住宅ローン金利上昇に備え、借入額抑制や貯蓄が重要にーーフラット35は3.46%、変動型との差は2.23%に拡大、変動型は1.6〜1.7%へ上昇の可能性|ONZA的市況ニュース
2026-09-27

記事内容:住宅ローン金利の上昇に備え、借入額の抑制や貯蓄が重要に
2026.9.26の日経新聞で、日銀の利上げで住宅ローンの変動型金利が一段と上がる見込みの一方、全期間固定型金利も高い水準にあり、変動型と固定型の金利差が広がっていると報じられました。
最新の事情をつかみ、返済中のリスクをこれまで以上に深く考える必要があると記事は伝えています。
日銀は18日の金融政策決定会合で、政策金利を1.25%程度へ引き上げることを決めました。
記事は、東京都で変動型金利の住宅ローンを返済中の50代の会社員の例を紹介しています。
当初金利は0.4%程度でしたが、2025〜26年にすでに3回金利が上がり、現在は1%を超えています。
6月の利上げがまだ反映されないうちに次の利上げが重なり、「今後が不安だ」と話しています。
政策金利の引き上げは、返済期間中に金利が変わることがある変動型金利に主に影響し、金融機関が基準金利を見直すことで住宅ローンの金利に反映されます。
ただ、反映の時期は金融機関によってばらつく可能性があり、10月、4月ごろに基準金利を見直す金融機関が多くあります。
18日の利上げを受けた見直しが10月ごろか、2027年4月ごろかで、住宅ローン金利が動く時期は変わります。
1つ手前の2026年6月の利上げをこれから反映する金融機関もあり、自分の住宅ローンの情報を注意深く確認したいとしています。
記事は、現時点では2段階程度の金利上昇に備える必要があるとし、変動型の主要行平均金利は9月の利上げまで反映されると1.6〜1.7%程度まで上がる可能性があるとみています。
三井住友トラスト・資産のミライ研究所の矢野礼菜研究員は「過去の予測より、さらに高い金利上昇も念頭に置きたい」と注意を促しています。
為替相場は不安定な動きが続き、再び円安に振れれば、利上げのペースが速まるシナリオもくすぶります。
一方で全期間固定型の金利も高くなっています。
住宅金融支援機構の全期間固定型のフラット35は9月、3.46%まで上がりました。
住宅ローン比較診断サービスを運営するMFSによれば、フラット35から変動型の主要銀行平均の最低値を引いた金利差は2.23%になりました。
7000万円を35年の元利均等返済で借りる場合、変動型の主要行平均の1.227%とフラット35の3.46%を比べると、毎月の返済額は全期間固定型の方が約8万3000円高くなります。
変動型の金利がフラット35の水準を上回り、金利差2.23%が逆転するには、0.25%の利上げで約9回が必要で、6月と9月の2回を除いてもさらに7回です。
9月の変動型の水準を起点に、半年に1回0.25%の利上げが9回続き、その後は最高水準のまま変わらないと仮定しても、9月の全期間固定型と比べた総利息は変動型の方がなお150万円近く低くなります。
MFSの塩沢崇取締役は「利上げがかなり速いペースで続いたうえ、返済期間を通じて利下げもない想定でなければ総利息ではまだ変動型が有利」とみています。
もちろん、利上げのペースが加速し、一段と高い金利が続くケースも十分に考えられ、1回の利上げ幅が0.25%より大きくなる可能性もあります。
変動型が総利息で優位を保てるかは、過去に比べて不透明さが増したと記事は指摘しています。
これから借りる場合は、金利タイプを選ぶ前に、借入額を抑えることを改めて考えたいとしています。
塩沢氏は、借入額が年収の何倍かを示す年収倍率について「安全圏は5倍、高くても7倍に」と助言しています。
マンション価格などの高騰で7倍でも希望の物件に届かない例もありますが、矢野氏は頭金を入れることや、物件選びを見直して少し低い価格帯に移すことの検討が大切だと話します。
変動型を選んだ場合は「全期間固定型に比べれば少ない利息分の余裕を浪費せず、貯蓄などを進めて金利上昇に備えた資金を確保したい」(矢野氏)としています。
ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏は「全期間固定型を選んだ場合も借りっぱなしはよくない」と話します。
3%を超える今の金利水準の負担は重く、借りた後もローン金利を確認し、金利が下がる局面などで借り換えの余地がないかを考え続けたいとしています。
インフレへの対応を考えれば、余裕資金の貯蓄も必要です。
すでに借りている人も同様に、余裕資金の貯蓄を進めて金利上昇に備えます。
記事は、深野氏の「通常、金利上昇は不動産価格の高騰を抑制する」との見方を踏まえ、購入した住宅の価値も確認し、想定より下振れした場合は緊急資金を積み増しておく方が安心だと結んでいます。
ポイント:住宅ローン金利の現在地
👉 変動型は1.6〜1.7%程度へ上がる可能性
9月の利上げまで反映されると、主要行平均の変動型金利はこの水準まで上がる可能性があります。
基準金利の見直しは10月、4月ごろが多く、6月の利上げをこれから反映する金融機関もあります。
👉 フラット35は3.46%、変動型との差は2.23%に拡大
7000万円・35年で比べると、毎月の返済額は全期間固定型の方が約8万3000円高くなります。
👉 金利水準の逆転には0.25%の利上げが約9回
半年ごとに9回続く想定でも総利息は変動型がなお150万円近く低い一方、優位を保てるかの不透明さは増しています。
👉 借入額の抑制と貯蓄
年収倍率は安全圏5倍・高くても7倍とされ、変動型なら浮いた利息を浪費せず貯蓄に回し、固定型でも借り換えの余地に目を配ります。
変動型の差額を余力に変える:家計は固定型の月々で組み、浮いた分を積み立てる
記事の矢野氏の助言は、変動型を選んだ場合に、全期間固定型より少ない利息の分を浪費せず、金利上昇に備えた資金として確保することです。
これを家計の組み方に落とすと、月々の予算を全期間固定型の返済額で組み、変動型の実際の返済額との差を毎月積み立てる形になります。
家計から見た月々の負担は固定型と同じで、変動型の金利が固定型の水準に届くまでの間、差額が金利上昇への備えとして積み上がっていきます。
記事の試算のとおり、その水準に届くには0.25%の利上げで約9回が必要です。
記事の7000万円の半分にあたる3500万円で試算します。
○前提:借入3500万円・返済期間35年・元利均等、金利以外の条件は変わらないものとする
○変動型1.227%(記事の主要行平均)の月々:102,546円
○全期間固定型3.46%(9月のフラット35)の月々:143,842円(差は41,296円)
○変動型が1.7%に上がった場合の月々:110,626円(固定型との差は33,215円)
○1.7%のまま差額を積み立てた場合:5年で約199万円、10年で約399万円
○同じ5年で減る残債:変動型1.7%は約3118万円まで、固定型3.46%は約3219万円までで、変動型の方が約100万円多く減る
※仕組みを理解するための仮定です。
実際の適用金利と返済額の見直しは契約ごとに異なり、金利がさらに上がれば差額は小さくなります。
変動型が1.7%に上がった後も、固定型との差は月3万円を超えます。
この差額を毎月の生活費で使い切ってしまうと、金利が上がったときに備える資金が残りません。
積み立てた分の使い道は、金利がさらに上がったときの月々の増加に充てる、まとまった時点で繰り上げ返済に回す、一部を運用に回すなど複数あり、手元資金の厚さと総支払いのどちらを優先するかで決めます。
一方、月々の返済額を最後まで確定させることを優先するなら全期間固定型が合い、その場合も記事の深野氏のとおり、借りた後も金利を確かめ、借り換えの余地を探し続けます。
どちらを選ぶかは、月々の確実さと総支払いのどちらを優先するかで変わります。
変動金利を選ぶ理由と上昇局面での考え方については変動金利を選ぶ理由 ── 金利上昇局面での選び方で整理しています。
すでに変動型で返済中の人は、まず反映の時期を確かめます。
記事のとおり基準金利の見直しは10月、4月ごろが多く、6月の利上げがまだ反映されていない金融機関もあるため、通知で見直しの月と新しい適用金利を確認し、6月と9月の2段階分が反映された後の月々を出しておきます。
そのうえで、同じように固定型との差や、上がった後の月々との差を積み立てる形にすると、次の利上げへの備えになります。
住み替えや売却を視野に入れる場合は、残債と今の住まいの価値の差も把握しておきます。
これから借りる人にとって、記事がまず挙げるのは借入額です。
住まいは暮らしに合うかどうかと無理のない資金計画で選ぶのが基本で、年収倍率に加えて、2段階分の利上げが反映された後の月々と、差額を積み立てる余裕があるかまで確かめると、借入額の目安がはっきりします。
物件種別ごとの価格と目安の世帯年収、月々の返済額については大津市で住宅ローンの基礎を整理するーー物件種別ごとの価格と、目安の世帯年収・月々の返済額、草津市で住宅ローンの基礎を整理するーー物件種別ごとの価格と、目安の世帯年収・月々の返済額、守山市で住宅ローンの基礎を整理するーー注文・建売・マンション別の価格と、目安の世帯年収・月々の返済額で整理しています。
ONZAとしての整理
今回の記事で目を引くのは、変動型と全期間固定型の差が2.23%に広がり、7000万円・35年で月約8万3000円の差になった点と、変動型の金利が固定型の水準を上回るには0.25%の利上げで約9回が必要という試算です。
同時に記事は、変動型が総利息で優位を保てるかの不透明さが増したとも伝えています。
ONZAが住宅ローンでも変動金利を主軸に、金利が上がっても返せる余力をセットで考えるのは、矢野氏の助言と同じ理由で、変動型の利点は差額を余力に変えてはじめて生きるからです。
家計を固定型の月々で組めば、3500万円・35年の例で変動型が1.7%に上がった後も月約3万3000円ずつ備えが積み上がり、5年で約199万円になります。
金利タイプの選択は月々の確実さと総支払いのどちらを優先するかで決まるもので、その優先順位に合わせて借入額と積み立ての形を整えることが大切です。
もう一つは、金利上昇と住まいの価値の関係です。
記事は、金利上昇が通常は不動産価格の高騰を抑えるとの見方を紹介しています。
借入の負担が増えると買い手の借りられる額と月々の余裕が絞られ、価格の上昇を抑える方向に働きうるためです。
住まいは暮らしのための資産で、住み替えや売却を考えるときは、暮らしの希望に加えて残債と今の価値の差を把握しておくと、選べる時期と方法が見えてきます。
投資用の借入は変動金利を前提に考えるため、2段階分の利上げが反映された後の返済の増加を、家賃収入と手元資金でどこまで受け止めるかを確かめておきます。
まとめ
👉 記事内容の要点
日銀は政策金利を1.25%程度に引き上げ、変動型の主要行平均は9月の利上げまで反映されると1.6〜1.7%程度まで上がる可能性があり、基準金利の見直しは10月・4月ごろが多い
フラット35は9月に3.46%まで上がり、変動型との差は2.23%に拡大し、7000万円・35年では月々の返済が全期間固定型の方が約8万3000円高い
金利水準の逆転には0.25%の利上げで約9回が必要で、総利息ではまだ変動型が有利とする見方がある一方、優位を保てるかの不透明さは増した
これから借りる人は借入額を抑え(年収倍率は安全圏5倍・高くても7倍)、変動型なら浮いた利息を貯蓄に回し、固定型でも借り換えの余地に目を配ることが重要だと記事は伝えている
👉 行動指針
変動型を選ぶなら、家計を全期間固定型の月々で組み、差額を金利上昇への備えとして積み立てる(3500万円・35年なら変動型1.7%でも固定型3.46%との差は月約3万3000円、5年で約199万円)
返済中の人は、通知で基準金利の見直し月と新しい適用金利を確かめ、6月と9月の2段階分が反映された後の月々を出しておく
月々の確実さを優先して固定型を選ぶ場合も借り換えの余地を確かめ続け、住み替えや売却を視野に入れる場合は残債と今の価値の差を把握しておく
ご相談について
投資用でご検討の方
投資用の借入は変動金利を前提に考えます。
検討中・保有中の物件について、2段階分の利上げが反映された後の返済額と、その増加を家賃収入と手元資金でどう受け止めるかを、一緒に試算いたします。
売却をご検討の方
金利が上がる局面では、買い手の借りられる額と月々の返済額が変わります。
残債と今の価値の差を並べて、売る・貸す・持ち続けるの選択肢を一緒に確認します。
居住用でご検討の方
変動型か全期間固定型かは、月々の確実さと総支払いのどちらを優先するかで変わります。
借入額と月々の返済、差額の積み立てまで含めて、暮らしに合う無理のない資金計画を一緒に整理していきましょう。
お気軽にお問合せください。
不動産に関するご相談は、LINEからお気軽にどうぞ。毎日7:00〜21:00、無料で対応しています。