家計、株式・投信へシフトーー保険・年金を初の逆転、6月末の株式・投信残高は44%増の679兆円、現預金の割合は45%に|ONZA的市況ニュース
2026-09-18

記事内容:家計が株式・投信へシフト、保険・年金を初めて逆転
2026.9.18の日経新聞で、株高や投資意欲の高まりで家計の投資シフトが加速していると報じられました。
日銀が17日に公表した資金循環統計によると、家計が保有する株式・投資信託は3月時点で初めて保険・年金を上回りました。
同日に遡及改定された3月末のデータでは、株式と投資信託を合わせた残高は590兆円、保険・年金などは579兆円で、統計を遡れる2005年3月以降で逆転は初めてです。
差は6月末の速報値でさらに広がりました。
6月末時点の家計の金融資産残高は2519兆円で、前年同期比11.0%増と、伸び率は1〜3月期の8.1%から拡大しました。
家計の株式・投資信託の残高は6月末時点で前年同期比44%増の678兆9608億円で、増加は14四半期連続、この4四半期は連続で20%を超える高い伸びが続いています。
6月下旬に日経平均株価が7万円を突破して家計が保有する株式や投信の評価額が上昇したことに加え、円安の進行による外貨建て資産の円換算額の増加も全体を押し上げました。
新NISA(少額投資非課税制度)を通じて株式などリスク性資産への資金流入が増えていることも大きく、新NISA導入前の2023年12月末と比べると、6月末の株式・投資信託の残高は73%増えています。
一方、家計の現預金の残高は1131兆円で前年同期比0.5%増にとどまり、家計資産に占める割合は45%でした。
価格変動の影響を除いた純流入額でも株式・投資信託の増加は顕著で、4〜6月期の流入は3.7兆円と2四半期連続で3兆円を上回り、投資信託のみで見ると3.9兆円の流入でした。
資産運用業協会によると、上場投資信託(ETF)を除く公募株式投信で投信を新たに買った額を示す設定額は6月に6兆3958億円で過去最高となり、設定額から解約・償還額を差し引いた純資金流入額も2兆5931億円と、過去最大だった2026年1月の2.7兆円に迫りました。
保険・年金などの6月末の残高は585兆8334億円で1年前と比べ3%増、4〜6月期の純流入額は382億円でした。
生命保険協会によると、生保各社が解約時に契約者に渡す解約返戻金は2026年1〜6月期で7.2兆円にのぼり、同期間としてはデータを遡れる2020年以降で過去最高です。
国内の金利上昇を受けて保険商品の予定利率(保険契約者に約束する利回り)が上がり、相対的に妙味が低下した既存契約を見直す動きが出ています。
個人に資産運用の助言をするファイナンシャルスタンダードの福田猛代表は「貯蓄目的での保険を解約して、運用効果の高い投資信託に回したいという人は一定数いる。
預金から投資信託への資金流入も多い」と説明しています。
投資に対する意識の変化も大きく、バリューアドバイザーズ社長でファイナンシャルプランナーの五十嵐修平氏は「NISAの誕生や金融リテラシーの向上で、投資を怖がっていた人々のイメージが変わった」と指摘します。
従来は病気や死亡などに備える保障と資産形成を兼ねた保険商品の活用が多かったものの、「特に若い人の間で、投資は証券、保障は保険でという考え方が広がっている」と五十嵐氏は話しています。
家計のマネーは利回りが改善した国債にも流れており、家計の国債・財投債の保有残高は6月末に21.9兆円と2013年6月以来の高水準です。
財務省・金融庁は2027年度の税制改正要望に個人向け国債への税制優遇を盛り込むなど普及の後押しに積極的です。
長らく家計の資産残高の3割を占めていた保険・年金は足元で23%と4分の1を割り込み、現預金の割合も2025年6月に18年ぶりに50%を下回りました。
金利や株価の上昇などを背景に、家計の資産構成は転換期を迎えていると記事は結んでいます。
ポイント:家計の資産構成を巡る現在地
👉 株式・投信が保険・年金を初めて逆転
3月末の残高は株式・投信590兆円に対し保険・年金579兆円で、2005年3月以降で初めての逆転です。
👉 6月末の株式・投信は44%増の679兆円
株高と円安による評価額の上昇に加え、新NISA導入前の2023年末比で残高は73%増え、4〜6月期の純流入も3.7兆円と2四半期連続で3兆円を上回りました。
👉 保険からの資金移動と解約返戻金7.2兆円
金利上昇で予定利率が上がり、妙味が低下した既存契約を解約して投信に回す動きが出ています。
👉 現預金は45%、保険・年金は23%へ
現預金の割合は2025年6月に18年ぶりに50%を下回り、保険・年金は3割から4分の1を割り込み、家計の資産構成は転換期にあると記事はみています。
不動産との関係:資金循環統計に入らない不動産を、家計の表に足して見る
逆転が起きた経路は3つに分かれます。
1つ目は評価額の上昇で、日経平均が7万円を超え、円安で外貨建て資産の円換算額が膨らんだ結果、すでに持っている株式や投信の残高が増えました。
2つ目は純流入で、4〜6月期に株式・投信へ3.7兆円が新たに入り、記事は新NISAを通じたリスク性資産への流入の増加を背景に挙げています。
3つ目は保険からの移動で、金利上昇で新しい契約の予定利率が上がった分、古い契約の利回りが見劣りするようになり、既存契約の見直しを機に投信へ回す人が一定数いると専門家はみています。
記事が価格変動の影響を除いた純流入を別に示しているのは、残高の伸びのうち相場によるものと、家計が自分で動かしたものを分けて見るためです。
まず、金融資産、不動産の評価額、ローンの残債を同じ表に置きます。
この統計が扱うのは家計の金融資産で、6月末の2519兆円には預金、保険、株式、投信、国債が含まれ、住まいや投資用の物件といった実物の不動産は含まれていません。
記事のいう資産構成の転換期は、金融資産の中での入れ替わりです。
個人が自分の資産構成を確かめるときは、金融資産と実物資産を並べ、住宅ローンや投資用ローンの残債を差し引いて純資産を見ます。
自宅や投資用物件の評価額と、その裏側にある残債を同じ表に並べて初めて、家計の全体像になります。
五十嵐氏が伝える、投資は証券、保障は保険という役割分担に不動産を足すと、不動産の役割は住まいと、入居者との契約に基づく家賃で、金融資産のどれとも重ならない位置にあります。
記事が純流入で見るのと同じ分け方を、不動産にも当てはめられます。
不動産の資産価値の動きは、評価額の変動と、自分で積み上がる部分の2つです。
自分で積み上がる部分は、家賃の手残りと、毎月の返済で減っていく残債です。
残債が減った分だけ純資産は増えます。
相場は動かせませんが、返済予定表に沿った元本の返済は見通しを立てやすい部分で、家賃の手残りは空室、修繕、変動金利の負担で変わる部分です。
数字で並べます。
○前提:借入3000万円・金利2.0%・35年・元利均等・金利は変わらないものとする
○月々の返済:99,379円(年約119万円)
○1年目の内訳:元本の返済 約60万円、利息 約59万円
○10年後の残債:約2345万円(655万円の減少=純資産の増加)
※元本の返済分は、家賃の手残りがある年もない年も、返済を続ける限り毎年積み上がります。
家賃の手残りが薄い年があっても残債の減少で長期の手残りが成り立つ仕組みについてはなぜ "毎月赤字" でもワンルーム投資が成立するのか、ゼロから解説 ── 元ワンルームデベトップ営業がフェアに答えるで整理しています。
元本の返済で残債が減る仕組みは区分、一棟、戸建てに共通で、空室、修繕、売却の条件は物件の種別で異なります。
記事が伝える預金から投信への流れは、現預金1131兆円のうち動かせる分が動き始めたということです。
生活防衛資金と近い将来に使う予定の資金を除いた余剰の置き場を決めるときは、証券、保険、不動産を役割で並べて、成長を期待する分、保障に充てる分、家賃で受け取る分に分けます。
現金で持つ金額の目安と余剰の働かせ方については預金は「0.1%への投資」である ── なぜ現金保有を最小化するべきかで整理しています。
順番は、金融資産と実物資産を並べて残債を差し引いた表を作る、不動産の評価額と自分で積み上がる部分を分ける、現預金の余剰を役割で振り分ける、の3段階です。
ONZAとしての整理
今回の記事で目を引くのは、株式・投信の残高が44%増えた一方で、価格変動を除いた純流入は3.7兆円だったという2つの数字の差です。
残高の増加には株高と円安による評価額の上昇と資金の流入の両方が寄与しており、記事が純流入を別に示すことで、相場によるものと家計が自分で動かしたものを分けて捉えられます。
相場は個人には動かせません。
ONZAが不動産を持つときに、評価額の動きと自分で積み上がる部分を分けて見るのは、この記事と同じ理由です。
残債の減少は家賃の手残りとは別に純資産を増やすため、家賃の手残りが薄い年があっても、長期の手残りで見ます。
購入時には家賃、空室と修繕、返済、金利が上がったときの負担をまとめて確かめ、持ち続けられる余力を確保しておくと、長く持つほどこの積み上げは大きくなり、完済後は家賃がそのまま手残りになります。
もう一つは、転換期の家計の表に不動産がどう載るかです。
資金循環統計に不動産が入らないのは統計の設計で、家計の表からは外れません。
投資は証券、保障は保険という役割分担が広がるなら、不動産は住まいと家賃という役割で並びます。
駅からの距離に加えて、周辺の募集賃料、募集の回転、競合する供給を確認できる好立地の区分は、家賃が続きやすい分、堅実な利回りで長く持つ資産として、この表の一角に置けます。
借入で持つ場合は変動金利を主軸に、金利が上がっても返せる余力をセットにします。
現預金の余剰をどこに置くかは、成長、保障、家賃という役割から決めれば、投信も保険も不動産も同じ表の上で比べられます。
まとめ
👉 記事内容の要点
日銀の資金循環統計で、家計の株式・投信が3月時点で初めて保険・年金を上回り、3月末は590兆円対579兆円、6月末の株式・投信は44%増の678兆9608億円
6月末の家計金融資産は2519兆円で11.0%増、株高と円安の評価益に加え、4〜6月期の純流入は3.7兆円で、新NISA導入前の2023年末比で残高は73%増
保険・年金は3%増にとどまり、金利上昇で予定利率が上がった分、妙味が低下した既存契約の解約返戻金は1〜6月で過去最高の7.2兆円
現預金は1131兆円で45%、保険・年金は23%、国債は21.9兆円と、家計の資産構成は転換期にあると記事はみている
👉 行動指針
家計の資産構成は、金融資産と自宅や投資用物件の評価額を並べ、住宅ローンや投資用ローンの残債を差し引いた純資産で見る
不動産は評価額の動きと、家賃の手残りと残債の減少という自分で積み上がる部分を分けて見て、相場に左右されない積み上げを長く持つ
現預金の余剰は、成長、保障、家賃という役割で証券、保険、不動産に振り分け、借入で持つ場合は変動金利を主軸に金利が上がっても返せる余力をセットにする
ご相談について
投資用でご検討の方
不動産の資産価値は、評価額の動きと、家賃の手残りと残債の減少という積み上げの2つで見ます。
検討中の物件について、残債の減り方と金利が上がった場合の収支まで、一緒に試算いたします。
売却をご検討の方
家計の表を見直して売却を考える場合は、残債、家賃収入、想定される買い手の属性を並べて確かめます。
物件の状況とご意向に合わせて、売る・貸す・持ち続けるの選択肢を一緒に確認します。
居住用でご検討の方
住まいは、暮らしやすさと無理のない資金計画で選ぶのが基本です。
金利が動く前提での返済計画も含めて、返せる額を軸に一緒に整理していきましょう。
お気軽にお問合せください。
不動産に関するご相談は、LINEからお気軽にどうぞ。毎日7:00〜21:00、無料で対応しています。