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マンション大規模修繕の談合で公取委が38社に排除措置命令ーーチェック役の設計コンサルも関与、171件・発注総額300億円超|ONZA的市況ニュース

2026-09-29

マンション大規模修繕の談合で公取委が38社に排除措置命令ーーチェック役の設計コンサルも関与、171件・発注総額300億円超|ONZA的市況ニュース

記事内容:マンション大規模修繕の談合で公取委が38社に排除措置命令、チェック役のコンサルも関与

2026.9.29の日経新聞で、関東1都6県のマンション修繕工事171件で談合したとして、公正取引委員会が28日、施工36社と設計コンサルタント2社に独占禁止法違反(不当な取引制限)で排除措置命令を出したと報じられました。
チェック役のコンサルが関与し、住民の負担増につながっていた恐れがあると記事は伝えています。

マンションの大規模修繕に絡む独占禁止法の違反認定は初めてで、解散した事業者を含む施工37社には計約16億円の課徴金の納付も命じられました。
排除措置命令が出たのは、施工会社では長谷工コーポレーション傘下の長谷工リフォーム、大京子会社の大京穴吹建設など36社、コンサルではリノシスコーポレーションと翔設計の2社です。
各社は法令順守の徹底や再発防止に努めるなどとコメントし、長谷工リフォームは会長の辞任と社長の月額報酬1割の自主返上を、翔設計は再発防止委員会の設立を発表しました。
調査開始前に最初に違反行為を自主申告した1社は、課徴金減免(リーニエンシー)制度によって課徴金と排除措置命令が見送られました。

発表などによると、各社は遅くとも2021年以降、特定の施工会社が受注できるよう談合を繰り返し、競争を実質的に制限しました。
公取委が立ち入り検査をした2025年3月までに談合が認定された工事は171件、発注総額は300億円を超え、公取委は対象となったマンションの工事をホームページで公開しました。

工事は、管理組合が設計コンサルに業務を委託する"設計監理方式"でした。
ところがコンサル2社は、受注予定の施工会社に予算や業者の選定基準を伝えるなどしていました。
リノシスコーポレーション経由で37社、翔設計経由で20社が受注調整に加わり、コンサル側は受注額の原則5%程度を手数料として受け取っていました。

大規模修繕を巡っては、予算の膨張を防ぐはずのコンサルの"裏切り"の可能性がかねて指摘されていました。
国土交通省は2017年1月に「一部のコンサルはバックマージンを支払う施工会社が受注できるよう工作し、発注が割高になるよう誘導している」と注意喚起しています。
これを受けてコンサル各社は同年11月に全国マンション改修設計コンサルタント協会を発足させ、2019年にはコンプライアンス監視委員会も設けましたが、団体の創設に関わった翔設計が談合に加わるなど、自浄作用の限界があらわになりました。
施工会社でつくるマンション計画修繕施工協会でも、複数の会員企業が排除措置を命じられました。
公取委は両協会など3団体に手数料の授受が問題になる恐れがあることを周知するよう申し入れ、国交省も3団体に再発防止の取り組みの報告を求める文書を出しました。

マンション管理に詳しい明海大の小杉学教授は「行政や業界団体は積極的に情報開示や注意喚起をすべきだが、行政は明確な違法行為以外に強制力のある対応を取りにくく、業界団体による自主的な対応にも限界がある」と指摘しています。
そのうえで「管理組合が当事者として必要な情報や説明を求め、納得して事業者を選定することが重要だ」と話しています。

同じ紙面の用語解説によると、大規模修繕はマンションの安全性や資産価値を保つため、設備の傷みや不具合を計画的に修理する工事で、管理組合が中心となって一般的に12〜15年程度の周期で実施します。
費用は住人らが負担する修繕積立金から充てられ、建物の規模や劣化具合によっては数千万円から十数億円を要する場合もあります。
老朽マンションの増加に伴う需要の拡大や資材費・人件費の高騰で値上がりしており、経済調査会の調査では、2025年の1戸あたりの平均負担額は2013年比61%増の約150万円に上りました。
積立金が不足する管理組合も増えています。
工事の発注では近年、設計コンサルタントなどの第三者と契約して工事内容の決定や進捗管理を担わせる設計監理方式を採用する管理組合が多く、専門知識や相場観に乏しい組合側の負担を減らせる一方、コンサルが受発注に関与できるため、透明性や公平性の確保が課題になっています。

ポイント:談合の構図と大規模修繕の費用

👉 大規模修繕で初の独禁法違反認定、38社に排除措置命令

関東1都6県の171件・発注総額300億円超で談合が認定され、施工37社には計約16億円の課徴金も命じられました。

👉 チェック役の設計コンサルが受注調整に関与

コンサル2社が受注予定の施工会社に予算や選定基準を伝え、受注額の原則5%程度を手数料として受け取っていました。

👉 業界団体の自浄作用には限界

2017年の国交省の注意喚起を受けて業界団体ができましたが、その創設に関わったコンサルが談合に加わっていました。

👉 1戸あたりの負担は2013年比61%増の約150万円

資材費や人件費の高騰で大規模修繕の費用は上がり、積立金が不足する管理組合も増えています。

大規模修繕の発注で確かめること:コンサルの中立性、違約金特約、見積もりの第三者確認

記事が伝えるのは、発注者である管理組合の側に立って施工会社選びを支えるはずの設計コンサルが、受注予定の施工会社に予算や選定基準を伝え、受注額の5%程度を手数料として受け取っていた構図です。
コンサルが施工会社から手数料を受け取れば、組合より施工会社に有利な判断をする利益相反が生じるおそれがあり、予算や選定基準を特定の会社に有利に動かす動機にもなりえます。
選定の段階で競争が十分に働かなければ工事費は割高になるおそれがあり、結果として修繕積立金、つまり区分所有者の負担を押し上げる可能性があります。

設計監理方式そのものは、専門知識や相場観を補って組合の負担を減らす仕組みで、広く採用されています。
談合が認定されたのは関東の工事ですが、この方式で発注の過程を確かめる点は、どの地域のマンションでも同じです。
国土交通省は排除措置命令と同じ2026年9月28日、管理組合向けに発注の留意点と相談窓口をまとめ、設計監理方式では設計コンサルタントの中立性を確保したうえで、適正な手続きの下で工事の受注者を選ぶことが重要だとしています。
確かめる点は、コンサルを選ぶ段階、施工会社と契約する段階、見積もりを比べる段階の3つに分けて整理できます。

まず、コンサルを選ぶ段階では、業務の範囲と報酬を契約で確かめ、施工会社から手数料などを受け取らないことを確認しておきます。
記事の事案では、コンサルが施工会社から手数料を受け取りながら、受注予定の施工会社に予算や選定基準を伝えていました。

次に、施工会社と契約する段階では、談合が認められた場合に受注者が違約金を支払う義務を請負契約に定める特約条項(談合違約金特約条項)を設定できると、国交省が2025年6月に周知しています。
国の直轄工事では請負代金額の10分の1を違約金とする規定があり、国交省は設定にあたって弁護士などの専門家に相談するよう勧めています。

そして、見積もりを比べる段階では、コンサルの説明だけで判断せず、第三者の目を入れる手があります。
住宅リフォーム・紛争処理支援センターの相談窓口(住まいるダイヤル)ではマンション管理士や建築士などが発注の相談に応じ、見積もりの費用を確かめる見積チェックサービスも無料で行っています。
自治体によっては専門家の派遣制度や相談窓口を設けているため、まずは所在地の自治体に確かめます。

これから中古マンションを買う人は、前回の大規模修繕がいつ、どの方式で、いくらで行われたかを総会の議事録で確かめると、組合の発注の進め方と積立金の状況が見えてきます。
中古マンションの修繕積立金や長期修繕計画、管理の状態の見方については
大津市の中古マンションは築年数と管理で見るーー修繕積立金・長期修繕計画・認定制度で整理しています。

ONZAとしての整理

今回の記事で目を引くのは、予算の膨張を防ぐはずのコンサルが受注額の5%程度の手数料を受け取って受注調整に関わり、171件・発注総額300億円超で談合が認定された点です。
大規模修繕の1戸あたりの平均負担額は2025年に約150万円と、2013年から61%増えています。
記事の平均負担額に手数料の率を当てはめると、次のような大きさになります。

○1戸あたりの平均負担額:約150万円(2025年、経済調査会の調査)

○その5%に当たる額:約7.5万円

※記事の平均負担額に手数料の率(受注額の原則5%程度)を当てはめた仮定の目安で、実際の手数料額や上乗せ額を示すものではありません。

大規模修繕は建物の安全性と資産価値を保つための支出で、削ること自体が目的ではありません。
ONZAは不動産の収益の源泉を家賃に置いており、好立地の区分で家賃を長く保つには建物の状態を保つことも欠かせず、その手入れを決めるのが管理組合の総会です。
区分オーナーは住んでいなくても組合員として発注の当事者です。
総会の議案書で発注の経緯や見積もりの比較に目を通し、総会に出られなくても書面や代理人で議決権を行使する方法があります(国交省のマンション標準管理規約)。
修繕の履歴と発注の経緯が議事録で追える物件は、買い手が管理の状態を判断しやすく、売却の際にも説明しやすくなります。

もう一つは、費用が上がる局面ほど発注の過程の重みが増す点です。
資材費や人件費の高騰で1戸あたりの負担が増えるほど、同じ割合の上乗せでも金額は大きくなり、積立金が不足する組合では修繕積立金の値上げや一時金の徴収につながりやすくなります。
発注の過程を確かめることは、将来の積立金の負担を読むことにもつながります。

まとめ

👉 記事内容の要点

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公取委は関東1都6県のマンション修繕工事171件(発注総額300億円超)で談合したとして施工36社と設計コンサル2社に排除措置命令を出し、施工37社に計約16億円の課徴金を命じた

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設計監理方式のチェック役であるコンサル2社が、受注予定の施工会社に予算や選定基準を伝え、受注額の原則5%程度を手数料として受け取っていた

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2017年の国交省の注意喚起の後に業界団体ができたものの自浄作用には限界があり、専門家は管理組合が当事者として情報や説明を求めることが重要だと指摘している

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大規模修繕の1戸あたりの平均負担額は2025年に約150万円と2013年比61%増え、積立金が不足する管理組合も増えている

👉 行動指針

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設計監理方式でコンサルを選ぶときは、業務の範囲と報酬を契約で確かめ、施工会社から手数料などを受け取らないことを確認する

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施工会社との請負契約では談合違約金特約条項の設定を検討し、見積もりは住まいるダイヤルの見積チェックサービスなど第三者の目も入れて確かめる

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住んでいない区分オーナーも総会の議案書で発注の経緯を確かめて議決権を行使し、中古を買うときは前回の大規模修繕の時期・方式・金額を議事録で確かめる

ご相談について

投資用でご検討の方

区分マンションの修繕積立金と大規模修繕は、建物の状態を保ち、家賃を支えるための支出です。
検討中・保有中の物件について、総会の議事録から前回の大規模修繕の時期と発注方式、修繕積立金の推移を一緒に確認いたします。

売却をご検討の方

大規模修繕の履歴と発注の経緯が整理されていると、買い手が管理の状態を判断しやすくなります。
お持ちの物件の修繕の記録を整理して、売り出しの準備から一緒に進めます。

居住用でご検討の方

中古マンションを選ぶときは、次の大規模修繕の時期と修繕積立金の残高に加えて、前回の工事がどのように発注されたかも確かめておくと、管理組合の運営の様子が見えてきます。
暮らしに合う住まいと、無理のない資金計画を一緒に整理していきましょう。

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