若者の金融資産、格差拡大ーー20代のNISA利用は4人に1人、投資余力の差と賃金がカギ|ONZA的市況ニュース
2026-09-10

記事内容:若者の金融資産の格差が拡大、20代のNISA利用は4人に1人
2026.9.10の日経新聞で、若年層を中心に金融資産の保有額の格差が広がっていると報じられました。
少額投資非課税制度(NISA)の普及で貯蓄から投資への流れは進んでいるものの、投資余力が乏しい若者も少なくなく、裾野を一層広げる取り組みが重要になると記事は指摘しています。
総務省が5年に1回、全国のおよそ9万世帯を対象に実施する全国家計構造調査の金融資産残高などのデータを分析したもので、30歳未満が持つ有価証券の平均は2014年の16万円から2024年は79万円と5倍に増えました。
一方、格差を分析するジニ係数(1に近いほど格差が大きい)を使うと、平均値ではわからない実像がみえてきます。
金融資産残高の全世代平均のジニ係数は2019年の0.664から2024年は0.678に上昇し、格差が広がりました。
2024年の年齢階級別では18〜24歳が0.718と最も高く、25〜34歳の0.682が続き、それぞれ2019年比で0.017、0.005上昇しています。
若年層は投資に回せる資金に差があります。
現役世代の可処分所得のジニ係数は年齢が上がるほど格差が広がる傾向があるのに、例外的に25〜34歳は0.256、35〜44歳は0.252と、若い方が格差が大きくなっています。
帝国データバンクによると、2026年4月入社の初任給が25万円以上の割合は大企業で30.0%に達した一方、中小企業は17.0%にとどまりました。
金融資産の格差は所得格差に比べて縮小しにくいとされ、若い頃の投資余力の差が将来の資産格差につながる可能性があると記事は述べています。
可処分所得のジニ係数の全世代平均は2019年の0.288から2024年は0.286に改善しました。
ニッセイ基礎研究所の野村彰宏氏は「賃金面で世代間の格差は縮小傾向にあり資産形成が進んだ一方、全世代で金融資産の格差が広がった」と分析し、世代内の格差を広げないためには「正規・非正規の同一労働同一賃金などが必要」と説いています。
金融庁によると、2025年12月末までに開設されたNISA口座数は2820万6434で、うち20代は336万8068口座と4人に1人で、30、40、50代の3人に1人を下回ります。
NISAを使って投資に取り組む若年層は、他の世代と比べてなお少数派だと記事は述べています。
家計の金融資産は2025年度末に約2400兆円と過去最高に達し、株式・投資信託が564兆円で全体の23.6%を占めます。
2割超えはバブル期と同水準で、内閣府は経済財政白書で、金融資産の増加は株高による評価益の拡大が主因だと指摘しています。
ポイント:若年層の資産格差を巡る現在地
👉 30歳未満の有価証券は10年で5倍、しかし格差は拡大
平均は16万円から79万円に増えた一方、金融資産のジニ係数は全世代で0.664から0.678へ上がり、18〜24歳が0.718と最も高くなっています。
👉 差の源は投資余力
25〜34歳の可処分所得のジニ係数は0.256と35〜44歳より高く、初任給25万円以上の割合は大企業30.0%、中小企業17.0%と開きがあります。
👉 20代のNISA利用は4人に1人
NISA口座は2820万超で、20代は336万口座と4人に1人、30〜50代は3人に1人にとどまります。
👉 家計の金融資産は2400兆円で過去最高、株高の評価益が主因
株式・投信は564兆円で23.6%とバブル期並みで、資産の増加は株高による評価益の拡大が主因と内閣府は指摘しています。
不動産との関係:投資余力の差が資産の差になる仕組みと、与信で持つ資産の位置づけ
記事の核心は、投資に回せる資金である投資余力の差が、そのまま将来の資産格差につながる、という因果です。
NISAで積み立てる投資は、自己資金の範囲で元本を積み上げ、その元本に評価益が乗る仕組みです。
元本が小さければ評価益も小さく、記事が伝えるとおり、金融資産の格差は所得格差より縮小しにくくなります。
家計の金融資産の増加は株高による評価益の拡大が主因だという内閣府の指摘は、株式や投信を保有していた家計ほど資産残高が押し上げられやすい構造を示しています。
20代のNISA口座が4人に1人という数字は投資に参加する裾野の広がりを示す一方、口座ごとの積立額や残高までは示さないため、投資余力の差は利用率だけでは測れません。
若い世代ほど元本が小さく、その元本の差は、25〜34歳の可処分所得のジニ係数が0.256と上の世代より高いこと、初任給25万円以上の割合が大企業30.0%に対して中小企業17.0%であることから生まれています。
記事は不動産を扱っていませんが、投資余力と資産形成の経路という論点を不動産の実務に引き寄せると、借入で持つ不動産は、この仕組みの入口が違います。
株式やNISAでは投資余力、つまり自己資金が元本の上限ですが、不動産では金融機関の与信で持てる規模が決まり、家賃がその返済に充てられて、元本にあたる残債が減っていきます。
借入を使える場合、自己資金だけで規模が決まる投資とは別の経路を検討できる、ということです。
その与信の条件は、安定した収入と勤続、既存の債務、物件の担保評価、諸費用にあてる自己資金です。
記事が示す賃金や雇用の安定性の差は、金融機関の審査条件や借入可能額にも影響します。
収入の安定性と物件の条件がそろう場合に、自己資金の多寡とは別の経路が開く、という整理です。
自己資金の範囲で持つ株式と、与信で持つ現物不動産の違いについては現物不動産 vs 株式(インデックス投資)── レバレッジ・インカム・流動性で整理するで整理しています。
記事のもう一つの材料は、金融資産の格差は所得格差に比べて縮小しにくい、という点です。
資産は時間をかけて増えるため、元本の差も時間とともに開く、という性質を指しています。
借入で持つ不動産も、時間の効き方は同じで、返済期間が長いほど家賃で残債を減らす期間を長く取れます。
返済期間は収入や物件によっても決まりますが、一般に年齢が若いほど長く組めるため、投資余力が少ない世代ほど時間という資源は多く持っています。
一方で、NISAでも不動産でも、始める時期を前倒しするために無理をすると計画は崩れます。
生活のための資金と諸費用の自己資金を先に確保し、残る投資余力をどう配分するかを決めてから始める順番は変わりません。
投資余力の配分の考え方については投資資金の8:2ルール ── 守り8割・攻め2割で組み立てるで整理しています。
記事が伝える格差の仕組みを裏返せば、元本を持てるかどうかが分かれ目です。
不動産は、その元本を自己資金ではなく与信で持つ選択肢だと位置づけるのが、この記事を不動産の側から読むときの要です。
ONZAとしての整理
今回の記事で目を引くのは、18〜24歳の金融資産のジニ係数0.718と、可処分所得の格差が若い世代ほど大きいという逆転です。
投資余力の差が元本の差になり、元本の差が評価益の差になって、格差は所得より縮小しにくい。
この鎖のどこかを断つ手段として、ONZAは借入で持つ不動産を位置づけています。
家賃という収入が返済に充てられ、元本にあたる残債が減っていく仕組みは、自己資金だけで規模が決まる投資とは別の経路です。
月々の収支が小さくマイナスでも、残債が減る分を含めた長期の手残りで見れば成立する場合があります。
前提は、諸費用の自己資金と返済の余力、そして家賃が続く物件かどうかを、長期の保有を軸に確かめることです。
もう一つは、記事の見出しにある賃金がカギ、という言葉の裏側です。
賃金は投資余力を決めるだけでなく、与信も決めます。
借入可能額は収入の安定性で決まるため、若い世代は勤続年数や収入の実績が審査の課題になる場合がある一方、年齢の条件では返済期間を長く設定できる場合があります。
資産形成の順番は、生活のための資金、諸費用の自己資金、そのうえで与信の範囲で持てる物件、NISAとの併用、という積み上げになります。
自己資金で持つ金融資産と、借入で持つ不動産をどう配分するかは、収入の安定性、生活のための資金、目的、引き受けられるリスクを踏まえて、ご自身の優先順位で決まります。
ONZAが決めるのではなく、条件がそろう方に、自己資金の範囲だけではない経路があることを示すのが、この記事に対するONZAの整理です。
まとめ
👉 記事内容の要点
30歳未満の有価証券は10年で16万円から79万円に増えたが、金融資産のジニ係数は全世代で0.664から0.678へ上がり、18〜24歳が0.718と最も高い
可処分所得の格差は例外的に若い世代ほど大きく(25〜34歳0.256)、初任給25万円以上は大企業30.0%に対し中小企業17.0%と投資余力に差がある
金融資産の格差は所得格差より縮小しにくく、若い頃の投資余力の差が将来の資産格差につながる可能性がある
NISA口座は2820万超だが20代は4人に1人にとどまり、家計の金融資産2400兆円の増加は株高による評価益の拡大が主因
👉 行動指針
投資余力の差が元本の差、元本の差が評価益の差になる鎖を押さえ、自己資金の範囲だけでなく与信で持つ資産の経路も選択肢に入れる
与信は収入の安定性、勤続、既存の債務、物件の担保評価、諸費用の自己資金で決まると押さえ、条件がそろう場合の経路として考える
物件は駅からの徒歩距離、通勤先へのアクセス、想定する入居者の属性、周辺の募集件数と成約までの期間で家賃が続くかを確かめる
返済期間を長く組める場合は時間を資源として使い、家賃で残債を減らす期間を長く取る
生活のための資金と諸費用の自己資金を先に確保し、残る投資余力の配分を決めてから始める
ご相談について
投資用でご検討の方
自己資金の多寡より、収入の安定性と物件の家賃の裏付けが与信の土台になります。
検討中の物件について、借入可能額の目安と金利上昇時の収支まで、一緒に試算いたします。
売却をご検討の方
保有物件を売却して金融資産に振り向けるか、貸して持ち続けるかは、残債、家賃収入、想定される買い手の属性を並べて確かめます。
物件の状況とご意向に合わせて、売る・貸す・持ち続けるの選択肢を一緒に確認します。
居住用でご検討の方
住まいは、暮らしやすさと無理のない資金計画で選ぶのが基本です。
初めての住宅購入も、返せる額を軸に一緒に整理していきましょう。
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