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自民、マンション高騰対策で短期転売への課税強化を検討ーー土地譲渡益重課の再開を例示、野党は賃貸支援で競う|ONZA的市況ニュース

2026-10-22

自民、マンション高騰対策で短期転売への課税強化を検討ーー土地譲渡益重課の再開を例示、野党は賃貸支援で競う|ONZA的市況ニュース

記事内容:自民党がマンション高騰対策の検討に入る、短期売買の規制などが俎上に

2026.10.22の日経新聞で、自民党が大都市圏のマンション価格の高騰を抑える政策の検討に入ったと報じられました。
2027年4月の統一地方選をにらみ、現役世代を軸にした生活支援を前面に出す狙いがあり、野党側も賃貸住宅を含めた住宅支援で競う構えです。

自民党の住宅土地・都市政策調査会(松島みどり会長)が21日から議論に入り、同日の会合には東京都千代田区の樋口高顕区長、明海大大学院不動産学研究科の中城康彦研究科長、不動産協会の幹部を招いて、住宅市場に関する考えを聞きました。
意見を踏まえて高騰の抑制策を立案し、転売目的の短期の取引を税制で防ぐ方策などが俎上に載ります。

松島氏は会合後、具体的な検討策として、土地譲渡益重課制度の適用の再開を例示しました。
個人は保有5年以下の土地の譲渡による事業所得などに52%を課し、法人は土地の譲渡益に所有期間に応じて5〜10%を上乗せする制度です。
投機的な土地取引を抑える目的で1973年に設けられたものの、バブル崩壊後の1998年から適用が停止されています。

不動産経済研究所によると、東京23区の新築マンションの1戸当たり平均価格は2025年度に1億3784万円で、前年度から18.5%上がりました。
現行の制度では、マンションを買ってから5年以内の譲渡所得を"短期譲渡所得"として扱い、売却益にかかる税率は所得税と住民税をあわせて40%近くで、5年超保有した"長期譲渡所得"の20%ほどのおよそ2倍です。
それでも自民党内には投機的な取引を防ぐのに不十分だとの声が根強く、与党が12月にまとめる税制改正大綱の論点にも浮かんでいます。

統一地方選に向けて有権者に訴える目玉政策という意味合いも帯び、東京都の23特別区のうち22で任期満了に伴う区議選が見込まれます。
自民党幹部のひとりは「住宅購入の時期を迎える子育て世帯の支援が必要だ」と話しています。
野党は購入だけでなく賃貸物件に住む人への支援策も視野に入れ、新築マンションの高騰に伴って賃貸の需要が増え、賃料が上がる状況に対処します。
国民民主党は20日に発表した物価高対策で公営住宅の家賃の負担軽減を盛り込み、7月には全国の空き家を安価な家賃で貸し出す支援も打ち出して、国がファンドを通じて出資する制度をつくる法案を参院に提出しました。
公明党の谷合正明中央幹事会会長は「一層踏み込んだ政策提案をしたい」と述べ、東京都が官民ファンドを通じて割安な賃貸住宅を整備している例を挙げました。
民主改革の会の落合貴之政調会長は「マンション価格の問題は物価高にも連動しているので今後の選挙で争点になり得る」との認識を示しています。

過度な価格抑制策には副作用があるとの警戒も出始めています。
自民党の税調幹部は「地銀への影響を見極める必要がある」と強調しており、不動産価格が急激に下がれば、地銀の経営状況が悪くなる可能性があるためです。

住宅価格の高騰は世界的に各国の政権を揺さぶる問題になっており、外国人の不動産投資への不満から、外国人を対象にした規制も広がっています。
スペインでは5日、住宅対策の否決を受けてサンチェス首相が議会の解散を表明しました。
韓国の李在明政権は2025年8月にソウルなど首都圏で外国人の住宅取得を許可制とし、最低2年間の居住を義務付けました。
カナダやオーストラリアは外国人による住宅購入を時限的に禁止し、シンガポールも外国人が住宅を取得する際に60%の追加印紙税を課しています。

日本でも外国人規制が衆院選などで論点に浮かんでいますが、外国人だけを対象に住宅取得を制限する場合は、サービス貿易や投資に関する国際協定との整合性が課題となります。
政府は国籍で一律に線を引くのではなく、短期の転売など投機性の高い取引に着目した対策を検討しています。
第一ライフ資産運用経済研究所の田中理首席エコノミストは「住宅価格の上昇の根幹には供給不足がある」と指摘し、「投機的取引の抑制だけでなく供給増加を合わせて政策として打たなければ、値下がりの効果は長く続かない」と話しています。

ポイント:マンション高騰対策の議論と、内外の規制の動き

👉 自民党が短期売買の規制などを検討
2027年4月の統一地方選をにらみ、転売目的の短期の取引を税制で防ぐ方策などを議論し、12月の税制改正大綱の論点にも浮かんでいます。

👉 土地譲渡益重課制度の再開を例示
個人は保有5年以下の土地の譲渡による事業所得などに52%を課し、法人は土地の譲渡益に5〜10%を上乗せする制度で、1998年から適用が停止されています。

👉 野党は賃貸の支援策で競う
公営住宅の家賃の負担軽減や、空き家を安価な家賃で貸し出す支援、官民ファンドによる割安な賃貸住宅などが挙がっています。

👉 外国人規制は投機性に着目
国籍で一律に制限すると国際協定との整合性が課題となるため、政府は短期の転売など投機性の高い取引に着目した対策を検討しています。

高騰対策が市場に与えうる影響:転売の採算、売りに出る物件の量、家賃の価格帯

俎上に載った土地譲渡益重課制度は、制度そのものは今も残っており、課税が止められている状態です。
国土交通省によると、1998年1月1日から2029年3月31日までの土地の譲渡について課税が停止されており(2026年10月時点)、再開するには、税制改正でこの停止を早めに終えることになります。
今の制度の形では、個人で対象になるのは保有5年以下の土地の譲渡による事業所得や雑所得、つまり事業として土地を売買する場合で、住まいを売った個人の譲渡所得は対象ではありません。
法人は、土地の譲渡益に、保有5年以下なら10%、5年超なら5%が通常の法人税に上乗せされます。
個人が売るときの短期・長期の税率の違いについては
売却時の譲渡税、結局いくら取られるのかで整理しています。

再開されれば、短い期間で売って得る利益にかかる税が重くなり、利益を上乗せして転売する取引の採算は悪くなります。
転売目的の買いが減れば、そうした買いが多かった物件や価格帯ほど、価格の上がり方が鈍る方向に働きます。
10月12日の日経新聞が報じた調査では、都心のタワーマンションの最上階で法人が携わった売買の37%が3年以内に売却されており、こうした高額帯は影響が出やすい分野です。

一方で、取引にかかる税は、売りに出る物件の量も動かします。
再開の時期が決まれば、その前に売っておこうとする売却が増え、売りに出る物件が一時的に増える可能性があります。
再開後は、保有5年以下の物件を持つ法人などが、上乗せが軽くなる5年超まで売るのを待つ動きが出れば、売りに出る物件が減り、価格を抑える効果の一部を打ち消す可能性もあります。
さらに、どこまでを対象にし何を除くかの線引きによっては、中古の住まいを買い取って改修し売る事業にも負担が及び、改修済みの中古住宅の供給に響く可能性があります。
自民党の税調幹部が地銀への影響を見極める必要があるとしており、地銀への影響も、今後の制度設計で考慮される可能性があります。

賃貸では、野党が掲げる空き家の安価な貸し出しや、官民ファンドによる割安な賃貸住宅が広がれば、家賃の低い価格帯で選べる住まいが増え、その価格帯の家賃の上がり方を和らげる方向に働く可能性があります。
外国人については、政府が国籍ではなく取引の投機性に着目した対策を検討しているため、長く持って貸す取引より、短い期間で売る取引に負担が向かう形が軸になりそうです。
こうした対策は主に短期の買いの勢いに働くもので、住宅の不足そのものに働く供給策が伴わなければ、田中氏が指摘するように、価格を押し下げる効果は長く続かない可能性があります。

ONZAとしての整理

今回の記事で目を引くのは、1998年から止まっている土地譲渡益重課の再開が、具体策として名指しされた点です。
重課は、個人の事業としての転売に52%を課し、法人の土地の譲渡益に保有5年以下で10%、5年超で5%を上乗せするもので、転売の採算を下げる一方、売りに出る物件の量や事業者の動きにも波及します。
高騰対策の効き方は、再開の有無、対象の線引き、施行の時期によって変わり、市場の動き方も一様にはなりません。

ONZAは家賃を受け取りながら長く持つ持ち方を基本にしています。
持ち続けている間は譲渡益への重課は生じず、今の制度の形であれば、個人が長く持ってから売る場合も重課の対象ではありません。
そのうえで、制度の行方が決まるまでは、施行前の駆け込みの売却で選べる物件が増える場面と、施行後に売りに出る物件が減る場面の両方がありえます。
買う側は家賃の根拠と保有の計画を確かめて判断し、売る予定のある側は、保有5年の境目と施行の時期の関係を確かめておくことが大切です。

まとめ

👉 記事内容の要点

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自民党は2027年4月の統一地方選をにらみ、大都市圏のマンション価格の高騰を抑える政策の検討に入り、転売目的の短期の取引を税制で防ぐ方策などを議論する

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松島氏は、個人の保有5年以下の土地の譲渡による事業所得などに52%を課し、法人の土地の譲渡益に5〜10%を上乗せする土地譲渡益重課制度の再開を例示した

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野党は公営住宅の家賃の負担軽減や空き家の安価な貸し出しなど賃貸の支援策で競い、自民党の税調幹部は地銀への影響を見極める必要があるとしている

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外国人を対象にした規制は各国で広がるが、政府は国籍ではなく短期の転売など投機性の高い取引に着目した対策を検討し、専門家は供給の増加を合わせなければ値下がりの効果は長く続かないと指摘した

👉 行動指針

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12月の税制改正大綱で、土地譲渡益重課の再開の有無と、対象の線引き、施行の時期を確かめる

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売る予定がある場合は、保有5年の境目と施行の時期の関係を確かめ、売る時期の判断材料にする

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買う場合は、施行前に売りに出る物件が増える場面と、施行後に減る場面の両方を想定し、家賃の根拠と保有の計画で判断する

ご相談について

投資用でご検討の方

高騰対策の行方によって、売りに出る物件の量や買い手の動きが変わる可能性があります。
検討中・保有中の物件について、制度の動きを踏まえた収支と保有の見通しを一緒に確認いたします。

売却をご検討の方

保有期間によって売却時の税は変わり、課税の見直しが進めば、売る時期の判断にも影響します。
お持ちの物件の保有期間とご意向に合わせて、売り出しの時期と進め方を一緒に整理します。

居住用でご検討の方

高騰対策の議論が進む局面でも、住まいは暮らしに合うかと無理のない資金計画で選ぶのが基本です。
制度の動きも踏まえて、一緒に考えていきましょう。

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