固定5年金利はいつピークかーー日銀利上げゴール1.75〜2%が左右、個人向け国債の買い時は来春以降か|ONZA的市況ニュース
2026-09-09

記事内容:固定5年金利はいつピークか、個人向け国債の買い時は来春以降か
2026.9.9の日経新聞で、高めの金利で人気の個人向け国債について、金利のピークがいつ来るかを考える記事が掲載されました。
特に金利が高いのが固定金利5年物で、水準は2%台と大手銀行の5年物定期預金を上回ります。
問題は金利がさらに上がる可能性があり、もっと先の時期に購入した方がいいかもしれないことだと記事は指摘しています。
個人向け国債は、個人が買いやすいように設計された国債です。
長期金利が変動しても元本部分の価格に変化はなく、金利には0.05%の最低金利保証もあります。
発行後1年を経過した時点から中途換金できますが、直前2回分の利子(税引き前)相当額に0.79685をかけた額が差し引かれます。
固定3年、固定5年、変動10年の3つの金利タイプがあり、いま金利が最も高いのは固定5年の2.24%で、他のタイプは2%をやや下回ります(9月募集分)。
銀行の5年物定期預金は3メガバンクのスーパー定期で1.0%(一般的なケース)、ネット銀行などでは1.5%以上の例もありますが、個人向け国債の固定5年の方が高めです。
もっとも金利がさらに上がるなら、ピークを待ってから投資した方が高めの金利を長く享受できます。
固定5年の金利は、一定のルールで市場実勢に基づく5年物国債の想定利回りを計算し、そこから0.05%を引いた水準に設定されます。
つまり固定5年の金利のピークを知るには、5年債利回り(今は2.2%台)のピークの予想が意味を持ちます。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の六車治美氏は「5年債利回りのピーク時期は日銀利上げが最終到達点に達するタイミングとおおむね重なりそうだ」と指摘しています。
10年やもっと長い期間の国債金利が財政リスクなどにも影響されやすいのとは異なり、過去2年半程度の5年債利回りは、日銀利上げの動きに合わせるかのように水準を切り上げてきました。
では、今回の利上げの到達点はどのくらいか。
市場関係者の予想を集めた8月のQUICK月次調査(債券)では、中央値と最頻値が1.75%、単純平均は1.90%でした。
日銀推計の中立金利(経済を刺激も抑制もしない金利)は1.1〜2.5%程度とされ、その上限と下限の平均に近い1.75%や、もう少し高い2%を含めて、1.75〜2%程度が利上げゴールと見なされやすいと記事は整理しています。
到達時期について、東短リサーチの加藤出氏は、金利スワップ市場の取引動向を踏まえると1.75%程度への利上げは2027年4月、2%程度への利上げは同年10月に決まることがおおむね織り込まれているとみています。
みずほ証券の松尾勇佑氏は到達点を1.75%程度と読み、時期は市場の平均的な織り込みよりやや遅い2027年6月と予想し、そのころ5年債利回りは2.55%くらいになる可能性があるとみています。
BNPパリバ証券の河野龍太郎氏は、2028年9月に2.5%と中立金利推計値の上限まで上がるのがメインシナリオで、5年債利回りのピークは同年7〜9月の3%弱程度と読んでいます。
ただし、追加利上げ観測がいったん残る場合、5年債利回りのピークが利上げゴールの時期よりやや遅くなる展開もあり、前回の利上げ局面(2006〜07年)でも、最後となる2回目の利上げの後に5年債利回り(月末値)のピークが訪れました。
いずれにせよ、5年債利回りに関する今の市場予想が正しいなら、個人向け国債の固定5年金利は2027年、場合によっては2028年に向けてさらに上がりうると記事は述べています。
それまで購入を待つ場合、6カ月〜1年物といった銀行預金でつなぐやり方が一案で、ネット銀行など金利が高めのところの利用もいいとしています。
最初から変動10年の個人向け国債を購入する考え方もあり、金利は1.95%と固定5年より低いものの、変動金利なので購入後の上昇も期待できますが、将来金利が低下に転じることもありえます。
最もトクをするやり方を事前に確実に知るのは難しく、最終的には各自の責任で判断するべきだが、日銀利上げの行方に注意を払うことは重要だと記事は結んでいます。
同じ面では、財務省が8日に実施した5年物国債の入札がやや低調との受け止めが多かったと伝えています。
最低落札価格は99円79銭と市場予想(99円83〜87銭)を下回り、テールは4銭と前回の2銭から拡大、応札倍率は3.42倍と前回の4.15倍から縮小しました。
日銀の利上げペースが加速するとの思惑が根強く、積極的な応札が乏しかったためです。
8日午後の国内債券市場では、入札を受けて新発5年債利回りが前日比0.010%上昇し2.240%をつけた後、長期債などの買いが波及して2.225%まで下げる場面がありました。
債券は買われると価格が上がり、利回りは下がる関係にあります。
長期債や超長期債は、日銀の利上げペース加速の観測や急速な円高によるインフレ抑制への期待に加え、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が円資産を積み増すとの思惑から買われ、長期金利は0.045%低い2.885%となりました。
ポイント:個人向け国債と利上げゴールを巡る現在地
👉 固定5年の金利は2.24%、5年定期を上回る
3メガバンクの5年物定期預金1.0%を上回り、金利がさらに上がるならピークを待つ選択も浮上しています。
👉 固定5年金利のピークは、日銀の利上げゴールとほぼ重なる
固定5年の金利は5年債の想定利回りから0.05%を引いて決まり、5年債利回りは日銀利上げの動きに合わせて水準を切り上げてきました。
👉 利上げゴールは1.75〜2%程度、時期は2027年が中心
市場の織り込みは1.75%が2027年4月、2%が同年10月で、2028年9月に2.5%とみる見方もあり、ピークはゴールよりやや遅れる展開もありえます。
👉 待つ間は短期預金でつなぐのが一案
6カ月〜1年物の銀行預金でつなぐ方法や、最初から変動10年(1.95%)を選ぶ方法があり、最もトクな方法を事前に知るのは難しいと記事は結んでいます。
不動産との関係:利上げゴール1.75〜2%を、変動金利ローンの上げ幅の目安に置き換える
個人向け国債の買い時を考える記事ですが、不動産の側から読むと、金利の予想そのものより、借入条件への反映の時期と、返せる額を確かめる材料になります。
記事の核心は、5年債利回りのピークが日銀の利上げゴールとほぼ重なるとみられている、という関係です。
日銀の利上げ観測が強まると、数年先までの短中期の金利見通しが上がり、5年債利回りに反映されやすく、そこから固定5年の募集金利が決まる、という順番です。
ゴールの目安は1.75〜2%程度で、市場では1.75%が2027年4月、2%が同年10月と織り込まれています。
この同じ数字が、変動金利で借りている方、これから借りる方にとっての上げ幅の目安になります。
変動金利のローンは、政策金利の変更を受けて金融機関が短期プライムレートや基準金利を見直し、そこから優遇幅を引いた適用金利が契約条件に従って返済額に反映される、という経路で動くためです。
反映の幅と時期は金融機関と契約ごとに異なります。
日銀の政策金利は現在1.0%程度(2026年6月の決定)ですから、ゴールが1.75〜2%なら、上げ幅は0.75〜1.0%です。
政策金利の上げ幅がそのまま変動金利に反映されると仮定して、月々の返済額を並べます。
前提:借入3000万円、35年、元利均等、変動金利1.0%から上昇
金利1.0%:月々約84,700円
金利1.75%:月々約95,600円(約1.1万円増)
金利2.0%:月々約99,400円(約1.5万円増)
金利2.5%:月々約107,200円(約2.3万円増)
※それぞれの金利が全期間続いた場合の単純比較です。
実際の変動金利は金融機関の基準金利と優遇幅で決まります。
2.5%は河野氏の政策金利見通しと同じ数値を借入金利に当てはめた参考値で、実際の適用金利を示すものではありません
記事のもう一つの材料は時間差です。
5年債利回りのピークは利上げゴールよりやや遅れることがあると記事は述べていますが、変動金利ローンの返済額にも別の時間差があります。
住宅ローンの商品には、適用金利の見直しは年2回、返済額の見直しは5年ごとで、見直し後の返済額は従来の1.25倍までという仕組みを設けているものがあります。
この仕組みの有無と条件は、契約先で確かめます。
政策金利がゴールに達するのが2027年なら、月々の返済額に反映されるのはさらに後になる場合があります。
ただし返済額が据え置かれている間も利息は増えており、その分だけ元本の減りが遅れます。
据え置きは猶予であって免除ではありません。
投資用のローンには、こうした5年ごとの見直しや1.25倍の上限がない商品があるため、契約内容を確かめたうえで、半年ごとに返済額が変わる前提で余力を見ておきます。
金利が上がっても返せる余力を、金融機関の試算で確かめておくことが基本で、金利上昇局面で変動金利をどう考えるかについては変動金利を選ぶ理由 ── 金利上昇局面での選び方で整理しています。
物件種別ごとの価格帯と月々の返済額の目安については、大津市は大津市で住宅ローンの基礎を整理するーー物件種別ごとの価格と、目安の世帯年収・月々の返済額、草津市は草津市で住宅ローンの基礎を整理するーー物件種別ごとの価格と、目安の世帯年収・月々の返済額、守山市は守山市で住宅ローンの基礎を整理するーー注文・建売・マンション別の価格と、目安の世帯年収・月々の返済額で整理しています。
記事が示す待つ間の置き場も、不動産の実務に当てはまります。
ピークまで購入を待つなら6カ月〜1年物の預金でつなぐという記事の考え方は、頭金や諸費用の置き場にそのまま使えます。
個人向け国債は発行後1年で中途換金できますが、直前2回分の利子相当額に0.79685をかけた額が差し引かれるため、1〜2年以内に使う予定の資金は短期の預金に置き、使う時期が決まっていない資金は固定5年や変動10年も選択肢に入る、という分け方になります。
固定型のローンを検討している方には、記事の別の指摘が効きます。
10年やもっと長い期間の国債金利は財政リスクなどにも影響されやすい、という点です。
固定型の金利は長期金利の影響を受けるため、固定型のピークは利上げゴールと重なるとは限りません。
固定を選ぶなら、金利のピークを待つ発想より、返済額が変わらない確実性をいくらで買うか、という判断になります。
金利のピークを当てる問いを、いくらまでなら返せるかという問いに置き換える。
それが、この記事を借入の側から読むときの要です。
ONZAとしての整理
今回の記事で目を引くのは、利上げゴール1.75〜2%と、その時期が2027年4月から10月という、具体的な数字です。
借入3000万円、35年の変動金利1.0%で借りている場合、政策金利の上げ幅がそのまま反映されれば、月々の返済額は約84,700円から約95,600〜99,400円になります。
政策金利が2.5%まで上がるという見方を借入金利にそのまま当てはめれば約107,200円です。
この約1.1万〜2.3万円の増加分を余力として持てているか。
金利のピークがいつかを予想するより先に、この数字を確かめておくことが、ONZAが考える順番です。
時期に幅があること自体が、いま確かめる時間があることを意味します。
もう一つは、記事の結びにある、最もトクをするやり方を事前に確実に知るのは難しい、という言葉です。
個人向け国債の買い時と同じで、不動産でも金利の底や天井を当てて買う時期を決めることはできません。
決められるのは、ゴール水準の金利でも収支が回る物件かどうか、そしてゴール水準でも返せる計画かどうかです。
変動か固定かは、月々の軽さを優先するか、返済額が変わらない確実性を優先するかというご自身の優先順位で決まり、どちらが正解ということはありません。
頭金や諸費用の置き場も同じで、使う時期が決まっている資金は短期に、決まっていない資金は金利の高い置き場に、と時期で分ければ、ピークを当てる必要はなくなります。
まとめ
👉 記事内容の要点
個人向け国債の固定5年は2.24%(9月募集分)で3メガバンクの5年定期1.0%を上回るが、金利がさらに上がるならピークを待つ選択も浮上
固定5年の金利は5年債の想定利回りから0.05%を引いて決まり、5年債利回りのピークは日銀の利上げゴールとほぼ重なる
利上げゴールは1.75〜2%程度で、市場は1.75%を2027年4月、2%を同年10月と織り込み、2028年9月に2.5%との見方もある
待つ間は6カ月〜1年物の預金でつなぐのが一案で、最もトクな方法を事前に知るのは難しいと記事は結ぶ
👉 行動指針
利上げゴール1.75〜2%を変動金利の上げ幅の目安に置き、3000万円35年なら月々約1.1万〜1.5万円増(2.5%なら約2.3万円増)を余力として確かめる
住宅ローンは商品によって年2回の金利見直し・5年ごとの返済額見直し・1.25倍上限の仕組みがあり、反映に時間差があるが、据え置き中も利息は増えると押さえる
投資用ローンは5年ルールや1.25倍上限がない商品があるため、契約内容を確かめ、半年ごとに返済額が変わる前提で余力を見る
頭金や諸費用は使う時期で置き場を分け、1〜2年以内に使う資金は短期預金に置く
ご相談について
投資用でご検討の方
利上げゴールの水準でも収支が回るかが判断の土台になります。
検討中の物件について、家賃の裏付けと金利上昇時の収支まで、一緒に試算いたします。
売却をご検討の方
金利の局面は、買い手の借入計画と予算に影響します。
保有物件の状況とご意向に合わせて、売る・貸す・持ち続けるの選択肢を一緒に確認します。
居住用でご検討の方
住まいは、暮らしやすさと無理のない資金計画で選ぶのが基本です。
利上げゴールの水準で返せるかを軸に、変動と固定の考え方も含めて一緒に整理していきましょう。
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