京都市の人口と住宅需要の今後ーー将来推計と世帯の変化(単身・高齢・学生・外国人)から読む
京都市の人口は減り始めていますが、住まいが必要になるのは「人」ではなく「世帯」です。
人口の総数だけでなく、どんな世帯が増え、どんな世帯が減っているかを見ると、これからの住宅需要の姿が見えてきます。
この記事では、京都・滋賀エリアを専門とするONZA Estate代表の飯田の視点から、2025年国勢調査の確報と国の将来推計をもとに、京都市の世帯の変化と住宅需要を整理いたします。
数値や制度は2026年10月時点で確認した情報です。
京都市の人口と世帯ーー2025年国勢調査の確報
2026年9月29日に公表された2025年国勢調査の確報値では、京都市の人口は1,430,062人で、2020年から33,661人(2.3%)減りました。
一方で世帯数は757,287世帯と27,763世帯(3.8%)増え、1世帯あたりの人数は1.89人と、1920年の調査開始以来もっとも少なくなっています。
65歳以上の割合(高齢化率)は28.5%で過去最高、15歳未満の割合は9.2%で過去最低です。
区ごとの増減や中心部と周辺区の違いは別記事「京都市の中心部と周辺区、住むならどちら?」、需給と価格の見方は「京都市の住宅は資産価値を維持できる?」で整理しています。
京都市の将来人口推計ーー2050年に約124万人、2025年は推計を下回る
国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」では、京都市の人口は次のように見込まれています。
○ 2030年:1,411,864人
○ 2040年:1,331,683人
○ 2050年:1,240,645人(2020年比15.2%減)
この推計は2025年を1,442,014人と見込んでいましたが、確報値はそれより約1.2万人少なくなりました。
区ごとの2025年の推計と確報、2050年の見通しは次のとおりです。
| 区 | 2025年の推計 | 2025年の確報 | 2050年の水準(2020年=100) |
|---|---|---|---|
| 北区 | 114,533人 | 114,210人 | 80.5 |
| 上京区 | 83,454人 | 83,053人 | 89.4 |
| 左京区 | 164,174人 | 162,180人 | 86.4 |
| 中京区 | 111,506人 | 111,231人 | 96.4 |
| 東山区 | 35,261人 | 35,127人 | 79.1 |
| 山科区 | 132,385人 | 128,186人 | 80.4 |
| 下京区 | 83,686人 | 84,410人 | 97.1 |
| 南区 | 101,899人 | 102,653人 | 90.9 |
| 右京区 | 199,622人 | 196,189人 | 86.6 |
| 西京区 | 143,826人 | 142,932人 | 77.2 |
| 伏見区 | 271,668人 | 269,891人 | 79.2 |
2025年の確報が推計を上回ったのは下京区と南区で、中京区と下京区は2050年も2020年の9割台後半を保つ見込みです。
区によって推計には差がありますが、推計は2020年までの傾向をもとにした方向感で、住宅の供給や街の更新によって変わりえます。
一人暮らしが半数を超えた京都市の世帯
世帯の中身を見ると、2025年の一般世帯756,129世帯のうち、一人暮らし(単独世帯)は399,345世帯で52.8%と半数を超えました。
2020年の48.1%から、5年で約5ポイント上がっています。
世帯の形ごとの変化は次のとおりです(2020年→2025年)。
○ 単独世帯:350,775→399,345(13.8%増)
○ 夫婦のみの世帯:122,087→123,545(1.2%増)
○ 夫婦と子供の世帯:152,226→139,379(8.4%減)
○ 4人の世帯:70,406→61,685(12.4%減)
2020年の調査では、一人暮らし世帯の約6割(59.4%)が民営の借家に住んでいました。
世帯が小さくなるほど、ワンルームや1LDK・2LDKのようなコンパクトな住まいの需要が厚くなります。
高齢化と、高齢の一人暮らし
社人研の推計では、65歳以上の割合は2030年に30.0%、2040年に34.7%、2050年に37.4%へ上がる見込みです。
65歳以上の一人暮らし世帯は、2020年の95,220世帯から2025年には101,652世帯に増えました。
2020年の調査では、65歳以上の一人暮らしの約6割(61.2%)が持ち家に住んでいます。
高齢の世帯が増えると、駅やバス停、病院に近く段差の少ない住まいへの住み替えの需要が生まれる一方、住み替えや相続をきっかけに空き家になる住まいも出てきます。
京都市の空き家はすでに10万5,300戸あり(2023年)、実家の活かし方は別記事「京都市の実家・空き家をどうするか」で整理しています。
ご家族の変化に合わせた住み替えや、広さ・エリアの整理は、購入・賃貸を問わずLINEからお気軽にどうぞ。
学生と外国人住民ーー京都ならではの賃貸需要
京都市には大学・大学院の学生が15万5,713人(2025年度)おり、人口の約1割にあたります。
外国籍の住民も、2020年12月末の45,637人から2025年12月末には67,815人に増え、そのうち留学が21,580人(約3割)を占めます。
学生や留学生の住まいは単身向けの賃貸が中心になりやすく、大学や駅に近いエリアの賃貸需要を支える要素の一つです。
一人暮らしの部屋探しは、別記事「京都市で一人暮らしを始める」で整理しています。
世帯の変化から読む住宅需要と住まい選び
ここまでの変化を住宅需要に置き換えると、次のようになります。
○ 単身・2人の世帯:コンパクトな住まいの需要が厚い。賃貸に加え、中古マンションの1LDK・2LDKも選択肢になる
○ 子育て世帯:夫婦と子供の世帯は減り、市の分析では30歳代を中心に市外への転出が多い。広さと価格の両立が課題になる
○ 高齢の世帯:駅やバス停に近い住まいへの住み替えと、持ち家の活かし方が課題になる
○ 学生・外国人住民:大学や駅の近くで、単身向けの賃貸需要を支える
人口が減るからといって、住宅需要が同じ割合で減るわけではありません。
世帯数はまだ増えており、駅や生活の拠点に近い立地は同じ条件のものを後から増やしにくいため、需要が集まりやすい傾向があります。
一方で、周辺の区にも広さや住環境を求める暮らしの需要があり、どちらが良いという話ではありません。
推計は前提が変われば変わるため、方向感として押さえたうえで、ご自身の暮らしに合うかで判断することが大切です。
子育て世帯の住まい選びは、別記事「京都市は子育てしやすい?」でも整理しています。
まとめ:京都市の人口と世帯の変化から読み取れること
○ 人口:1,430,062人(2025年確報・2020年比2.3%減)。社人研は2050年に約124万人と推計し、2025年は推計を約1.2万人下回った
○ 世帯:757,287世帯(3.8%増)で、1世帯あたり1.89人と過去最少
○ 一人暮らし:一般世帯の52.8%と半数を超え、夫婦と子供の世帯は8.4%減
○ 高齢化:65歳以上の割合は28.5%で、2050年に37.4%の見込み。65歳以上の一人暮らしは101,652世帯
○ 学生・外国人:学生15万5,713人、外国籍の住民67,815人(うち留学が約3割)
○ 住宅需要:世帯の小規模化でコンパクトな住まいの需要が厚い。駅や生活の拠点からの距離と、自分の暮らしに合うかで判断する
人口や世帯の数字は、住まい選びの土台であって答えそのものではありません。
マクロの動きを押さえたうえで、ご家族の暮らし方に合うエリアと住まいの形を選んでいくことが、長く納得できる住まい選びにつながります。
京都の街全体の特徴は、別記事「京都市はどんな街?」もあわせてご覧ください。
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