大津市で土地探しから注文住宅を建てるーー土地選び・資金計画・建築の流れ
建売や中古住宅と比べ、土地から注文住宅を建てる場合は、土地と建物を別々に進めることになります。
間取りや性能を自分の暮らしに合わせやすい反面、契約も支払いも二段階になるため、建売や中古を買うときとは段取りも資金計画も変わってきます。
この記事では、京都・滋賀エリアを専門とするONZA Estate代表の飯田の視点から、大津市で土地から注文住宅を建てる流れを、土地探し・資金計画・建築の進め方の順に整理いたします。
建物費用は幅で捉える前提で、ご自身の計画に当てはめて読み進めてください。
大津市で「土地から注文住宅」を考える前に
注文住宅は自由度が高いぶん決めることが多く、全体の段取りと総額の見通しを最初に持っておくことが大切になります。
大津市の土地事情で押さえておきたいのは、市域が南北45.6kmと長く、山と琵琶湖に挟まれて平地が限られることです。
中心市街地の駅徒歩圏は土地が限られ価格も高めになりやすく、郊外や湖西の住宅地は敷地にゆとりを持たせやすい傾向があります。
「どのエリアで、どれくらいの広さの土地に、どんな建物を」を、資金計画とセットで考えることが出発点です。
大津市の土地相場と土地探しの進め方
まず、土地の価格水準をつかんでおきましょう。
2026年(令和8年)の公示地価では、大津市の住宅地平均は1㎡あたり約8.4万円(坪あたり約27.8万円)で、前年から+1.6%程度の上昇です(国土交通省 地価公示。集計により幅があります)。
ただしこの平均は郊外や山あいの住宅地を含んだ数字で、大津駅・膳所周辺などの中心市街地は市平均を大きく上回ります。
大津市は市内の価格分散が非常に大きいため、市平均で予算を考えると駅前の実際と合わないという点は押さえておきたいところです。
土地の探し方には、主に次の経路があります。
○ 不動産会社(仲介)を通じて売地・宅地を探す
○ 分譲地(区画整理されたまとまった宅地)から選ぶ
○ 建築条件付き土地から選ぶ
このうち建築条件付き土地は、土地の売買契約後、一定期間(おおむね3か月程度)内に指定の建築会社と建築請負契約を結ぶことが条件になっている土地です。
価格が手頃な場合がある一方、建築会社を選べず相見積りが取りにくい、設計の自由度が限られる、検討期間が短いといった注意点があります。
期間内にプランがまとまらない場合は白紙解除となり手付金等が返還されるのが原則ですが、条件や返金の範囲は契約により異なるため、契約前に必ず確認しておきましょう。
土地選びで確認したいポイント(法規・防災)
土地は、価格だけでなく「その土地に希望の家が無理なく建てられるか」を確認することが大切です。
法規の面では、次の点を押さえます。
○ 用途地域と建ぺい率・容積率(建てられる建物の規模が決まる)
○ 市街化区域か市街化調整区域か(調整区域は原則として住宅の新築が制限される)
○ 接道状況(原則として、幅員4m以上の建築基準法上の道路に敷地が2m以上接しているか。4m未満の道路に接する敷地では、建て替え時にセットバックが必要になる場合がある)
大津市は市域の多くが山林や市街化調整区域のため、区域区分の確認が特に重要です。
用途地域や都市計画図は、大津市の地図検索サービス「My Townおおつ」で確認でき、防災マップや盛土規制の区域も同じサービスで見られます。
市が立地適正化計画で定める居住を誘導する区域(災害リスクの高い区域は除いて設定)も、土地選びの参考になります。
あわせて、大津市ならではの確認点も押さえておきましょう。
○ 造成・擁壁:大津市は令和7年(2025年)4月1日から市内全域が盛土規制法の規制区域。造成や擁壁の工事には許可・届出が必要になる場合があり、斜面地の土地は造成の履歴や擁壁の状態を確認する
○ がけ:がけに近い敷地では、建築の際に制限や対策費用が生じる場合がある
○ 風致地区:建て方や緑地の確保に制約のある地区がある
防災の面では、浸水・土砂災害のリスクを住所単位で確認します。
現行のハザードマップは令和4年3月作成で、令和8年度中に新版が作成される予定のため、最新版もあわせて確認してください(見方は別記事「大津市のハザードマップと防災リスク」で整理しています)。
地盤が弱い場合の改良費や、土地の形状・高低差・日当たりも、総額と暮らしに影響する確認点です。
大津市での注文住宅の資金計画ーー土地と建物の総額で考える
注文住宅では、土地代・建物代・諸費用を合わせた「総額」で資金計画を立てることが大切です。
参考として、住宅金融支援機構の「2025年度フラット35利用者調査」では、土地付注文住宅の建設費は全国平均で約3,738万円、土地取得費は約1,575万円と、いずれも前年度から上昇しています。
これは全国平均の調査値であり、建物費用は依頼する会社や仕様で幅が大きいため、一つの数字で決め打ちせず幅で捉えるのが現実的です。
総額の主な内訳は、次のように分けて考えると整理しやすくなります。
○ 土地代:エリアと広さで決まる(大津市は市内の価格差が大きい)
○ 建物代:延床面積と仕様で決まる(会社・仕様で幅が大きく、建築費は上昇傾向が続いている)
○ 付帯工事:地盤改良・外構・引込みなど(別途かかることが多い)
○ 諸費用:登記・ローン関連・税金など、土地建物の総額のおおむね6〜10%が目安(内訳は別記事「大津市で住宅購入にかかる諸費用と税金」をご参照ください)
資金面で建売や中古と違うのは、土地と建物で支払いの時期がずれる点です。
土地の代金は建物が完成する前に必要になるため、住宅ローンが実行されるまでの間を「つなぎ融資」や「土地先行融資」でまかなう方法があります。
つなぎ融資は一般に無担保で一時的に借りるぶん金利が高めで、つなぎ部分は住宅ローン控除の対象外とされています。
一方の土地先行融資(分割融資)は、土地を担保に土地分を先に借りる方法で、つなぎ融資より金利が低めの場合が多く、新築の日前2年以内に取得した土地であることなどの要件を満たせば住宅ローン控除の対象になり得ます(控除を受けられるのは入居した年からです)。
ただし、担保の設定や金利、控除の扱いは金融機関・商品・契約内容によって異なるため、どちらが使えるかも含めて早めに金融機関へ相談し、控除の要件は国税庁などの公式情報で確認してください。
住宅ローンの金利は、変動・固定のどちらにするかで返済額が変わります。
変動金利は2026年に入り上昇傾向にあり、低めの金利を活かす場合も、金利が上がっても返せる返済額かの確認が前提です。
固定は返済額が完済まで読める一方、当初の返済額は変動より高くなりやすい面があります。
土地予算・建物予算を含めた総額の整理は、購入・賃貸を問わずLINEからもお気軽にご相談ください。
建築会社の選び方と建築の進め方
注文住宅は、土地探しと建築会社選びを並行して進めると、土地に合った建物の見通しが立てやすくなります。
会社によって得意な工法・性能・価格帯が異なるため、複数社に相談し、設計と見積もりを比較して選ぶのが基本です。
建築の大きな流れは、次のとおりです。
○ 住宅ローンの事前審査(資金枠の確認)
○ 土地の検討と並行して、建築会社へ相談・プラン依頼
○ 土地の売買契約と決済(つなぎ融資/土地先行融資の実行タイミングを確認)
○ 建築請負契約・設計の打ち合わせ・仕様の決定
○ 着工から上棟、完成・引渡し(住宅ローン本実行)
特に土地の売買契約前に、希望する建物が法規や敷地形状に収まるか、付帯工事を含む概算総額が予算内かを建築会社と確認しておくと、土地を買ってから計画が合わない行き違いを防げます。
なお2025年4月以降に着工する新築住宅は省エネ基準への適合が義務化されているため、設計は基準適合が前提になります。
期間は土地・設計・工事の条件で変わりますが、土地探しを含めると1年前後かかることも多く、入居したい時期から逆算して計画することが大切です。
注文住宅が向いている人ーー建売・中古と迷ったとき
注文住宅・建売・中古は、優劣ではなく暮らし方と進め方で選ぶものです。
注文住宅が向いているのは、次のような方です。
○ 間取りや性能、素材に希望があり、設計から関わりたい
○ 入居まで時間をかけられ、逆算して計画を進められる
○ 土地から選んで、エリアや敷地条件にこだわりたい
一方で、入居時期を早めたい、総額を早く固めたい、完成した実物を見て決めたいという場合は、建売が合いやすい選び方です(別記事「大津市で建売を選ぶときのポイント」へ)。
立地を最優先したい場合は、中古戸建てやリノベーションも有力な選択肢になります(別記事「大津市で中古住宅を検討する際のポイント」へ)。
大津市では、駅徒歩圏は土地が出にくいぶん、建売・中古も含めて検討し、郊外や湖西でゆとりある土地から注文住宅を建てる、といった組み合わせも現実的です。
まとめ:大津市で土地から家を建てるときのチェックリスト
最後に、土地から注文住宅を建てる際の確認ポイントを整理します。
○ 土地・建物・付帯工事・諸費用を合わせた総額での資金計画
○ 土地相場の把握(市平均は郊外含みで低め=中心市街地は大きく上回る。市平均で予算を考えない)
○ 用途地域・建ぺい率/容積率・市街化調整区域・接道の確認(My Townおおつが入口になる)
○ ハザード・地盤・土地の形状・日当たりの確認(ハザードマップは令和8年度中に新版予定)
○ 斜面地は造成の履歴・擁壁の状態(市内全域が盛土規制法の規制区域)
○ 建築条件付き土地は、建築会社・期間・白紙解除の条件の確認
○ つなぎ融資・土地先行融資の可否・実行時期・必要な自己資金を金融機関に確認
○ 金利タイプ(変動・固定)の選択は、上昇への耐性と家計の余力で判断
○ 建築会社は複数社で設計・見積もりを比較し、土地の契約前に概算総額を確認
土地から注文住宅を建てる道は、手間と時間がかかるぶん、エリアも住まいも自分の希望に合わせて選べるのが魅力です。
大切なのは、土地・建物・資金を別々にではなく一体で見て、無理のない総額に収めることです。
大津の街全体の特徴は、別記事「大津市はどんな街?」もあわせてご覧ください。
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