京都市で土地探しから注文住宅を建てるーー土地選び・資金計画・建築の流れ
土地から探して注文住宅を建てる場合、土地と建物を別々に契約し、支払いの時期もずれます。
建売や中古のように完成した住まいを一度に買うのとは、段取りも資金計画も変わります。
京都市では、建てられる高さや道路との関係などに京都ならではの条件が多く、土地選びの段階で確かめておくことが大切です。
この記事では、京都・滋賀エリアを専門とするONZA Estate代表の飯田の視点から、京都市で土地を探して注文住宅を建てるときの、土地相場と探し方、土地選びの確認点、資金計画、建築の流れを整理いたします。
数値や制度は2026年9月時点で確認した情報です。
京都市で「土地から注文住宅」を考える前に
京都市は新築の一戸建てが少ない街です。
2025年の新設住宅着工12,729戸のうち一戸建ては2,486戸(19.5%)で、土地の成約も2026年8月は43件でした(近畿レインズ)。
建てられる土地が限られるうえ、土地代の比重が大きくなりやすいのも京都の特徴です。
住宅金融支援機構の「2025年度フラット35利用者調査」によると、京都府(京都市外を含む)でフラット35を利用して土地付注文住宅を建てた人の平均は、建設費約3,430万円・土地取得費約1,900万円(148件)でした。
全国平均(建設費約3,738万円・土地取得費約1,575万円)と比べると、建設費は低く土地取得費は高く、総額に占める土地の割合が大きくなっています。
土地にいくらかけ、建物にいくら残すかという配分が、京都で注文住宅を考えるときの出発点です。
京都市の土地相場と土地探しの進め方
京都市の住宅地の地価は、区によって大きく異なります。
令和8年地価公示の住宅地の平均価格は、上京区の1㎡あたり約45.9万円から山科区の約14.9万円まで約3倍の開きがあります。
実際の取引では、2026年8月の京都市の土地の成約平均が4,169万円(1㎡あたり32.14万円・129.72㎡)でした(月ごとに振れるため目安です)。
通勤・通学や市バスの主要路線といった暮らしの条件と、土地代のバランスでエリアを絞り込みます。
土地の探し方は、主に次の3つです。
○ 不動産会社(仲介)を通じて売地を探す
○ 分譲地の区画から選ぶ
○ 建築条件付き土地を検討する
建築条件付き土地は、土地の契約後、おおむね3か月程度のうちに指定の建築会社と建築請負契約を結ぶことが条件の土地です。
土地と建物の段取りを一体で進めやすい一方、建築会社を選べず、プランを検討する期間も短くなります。
請負契約が成立しなかった場合の白紙解除や返金の範囲は契約ごとに異なるため、契約前に必ず確認しましょう。
京都市で土地を選ぶときの確認点
京都市では、同じ面積の土地でも、建てられる家の大きさや形が規制によって変わります。
○ 用途地域と高度地区:建ぺい率・容積率に加え、高度地区で高さの上限が10mから31mまで段階的に決まっており、北側の隣地までの距離に応じた高さの制限もある
○ 細街路:幅員4m未満(1.8m以上)の道に面する土地は、建てる際に道路の中心線から2m後退が必要で、使える敷地が狭くなる。行き止まりの路地(袋路)は建築に別の認定・許可が必要
○ 景観地区・風致地区:外観や色に基準があり、風致地区では建ぺい率が2〜4割、高さが8〜15mに抑えられる
○ 埋蔵文化財:遺跡の範囲内は工事の60日前までに届出が必要。試掘調査の予約に7〜8か月かかることもある
○ 市街化調整区域:市内に約33,000haあり、住宅の新築は原則として制限される
○ 盛土規制法:2024年6月6日から市内全域が規制区域で、勾配30度を超える一定の高さの崖が生じる造成には擁壁と許可が必要
○ ハザード:京都市防災情報マップで土砂災害や浸水の想定を確認する
これらは、2026年3月18日に運用が始まった「京都市地図情報提供サービス」で、用途地域・高度地区・景観・道路の種別・遺跡地図・盛土規制の区域などを地図上でまとめて確認できます。
気になる土地が見つかったら、購入前にこのサービスと市の窓口で条件を確かめておくと安心です。
京都市で注文住宅を建てる費用と資金計画ーー土地と建物の支払い時期がずれる
注文住宅の総額は、次の4つに分けて考えます。
○ 土地代
○ 建物代(仕様・広さ・建築会社によって幅が大きい)
○ 付帯工事(地盤改良・外構・水道やガスの引込み)
○ 諸費用(物件価格のおおむね6〜10%が目安)
注文住宅では、建物が完成する前に土地代を支払う必要があります。
そのための借入には、主に2つの方法があります。
○ つなぎ融資:建物の完成まで一時的に借りる方法。金利は高めのことが多く、つなぎの部分は住宅ローン控除の対象外
○ 土地先行融資(分割融資):土地の分を先に住宅ローンとして借りる方法。新築の日前2年以内に取得した土地で、その土地の借入金について新築した家屋を目的とする抵当権が設定されるなどの要件を満たせば、住宅ローン控除の対象になる
どちらを使えるかや金利・手数料の扱いは金融機関によって異なるため、土地を探し始めた段階で相談しておくと安心です。
金利タイプは、変動と固定のどちらにも向き不向きがあります。
変動金利は、元本がいちばん大きい返済の序盤に低い金利が効く一方、今後の見直しで金利が上がれば返済額も増えます。
固定金利は、返済額が最後まで変わらない安心感がある一方、当初の返済額は大きくなります。
どちらを選ぶ場合も、金利が上がっても返せる借入額かを確かめておきましょう(金利タイプの考え方は別記事「京都市で30代・40代が住まいを選ぶときの判断軸」)。
諸費用と税金の全体像は、別記事「京都市で住宅購入にかかる諸費用と税金」で整理しています。
土地と建物の予算配分や資金計画のご相談は、LINEからお気軽にどうぞ。
建築会社選びと家づくりの流れ
土地から注文住宅を建てる場合、おおむね次の順番で進みます。
○ 住宅ローンの事前審査
○ 土地探しと並行して、建築会社にプランと概算を相談
○ 土地の売買契約・決済
○ 建築請負契約・設計の打ち合わせ
○ 着工・完成・引き渡し
大切なのは、土地を契約する前に、希望の建物がその土地の法規と形に収まるか、付帯工事を含めた概算がいくらかを建築会社と確かめておくことです。
土地を買ってから「思った家が建たない」「予算が合わない」という行き違いを防げます。
土地探しから入居まで1年前後かかることも多く、京都では景観の手続きや埋蔵文化財の試掘の予約待ちで、さらに時間がかかる場合があります。
入学や転勤などで入居時期に期限がある場合は、余裕を持って動き始めましょう。
なお、2025年4月以降に着工する住宅は省エネ基準への適合が義務になっているため、設計は省エネ性能の水準も含めて検討します。
注文住宅・建売・中古の向き不向き
注文住宅が向いている方
○ 間取りや素材にこだわり、時間をかけて家づくりを進めたい
○ 住みたいエリアで条件に合う土地が見つかりそう
○ 土地と建物の予算配分を自分で調整したい
一方で、入居時期が決まっている方や総額を早く確定させたい方には、建売も選択肢になります(別記事「京都市で建売を選ぶときのポイント」)。
中心部の駅近など立地を最優先するなら、中古戸建てやマンションも含めて比べると選択肢が広がります(別記事「京都市で中古住宅を検討する際のポイント」)。
どれが優れているかではなく、入居時期・予算・こだわりの優先順位で選ぶものです。
まとめ:京都市で土地から注文住宅を建てるチェックリスト
○ 土地代と建物代の配分(京都は土地の比重が大きい)と総額
○ エリアごとの地価と、通勤・通学など暮らしの条件
○ 建築条件付き土地の条件と、白紙解除・返金の範囲
○ 高度地区・細街路・景観・風致・埋蔵文化財・調整区域・盛土規制・ハザード(京都市地図情報提供サービスで確認)
○ つなぎ融資か土地先行融資か、住宅ローン控除の要件
○ 土地の契約前に、建物が収まるかと概算総額を建築会社と確認
○ 景観の手続きや試掘を見込んだスケジュール
土地から注文住宅を建てると、住まいを一から形にできる一方、判断することも増えます。
土地・建物・資金を一体で見て、無理のない総額に収めることが、京都で納得のいく家づくりにつながります。
京都の街全体の特徴は、別記事「京都市はどんな街?」もあわせてご覧ください。
京都市での土地探し・注文住宅のご検討や、住まい探し(購入・賃貸)のご相談は、LINEからお気軽にお問い合わせください。
ONZA Estate | 滋賀・京都エリアの不動産仲介