滋賀で土地を売る ── 相場の調べ方・流れ・土地ならではの準備

相続した実家の跡地、使っていない畑、貸していた駐車場──滋賀で土地売却を検討するとき、建物の売却と大きく違うのは「土地の種類と状態で、踏む手順が変わる」ことです。
更地なのか、古家が残っているのか、農地なのか。境界ははっきりしているのか。この整理を飛ばすと、売出しの途中で手続きが止まりがちです。
本記事では、ONZA Estate代表の飯田の視点から、滋賀の土地市場の見方、相場を測る4つの指標の使い分け、売却の流れ、土地ならではの準備、農地・調整区域の扱い、売りにくい土地の選択肢までを整理します。
制度・税制は2026年7月時点の内容で、費用などの数字は一般的な目安です。個別の税務・手続きは税理士・自治体・法務局にご確認ください。

滋賀の土地市場──南部の上昇と、土地の種類で変わる売り方

滋賀の住宅地の地価は、上昇基調が続いています。
国土交通省の令和8年地価公示(滋賀県公表資料・2026年3月公表)では、滋賀県の住宅地は平均+0.9%と3年連続で上昇し、上昇エリアは大津〜草津・守山・栗東の琵琶湖線沿線=県南部を中心に10市2町へ広がっています。
なおこれは住宅地の地価の平均変動率で、個別の土地の成約価格を示すものではありません。
南部の駅徒歩圏や生活利便の高いエリアの土地は、住宅用地としての需要があり買い手の属性が広い一方、郊外や市街化調整区域では需要が限られ、売り方の設計(期間・価格・売り先)が変わります。
そしてもう一つの分かれ目が土地の種類です。
・更地:そのまま売り出せる、いちばんシンプルな形
・古家付き土地:傷んだ建物が残る土地。土地主体で売るか、解体するかは手取り比較で決めます
・農地:農地法の手続きが必要で、売り先や期間の見通しが変わります
自分の土地が「どこにあって、どの種類か」。ここから逆算するのが、滋賀の土地を売るときの出発点です。

土地の相場の調べ方──4つの指標の使い分け

土地には複数の「価格」があり、混同すると相場を見誤ります。使い分けは次のとおりです。
・成約事例(実勢価格):実際に売れた価格。国土交通省「不動産情報ライブラリ」(2024年4月運用開始)で取引価格情報を、レインズ・マーケット・インフォメーションで成約情報を確認できます。売出価格ではなく成約ベースで見るのがポイントです
・地価公示・都道府県地価調査:国・県が公表する公的な指標。近くの標準地の水準と変動率が分かり、相場の「基準点」になります
・相続税路線価(国税庁):相続税・贈与税の評価用の価格で、一般に地価公示水準の8割程度を目安に評価されるとされます。時価そのものではありません
・固定資産税評価額:課税用の価格で、一般に地価公示水準の7割程度が目安とされ、3年ごとに見直されます(直近は2024年度)
つまり、納税通知書の評価額や路線価をそのまま「売れる値段」と考えると、実勢とずれることがあります。
実勢は成約事例で、水準感は公示・地価調査で押さえ、最後は査定で自分の土地の評価と根拠を確かめる、という三段構えが着実です。

土地を売る流れと期間の目安

土地売却の一般的な流れは次のとおりです(全体で3か月〜1年程度が目安で、境界や農地の手続きの有無で大きく変わります)。
・相場を調べ、複数社に査定を依頼する
・境界の状況を確認し、確定測量の要否を判断する
・不動産会社と媒介契約を結ぶ
・販売活動・現地案内(更地は現地の印象も大事なので、草刈りなど最低限の手入れを)
・売買契約の締結(手付金の受領)
・決済・引渡し(契約から1か月前後)
・売却の翌年に確定申告
建物の売却と比べて、土地は「境界」と「法規制の確認」が期間を左右します。
とくに確定測量が必要になると数か月単位で時間がかかるため、売ると決めたら早めに着手するのが安全です。

土地ならではの準備──境界明示・実測と公簿・越境と地中

土地売却で特に押さえたい準備が3つあります。
・境界の明示:土地の売買では、隣地との境界を明らかにして引き渡すのが原則です。境界標があるか確認し、なければ確定測量──隣地所有者や道路管理者との立会い・確認を踏まえて境界と実際の面積を確定する測量──を土地家屋調査士に依頼することを検討します(費用は数十万円規模、期間は数か月かかることもある一般的な目安で、隣接地の数や道路との関係で変わります)
・実測売買か公簿売買か:登記簿の面積と実際の面積が違うことがあり(いわゆる縄伸び・縄縮み)、実測面積で精算する「実測売買」か、登記簿面積のまま精算しない「公簿売買」かを契約で明確にします。どちらにするかで測量の要否や価格の考え方が変わるため、媒介の段階で相談しておきましょう
・越境と地中:塀・庭木・配管などの越境は覚書で整理し、古い建物の基礎や浄化槽が地中に残っていないか、分かる範囲で告知できるようにしておきます
この3つは、契約直前や引渡し直前に発覚すると日程が崩れる代表格です。
査定と同時に不動産会社へ現状を伝え、必要な手当てを段取りに織り込んでおくと、後半が安定します。

農地・市街化調整区域の土地を売るとき

畑や田んぼなど農地売却では、農地法の確認が必要です(農林水産省・2026年7月時点)。
・農地のまま売る(農地法3条):買い手が農業に従事すること等の要件があり、区域を問わず農業委員会の許可が必要です。買い手の属性が限られるため、時間の見通しは長めに持ちます
・転用して売る(農地法5条):宅地などに変えて売る方法です。市街化区域内の農地なら農業委員会への届出で足りますが、市街化調整区域などでは都道府県知事等の許可が必要で、許可には立地などの基準があります
つまり同じ「畑を売る」でも、市街化区域内かどうかで難易度と期間が大きく変わります。
また、市街化調整区域の土地は原則として建物の新築が制限されるため、住宅用地としての売却は難しく、隣地や事業者など使い道を持つ買い手を探す売り方になります。
農地・調整区域は「売れない」のではなく、「手順と売り先の設計が要る」土地です。
所在地の区域区分は市町の都市計画窓口や不動産会社で確認できるので、まずそこから確かめましょう。

費用と税金、売りにくい土地の選択肢

主な費用と税金は次のとおりです(2026年7月時点)。
・仲介手数料:上限は売買価格×3%+6万円+消費税(400万円超の場合)。800万円以下の取引には上限の特例があります(2024年7月改正)
・測量・分筆などの実費:確定測量の費用や、分筆──1筆の土地を登記上複数の土地に分ける手続き──を行う場合の測量・登記費用
・譲渡所得税:売却益に課税。売却した年の1月1日時点で所有5年超なら20.315%、5年以下なら39.63%(国税庁)。相続した古い土地は取得費が分からないことが多く、売却価格の5%を概算取得費とするケースが一般的です(相続税を納めた場合は取得費加算の特例も。適用可否は税理士に確認を)
・印紙税など
そのうえで、市場で動きにくい土地には次の選択肢があります。
・隣地の所有者に打診する:隣接地と一体になると使い勝手が上がるため、隣地所有者は有力な買い手候補です
・分筆して売る:広すぎて総額が張る土地は、買いやすい広さに分けて売る方法があります。分けた後の接道や法規制、測量費との見合いで判断します
・不動産会社の買取:市場価格より低くなる傾向はありますが、早く確実に手放せます
・相続土地国庫帰属制度:相続した土地を、要件を満たせば国に引き取ってもらえる制度です(2023年4月27日開始・法務省)。建物がない・境界が明らかなどの要件があり、負担金(原則1筆20万円。市街化区域内の宅地や農地・森林などは面積に応じて算定)と審査手数料がかかります。承認されない土地もあるため、売却・活用と並べて検討する選択肢の一つです
「売る・隣地・分筆・買取・国庫帰属」を並べ、手取りと期限で比べるのが着実です。

売却の段取りや手取りの見積りを確認したい場合は、LINEで土地の概要をお送りください。確認すべき項目を整理できます。

まとめ

滋賀で土地を売るポイントは3つです。
・種類と場所から逆算する:滋賀の住宅地の地価は3年連続上昇(令和8年公示+0.9%)ですが、南部沿線と郊外・調整区域では売り方の設計が変わります。更地か古家付きか農地かで手順も変わります
・価格の指標を混同しない:路線価や固定資産税評価額は課税用の価格で、時価そのものではありません。実勢は成約事例で押さえ、査定の根拠と突き合わせます
・境界と法規制を先に確認する:境界明示・実測か公簿か・農地法の手続きは期間を左右するため、査定と同時に段取りに織り込みます
売りにくい土地にも、隣地打診・分筆・買取・国庫帰属といった選択肢があります。手取りと期限で並べて比べてください。

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土地の所在地と状態を踏まえて、相場の見方から手取りの見積りまで一緒に整理いたします。
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