大津市

大津市の中古マンションは築年数と管理で見るーー修繕積立金・長期修繕計画・認定制度

中古マンションを選ぶとき、価格と立地はどうしても目に入ります。
一方で、同じ価格帯でも数年後の負担が変わってくるのが、建物の築年数と管理の状態です。

大津市はこれから、この点が効いてくる時期に入ります。
この記事では、京都・滋賀エリアを専門とするONZA Estate代表の飯田の視点から、市の計画と国の調査をもとに、中古マンションを築年数と管理から見る方法を整理いたします。
戸建てとの比較や、市内のどのエリアにマンションが多いかについては、別記事「
大津市で戸建てとマンションはどちらを選ぶ?」でまとめています。

大津市のマンションは高経年化のカーブに入る

大津市の現行計画である「マンション管理適正化推進計画」(令和5年3月策定)に、市内の状況が整理されています。

○ 分譲マンションのストック:22,219戸(2022年3月末現在)
○ うち築30年以上:5,033戸(全体の22.7%)
○ 10年後の見通し:2.5倍の12,453戸に急増

同計画によると、大津市でマンションの建設が本格的に増えたのは1980年代後半以降で、全国と比べると築年数はまだ浅いほうです。
ただしその分だけ、これから一斉に築年を重ねていきます。

規模の面では、50戸以下が37.8%、100戸以下が35.4%と、小・中規模のマンションが多いのが市内の特徴です。
戸数が少ないほど1戸あたりの修繕負担は大きくなりやすいため、規模と管理状態はあわせて見ておきたいところです。

全国調査で見る修繕積立金の実態

国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」(2024年6月公表)は、全国のマンションの管理状況をまとめたものです。
ここから、押さえておきたい数字を挙げます。

○ 修繕積立金が長期修繕計画に対して不足している:36.6%(うち20%超の不足が11.7%)
○ 積立方式:均等積立方式40.5%、段階増額積立方式47.1%
○ 計画期間25年以上の長期修繕計画に基づいて積立金を設定:59.8%

全国では3件に1件以上で、積立金が計画に届いていないということです。
これは特殊な事例ではなく、購入前に確認すべき項目が実在するという意味に受け取るのが実務的です。

注意したいのが段階増額積立方式です。
当初の負担を抑え、段階的に値上げしていく方式で、購入時点の月額は低く見えます。
ただし将来の値上げには区分所有者の合意が必要で、国のガイドラインでも、増額しようとする際に合意ができず積立金が不足する事例があると指摘されています。

長期修繕計画のどこを見るか

国土交通省は「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」を令和6年6月に改訂し、段階増額積立方式について引き上げ方の考え方を示しました。

内容は、均等積立方式とした場合の月あたりの金額を基準額として、計画の初期額は基準額の0.6倍以上、最終額は1.1倍以内とするというものです。
初期を抑えすぎず、最後に跳ね上がらない計画にするという考え方です。

同ガイドラインは、将来にわたって安定的に積み立てる観点からは均等積立方式が望ましいとしています。
また、どの方式であっても5年程度ごとに長期修繕計画を見直し、それに基づいて積立金を設定し直す必要があるとしています。

物件を見るときは、長期修繕計画書で次を確認します。
○ 計画期間と、その期間に大規模修繕工事が何回含まれているか
○ 積立方式が均等か段階増額か。段階増額なら、いつ・いくらに上がる計画か
○ 直近の見直しがいつ行われたか

管理計画認定制度という共通の物差し

管理の状態は外からは分かりにくいものですが、判断材料になる制度があります。
管理組合が作成した管理計画を自治体に申請し、基準を満たせば認定を受けられる「マンション管理計画認定制度」です。

認定の基準には、次のような項目が含まれます。
○ 総会が年1回以上開催されている
○ 管理規約が作成されている
○ 管理費と修繕積立金等の区分経理が行われている
○ 長期修繕計画の計画期間が30年以上で、残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれている
○ 計画期間全体における修繕積立金の平均額が著しく低額でない
○ 組合員名簿・居住者名簿が適切に備えられている

大津市では32件が認定を受けています(市が公開する一覧・2026年7月7日更新時点)。
最初の認定は令和5年11月1日で滋賀県内の第1号にあたり、直近では令和8年6月18日にも認定されています。
一覧には認定日・マンション名・所在地が掲載されているため、検討中の物件が認定を受けているかを事前に調べられます。

認定を受けたマンションには、適正に管理されたマンションとして市場で評価されるほか、住宅金融支援機構の金利引き下げの対象になる、建物部分の固定資産税が減額されるといった扱いがあります。
なお制度自体も、分譲事業者が管理計画を作成して管理組合に引き継ぐ仕組みを加える方向で拡充が決まっており、関係する省令の施行は令和9年4月1日です。

大規模修繕と固定資産税の減額

購入後の話になりますが、大規模修繕には税の軽減措置があります。

大津市では、令和5年4月1日から令和9年3月31日までに長寿命化に資する一定の大規模修繕工事を完了したマンションについて、工事翌年度の建物部分の固定資産税額の3分の1が減額されます。
主な要件は次のとおりです。

○ 築20年以上、総戸数10戸以上
○ 過去に長寿命化工事(外壁塗装等・床防水・屋根防水のすべて)を1回以上実施している
○ 居住用の専有部分の床面積が全体の2分の1以上
○ 管理計画認定を受けて令和3年9月1日以降に修繕積立金を引き上げた、または助言・指導を受けて長期修繕計画の作成・見直しを行っている

申告は工事が完了した日から3か月以内で、都市計画税は減額の対象になりません。
制度は年度によって変わることがあるため、申告前に大津市の公式サイトで最新の情報をご確認ください。

購入前に確認する書類と、市の無料相談

最後に、実際の物件で確認する書類を整理します。

○ 長期修繕計画書:計画期間、大規模修繕の回数、積立方式と今後の値上げ計画
○ 管理規約と使用細則:暮らし方のルールと、修繕に関する取り決め
○ 重要事項に係る調査報告書:現在の管理費・修繕積立金の額と、管理組合全体の滞納状況
○ 総会・理事会の議事録:値上げや工事をめぐる議論が実際にどう進んでいるか
○ 修繕の履歴:これまでに何を、いつ実施してきたか

これらは仲介担当者を通じて取り寄せられます。
数字だけでなく、総会が開かれ、議論が記録されているかという運営の実態が見えてくる資料です。

すでにお住まいの方に向けては、大津市がマンション管理士を無料で派遣する事業を行っています。
同一の管理組合につき年度内3回まで、1回あたり原則2名・2時間以内で、管理組合の運営、管理規約、財務、大規模修繕工事、認定の申請などを相談できます。
理事会での決議を経て管理組合が申し込む形です。

物件ごとの書類の見方でお困りの際は、購入・賃貸を問わずLINEからお気軽にご相談ください。

まとめ

中古マンションは、築年数そのものよりも、そのマンションがどう管理されてきたかで先々の見え方が変わります。

○ 大津市は築30年以上が10年で2.5倍に増える局面にある
○ 積立金の不足は全国で36.6%と珍しくない。確認すべき項目として扱う
○ 長期修繕計画は、期間・大規模修繕の回数・積立方式・見直し時期を見る
○ 管理計画認定は判断材料の一つ。大津市では32件が取得している
○ 書類は仲介担当者を通じて取り寄せ、数字と議事録の両方を確認する

築年数が経っていても、計画的に修繕を重ね、積立金を確保してきたマンションはあります。
逆に築浅でも、将来の値上げを前提にした計画のまま合意形成が進んでいない場合もあります。
見るべき点を押さえておけば、選択肢はむしろ広がります。

大津市での住まい探し(購入・賃貸)のご相談は、LINEからお気軽にお問い合わせください。
気になる物件が決まっている場合は、管理の状態を含めて一緒に確認しながらご案内いたします。


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