草津市

草津市で将来売却しにくくなる住宅の特徴ーー長期保有を前提に「出口の広さ」を確認する

住宅を探すとき、多くの方は「ここに長く住みたい」という気持ちで物件を選ばれます。
住まいは長期保有を前提に選ぶものですが、人生には転勤、家族構成の変化、相続といった転機が訪れることがあります。
そのときに「売りたくても買い手の属性が極端に狭い」物件を所有していると、選択肢が大きく制限されてしまいます。

この記事では、京都・滋賀エリアを専門とするONZA Estate代表の飯田の視点から、草津市で住宅を購入する前に確認しておきたい「将来売却しにくくなる要因」を、敷地・規制・建物の観点から整理いたします。
「売却しにくい=買ってはいけない」という極論ではなく、もしもの時に出口が極端に狭まらない物件を選ぶための視点としてお読みください。

なぜ草津市で「出口の広さ」を意識するのか

草津市は人口約14万人(2026年5月1日時点・草津市推計)と滋賀県内で大津市に次ぐ規模で、草津駅・南草津駅という新快速停車駅を2つ持ちます。
住宅地の公示地価(土地価格の指標)も平均約14.98万円/㎡・前年比+4.5%(2026年・国土交通省)と上昇基調にあり、住宅需要の土台は厚いエリアです。
ただし地価は土地の指標であって、住宅の売り出し価格や成約価格そのものではありません。

だからこそ注意したいのが、「草津なら何でも売れる」という前提で選んでしまうことです。
同じ草津市内でも、駅徒歩圏か郊外か、市街化区域か市街化調整区域か、規制の有無によって、買い手の属性は大きく変わります。

長く住むつもりであっても、購入時点で「出口の広さ」を確認しておくことは、将来のご家族を守る保険になります。
売れやすい物件の条件は別記事「
草津市で売却しやすい住宅の特徴」で整理していますので、ここでは規制や敷地条件など、制約になりやすい要因を中心に見ていきます。

敷地条件で売却しにくくなる要因ーー接道と再建築可否

まず、敷地そのものの条件です。

接道義務を満たさない敷地(再建築不可)
建築基準法では、建物の敷地は建築基準法上の道路に2m以上接していなければならないと定められています。
原則は幅員4m以上の道路ですが、いわゆる2項道路など幅員4m未満でも道路として扱われる例外もあり、敷地ごとに個別の確認が必要です。
これを満たさない敷地は、既存の建物を解体すると新しい建物を建てられない、いわゆる「再建築不可」となります。
住宅ローンの利用に制約が出やすく、現金購入を含めて検討できる買い手に寄りやすいため、流動性は下がりやすくなります。

草津市は東海道と中山道が合流した宿場町を起源とする旧市街を持ち、旧来からの住宅地では、私道に接する敷地や間口の狭い敷地が見られる場合があります。
購入前に接道状況を確認し、私道であれば所有者や通行・掘削の承諾の有無もあわせて確認しておきたいところです。

敷地の形状と間口
間口が極端に狭い、旗竿地で有効宅地が小さい、高低差が大きいといった敷地は、建て替えや駐車計画の自由度が下がり、検討できる買い手が絞られやすくなります。
境界が確定しているか、越境物がないかも、売却時に必ず問われる点です。
なお、駅距離や築年数といった立地・物件そのものの条件による売れやすさは、別記事「
草津市で売却しやすい住宅の特徴」で整理しています。

規制で売却しにくくなる要因

草津市の住宅購入で押さえておきたいのが、都市計画上の規制です。

市街化調整区域
草津市は市街化区域と市街化調整区域に区分されており、調整区域では原則として新たな宅地開発が抑制されます。
建築や再建築の可否は、既存建物の適法性・用途・敷地条件などに応じて個別に判断されるため、「誰でも自由に建て替えできる」わけではありません。

一方で、扱いが一律というわけでもありません。
草津市には市街化調整区域における地区計画制度の運用基準があり、令和8年(2026年)4月には良好な居住環境の形成を図る「市街化区域隣接型」が新設されるなど、制度は見直されています。
個別の土地で何ができるかは条件によって変わるため、必ず市の窓口で確認してください。

調整区域の物件は価格が抑えられている場合がある一方、買い手側にも条件が求められることがあり、出口の選択肢が限られる点は理解したうえで選ぶ必要があります。

用途地域と建築のルール
用途地域によって、周辺にどんな建物が建ちうるかという前提が変わります。
あわせて確認しておきたいのが、次の点です。
○ その敷地で認められる建物の用途(周辺に何が建つ可能性があるか)
○ 建ぺい率・容積率(建てられる建物の規模が決まる)
○ 特別用途地区や地区計画など、上乗せのルールがないか

住環境を重視する買い手にとっては確認したいポイントで、隣接地の用途もあわせて見ておくと安心です。

ハザードと建物で売却しにくくなる要因

浸水想定と浸水警戒区域
滋賀県には流域治水条例に基づく「浸水警戒区域」の制度があり、200年に1回の割合で発生すると予想される降雨で想定浸水深がおおむね3mを超える土地が対象です。
区域内では住居用建築物などの建築に知事の許可が必要になりますが、2026年7月時点で草津市内に指定されている区域はありません。
したがって現時点では、草津市内でこの指定そのものが売却時の法的な制約になる場面はありません。
ただし県内で順次指定が進められている制度のため、最新の指定状況は滋賀県の情報で確認してください。

一方、浸水警戒区域の指定とは別の話として、浸水想定区域そのものは買い手が確認する情報です。
草津市洪水・内水ハザードマップ(令和3年6月更新)で想定浸水深を把握しておきましょう。
「浸水想定に入っている=売れない」ということではなく、想定される浸水深や建物側の対策によって評価は変わります。
詳しくは別記事「
草津市のハザードマップと防災リスク」で整理しています。

旧耐震基準の建物
新耐震基準は1981年(昭和56年)6月1日施行で、建築確認日が1981年5月31日以前の建物は旧耐震基準にあたります。
築年月や完成年月ではなく、建築確認日で判定する点が重要です。
旧耐震の住宅は住宅ローン控除など税制優遇の対象外となるケースがあり、買い手にとって経済的な負担が大きくなります。
耐震診断や耐震改修を行い「耐震基準適合証明書」を取得すれば評価が変わる場合もありますが、未改修のままでは中古市場での評価に差が生まれます。

マンションの管理と修繕積立金
マンションの資産価値は、建物のスペック以上に管理組合の運営状況に左右されます。
国土交通省「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」の目安を大きく下回っている、長期修繕計画が未策定、滞納率が高いといった状態は、購入後の一時金徴収や積立金の大幅な値上げにつながるリスクがあります。
これらは重要事項説明で開示されるため、買主から敬遠されやすく、流動性に直結します。
気になる物件の規制や条件の確認は、
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出口が広い物件に共通する条件

逆に、出口が広い物件には次のような共通点があります。
○ 接道と再建築の条件がクリア:建築基準法上の道路に2m以上接し、建て替えができる。私道なら通行・掘削の承諾も取れている
○ 都市計画上の制約が少ない:市街化区域内で、建ぺい率・容積率の範囲で希望する建物が成立し、上乗せのルールも把握できている
○ 建物の条件が明確:建築確認日が1981年6月1日以降の新耐震、あるいは耐震改修や適合証明で評価を補える状態にある

なお、住宅ローンの利用可否は用途地域だけで決まるものではなく、再建築の可否、接道状況、建物の状態、申込者の条件を含めた個別の審査で判断されます。
また、郊外であっても、土地の形状が整い接道が良く、生活に必要な施設がそろっているエリアであれば、車を持つファミリーから安定した需要があります。
「駅近以外は出口が狭い」という単純な話ではありません。

まとめ:購入時に確認したい「出口の広さ」チェックリスト

最後に、購入前に確認したいポイントを整理します。
○ 接道:建築基準法上の道路に2m以上接しているか、私道なら通行・掘削の承諾の状況
○ 都市計画:市街化区域か市街化調整区域か、用途地域と建ぺい率・容積率(調整区域は個別の可否を市の窓口で確認)
○ ハザード:市の洪水・内水ハザードマップ上の想定浸水深(浸水警戒区域は2026年7月時点で市内に指定なし・最新は県で確認)
○ 耐震:建築確認日が1981年6月1日以降か、旧耐震なら耐震基準適合証明書の有無
○ マンション管理:修繕積立金がガイドラインの目安と大きく乖離していないか、長期修繕計画と滞納の状況
○ 立地と買い手:想定される買い手の属性を具体的に描けるか

これらは「買ってはいけないリスト」ではなく、もしもの時に出口が極端に狭まらないかを確認するためのリストです。
すべてを満たす物件だけが正解ということではなく、価格・住み心地・将来の流動性のバランスを取りながら、ご家族にとって納得できる物件を選ぶことが大切です。

草津の街全体の特徴は、別記事「草津市はどんな街?」もあわせてご覧ください。
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