大津市

大津市で親世帯との近居・同居を考えるーー二世帯住宅の型とエリア選びのポイントを整理する

親が高齢になってきた、子どもが生まれて手を借りたい、大津の実家の土地をどう活かすか考えたい。
こうしたきっかけで「親世帯との住まい方」を意識し始める方は少なくありません。
大津市は、京都への通勤を保ちながら親世帯の近くに住む条件を満たしやすく、中心市街地の駅近マンションと郊外・山手の敷地のゆとりという両方の選択肢があるため、近居や二世帯住宅を現実的に検討しやすいエリアです。

この記事では、京都・滋賀エリアを専門とするONZA Estate代表の飯田の視点から、近居・同居・二世帯という3つの住まい方と二世帯住宅の型、大津市でのエリア選び、実家の敷地や補助金・税制の確認点までを整理いたします。

大津市で「近居・同居・二世帯」を考える背景

大津駅から京都駅まで新快速で約9分、石山駅から大阪駅まで新快速で約46分(2026年時点の目安)という立地は、子世帯が通勤を続けながら親世帯の近くに住む条件を満たしやすい環境です。
また、大津市は人口が微減に転じる一方で世帯数は増えており、親世帯の住み替えや実家の扱いが住まい選びのテーマになる家族も増えています。

親世帯との住まい方は、大きく分けて3つの選択肢があります。

○ 近居:別々の住まいで、徒歩〜車圏の距離に住む
○ 同居:一つの住まいで一緒に暮らす
○ 二世帯住宅:一棟の建物に親世帯と子世帯が住む(型は3種類)

どれが優れているということはありません。
家族の生活リズム、来客の頻度、家事や育児・介護の分担、将来の相続まで含めて、家族ごとに最適解は変わります。
大切なのは「ほどよい距離感」を家族で言語化することです。

近居という選択(別々の住まいで支え合う距離感)

近居は、親世帯と子世帯がそれぞれ独立した住まいを持ちつつ、同じ沿線や車で10〜15分圏内など、互いに行き来しやすい距離に住む選び方です。
プライバシーを保ちつつ、子育てや介護を支え合いやすいのが魅力です。

大津市で近居を考えるとき、親世帯の住み替え先として厚みがあるのが中心市街地の駅近マンションです。
市の現行計画によると、分譲マンションの約半数(49.6%)が大津駅・大津京駅周辺の中部に集中しており、大津駅前のビエラ大津、石山駅前の平和堂、堅田駅前のアル・プラザ堅田のように、駅周辺で買い物が完結しやすいエリアが複数あります。
通院・買い物を考えて親世帯は駅近のフラットな住まいへ、子世帯は子育てに合った間取りと駐車スペースのある戸建てへ、と別々の判断ができるのが近居のメリットです。
中古マンションの価格は駅によって幅があるため、どの駅を軸にするかで親世帯の住み替え予算も変わります。子世帯の通勤と合わせて沿線を絞りましょう。

土地の制約から二世帯住宅の建築が難しい敷地でも、近居なら無理なく実現できる場合があります。

同居という選択(一つの住まいで暮らす場合の確認点)

同居は、既存の住まいや単世帯向けの間取りで親世帯と子世帯が一緒に暮らす選び方です。
新たに建物を計画する二世帯住宅とは異なり、今ある家を活かしながら暮らし方を整えていく形になります。

同居を考えるときは、生活リズムのずれをどう吸収するか、水回りの使い方をどう分けるか、将来の介護動線(階段・浴室・トイレの配置)が無理のないものかを確認しておくと安心です。
必要に応じて、増改築やリフォームで水回りを増やす、寝室を1階に移すといった調整を検討する家族もいます。

大津市には、こうした同居のための改修を後押しする制度があります。
「大津市定住促進リフォーム補助金」(令和8年度)は、市内に住み続けている親世帯のもとへ、子や孫の世帯が市外から転入して同居する場合(5年以上同居する意思があること)に、同居のための改修工事費の10%(上限30万円)を補助するもので、転入する世帯に15歳未満の子どもや出産予定の方がいる場合は20%(上限60万円)になります。
令和8年度の受付は、令和8年4月20日〜12月28日で、予算の上限に達すると終了します。
「市外からの転入」が条件の一つになるなど要件がありますので、市外から大津の実家に戻って同居する方は、最新の要件を大津市公式でご確認ください。

二世帯住宅の3つの型と選び方

一棟に2つの世帯が住むことを前提に建物を計画する二世帯住宅は、共有範囲によって大きく3つの型に分かれます。

完全分離型は、玄関・水回り・LDKをすべて世帯ごとに分ける型です。
独立性が高く、生活リズムの違いを気にせず暮らせる一方、設備が2セット必要になるため必要な床面積が大きくなる傾向があります。

一部共有型は、玄関や浴室など一部の設備を共有し、ほかは分ける型です。
共有する範囲によって費用感も独立性も変わるため、家族の希望に合わせて調整しやすい中間的な選び方といえます。

完全同居型は、個室以外を共有する型です。
家事の分担がしやすく床面積も抑えやすい一方、生活リズムや来客への配慮など、家族間の擦り合わせが必要になります。

型を選ぶ際は、次の項目を家族で話し合っておくと整理が進みます。

○ 生活リズム(起床・就寝・食事時間のずれ)と共有範囲の許容度
○ 来客の頻度と動線
○ 将来の介護動線(階段・浴室・トイレの配置)
○ 敷地の広さと駐車台数(郊外・山手では車2〜4台分が必要になることも)

もう一つ、大津で実家の敷地に二世帯住宅を建てる・実家を増改築する場合に見落とせないのが、土地の区域区分です。
大津市は市域の多くが山林や市街化調整区域で、調整区域では住宅の新築・建て替え・増改築に都市計画法上の制限があります。
市の提案基準には「世帯の分化の過程で必要とする住宅」(いわゆる分家住宅)などの項目があり、親の土地に子世帯の家を建てる場合や実家を二世帯に増改築する場合は、基準に基づく許可が必要になることがあります。
また、2025年4月1日から市域全域が盛土規制法の規制区域となり、造成や擁壁を伴う計画は許可・届出に関わります。
「親の土地だから自由に建てられる」とは限らないため、計画の前に市の開発許可の窓口で確認しておくことが大切です。
調整区域や分家住宅の確認点は、別記事「
大津市で中古住宅を検討する際のポイント」でも整理しています。

大津市で近居・二世帯が実現しやすいエリア

大津市のエリアは、大きく「駅徒歩圏」と「郊外・山手」で性格が分かれます。

駅徒歩圏(大津駅・膳所駅・石山駅・大津京駅などの周辺)は利便性が高く、親世帯が将来の通院・買い物を見据えて住み替えるのに向いた選択肢が多いエリアです。
二世帯住宅を建てるなら敷地次第ですが、「親は駅近のマンション、子は近隣の戸建て」という近居の組み合わせは現実的です。

郊外・山手(瀬田の丘陵部や湖西の住宅地など)は、敷地にゆとりを持たせやすい傾向があります。
完全分離型の二世帯住宅に必要な床面積や、複数台分の駐車スペースを確保しやすいのが特徴です。
一方で山手は坂が多く、高齢の親世帯には徒歩の移動が負担になりやすいため、通院や買い物の動線を車前提で組めるかの確認が必要です。
山裾の住宅地では土砂災害警戒区域の指定状況の確認も判断材料に加えてください。

なお、大津市は立地適正化計画(令和3年4月策定)で居住を誘導する区域を定めており、災害リスクの高い区域は除いて設定されています。
用途地域や区域区分、防災マップ、盛土規制の区域は、大津市の地図検索サービス「My Townおおつ」で確認できます。
ご家族の住まい方やエリア選びのご相談は、
LINEからお気軽にどうぞ。

お金と制度で押さえる点(建築費・相続・贈与の確認)

二世帯住宅は、建物の規模が大きくなる分、建築費・固定資産税・将来の修繕費も単世帯より大きくなります。
完全分離型ほど設備が2セットになるためコストは上がる傾向です。
具体額は仕様・延床面積・敷地条件で大きく変わるため、ハウスメーカーや工務店から複数の見積もりを取って比較していきましょう。

税制面では、親世帯との住まいに関連する制度がいくつかあります。

ひとつは相続税の「小規模宅地等の特例」です。
被相続人が住んでいた宅地を一定の要件で相続した場合に、330㎡までの部分について評価額が80%減額される制度で、二世帯住宅でも対象になり得ます。
ただし、建物を世帯ごとに分けて登記する「区分所有登記」にしている場合は適用される範囲が変わり、不利になることがあるなど、建物の構造や登記方法で判断が分かれます。
登記方法は特に重要な確認ポイントになるため、税理士などの専門家に相談しておくと安心です。

もうひとつは「住宅取得等資金の贈与税の非課税措置」です。
父母や祖父母から住宅取得のための資金の贈与を受ける際に、省エネ性能などの基準を満たす質の高い住宅なら1,000万円まで、それ以外の住宅なら500万円までが非課税になる仕組みで、2026年8月時点では2026年(令和8年)12月31日までの贈与が対象とされています。
受贈者の所得などの要件があり、期限や内容は税制改正で変わるため、最新の情報をご確認ください。

これらの制度の詳細は、税理士などの専門家や別記事「大津市で住宅購入にかかる諸費用と税金」で確認しておくと安心です。
相続や贈与を意識して住まいを検討される方は、現金購入のケースも少なくありません。
借入を組むかどうかは、家計と将来の見通しに合わせて判断していくとよいでしょう。

まとめ:近居・同居・二世帯を考えるチェックリスト

最後に、家族会議のためのチェックリストを整理します。

○ 距離感の希望(同居/徒歩圏/車10〜15分圏)と、それを選ぶ理由
○ 住まい方の型(近居/同居/二世帯=完全分離・一部共有・完全同居)
○ 住みたいエリア(駅徒歩圏か、郊外・山手か)と子世帯の通勤
○ 実家の敷地なら区域区分(市街化調整区域かどうか)と盛土規制の確認
○ 敷地の広さ・駐車台数と建築費の見通し
○ 同居向け補助金の要件(市外からの転入など)と受付期間
○ 相続・贈与の方針(登記方法を含め専門家への相談有無)

大津市は、中心市街地の駅近マンションと郊外・山手の敷地のゆとりをあわせ持つエリアです。
近居・同居・二世帯のどの選び方でも、土地や中古戸建て、マンションを組み合わせて現実的な解を組み立てやすい環境があります。

大切なのは、どの型を選ぶかよりも、家族にとって「ほどよい距離感」を言語化することです。
そのうえで、大津市内のどのエリア・どの住まい方が合うかを、具体的な物件と照らし合わせて考えていきましょう。

大津の街全体の特徴は、別記事「大津市はどんな街?」もあわせてご覧ください。
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