滋賀で戸建て・空き家を貸す ── 需要の見方・貸し方・収支の考え方

空いた実家を売るのは踏ん切りがつかない。かといって放置もできない──そんなとき有力な選択肢になるのが、滋賀で戸建て賃貸として「貸す」ことです。
滋賀は京都・大阪への通勤圏を抱え、戸建ての貸家は供給が少ない一方でファミリーの借り手には根強い人気があり、条件が合えば空き家は家賃収入を得る選択肢になり得ます。
本記事では、ONZA Estate代表の飯田の視点から、滋賀の賃貸需要の見方、貸し方の選択肢(普通借家・定期借家・サブリース)、賃料と収支の考え方、貸すまでの流れ、貸す前の注意点までを整理します。
制度は2026年7月時点の内容で、賃料や費用の数字は一般的な目安です。個別の判断は管理会社・税理士にご確認ください。

滋賀の賃貸需要──戸建て賃貸が動く理由とエリア

滋賀の賃貸需要は、大きく3つの流れで支えられています。
・通勤の需要:京都・大阪へ乗り換えなしで通える琵琶湖線沿線(大津〜草津・南草津・守山・栗東の県南部)は、新快速停車駅を中心に借り手の属性が広いエリアです
・学生の需要:大学キャンパスの周辺には単身の需要が集まります。立命館大学びわこ・くさつキャンパス(草津市・最寄り南草津駅)はその一例です
・勤務先の需要:製造業などの事業所が集積する市町では、従業員とその家族のファミリー需要が見込めます
そのうえで、戸建て賃貸には市場の特徴があります。
賃貸市場の供給はアパート・マンションが中心で、戸建ての貸家は数が少なめです。
一方、子育て中の借り手には「騒音を気にしにくい」「庭・駐車場がある」「広い」という選好があり、ペットと暮らしたい属性にも選ばれやすい──つまり「供給が少なく、需要は一定」の構図になりやすいのが戸建て賃貸です。
もちろん需要はエリア次第なので、まず自分の空き家の場所で「誰が借りそうか」を管理会社と確認するところから始めます。

貸し方の選択肢──普通借家・定期借家・サブリース

貸し方は大きく3つあり、将来の予定で選び方が変わります。
・普通借家契約:一般的な貸し方です。契約期間が満了しても、貸主からの更新拒絶には「正当事由」が必要で、原則として更新が続きます。長く貸す前提の空き家に向きます
・定期借家契約:期間満了で契約が確定的に終了する貸し方です(再契約は双方の合意があれば可能)。書面での契約と、契約前に「更新がなく期間満了で終了する」ことを書面を交付して説明することが必要です(借地借家法)。将来自分や家族が使う予定・売る予定があるなら、この方式が選択肢になります。賃料は普通借家より下がる傾向があると言われます(目安)
・サブリース(一括借上げ):事業者が建物を借り上げ、空室でも一定の賃料が入る方式です。ただし賃料は市場より低めになり、減額の可能性や中途解約の条件に注意が必要です。賃貸住宅管理業法により、契約前に家賃減額リスクなどの重要事項説明が義務付けられています(国土交通省・2026年7月時点)。説明を受けたうえで、条件を普通借家・定期借家と並べて比べましょう
「いつか戻る・売るかもしれない」なら定期借家、「長く貸して家賃を得たい」なら普通借家、が大まかな整理です。

賃料の決め方と収支の見方

賃料は「感覚」ではなく、周辺相場から決めます。
・ポータルサイトで「同じ市町・近い間取り・近い築年数」の募集事例を集め、平米単価で比べる
・管理会社の賃料査定で、根拠(事例・需要の見立て)を確認する
・清掃や設備の要点を整えることで、相場より少し上を狙える場合もあります
一例として、守山駅徒歩圏の3LDKで月11〜12万円程度という水準があります(一例で、エリア・物件により大きく変わります)。
収支は、次の項目で見ます。
・収入:家賃・共益費など
・支出:管理委託料(家賃の5%程度が目安と言われます。募集・集金・入居者対応・修繕手配といった運営の負担を外部化する費用です)・修繕費・固定資産税・火災保険料・入退去時の原状回復(退去時の修繕・清掃)や募集の費用
空室の間は収入が止まるため、空室1か月はおおよそ年間家賃の8%の損、という目安も頭に置いておきます。
なお、家賃だけですべての費用をまかなえるかどうかは物件と時期で変わります。単年の収支だけで判断せず、リフォームにかけた費用を「家賃×年数」で回収できるか、長い目で見るのが基本です(考え方は空き家リフォームの記事で解説しています)。

貸すまでの流れ──管理委託前提で

貸すまでの一般的な流れは次のとおりです。
・管理会社を選び、賃料査定を受ける(複数社で根拠を比較)
・直す範囲を決める(水回り・クロスなど費用対効果の高い最小限が基本。回収年数から逆算します)
・募集条件を決める(普通借家か定期借家か、ペット可否、駐車場の扱いなど)
・入居者の募集・審査(管理会社・宅建業者が実施)
・賃貸借契約・引渡し(鍵・設備の取扱説明も)
・管理開始(賃料の集金・クレーム対応・修繕手配は管理会社へ委託)
遠方に住んでいる場合や本業がある場合、自主管理は現実的ではないため、管理委託を前提に組み立てるのが安心です。
退去時の原状回復は、国土交通省のガイドラインで「経年劣化・通常の使用による損耗は貸主負担、借主の故意・過失によるものは借主負担」が原則とされています。
この線引きを管理会社と共有しておくと、退去時のトラブルを避けやすくなります。

賃料の見立てや直す範囲を確認したい場合は、LINEで物件の概要をお送りください。貸し方の選択肢を整理できます。

貸す前に知っておきたい注意点

最後に、貸してから気づくと痛い注意点を4つ挙げます。
・相続空き家の3,000万円特別控除が使えなくなる:相続した空き家の売却で使えるこの特例は、一度でも貸すと対象外になります(国税庁)。売却も視野にあるなら、貸す前に「売るか貸すか」の順番を決めてください
・税金まわり:家賃収入は不動産所得として所得税・住民税の対象です(固定資産税・管理料・修繕費などは経費になります)。一方、土地の固定資産税の住宅用地特例は、貸家でも住宅の敷地として継続します
・保険の切替:自宅用の火災保険のままでは賃貸中の事故に対応できない場合があります。貸家用の契約への切替と、漏水などに備える施設賠償責任保険の検討を
・建物の安全:貸主には修繕義務があります。1981年5月31日以前の旧耐震の建物は耐震診断を検討し、診断を受けていればその内容は契約時の重要事項説明の対象になります
いずれも「貸した後」では選び直せないものばかりです。
貸す・売る・持つの分岐点で、一度立ち止まって確認しておきましょう。

まとめ

滋賀で戸建て・空き家を貸すポイントは3つです。
・需要から始める:通勤(南部沿線)・学生・勤務先という3つの需要のどれが自分の物件に届くかを、管理会社の査定とあわせて確認します
・貸し方を将来の予定で選ぶ:長く貸すなら普通借家、戻る・売る予定があるなら定期借家。サブリースは重要事項説明を受けて条件を比較します
・収支は長い目で:賃料は平米単価で相場から決め、管理料・修繕・税金を引いた手残りと、リフォーム回収の年数で判断します。貸すと相続空き家の3,000万円控除が使えなくなる点だけは、先に確認を
需要のあるエリアなら、空き家は家賃収入を得る選択肢になり得ます。売る・貸す・持つを並べて、物件に合う道を選んでください。

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