空き家を売る4つの方法 ── 現況・更地・古家付き土地・買取の選び方
空き家を売ると決めても、売り方は一つではありません。
大きく「現況のまま」「解体して更地」「古家付き土地」「不動産会社の買取」の4つがあり、どれを選ぶかで費用・税金・売却期間が大きく変わります。
市場で買主を探す「仲介」で売るのか、会社に直接売る「買取」を選ぶのかも、あわせて考えるポイントです。
本記事では、ONZA Estate代表の飯田の視点から、4つの売り方の特徴と選び方を、費用と税金の要点もあわせて中立に整理します。
なお、本記事の税制情報は2026年7月時点の国税庁情報等にもとづくもので、適用可否や最新の期限は国税庁・税理士にご確認ください。
空き家の売り方は大きく4つ
空き家の売り方は、主に次の4つに分かれます。
・現況のまま売る(古家として)
・解体して更地で売る
・古家付き土地として売る
・不動産会社に買取してもらう
どれが正解ということではなく、建物の状態・立地・どれくらい急ぐか・手間をかけられるかで、向く方法が変わります。
まずはそれぞれの特徴を見ていきます。
①現況のまま売る(古家として)
建物をそのままの状態で買主に引き渡す方法です。
検討しやすいのは、築年数が浅い、状態が良い、リフォームすれば十分住める、立地が良い物件です。
解体やリフォームの費用・手間がかからず、すぐに販売を始められます。
建物が残っているため、買主が住宅ローンを使いやすく、自分好みにリフォームしたい買主の需要もあります。
注意したいのは、雨漏りやシロアリ被害など状態が悪いと、買い手が見つかりにくかったり値引きを求められたりする点です。
引渡し後に見つかった不具合(契約不適合)への対応を、売買契約であらかじめ明確に取り決めておくことも大切です。
②解体して更地で売る
建物を解体し、更地にして売る方法です。
検討しやすいのは、老朽化が進んで資産価値が低い、倒壊の危険がある、新築需要のはっきりしたエリアの物件です。
買主は土地の広さや形を把握しやすく、新築を建てたい買主に広くアピールできます。
注意したいのは、解体費がかかること、そして解体すると住宅用地の特例(小規模住宅用地は課税標準1/6)が外れて、土地の固定資産税が最大で6倍程度に上がることがある点です(固定資産税は自治体の課税内容によって異なります)。
また、解体してみないと地中の埋設物(浄化槽・井戸・コンクリートガラなど)が分からず、追加の撤去費がかかることもあります。
解体費は本体で木造1坪あたり4〜6万円程度が目安ですが(鉄骨6〜8万円、RC7〜10万円)、これは2026年7月時点の一般的な相場感で公的統計ではなく、アスベストや外構の有無で変わるため現地の見積もりが必要です。
③古家付き土地として売る
建物を解体せず、「土地」を主として売る方法です。
建物も取引に含みますが価格は土地代が中心で、解体は買主負担とするのが一般的です。
検討しやすいのは、解体費をかけたくない、建物の価値は低いが土地に需要がある物件です。
売主は解体費を負担せずに済み、買主は建物を使うか解体して新築するかを選べるため、更地より買主の幅が広がることもあります。
注意したいのは、あくまで土地としての売却なので価格は更地相場より安めになりやすく、解体費の相当分を価格交渉されやすい点です。
残置物・境界・建物の不具合の扱いは、契約不適合責任を免責する特約も含め、契約であらかじめ整理しておくのが一般的です。
④不動産会社に買取してもらう
一般の買主を探すのではなく、不動産会社が直接買い取る方法です。
検討しやすいのは、とにかく早く現金化したい、周囲に知られず売りたい、長く売れ残っている、相続などで手間をかけたくない物件です。
条件が合えば数週間から1か月程度で現金化でき、内覧対応や買主との交渉が不要で、契約不適合責任も免責されることがほとんどです。
売主と会社の直接取引のため、仲介手数料もかかりません。
注意したいのは、買取価格が仲介で売る場合の市場価格の6〜8割程度になるのが一般的な目安、という点です。
会社がリフォームや再販の費用・利益を見込むためで、価格よりスピードや確実性を優先したい場合に向いた方法です。
仲介と買取の選び方・費用と税金の要点
4つのうち、現況・更地・古家付き土地は「仲介」で市場の買主を探すのが基本で、買取は会社が直接買います。
仲介は高めを狙える一方で時間がかかり内覧もあり、買取は早く確実な一方で価格は下がりやすい、という違いです。
期間の目安は、仲介で3〜6か月程度(物件条件によっては1年以上)、買取は条件が合えば数週間〜1か月程度です。
急がず条件を狙うなら仲介、早く確実に手放したいなら買取、と目的で選び分けます。
売却にかかる主な費用は、仲介手数料(上限=売買価格×3%+6万円+消費税・400万円超の場合)、印紙税(軽減措置に期限あり)、登記費用、更地にする場合の解体費などです。
税金は、売って利益(譲渡所得)が出ると課税され、譲渡所得は「売却価格−(取得費+譲渡費用)−特別控除」で計算します。
取得費が分からない場合は売却価格の5%を取得費にできますが、その分だけ譲渡所得が大きくなりやすい点に注意します。
税率は、譲渡した年の1月1日時点で所有5年超なら長期譲渡の20.315%、5年以下なら短期譲渡の39.63%で、いずれも復興特別所得税を含みます。
相続した空き家には最大3,000万円を控除できる特例(令和9年12月31日までの譲渡)もあり、要件が細かいため、詳しくは相続空き家の売却を扱う別記事や、国税庁・税理士でご確認ください。
空き家の売り方に迷ったら、こちらのLINEからお気軽にご相談ください。
まとめ
空き家の売り方は、現況・更地・古家付き土地・買取の4つです。
状態が良ければ現況、建物価値は低いが土地に需要があるなら古家付き土地、老朽化が進むなら更地、早さと確実さを優先するなら買取、と条件で選び分けます。
解体費や固定資産税、譲渡所得税といった費用・税金も見込んだうえで、複数の不動産会社に相談して進めるのが、後悔しない売却につながります。
税制は改正で要件や期限が変わることがあるため、最新は国税庁や税理士でご確認ください。
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