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円建て保険に資金回帰、12年ぶり高水準ーー"予定利率"の仕組みと、不動産との性質の違い|ONZA的市況ニュース

2026-06-09

円建て保険に資金回帰、12年ぶり高水準ーー"予定利率"の仕組みと、不動産との性質の違い|ONZA的市況ニュース

記事内容

2026.6.9の日経新聞で、金利の上昇を受けて、個人のお金が"円建ての保険商品"に向かい始めていると報じられました。
銀行などでの販売額は2025年度に12年ぶりの高水準となり、これまで人気だった外貨建て保険からの資金シフトも進んでいます。

具体的には、銀行など金融機関の窓口で売られる円建ての"一時払い保険"の販売額が、2025年度に約"3兆4100億円"と前年度から"14%"増えました。
5年連続の増加で、2013年度以来の高い水準です。

背景にあるのは、予定利率の上昇です。
予定利率とは、保険会社が保険料や将来の受取額を計算する際に用いる基礎利率です。
一般に、この利率が高いほど、同じ保険料で期待できる受取額が大きくなりやすい仕組みで、預金金利や投資商品の利回りとは性質が異なります。
日銀が金融政策の正常化に動き、国内金利が上昇する局面に入ったことで、生保各社がこの予定利率を引き上げ、円建て保険の魅力が戻ってきました。

各社の動きを見ると、大手生保では予定利率が2〜3%台に乗る円建て一時払い商品も登場しており、明治安田生命のように市場金利に合わせて月2回利率を見直すタイプも販売されています。

一方で、外貨建ての運用ニーズも根強く残っています。
円安やインフレで円建て資産が目減りする懸念から外貨建て預金にも資金が集まり、家計の外貨預金残高は3月末に"6兆6527億円"と前年同月比"5.4%"増えて、5年ぶりの高水準でした。

その背景には、預金金利の物足りなさがあります。
メガバンクの定期預金は1年物で"0.4%"にとどまり、4月の消費者物価上昇率(生鮮食品を除く)"1.4%"を大きく下回る"実質マイナス金利"の状態が続いています。
金利や為替の先行きをにらみながら、家計が国内・海外で運用先を選別する姿がうかがえます。

ポイント

👉 円建て保険の販売額が12年ぶり高水準

金利上昇で予定利率が上がり、2025年度の販売額は約3兆4100億円と前年度比14%増えました。

👉 "予定利率"の引き上げが人気回帰の理由

予定利率(保険料や受取額を計算する基礎利率)が各社で上がり、足元では2〜3%台の商品も出ています。

👉 外貨建ての資金も根強い

円安・インフレへの備えとして外貨預金も増え、残高は5年ぶりの高水準です。

👉 預金は"実質マイナス金利"が続く

定期1年物0.4%に対し物価上昇率は1.4%で、家計は運用先を選別しています。

保険運用の仕組みと不動産との関係

今回の主役である一時払い保険は、契約時に保険料をまとめて払い、予定利率などをもとに将来の受取額や保障内容が設計される商品です。
金利上昇で予定利率が上がると将来の受取額が増えやすいため、魅力が戻ってきた、という仕組みです。

不動産とは別の商品ですが、"何にお金を置くか"という意味では選択肢の一つで、性質やリスクは大きく異なります。
性質やリスクが異なるからこそ、違いを知って目的に合わせて選ぶことが前提になります。

まず、リターンの源泉が違います。
保険は契約時の予定利率(と保障)をもとに将来の受取額が設計される一方、不動産の収益は、駅距離や通勤利便性、周辺の単身・ファミリー需要、地域の賃金水準、賃貸回転率に支えられる家賃収入が中心です。

リスクの性質も違います。
保険は利率が契約時に決まるため将来の見通しを立てやすい反面、インフレが進むと実質的な価値が目減りしやすく、早期に解約すると元本割れすることもあります。
不動産は価格変動や空室といったリスクがあります。
立地や需要がある物件では、家賃や価格がインフレの影響を受けて上がる場合もありますが、すべての物件が同じように動くわけではなく、立地・築年数・買い手層・金利環境によって差が出ます。

流動性や関与の度合いも異なります。
保険は中途解約に制約があり、運用は保険会社に委ねる形になります。
不動産は、すぐに現金化しにくいだけでなく、物件によって買い手層や売買成立までの時間に差が出ます。
市況が変わると、値付けの難しさも増します。
一方で、貸す・売る・持ち続けるといった判断を自分で握れるのは不動産の特徴です。
保障や相続対策がセットになるのは保険、ローンや団信を組み合わせられるのは不動産の特徴です。

ONZAとしての整理

金利が動く局面では、"利率が上がったから保険""金利が物足りないから外貨"というように、商品の表面の数字に目が向きがちです。
本当に大切なのは、その器が何でリターンを生み、どんなときに動かしにくくなり、インフレや相続にどう向き合えるのか、という中身の理解です。

保険も預金も不動産も、得意な役割が違います。
守り・増やし・遺すといった目的と、自分が引き受けられるリスクに合わせて、性質の違う器を組み合わせて考えることが、長く付き合える資産設計の土台になります。

まとめ

👉 記事内容の要点

金利上昇で予定利率が上がり、円建て保険の販売額が2025年度に12年ぶり高水準(約3兆4100億円、前年度比14%増)になった

予定利率は保険料や受取額を計算する基礎利率で、各社の引き上げにより2〜3%台の円建て商品も出ている

円安・インフレへの備えで外貨預金も5年ぶり高水準と、家計は国内・海外で運用先を選別

定期預金は1年物0.4%で物価上昇率1.4%を下回る"実質マイナス金利"が続く

👉 行動指針

"利率3%"などの表面の数字だけでなく、予定利率がいつまで・どんな条件で適用されるのか(固定か見直し型か)を確認する

早期解約時の元本割れや、インフレで実質価値が目減りする可能性も含めて見る

保険・預金・外貨・不動産は役割が違うと理解し、同じ物差しで比べない

守り・増やし・遺すという目的を整理してから、商品を選ぶ

ご相談について

投資用でご検討の方

不動産は、通勤利便性、駅距離、周辺の賃貸回転率などに支えられる家賃収入と、ローン・団信を組み合わせられる点が、保険や預金とは異なる特徴です。
性質の違う資産との組み合わせも含めて、収支と出口を一緒に整理いたします。

売却をご検討の方

貸す・売る・持ち続けるという選択を自分で握れるのは、不動産の特徴の一つです。
お持ちの物件が今の市況でどう評価されるか、選択肢とあわせてお伝えします。

居住用でご検討の方

住まいの購入は、金利や返済の仕組みを理解して選ぶことが安心につながります。
ご希望に合わせて、無理のない進め方を一緒に考えていきましょう。

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