長期金利は30年ぶり水準、円は上値試すーー今週の5市場と不動産の構え|ONZA的市況ニュース
2026-07-05

記事内容:今週の相場見通し(5つの市場)
2026.7.4の日経ニュースで、今週の主要な市場の見通しが示されました。
今週は、日本株と国内債券を積極的に買う動きが限られそうだ、という見立てです。
財政拡張的な政策や日銀の利上げが遅れることへの警戒から国内金利には押し上げ圧力がかかり、日経平均への寄与度が大きいハイテク株の重荷になります。
円相場は、米国の利上げ観測が後退するなかで上値(円高方向)を試しそうですが、政府・日銀の円買い介入への警戒も続き、荒い値動きが予想されています。
まず日経平均株価は、上値の重い展開が見込まれています。
先週は週間で383円(1%)高でしたが、高値警戒から値がさのAI・半導体株が売られる場面があり、キオクシアホールディングスは週間で10%下落しました。
長期金利の上昇は、将来の利益を現在の価値に換算する際の割引率を引き上げるため、利益成長が織り込まれやすいハイテク株には逆風になりやすい構図です。
一方で、今週から小売企業の決算発表が本格化します。
8日にアサヒグループホールディングスが発表の遅れていた2025年12月期通期決算を、9日にはセブン&アイ・ホールディングスが2026年3〜5月期決算を開示する予定です。
原油価格が落ち着き原材料調達のめどが立ちやすくなったことから、出遅れていた内需株に物色が広がる可能性も指摘されています。
国内の長期金利(新発10年物国債利回り)は、低下が限定的とみられています。
先週は低調な入札を受けて、約30年ぶりに一時2.8%を上回りました。
政府が6月30日にまとめた骨太の方針の原案に「適切な金融政策運営が行われることも非常に重要」と明記され、市場では政権が日銀の利上げをけん制しているとの見方が広がっています。
財政拡張と利上げの遅れへの警戒が押し上げ材料となり、今週の10年債利回りは2.7〜2.9%台で推移するとの見通しです。
7日には30年債の入札もあります。
利回りが複利で4%に近づく超長期債には水準面の投資妙味が意識され、無難に通過するとの見方が出ています。
米国の長期金利にも、インフレ懸念などから引き続き上昇圧力がかかりそうです。
円相場は、対ドルで上昇(円高)しそうです。
6月の米雇用統計が市場予想を下回り、早期の米利上げ観測が後退したためです。
利上げ観測が後退するとドルの金利面の魅力が高まりにくくなり、円買い・ドル売りが入りやすくなります。
先週は一時1ドル=162円80銭台と39年半ぶりの安値をつけたあと、160円台後半まで円高に巻き戻しました。
中東情勢に進展があれば米国のインフレ懸念が和らぎ、159円を目指して円高が進むとの見方があります。
一方で、国内の長期金利が3%をつけるようなら163円までの円安を見込む声もあり、円安に振れる場面では政府・日銀の円買い介入への警戒が値動きを荒くしそうです。
原油相場は、下げ渋りそうです。
中東情勢への懸念後退で下落が続き、WTI先物は米国とイランの軍事衝突直前の終値(1バレル67.02ドル)に接近しています。
4日から9日にかけてイラン前最高指導者ハメネイ師の国葬関連式典が行われる予定で、この間は攻撃激化の可能性が低い一方で、戦闘終結に向けた協議も大きく進まないとみられ、下落圧力は限られそうです。
5日にはOPECプラスの会合があり、8月の生産目標引き上げが見込まれるほか、週内には米EIAやIEAの需給見通しの公表も控え、供給過剰の見通しが再認識されれば下押し要因になります。
金(ゴールド)相場は、横ばい圏の見込みです。
米雇用統計の下振れで早期の利上げ観測が後退し、利息のつかない金の投資妙味が相対的に高まって、先週は1週間ぶりの高値をつける場面がありました。
このところ金は原油の動向に影響を受けやすくなっています。
原油の上げ下げがインフレや中東リスクの見方を左右し、安全資産としての金の需要にも波及するためです。
原油が大きく動かなければ様子見の展開が見込まれ、8日には6月開催分のFOMC議事要旨の公表を控えます。
ポイント:今週の相場見通し
👉 日本株・国内債券は買い手控えの週
財政拡張と日銀の利上げ遅れへの警戒が、株と債券の両方の重荷になっています。
👉 長期金利は約30年ぶりの高水準
10年債利回りは2.7〜2.9%台で推移する見通しで、7日には30年債の入札を控えます。
👉 円は上値を試すが介入警戒も
米利上げ観測の後退で円高方向。
先週は39年半ぶり安値の162円台から巻き戻しました。
👉 原油は下げ渋り、金は横ばい圏
中東の協議は国葬関連式典の後に再開の見込みで、8日にFOMC議事要旨の公表があります。
不動産との関係:5つの市場に不動産を一つ足して考える
今週の5つの市場のうち、不動産に最も直接効くのはやはり国内の長期金利です。
約30年ぶりの水準まで上がった金利は、住宅ローンや投資用の借入コストに波及します。
借入の金利が上がると、毎月の返済額や投資家が物件に求める利回りが変わり、買い手が出せる価格や売買が成立するまでの時間にも影響が及びます。
変動金利を主軸に考える場合も、金利が上がっても返していける余力を持って組んでおくことが、金利が高止まりする局面では土台になります。
一方で、株・円・原油・金は、米国の利上げ観測や中東情勢しだいで短期に揺れる週です。
相場の向きは、自分で動かせるものではありません。
不動産は、実需に支えられた家賃というインカムを長期の保有で受け取っていく資産で、収益の源と反応の速さが市場価格とは異なります。
ここでの実需とは、通勤に使える駅距離か、単身者やファミリーの流入が続いているか、地域の賃金水準に家賃が見合っているか、といった点です。
株や債券、外貨や商品と並べて不動産を一枠加えておくと、資産全体の値動きをならす選択肢になりえます。
ただし、不動産も金利の上昇や買い手の資金調達環境の影響は受けるため、その点は織り込んでおく必要があります。
ONZAとしての整理
今週は、国内外の金利をめぐる見方が、株・債券・円に共通して効いてくる週だと整理しています。
金利がどこまで動くかは読み切れませんし、相場を自分で動かすこともできません。
だからこそ、値動きの源が異なる資産を組み合わせて、どれか一つの材料で資産全体が傾かないようにしておく。
不動産をその一枠に置くなら、家賃を支える立地と実需が続くか、そして無理のない借入かを確かめておく。
金利が動く局面ほど、この基本が効いてくると考えています。
まとめ
👉 記事内容の要点
今週は財政拡張と日銀の利上げ遅れへの警戒から、日本株と国内債券に積極的な買いが入りにくい見通し
長期金利(10年債利回り)は約30年ぶりの高水準で、2.7〜2.9%台での推移が見込まれる(7日に30年債入札)
円は米利上げ観測の後退で上値(円高)を試す展開ながら、国内金利しだいでは円安シナリオもあり介入警戒が続く
原油は中東協議の再開待ちで下げ渋り、金は横ばい圏(8日にFOMC議事要旨)
👉 行動指針
金利が高止まりする局面では、住宅ローンや投資用借入のコストと返済余力を確認する(変動主軸でも、上がっても返せる組み方で)
短期の相場は自分で動かせない前提で、値動きの源が異なる資産の組み合わせを考える
不動産を一枠加えるなら、家賃を支える立地と実需(駅距離・人の流入・賃金と家賃の見合い)を確かめる
買い手の資金調達環境が変わる局面では、売買の値付けと成立までの時間にも余裕を見ておく
ご相談について
投資用でご検討の方
金利が約30年ぶりの水準にある局面では、借入条件と返済余力まで含めた収支の設計が要になります。
想定家賃が地域の賃金水準や入居者層に見合っているか、金利が上がっても回る組み方か、通勤しやすい駅距離や人の流入が続く立地かまで、一緒に整理いたします。
売却をご検討の方
金利が動くと、買い手の借入のしやすさが変わり、不動産の値付けや売買成立までの時間にも影響します。
いまの市況での進め方を、買い手の資金調達環境も踏まえて一緒に確認します。
居住用でご検討の方
住まいは、相場や金利の先読みよりも、暮らしやすさと無理のない資金計画を軸に考えるのが基本です。
変動・固定の考え方や、金利が上がっても返せる余力の持ち方から、一緒に整理していきましょう。
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