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都心マンション、法人所有が約2割にーータワマン最上階は法人が携わった売買の37%が3年以内に売却、短期転売が高騰を呼ぶ|ONZA的市況ニュース

2026-10-12

都心マンション、法人所有が約2割にーータワマン最上階は法人が携わった売買の37%が3年以内に売却、短期転売が高騰を呼ぶ|ONZA的市況ニュース

記事内容:都心マンションの約2割を法人が所有、タワマン最上階は短期の転売が目立つ

2026.10.12の日経新聞で、東京や大阪で都心部のマンションの約2割を法人が所有していることが明らかになったと報じられました。
法人が買い手として影響力を増すことで住宅価格は高騰し、本来住みたいと思う個人が適正価格で購入できなくなる弊害が生じていると記事は伝えています。

不動産調査を手掛けるTRUSTART(東京・中央)が2019年11月〜2026年7月に取得した、東京都心6区(千代田、中央、港、新宿、渋谷、文京)のマンション計7万3000戸の不動産登記簿の情報をもとに所有者を分析すると、法人の割合は全体の16%を占めました。
千代田区は22%、港区は20%、中央区は16%と、官庁街や商業・金融街、大使館や外資系企業が集まる地区で高く、23区全体では10%でした。
大阪市都心3区(北、中央、西)の計1万1000戸のうち、法人が所有する割合も16%でした。

タワーマンションの最上階にある高額物件に着目すると、法人の存在感は一段と高まり、短期間での売却が多く、投資対象として扱われている実態が浮かび上がりました。
日本経済新聞が東京都心6区と大阪市都心3区のタワマン303棟を対象に、2025年12月時点の不動産登記簿で最上階の所有状況を調べたところ、計1867戸のうち28%の515戸が法人所有で、渋谷区が44%、文京区が38%と高くなっていました。

最上階の住戸の売買で法人が携わった延べ981件のうち、購入後3年以内に売却されたのは360件と全体の37%に達し、うち1年以内が216件、半年以内に限ると125件でした。
一方、個人が売買した延べ2109件では、購入後3年以内に売却されたのは194件(9%)にとどまりました。

個人の場合、不動産を売却したときの譲渡所得にかかる税率は、所有期間が5年以下の短期譲渡所得だと約40%ですが、5年超の長期譲渡所得は約20%とほぼ半分になります。
法人の場合は所有期間によって税率は変わりません。
役員向け住宅や出張者向けの宿泊施設などとして活用する例もありますが、短期間で売買し、資金効率を高めながら売却益を追求する法人も多いとしています。

港区赤坂で個人が営む不動産会社は、同区高輪の地上47階建てのタワマン最上階の物件を3億円で入手し、10日後には別の不動産会社に数千万円上乗せして転売しました。
同社の代表は「10年ほど前から最上階を中心に十数戸を買い、15〜25%上乗せして転売してきた」と話しています。
代々木駅(渋谷区)近くのタワマン最上階の物件を転売した都内の投資会社と不動産会社、大阪市内の不動産会社の3社が、渋谷駅近くのタワマン最上階でも同じ順序で転売していたなど、組織的とみられる転売もありました。

不動産調査会社、東京カンテイ(東京・品川)の高橋雅之上席主任研究員は「ここ数年、特にタワマンの売買は価格操縦に近い。
再販業者などが利益を上乗せして転売し、実需層の手が届かない価格になった」と話しています。
足元では資材・人件費の高騰や金利上昇で個人の購入意欲も減退し、転売業者の採算も悪化しています。
帝国データバンクの調査では、2025年の不動産業の倒産件数は315件と過去10年で最多でした。

海外では、マンションを住むために買う人の手に取り戻す動きが先行しています。
カナダ西部のバンクーバー市は2017年、投機的な保有の抑制などを目的として空室税を導入し、税率を不動産の課税評価額に対して当初の1%から、2020年は1.25%、2021年以降は3%と段階的に引き上げました。
空室率は2024年に0.5%と導入時の2017年に比べほぼ半減し、税収を財源に累計1億9430万カナダドル(約220億円)を手ごろな価格の住宅の整備などに充てています。

日本でも国土交通省が価格の高騰を問題視し始め、2027年度の税制改正要望に「投機的取引を抑制する方策について、必要な検討を行い、所要の措置を講じる」との文言を盛り込みました。
住宅問題に詳しい明治大学の野澤千絵教授は「住宅の金融商品化が進み、主役が『住まない買い手』に移ったことで管理など様々な問題が出ている。
法人の短期転売への課税強化や転売目的の融資に対する金融機関への監督強化を検討すべきだ」と訴えています。
記事は、住民票にも表れず、近隣住民や地域社会との接点を持たないマンションの"見えない隣人"の実態に迫る連載の1回目です。

不動産登記簿は、土地や建物の所在地や面積、所有者の氏名・住所などを記載した公の帳簿で、明治時代に始まりました。
どこにどのような不動産があり、誰が所有しているのかを公開することで、不動産の権利関係などを誰でも確認でき、安全で円滑な不動産取引を支えています。
登記簿は所在地や面積などを記載する"表題部"と、権利関係を記載する"権利部"で構成され、権利部では、売買や相続によって誰が取得したのかの経緯や、差し押さえの有無、住宅ローンなどの担保として設定される抵当権や債権額を確認できます。
一方、過去の取引価格の履歴などは確認できません。
証明書は法務局で取得でき、所有者本人でなくても、全国どこの法務局でも窓口や郵送、オンラインで請求できます。

ポイント:都心マンションの法人所有と短期転売

👉 都心マンションの法人所有は16%

東京都心6区の7万3000戸、大阪市都心3区の1万1000戸とも、法人所有の割合は16%で、23区全体の10%を上回りました。

👉 タワマン最上階は28%が法人所有

2025年12月時点で最上階1867戸のうち515戸が法人所有で、投資対象として扱われている実態が浮かびました。

👉 法人が携わる売買の37%が3年以内に売却

最上階の売買では法人が携わった延べ981件の37%が購入後3年以内に売却され、個人の9%を大きく上回りました。

👉 上乗せした転売が価格を押し上げたとの指摘

専門家は利益を上乗せした転売で住むために買う個人の手が届かない価格になったと指摘し、国土交通省も投機的取引を抑える方策の検討を税制改正要望に盛り込みました。

マンションを買うときに確かめること:登記簿の取得経緯と、価格の根拠

記事が伝えるのは、都心のマンションで法人の所有が広がり、タワマン最上階では法人が携わる売買の37%が3年以内に転売され、利益を上乗せした転売が重なって、住むために買う個人の手が届かない価格になっているという指摘です。
転売で上乗せされた価格は、次の取引の価格になるだけでなく、周辺の相場を判断するときの事例にもなるため、上乗せが重なるほど、後から買う人の負担は重くなりやすくなります。
買う側から見ると、検討している物件の価格に、こうした上乗せが重なっていないかを確かめることが実務の論点になります。

記事の分析そのものが、不動産登記簿の情報をもとに所有者や売却までの期間を調べたものです。
登記簿の権利部では、売買や相続で誰が取得したのかの経緯や、差し押さえの有無、抵当権の設定を確認でき、証明書は所有者本人でなくても、全国の法務局の窓口や郵送、オンラインで取得できます。
購入を検討している物件の登記簿で、短い期間に所有者が何度も替わっていないかを見ておくと、価格に転売の上乗せが重なっている可能性に気づく手がかりになります。

一方で、登記簿からは過去の取引価格の履歴は分かりません。
価格が妥当かどうかは、周辺の成約事例や、同じマンション・近い条件の住戸の相場と比べて判断することになります。

保有期間による税の違いも、買い手の立場を分けます。
個人が売る場合、譲渡所得にかかる税率は所有期間5年以下の短期で約40%、5年超の長期で約20%とほぼ半分で、法人は所有期間で税率が変わりません。
個人の場合、短い期間で売るほど売却益にかかる税の負担が重くなる仕組みです。
所有期間による税率の違いについては
売却時の譲渡税、結局いくら取られるのかで整理しています。

ONZAとしての整理

今回の記事で目を引くのは、タワマン最上階の売買で、法人が携わった延べ981件の37%が3年以内に売却され、半年以内も125件あった一方、個人の売買では3年以内の売却が9%にとどまった点です。
価格に利益の上乗せが重なれば、その分だけ、住む人や長く持つ人が払う価格は高くなります。

ONZAは家賃を不動産の収益の源泉と考えており、短期の転売で売却益を追う売買は勧めていません。
投資用に区分を持つ場合も、入居者に住まいを提供し、管理組合の一員として建物の手入れに関わりながら家賃を長く受け取る持ち方が基本で、その前提では、買う価格がそのまま長い期間の収支を左右します。
登記簿で取得の経緯を確かめ、相場と比べて価格の根拠を持っておくことが、上乗せの重なった価格をつかまないための備えになります。
インカムを軸にした運用の考え方については
不動産投資の運用設計 ── インカムを軸にキャピタルをどう位置づけるかで整理しています。

まとめ

👉 記事内容の要点

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東京都心6区のマンション7万3000戸のうち法人所有は16%で、大阪市都心3区でも16%を占め、23区全体の10%を上回った

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タワマン最上階では28%が法人所有で、法人が携わった売買の37%が購入後3年以内に売却され、個人の9%を大きく上回った

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専門家は利益を上乗せした転売で住むために買う個人の手が届かない価格になったと指摘し、足元では資材・人件費の高騰や金利上昇で個人の購入意欲が減退している

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国土交通省は2027年度の税制改正要望に投機的取引を抑制する方策の検討を盛り込み、海外ではバンクーバー市が2017年に空室税を導入して段階的に引き上げ、導入後の2024年には空室率がほぼ半減した

👉 行動指針

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物件を買うときは登記簿の権利部で、取得の経緯や短い期間での所有者の入れ替わり、抵当権の設定を確かめる

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登記簿では過去の取引価格が分からないため、周辺の成約事例や同じ条件の住戸の相場と比べて価格の根拠を持つ

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投資用に持つなら、家賃を収益の源泉に長く持つことを前提に、買う価格と立地、管理の状態で物件を選ぶ

ご相談について

投資用でご検討の方

家賃を収益の源泉に長く持つ投資では、買う価格が長い期間の収支を左右します。
検討中の物件について、登記簿の取得経緯や周辺の相場も含めて、価格の根拠と収支の見通しを一緒に確認いたします。

売却をご検討の方

売り出し価格は、周辺の成約事例や同じ条件の住戸の相場をもとに組み立てます。
お持ちの物件の状況とご意向に合わせて、価格の根拠と売り出しの時期を一緒に整理します。

居住用でご検討の方

住まいは暮らしに合うかどうかで選ぶものですが、価格の根拠を持っておくことも大切です。
登記簿や周辺の相場の確かめ方も含め、無理のない資金計画で住まい探しを一緒に考えていきましょう。

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