京都市で住宅ローンの基礎を整理するーー物件種別ごとの価格と、目安の世帯年収・月々の返済額
京都市では、どの駅で、どの種別の物件を選ぶかによって、必要な借入額が大きく変わります。
借りられる額ではなく、長く無理なく返せる月々の額を起点に、駅と物件種別を考えることが大切です。
この記事では、京都・滋賀エリアを専門とするONZA Estate代表の飯田の視点から、京都市の物件種別ごとの価格帯と、借入額に応じた月々の返済額・目安の世帯年収を整理いたします。
数値や制度は2026年10月時点で確認した情報です。
京都市の物件種別と価格帯ーー駅によって約4倍の差
SUUMOに掲載された物件の価格の中央値(集計期間2025年7月1日〜2026年6月30日・各駅徒歩15分以内)を、物件種別ごとに主な駅で並べると次のとおりです。
| 物件種別 | 駅 | 掲載価格の中央値 |
|---|---|---|
| 中古マンション(60〜80㎡) | JR山科駅 | 2,135万円 |
| 中古マンション(60〜80㎡) | JR京都駅 | 4,630万円 |
| 中古マンション(60〜80㎡) | 北大路駅 | 5,280万円 |
| 中古マンション(60〜80㎡) | 烏丸御池駅 | 8,380万円 |
| 新築一戸建て(建物80〜100㎡) | 淀駅 | 2,798万円 |
| 新築一戸建て(建物80〜100㎡) | 丹波橋駅 | 4,639万円 |
| 新築一戸建て(建物80〜100㎡) | 一乗寺駅 | 5,780万円 |
同じ60〜80㎡の中古マンションでも、JR山科駅と烏丸御池駅では約4倍の差があります。
いずれも売り出し時の掲載価格で成約価格ではなく、築年や広さ、駅からの距離で個々の物件の価格は変わります。
土地を買って家を建てる場合の参考として、住宅金融支援機構の「2025年度フラット35利用者調査」では、京都府でフラット35を利用して土地付注文住宅を建てた人の建設費は平均3,429.7万円、土地取得費は平均1,901.4万円で、合計は約5,331万円でした。
そもそも借りるか買うかから迷っている場合は、別記事「京都市で賃貸と購入はどちらがいい?」もあわせてご覧ください。
金利の前提ーー2026年10月の水準
試算の前提となる、2026年10月の金利の水準は次のとおりです。
○ 変動金利:大手行の例では、最も優遇された場合で年1.2%程度。同行は2026年12月から変動金利の基準金利を見直すと発表している
○ 全期間固定金利:フラット35の最も多い金利は年3.830%(借入期間21〜35年・融資率9割以下)。9月の年3.460%から上がっている
この記事では変動金利を前提に試算します。
変動金利は、元本がいちばん大きい返済の序盤に低い金利が効くため、同じ返済額でも元本が早く減りやすいのが利点です。
一方で、金利が上がれば返済額は増えるため、次の章では金利が1%高い場合も示します。
変動と固定の選び方や、5年ルール・125%ルールの仕組みは、別記事「京都市で30代・40代が住まいを選ぶときの判断軸」で整理しています。
借入額別ーー住宅ローンの月々の返済額と目安の世帯年収
試算の前提は次のとおりです。
○ 金利:年1.2%(変動金利の2026年10月の水準の目安)と、1%高い年2.2%の2通り
○ 返済期間:35年・元利均等返済・ボーナス返済なし
○ 目安の世帯年収:年1.2%のときの年間返済額が、額面年収の25%になる水準
○ 諸費用・固定資産税・管理費・修繕積立金:別途
| 借入額 | 月々の返済額(年1.2%) | 月々の返済額(年2.2%) | 目安の世帯年収 |
|---|---|---|---|
| 2,000万円 | 約5.8万円 | 約6.8万円 | 約280万円 |
| 3,000万円 | 約8.8万円 | 約10.2万円 | 約420万円 |
| 4,000万円 | 約11.7万円 | 約13.7万円 | 約560万円 |
| 5,000万円 | 約14.6万円 | 約17.1万円 | 約700万円 |
| 6,000万円 | 約17.5万円 | 約20.5万円 | 約840万円 |
| 8,000万円 | 約23.3万円 | 約27.3万円 | 約1,120万円 |
金利が1%高いと、月々の返済額は約17%増えます(4,000万円なら約11.7万円→約13.7万円)。
年2.2%の列は当初から金利が1%高い場合の試算で、実際の返済額の変わり方は商品によって異なりますが、「金利が上がっても返せるか」を確かめる目安になります。
目安の世帯年収は、住宅ローンの返済負担率(額面年収に占める年間返済額の割合)25%で逆算したものです。
審査ではさらに高い比率まで認められることがあり、たとえばフラット35の基準は、年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下です(ほかの借入の返済も含む)。
ただし、これらは借りられる額の上限に近い目安で、推奨する額ではありません。
※概算です。実際の金利と返済額は金融機関で確認してください。
ご年収に合わせた借入額や物件の試算は、LINEからお気軽にどうぞ。
京都市の価格に当てはめると
最初の表の価格を、頭金なしで全額借りた場合に当てはめると、次のようになります(年1.2%・35年・元利均等返済)。
| 物件の例 | 価格 | 月々の返済額 | 目安の世帯年収 |
|---|---|---|---|
| JR山科駅の中古マンション | 2,135万円 | 約6.2万円 | 約300万円 |
| 淀駅の新築一戸建て | 2,798万円 | 約8.2万円 | 約390万円 |
| JR京都駅の中古マンション | 4,630万円 | 約13.5万円 | 約650万円 |
| 丹波橋駅の新築一戸建て | 4,639万円 | 約13.5万円 | 約650万円 |
| 土地付注文住宅(京都府の平均) | 約5,331万円 | 約15.6万円 | 約750万円 |
| 烏丸御池駅の中古マンション | 8,380万円 | 約24.4万円 | 約1,170万円 |
同じ年収でも、駅と物件種別によって手の届く範囲は大きく変わり、駅の選び方しだいで必要な借入額が数千万円単位で変わることもあります。
参考として、前述のフラット35利用者調査で京都府の土地付注文住宅の利用者を見ると、世帯年収は平均697.6万円、ほかの借入も含めた返済負担率(総返済負担率)は平均28.2%、月々の予定返済額は平均15.64万円でした。
無理のない借入額の考え方
目安の世帯年収は上限に近い水準のため、無理のない借入額は次の4点から考えます。
返済は手取りの20%程度を目安に
教育費や老後の備えまで考えると、返済は手取り収入の20%程度に収めると家計に余裕が残りやすくなります。
車を持つなら、駐車場代などの車の費用も毎月の固定費として考えましょう。
金利が上がった場合の返済額でも確かめる
変動金利で借りるなら、年2.2%の列のように金利が上がった場合の返済額でも家計が回るかを確かめ、手元資金も厚く残しておくと備えになります。
返済以外の維持費も見込む
マンションなら管理費と修繕積立金が毎月かかり、全国平均は管理費が月1万1,503円、修繕積立金が月1万3,054円です(国土交通省「令和5年度マンション総合調査」・1戸あたり)。
戸建てでも、外壁や屋根、設備の修繕に備えた積み立てが必要です。
固定資産税(税率1.4%)と都市計画税(税率0.3%・市街化区域内の土地と家屋が対象)も毎年かかるため、「返済+維持費」の合計で無理がないかを確認します。
頭金を入れれば、目安の世帯年収は下がる
頭金を入れて借入額を抑えれば、月々の返済も目安の世帯年収も下がります。
ただし、物件価格とは別に諸費用もかかるため、手元資金とのバランスで頭金の額を決めましょう(諸費用と税金の内訳は別記事「京都市で住宅購入にかかる諸費用と税金」)。
共働きならペアローン・収入合算という選択肢
中心部で探すほど、一人の収入では希望の物件に届かないこともあります。
二人の収入を合わせて借りる方法には、次の2つがあります。
| 方法 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| ペアローン | 二人がそれぞれ住宅ローンを契約し、それぞれが債務者になる | 二人とも返済義務を負い、団体信用生命保険(団信)もそれぞれの借入にかかる。契約が2本になり、諸費用は1本で借りるより多くかかりやすい |
| 収入合算 | 一つの住宅ローンに、もう一人の収入を合わせて審査を受ける | 連帯債務か連帯保証かで、団信や住宅ローン控除の扱いが変わる |
フラット35では、収入を合算して申し込めるのは連帯債務者を含めて2名までです。
夫婦で連帯債務を組む場合は、二人とも団信の保障を受けられる「デュエット(夫婦連生団信)」も選べます(金利は通常の団信の場合より年0.18%上乗せ)。
どちらの方法でも、どちらかが働けなくなったときや働き方が変わったときに返済を続けられるかを考え、長く返し続けられる額で組むことが大切です。
共働き世帯の住まい選びの注意点は、別記事「共働き世帯が京都市に住むときの注意点」で整理しています。
まとめ:京都市で住宅ローンを考えるチェックリスト
○ 価格帯:中古マンション(60〜80㎡)の掲載価格の中央値は、JR山科駅の2,135万円から烏丸御池駅の8,380万円まで約4倍の差(2026年6月までの掲載情報)
○ 金利:変動金利は大手行の例で年1.2%程度、フラット35は年3.830%(2026年10月)。変動で借りるなら、金利が上がった場合の返済額も確かめる
○ 返済の目安:年1.2%・35年なら、3,000万円で月約8.8万円、4,000万円で月約11.7万円。金利が1%高いと約17%増える
○ 年収の目安:返済負担率25%で逆算した額は上限寄り。実際は手取りの20%程度と維持費を含めて考える
○ 共働き:ペアローン・収入合算で借入額を増やせるが、長く返せる額で組む
「いくらの家か」だけでなく「長く無理なく返せるか」を起点に、駅と物件種別、借入額を組み立てていくことが、後悔しない住まい選びにつながります。
京都の街全体の特徴は、別記事「京都市はどんな街?」もあわせてご覧ください。
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