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マンション共用部の保険、大幅値上げが相次ぐーー自然災害・築古化・水ぬれ事故が背景、特約を外す見直しは慎重に|ONZA的市況ニュース

2026-10-11

マンション共用部の保険、大幅値上げが相次ぐーー自然災害・築古化・水ぬれ事故が背景、特約を外す見直しは慎重に|ONZA的市況ニュース

記事内容:マンション共用部の保険で大幅値上げが相次ぎ、特約まで外すケースも

2026.10.10の日経新聞で、マンション管理組合向けの保険の大幅な値上げが相次いでいると報じられました。
保険料を抑えるため、本来は必要性が高い特約などまで外してしまうケースが増えており、保険から十分な補償を受けられないと、管理組合の運営が行き詰まる恐れもあると記事は伝えています。

スマート修繕(東京・新宿)の別所毅謙コンサルタントは「ここ最近、更新時に突きつけられる共用部の保険料上昇は数%など生易しいものではない。
少し古い物件なら一気に5〜6割の値上げも珍しくない」と話しています。

大幅な保険料上昇の背景には、3つの要因があります。
1つ目は、一般住宅向けも含む全体の保険料の見直しです。
台風など自然災害関連の支払いが増え、多くの保険会社は2019〜2024年に4回も改定を実施し、保険料は基本的に上がりました。
通常は最長5年契約の共用部の保険は、更新時に複数の保険料アップが一気に反映され、上昇幅が大きくなる例があります。

2つ目は築古マンションの増加です。
国土交通省によれば、築40年以上のマンションは2025年末で約158.8万戸と、10年で100万戸程度増えました。
多くの保険会社では、築年数が進むと保険料が上がります。

3つ目は水ぬれ事故の増加です。
一般に共用部の保険事故で多いのは給排水管などからの水ぬれ関連で、老朽化した管そのものは保険の対象外ですが、水ぬれによる別の部分への損害は、賠償責任補償の特約などから保険金が出る例があります。
マンション全体の老朽化に伴って漏水も広がり、支払いが増えて保険料も上昇しやすくなっています。

保険料は通常、マンションの管理費から支払います。
財政状態が不安定な管理組合では「これまで通りの保険契約を維持できないケースが増えている」(コンドミニアム・アセットマネジメントの渕ノ上弘和氏)とされ、特に保険料上昇の一因となる水ぬれに関連することがある賠償特約などを外すケースもあるといいます。
ただ、補償範囲を狭くすることにはリスクが伴います。

記事は、補償範囲をできるだけ保ちながら保険料を抑える方法を考える必要があるとしています。
例えば、主契約や保険料上昇の一因となる賠償特約などで免責金額を調整する方法で、免責金額を上げれば、少額の損害は管理組合や居住者個人が自己負担することになる可能性がある一方、保険料の抑制は期待できます。
東京海上日動火災保険によれば、主契約と賠償特約の免責金額を5万円から10万円に上げることで、保険料が約7%下がるケースがあります。
実際に下がる割合は契約条件によって異なるものの、試算してみる価値はあるとしています。
ただ、「一定額が自己負担になることを管理組合がよく周知しないと事後トラブルになる」(渕ノ上氏)との指摘もあります。

保険金の支払いが増える一因である水ぬれの根本原因に手を入れるのも一案です。
さくら事務所(東京・渋谷)の土屋輝之マンション管理コンサルタントは「給排水管の劣化状況を調査して漏水リスクが高い場合、管を新しくする更新工事を前倒しする手もある」と話します。
費用は共用部の管だけでも数百万〜数千万円かかる例があり、管の本数が多く構造が複雑な場合などは一段と膨らみます。
簡単な決断ではありませんが、別所氏は「現在はインフレで、後ろに延ばしても非効率。
必要なら早めに工事する方が工事費も、保険料も節約できる可能性が高まる」と話しています。

三井住友海上火災保険など大手損保の多くは、事故率が少ないと保険料を変える仕組みを導入済みで、日新火災海上保険は、マンション管理士が給排水管の工事実施や長期修繕計画の設定などの状況を診断し、結果に応じて保険料を割り引いています。
土屋氏は「管理組合も共用部保険へ主体的に関わる意識が必要。
管理会社からの提案だけに頼らず、ベストな契約を自ら考える姿勢がないと、いずれ保険料上昇への対応が困難になりかねない」と警鐘を鳴らしています。

記事の用語解説によると、賠償責任補償は、他人にケガをさせたり他人のものを壊したりして法律上の損害賠償責任を負った場合の損害を補償するものです。
マンション共用部の保険には、共用部の管理などに起因する賠償と、居住者ら個人の賠償のそれぞれを特約として付けることができ、主契約とは異なる金額で免責を設定できる例が多いとしています。

ポイント:共用部の保険料が上がる3つの要因と抑え方

👉 少し古い物件なら5〜6割の値上げも

更新時の共用部の保険料上昇は数%にとどまらず、少し古い物件では一気に5〜6割上がる例もあります。

👉 要因は自然災害、築古化、水ぬれ事故

自然災害による保険料の改定が更新時に重なって反映され、築40年以上のマンションの増加と水ぬれ事故の増加も保険料を押し上げています。

👉 特約を外す見直しにはリスク

管理費から払う保険料を抑えようと賠償特約などを外す管理組合もありますが、補償範囲を狭めることにはリスクが伴います。

👉 免責の調整や管の更新という選択肢

免責金額を5万円から10万円に上げて保険料が約7%下がるケースや、給排水管の更新工事の前倒し、事故率や診断に応じた割引があります。

共用部の保険で確かめること:管理費への影響、補償の範囲、給排水管の状態

記事が伝えるのは、共用部の保険料が大きく上がり、保険料を払う管理費の負担を抑えようとして、補償を削る管理組合が出ている構図です。
保険料は管理費から払われるため、値上げは管理費を通じて区分所有者の負担に届き、補償の削り方によっては、事故が起きたときの負担が管理組合や個人に回ります。

少し古い物件で5〜6割の値上げとなれば、管理費の収支は圧迫され、管理費の見直しや補償の削減が総会の議題になりえます。
築40年以上のマンションが10年で100万戸程度増え、築年数が進むほど保険料が上がる仕組みのもとでは、この負担は築年とともに重くなりやすい性質のものです。

補償を削る方法によって、負担の回り先は変わります。
賠償特約を外すと、水ぬれで別の部分に損害が出たときの補償が手薄になり、免責金額を上げると、少額の損害は管理組合や居住者個人の自己負担になりえます。
記事が示すのは補償範囲をできるだけ保ちながら保険料を抑える方向で、免責の調整はその選択肢の一つです。
総会で保険の見直しが議題になったときは、下がる保険料と、外れる補償や自己負担になる範囲を並べて確かめることが大切です。

水ぬれ事故の根には給排水管の老朽化があり、更新工事を前倒しする手もあります。
費用は共用部の管だけで数百万〜数千万円かかる例がありますが、日新火災海上保険のように、給排水管の工事や長期修繕計画の状況を診断して保険料を割り引く保険会社もあり、事故率が少ないと保険料を変える仕組みも大手損保の多くが導入しています。
長期修繕計画に給排水管の更新が入っているか、いつ、いくらで予定されているかを確かめておくと、保険料と工事費の両方の見通しを立てやすくなります。
中古マンションの築年数と管理の見方については
大津市の中古マンションは築年数と管理で見るーー修繕積立金・長期修繕計画・認定制度で整理しています。

ONZAとしての整理

今回の記事で目を引くのは、少し古い物件では共用部の保険料が一気に5〜6割上がる例があり、保険料を抑えるために必要性の高い特約まで外す管理組合が出ている点です。
保険料は管理費から払われるため、値上げは区分所有者が毎月払う管理費の使い道に直結します。
仮の数字で、1戸あたりの負担に置き換えると次のようになります。

○前提:年間の保険料が100万円、50戸のマンションとする

○保険料が5割上がった場合:年150万円(1戸あたり年1万円、月約830円の増加)

○そのうえで免責金額の調整で約7%下がった場合:年約10.5万円の減少(1戸あたり年約2,100円)

※保険料と戸数は仮定です。
約7%は記事で紹介された一例で、実際の下がり幅は契約条件によって異なります。

ONZAが区分マンションを長く持つ資産として見るとき、家賃を支えるのは立地とともに、建物と管理組合の手入れです。
共用部の保険は、水ぬれなどの事故が起きたときに管理組合の財政を守る仕組みで、補償を削って浮く額と、事故のときに組合や個人が負う額を並べて判断することが大切です。
事故の少なさや管の手入れを保険料に反映する仕組みもあるなかで、長期修繕計画で管の更新の時期と費用を確かめ、保険と修繕を一体で考えるのが基本です。

まとめ

👉 記事内容の要点

•

マンション管理組合向けの共用部の保険で大幅な値上げが相次ぎ、少し古い物件では一気に5〜6割上がる例もある

•

背景は、自然災害による保険料の改定が更新時に重なって反映されること、築40年以上のマンションが約158.8万戸に増えたこと、給排水管などからの水ぬれ事故の増加の3つ

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保険料を抑えるために賠償特約などを外す管理組合もあるが、補償範囲を狭めることにはリスクが伴う

•

免責金額の調整、給排水管の更新工事の前倒し、事故率や診断に応じた割引など、補償を保ちながら保険料を抑える方法がある

👉 行動指針

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保険の見直しが総会の議題になったら、更新の見積もりで下がる保険料と、外れる補償や免責金額の変化で自己負担になる範囲を並べて確かめる

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長期修繕計画で給排水管の更新の時期と費用を確かめ、保険料と工事費の両方の見通しを持つ

•

中古マンションを買うときは、管理費の収支や共用部の保険の補償内容、給排水管の更新履歴も、管理の状態として確かめる

ご相談について

投資用でご検討の方

区分マンションの管理費や修繕積立金は、共用部の保険料や給排水管の更新によっても動きます。
検討中・保有中の物件について、管理組合の財政や長期修繕計画も含めて、収支の見通しを一緒に確認いたします。

売却をご検討の方

共用部の保険の補償内容や給排水管の更新履歴は、買い手が管理の状態を判断する材料になります。
お持ちの物件の管理の状況を整理し、売り出しの時期と進め方を一緒に考えます。

居住用でご検討の方

購入を検討しているマンションの管理費や修繕積立金、共用部の保険の補償内容は、暮らしの安心と毎月の負担に関わります。
暮らしに合う住まいを、無理のない資金計画で一緒に考えていきましょう。

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