期金利は一時4.99%と2023年10月以来の高水準を付け、節目の5%に迫りました。
米ブルームバーグ通信は11日、米国債利回りが株式相場に重大な打撃を与える恐れのある水準へ上昇していると報じ、同社の調査では回答者122人のうち約3割が、長期金利が5.00〜5.25%に達すれば米株式相場が高値から10%下落する引き金になると回答しました。
さらに2割強が5.25〜5.50%で10%下落が誘発されると答えており、長期金利5.00〜5.50%を鬼門とみる市場参加者が多いようです。
長期金利が5%を超えれば、米株式市場では自己実現的な売りで大きく調整する公算が大きいと記事は捉えています。
低位安定のボラティリティー(相場変動率)があだになる可能性も出てきました。
恐怖指数とも呼ばれる米株の変動性指数(VIX)は11日に15台と、不安心理の高まりを示す20を下回り、中東不安など地政学リスクの高まりにもかかわらず、7月30日以降は20を下回る状況が続いています。
米商品先物取引委員会(CFTC)によると、ヘッジファンドなど非商業部門(主に投機目的の取引主体)のVIX先物の売り越し幅は8日時点で9万4829枚と、2025年10月以来ほぼ1年ぶりの大きさです。
VIX先物は将来のVIXの値動きを予想して取引する商品で、ボラティリティーの低下が続く場合は先物の空売りで利益が生じます。
言い換えると、それだけ変動率の低下と、それに伴う株式市場への資金流入に賭けた先物売りが多い慢心の状態です。
同時に、VIX先物の売り持ち高の増加は、想定外のボラティリティー上昇に対する脆弱性が高まっていることを示唆します。
VIX先物売り・株式買いの持ち高が一転して解消させられるリスクが高まっていることと裏表の関係で、過去最大級の金利経路の修正と利上げがその動きを誘発するリスクが高まっていると記事は指摘しています。
米国株が崩れれば、日本株にも影響します。
11日の日経平均株価は前日比1259円(1.93%)安の6万4011円と、1カ月ぶりの安値水準で終えました。
日経平均オプション10月物のプット(売る権利)は、権利行使価格6万円の建玉(未決済残高)が11日時点で1万976枚と他の権利行使価格に比べて圧倒的に膨らんでおり、11日に清算された9月物に続いて1万枚を超える建玉となっています。
市場ではフィリップ・キャピタル証券の増沢丈彦氏の「いや応無しに、10月前半までの日経平均6万円割れを警戒せざるを得ない」との声が聞かれ、日経平均は9月物の特別清算指数(SQ、先物やオプションの最終的な清算価格)の算出にかけては節目を下回らずに耐えたものの、10月9日に算出される10月物SQにかけては警戒が必要だと記事は結んでいます。
ポイント:利上げ観測と慢心を巡る現在地
👉 9月利上げの確率が9割近くに
8月のCPIを受けてフェドウオッチの利上げ確率が9割近くまで上がり、実施されれば2023年7月以来3年2カ月ぶりの利上げです。
👉 予想経路は9カ月で利下げ4回から利上げ4回へ
2025年末は計1%程度の利下げを想定していた市場が足元では4回程度の利上げを織り込み、計2%の修正は過去最大級のタカ派傾斜です。
👉 長期金利5%が鬼門、VIX売りは1年ぶりの大きさ
長期金利は一時4.99%で、5.00〜5.50%を米株10%下落の引き金とみる回答が合わせて5割強に上り、VIX先物の売り越し9万4829枚には慢心と脆弱性が同居しています。
👉 日経平均は6万円割れを警戒
11日は1259円安の6万4011円で、10月物プットは権利行使価格6万円に1万976枚の建玉が集中し、10月9日の10月物SQにかけて警戒が必要です。
不動産との関係:相場の慢心は持ち高に、不動産の慢心は収支の前提に宿る
記事が慢心と呼ぶのは、変動率が低いままだという前提に賭けた持ち高が積み上がっている状態です。
VIX先物の売り越し9万4829枚は、変動率が下がり続ければ利益が出る取引で、想定外に変動率が上がれば損失が出て持ち高の解消を迫られます。
記事がVIX先物売りと株式買いを一対の持ち高として挙げているとおり、解消は株式の売りを伴うため、下落が次の解消を呼ぶ形になります。
株式市場の下落が大きくなる仕組みは、価格の動きそのものが持ち高の解消を強制する点にあり、記事はこれを自己実現的な売りと呼んでいます。
ここが、借入で持つ不動産との違いです。
個人向けの住宅ローンや一般的な不動産投資ローンは、株式の信用取引のように日々の価格変動だけで追証が発生する仕組みにはなっておらず、価格が下がっても、返済を続けている限り持ち高の解消を迫られることは基本的にありません。
投資用の融資では融資条件や借り換え時の評価の確認が必要ですが、保有を続けられるかどうかを左右するのは、返済が続くかどうかです。
だから、不動産で慢心が宿る場所は収支の前提です。
金利は据え置き、空室は出ない、家賃は下がらないという前提で組んだ収支表は、VIX先物の売りと同じで、想定外が起きるまでは順調に見えます。
記事が伝える予想経路の反転は、この前提がどれくらい当てにならないかを示す例で、2025年末に4回の利下げを見込んでいた市場が、9カ月後には4回の利上げを織り込みました。
日銀の判断は国内の物価や賃金など複数の材料で決まりますが、米国の金利や為替も観測を動かす材料の一つで、変動金利の返済額は適用金利の見直しに応じて動きます。
金利の見通しに賭けず、元本が大きい序盤に低金利が効く構造と上昇時の余力で変動金利を考える整理については変動金利を選ぶ理由 ── 金利上昇局面での選び方で整理しています。
今週のFOMCが日本の住宅ローンに届く経路も押さえておきます。
米長期金利の上昇は日本の長期金利の方向感にも影響しうるため、長期金利を参考に決まる固定型のローン金利には先に届きやすく、変動型は日銀の政策金利が動いてから短期プライムレートを通じて動きます。
実際の金利は金融機関ごとの商品条件でも変わるため、FOMC後の長期金利の動きは確認材料の一つとして見ておきます。
確かめ方は、収支表に3つの場合を置くことです。
金利が上がった場合、空室が出た場合、家賃を下げた場合を並べ、いずれの場合も手元資金を含めて返済が続くかを購入前に見ておきます。
前提が外れたときに解消を迫られないという不動産の性質を生かせるのは、前提が外れても続けられる収支で持っている場合だけです。
前提が外れたときに続けられる人と苦しくなる人の分かれ目については不動産投資で得した人、苦しくなった人の境界線 ── 元トップ営業が見てきた分かれ目で整理しています。
順番は、収支表に3つの場合を置く、手元資金を含めて返済が続くかを確かめる、固定型を検討している場合はFOMC後の長期金利の動きを確かめる、の3段階です。
ONZAとしての整理
今回の記事で目を引くのは、利下げ4回から利上げ4回へ9カ月で反転した政策金利の予想経路と、1年ぶりの大きさに膨らんだVIX先物の売り越しです。
相場と金利の見通しは個人には動かせず、9カ月で反転するものを当てにして持ち方を決めることもできません。
ONZAが不動産をインカム資産として位置づけ、借入は変動金利を主軸に、上がっても返せる余力とセットで考えるのは、見通しに賭けない持ち方だからです。
家賃は入居者との契約で決まり、10月9日のSQで清算される持ち高とは時間の単位が違います。
相場の下落で解消を迫られる持ち高と違い、返済が続く限り持ち続けられる資産は、見通しが外れたときに時間を味方にできます。
もう一つは、慢心の中身です。
記事の慢心は変動率が低いままだという前提に賭けた持ち高で、不動産でこれにあたるのは、金利据え置きと満室を前提にした収支表です。
ONZAが収支をお出しするときに、金利が上がった場合と空室が出た場合を並べるのは、前提が外れても返済が続くかを購入前に確かめるためです。
前提が外れたときに解消を迫られるかどうかが株式の持ち高と不動産の借入の違いで、その違いを生かせるのは、前提が外れても続けられる収支で持っている場合だけです。
まとめ
👉 記事内容の要点
8月の米CPIを受けて9月FOMCでの0.25%利上げの確率が9割近くに上がり、実施されれば2023年7月以来3年2カ月ぶりとなる
2025年末は計1%程度の利下げを想定していた市場が足元では4回程度の利上げを織り込み、9カ月で計2%の予想経路の修正は過去最大級のタカ派傾斜
米長期金利は一時4.99%で5.00〜5.50%を鬼門とみる市場参加者が多く、VIX先物の売り越し9万4829枚は1年ぶりの大きさで、慢心と脆弱性が同居している
11日の日経平均は1259円安の6万4011円で、10月物プットは権利行使価格6万円に1万976枚の建玉が集中し、10月9日の10月物SQにかけて6万円割れの警戒が必要
👉 行動指針
慢心が宿る場所を、株式では持ち高、不動産では収支の前提と分けて考え、金利据え置きと満室を前提にした収支表には、前提が外れた場合を足して見る
金利が上がった場合、空室が出た場合、家賃を下げた場合の3つを収支表に置き、いずれの場合も手元資金を含めて返済が続くかを購入前に確かめる
借入は変動金利を主軸に、金利が上がっても返せる余力をセットにし、9カ月で反転する金利の見通しに賭けずに持てる形にする
ご相談について
投資用でご検討の方
金利上昇と空室を織り込んだ収支で、前提が外れても返済が続くかが判断の土台になります。
検討中の物件について、金利が上がった場合と空室が出た場合の収支まで、一緒に試算いたします。
売却をご検討の方
相場の変化をきっかけに売却を考える場合は、残債、家賃収入、想定される買い手の属性を並べて確かめます。
物件の状況とご意向に合わせて、売る・貸す・持ち続けるの選択肢を一緒に確認します。
居住用でご検討の方
住まいは、暮らしやすさと無理のない資金計画で選ぶのが基本です。
金利が動く前提での返済計画も含めて、返せる額を軸に一緒に整理していきましょう。
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