大津市で家を売る、不動産売却の進め方ーー査定から引渡しまでの流れと費用・税金
「いくらで売れるか」の前に、「いくら手元に残るか」。
大津市で家を売るときにまず見ておきたいのは、相場と段取り、そして費用・税金を差し引いた手取りの見通しです。
初めての売却では、何から始めて、どんな順番で進み、いくらかかるのかが見えにくいものです。
この記事では、京都・滋賀エリアを専門とするONZA Estate代表の飯田の視点から、大津市の不動産売却の流れを、査定・媒介契約・売り出し・費用と税金・相場の順に整理いたします。
住み替え、相続した実家、転勤など、売却理由はさまざまですが、売る側の全体像をつかむための材料としてお読みください。
大津市の市況ーー売却前に整理しておきたいこと
大津市は、大津駅から京都駅まで新快速で約9分、石山駅から大阪駅まで乗り換えなしの約46分(いずれも2026年時点の目安)という通勤圏で、住まいの需要源が京都通勤・官公庁・市内事業所・大学と複数あるエリアです。
一方で、人口は微減傾向にあるものの世帯数は増えており、市域が南北に長いぶん、駅・沿線・物件種別・築年数によって需給の厚さも価格水準も大きく異なります。
実際、中古マンションの駅別の掲載価格の中央値には、同じ面積帯でも駅によって約2倍の差がみられます(詳しくは後述の相場の節で整理します)。
だからこそ、売却は「エリアの相場」より「個別の査定」を出発点にするのが現実的です。
売却を考え始めたら、まず次の点を整理しておくと判断しやすくなります。
○ 売却の希望時期(住み替え・相続・転勤など、いつまでに売りたいか)
○ 住宅ローンの残債と、売却で見込める金額の関係
○ 売却にかかる費用・税金を差し引いた手取りの見通し
売却の流れ(査定から引渡しまで)
家を売る大きな流れは、次のとおりです。
各段階の期間は目安で、物件や売り出し方によって変わります。
○ 相場の確認・査定(複数社に依頼)
○ 媒介契約(不動産会社と結ぶ)
○ 売り出し・内見対応
○ 購入希望者との価格交渉・売買契約
○ 決済・引渡し(残代金の受領・登記・鍵の引渡し)
査定を始めてから引渡しまでは、おおむね3〜6か月が一つの目安です。
売り出し価格や需要によって、早く売れることも、時間がかかることもあります。
査定と媒介契約ーー価格と会社の決め方
査定には、周辺事例から簡易に出す「机上査定」と、実際に物件を見て出す「訪問査定」があります。
大切なのは、複数社に依頼して、価格の根拠(成約事例・相場・物件の状態)を比較することです。
査定額はそのまま売れる金額ではなく、売り出し価格は査定と相場をもとに決めていきます。
戸建ての査定では、土地面積・建物の状態・築年数・接道条件・境界の明示・駐車台数なども価格に影響します。
マンションでは、専有面積・階数・向き・管理状態・修繕履歴がポイントになります。
大津では管理計画認定を受けたマンションが32件あり(市の公開一覧・2026年7月7日更新時点)、管理の良さが評価につながる流れも出てきています。
不動産会社と結ぶ媒介契約には、3種類があります。
○ 一般媒介:複数社に依頼でき、自分で買主を探すこともできる。レインズ登録や報告は任意
○ 専任媒介:1社に絞る。自分で買主を探すことは可能。レインズ登録は契約から7営業日以内、2週間に1回以上の報告義務。契約期間は最長3か月
○ 専属専任媒介:1社に絞り、自分で買主を探すことは不可。レインズ登録は契約から5営業日以内、週1回以上の報告義務。契約期間は最長3か月
複数社に広く声をかけたいか、1社にじっくり任せたいかで、選び方が変わります。
売却にかかる費用と税金ーー相続した実家の確認点も
家を売るときは、売却価格がそのまま手元に残るわけではなく、いくつかの費用と税金がかかります。
主な費用は次のとおりです。
○ 仲介手数料:上限は「売却価格×3%+6万円+消費税」(売買価格400万円超の場合の速算式)。800万円以下の物件は上限30万円(税抜)
○ 印紙税:売買契約書に貼る。売却価格に応じて変わる(軽減税率は2027年3月31日まで)
○ 抵当権抹消登記:ローン残債がある場合に必要。司法書士報酬1〜3万円程度+登録免許税(不動産1個につき1,000円)
○ そのほか:住宅ローンの繰上返済手数料、引越し費用など
売却で利益(譲渡所得)が出た場合は、譲渡所得税がかかります。
譲渡所得は「譲渡価格−(取得費+譲渡費用)−特別控除」で計算します。
税率は所有期間で変わり、売却した年の1月1日時点で所有5年超なら長期譲渡所得(20.315%)、5年以下なら短期譲渡所得(39.63%)です。
マイホームの売却には「居住用財産の3,000万円特別控除」があり、譲渡所得から最大3,000万円まで控除できます(要件あり)。
要件や適用期限は年度で変わるため、利用を検討する際は、税理士などの専門家や国税庁の最新情報で確認してください。
相続した実家を売る場合は、二つ確認しておきたい点があります。
ひとつは相続登記です。2024年4月1日から相続登記の申請が義務化されており、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記する必要があります(正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象)。
売却には名義を相続人に移す登記が前提になるため、早めに済ませておきましょう。
もうひとつは、相続した空き家の売却に使える「被相続人の居住用財産の3,000万円特別控除」です。2027年(令和9年)12月31日までの売却が対象で、建物の建築時期や耐震性など要件が細かく定められているため、該当しそうな場合は国税庁の情報や専門家に確認してください。
住み替えで売却と購入を並行して進める場合の段取り(売却先行・購入先行の判断や住み替えローン)は、別記事「大津市で住み替え・買い替えを進めるには」で整理しています。
住み替えで次の家を買う場合にかかる諸費用・税金は、別記事「大津市で住宅購入にかかる諸費用と税金」で整理しています。
売却にかかる費用や税金、手取りの見通しのご相談は、LINEからお気軽にどうぞ。
大津市の売却相場の目安
売り出し価格を考えるうえで、相場の把握は出発点になります。
大津市の中古マンションの中央値は、60〜80㎡で堅田駅の1,680万円から大津京駅の3,380万円まで、80〜100㎡で堅田駅の2,080万円から大津駅の4,880万円まで、駅によって大きな幅があります(SUUMO掲載情報・集計期間2025年7月1日〜2026年6月30日・各駅徒歩15分以内の最終掲載価格で、成約価格ではありません)。
戸建ては立地・築年数・建物の状態による幅がさらに大きく、一律の相場では捉えにくいため、個別の査定で確認するのが現実的です。
同じ市内でも駅・沿線で水準が変わるのが大津の相場です。
最新の成約事例と複数社の査定で、自分の物件の価格の根拠を確認することが大切です。
どんな物件が売りやすいかは、別記事「大津市で売却しやすい住宅の特徴」もご参照ください。
高く・スムーズに売るための工夫
同じ物件でも、進め方によって売れ方は変わります。
次のような工夫が、納得できる売却につながります。
○ 売り出し価格を相場とかけ離れた高値にしない(反応が鈍り、結果的に値下げにつながりやすい)
○ 内見に備えて、室内の清掃・整理や明るさの確保をしておく
○ 早めに売りたい場合と、時間をかけて高値を狙う場合で、価格設定と期間の方針を決めておく
○ 不具合や境界などは隠さず正確に伝える(引渡し後のトラブルを避ける)
時間に余裕を持って準備するほど、売り急ぎによる不本意な値下げを避けやすくなります。
まとめ:大津市で家を売るときのチェックリスト
最後に、売却を進めるうえでの確認ポイントを整理します。
○ 残債と手取りの見通し
○ 複数社の査定と価格の根拠(大津は駅・沿線で相場の幅が大きい)
○ 媒介契約の種類(一般・専任・専属専任)
○ 仲介手数料・印紙税・抵当権抹消などの費用
○ 譲渡所得税と3,000万円特別控除の確認(要件・期限は最新を確認)
○ 相続した実家なら、相続登記(3年以内の義務)と空き家の特例の確認
○ 相場に沿った売り出し価格と内見準備
家の売却は、相場の把握と段取り、そして余裕を持ったスケジュールが結果を左右します。
あわてて売り急ぐより、費用・税金まで含めた手取りを見通し、ご自身の状況に合う進め方を選ぶことが、納得できる売却につながります。
大津の街全体の特徴は、別記事「大津市はどんな街?」もあわせてご覧ください。
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