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中古マンション高騰が一服、都心6区で2戸に1戸が値下げ|ONZA的市況ニュース

2026-06-24

中古マンション高騰が一服、都心6区で2戸に1戸が値下げ|ONZA的市況ニュース

記事内容

2026.6.24の日経新聞で、東京都心の中古マンションの価格高騰が一服してきたと報じられました。
ここ半年ほど、都心6区の中古マンションは1億8000万円台で足踏みし、売り出し物件の2戸に1戸が値下げを経験しています。これまで相場をけん引してきた投資目的の需要が鈍っている、との見方が強まっています。

数字でみていきます。
不動産調査会社の東京カンテイによると、都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)の中古マンションの5月の平均希望売り出し価格は、70㎡あたり1億8748万円で、前月比0.4%下落しました。
この水準は6カ月連続で1億8000万円台にとどまっています。それまではおおむね4カ月ごとに1000万円ずつ切り上がってきたので、依然として高値ではあるものの、足元の頭打ちは鮮明です。

一服の背景には、いくつかの要因が重なっています。
一つ目は、金利の上昇です。借り入れて物件を買い、賃貸などで運用する投資では、借入金利が上がるほど、家賃収入から金利の負担を引いた手残りが薄くなり、投資としての旨みが小さくなります。
二つ目は、値上がりペースの鈍化です。価格の上昇が止まると、安く買って高く売る"短期転売"で利益を出す手法も機能しにくくなります。
この二つで、これまで価格を押し上げてきた投資・投機の需要が引いてきました。

手残りが薄くなる要因は、金利の上昇だけではありません。利回りそのものも下がってきています。
投資情報サイト「楽待」によると、区分マンションの表面利回り(家賃収入を購入価格で割った値で、諸経費は含みません)は、千代田区で2025年度に4.1%と、前年度から0.5ポイント下がりました。中央・港・文京・渋谷の各区も低下しています。価格上昇の勢いが家賃の伸びを上回ってきたためで、金利が上がる局面では、この利回りの低さがいっそう投資の旨みを削ります。

買い手のもう一方、実際に住む"実需層"も、価格について行きにくくなっています。
住宅ローンの目安は年収の約5〜7倍とされ、1億8000万円の物件を買うには、単純計算でも2500万〜3600万円ほどの年収が必要になります。高所得の共働き世帯でも、容易な金額ではありません。

買い手が細れば、売る側が動きます。
買い手が見つからないため、オーナーは売り出し価格を下げざるを得ません。東京カンテイによると、都心6区で直近3カ月以内に値下げした物件の割合は48.5%(約2戸に1戸)でした。売り出し中の戸数も、3月4450戸・4月4682戸・5月4871戸と積み上がっています。マンションリサーチによると、これまで投資家や外国人の購入が目立っていた港区・中央区の湾岸部で、特に増えているとのことです。

同じ動きは大阪にもみられます。
東京カンテイによると、大阪市中心6区の5月の平均希望売り出し価格は前月比0.3%安の9292万円で、29カ月ぶりに前月を下回りました。

ただし、大幅な下落を見込む声は限定的です。
建築費の高騰などで新築の供給が絞られるなか、中古物件にも一定の需要が残るとみられ、市場では当面"踊り場"が続くとの指摘があります。マンションリサーチの福嶋真司氏は「オーナー側は、どの程度まで下げれば買いが戻るかを見極めようとしている」と話しています。


ポイント

👉 都心の中古マンション高騰が一服

都心6区は半年ほど1億8000万円台で足踏み。5月は前月比0.4%安の1億8748万円(70㎡)で、売り出しの2戸に1戸が値下げを経験しています。

👉 投資需要が引いた

金利上昇で「借りて運用する」妙味が低下。値上がりペースの鈍化で「短期転売」も機能しにくくなり、投資・投機の買いが鈍りました。

👉 表面利回りが低下

千代田区は2025年度4.1%(前年度比0.5ポイント低下)。価格上昇が家賃の伸びを上回り、金利上昇局面で投資妙味をさらに削っています。

※表面利回り=家賃収入÷購入価格(諸経費は含まない)

👉 実需層も届きにくい

1億8000万円の購入には年収2500万〜3600万円が目安。高所得の共働きでも容易でなく、住む人の買い手も限られます。

👉 値下げ・在庫増、大阪も一服

都心6区で値下げ物件が48.5%、売り出し戸数も増加。大阪市中心6区も29カ月ぶりに前月割れ。ただし新築供給が細く、大幅下落の見方は限定的です。


不動産価格・市場の見方

これまでの都心の価格上昇は、複数の要因が重なって進んできました。
低金利が続いたこと、建築費や地価の上昇、共働き世帯などの実需、そして値上がり益をねらう投資や外国人マネーなどです。
そのうえで記事は、今回の「一服」の背景として、投資目的の需要の鈍化を挙げています(東京カンテイなど、そう見る関係者が多いとのことです)。金利が上がって「借りて運用する」動機が弱まり、値上がりも止まって「短期転売」の妙味も薄れたため、価格を支えてきた要因のうち、金利や値動きに敏感な投資の部分が先に引いた、という見立てです。

一方で、価格を下から支える要素も残っています。
建築費の高騰で新築の供給が絞られていること、そして都心の中古に一定の実需があることです。
このため価格は当面"踊り場"で、オーナーが「どこまで下げれば買いが戻るか」を見極める展開が見込まれます。大幅な下落を見込む声が限定的なのは、この下支えがあるためと考えられます。

つまり今は、下向きの圧力(金利上昇・投資需要の後退)と、上向きの圧力(建築費・実需による下支え)が、拮抗している局面だと考えられます。


ONZAとしての整理

今回の動きを一段引いてみると、見えてくるのは「価格が、家賃や所得といった"土台"の伸びを、どこまで追い越していたか」だと考えています。
記事のデータが、それを示しています。価格の上昇が家賃の伸びを上回ったから、表面利回りが下がりました。価格の上昇が所得の伸びを上回ったから、年収倍率でみて実需層が届かなくなりました。
価格は、家賃でも所得でも説明しきれない水準まで先行し、その差を、低金利による安い資金や、値上がりを見込んだ買いが埋めていた、と読めます。

金利の上昇は、その"差を埋めていた力"を弱めます。
借入コストが上がって安い資金が細り、値上がり期待もしぼむと、土台から離れていた部分ほど、調整の圧力を受けやすくなります。今回の頭打ちは、その表れと読めます。
同時に、建築費の高騰による供給の細さは、価格を下から支えます。だから当面は、土台からの行きすぎが削られつつも、供給の細さに支えられて踏みとどまる"踊り場"が見込まれます。

物件をみるときに大切なのは、その価格が、家賃・所得・周辺の供給といった土台に対して、どれだけ無理のない水準にあるか、を確かめることだと考えています。
金利が動く時代ほど、価格と土台の距離をみる姿勢が効いてくると考えています。


まとめ

👉 記事内容の要点

都心6区の中古マンションは半年ほど1億8000万円台で足踏み、5月は前月比0.4%安。売り出しの2戸に1戸が値下げ

金利上昇で「借りて運用」の妙味が低下、値上がり鈍化で「短期転売」も機能しにくく、投資需要が後退

建築費高で新築供給が細く中古に実需も残るため、大幅下落の見方は限定的("踊り場")

👉 行動指針

その物件の価格が、家賃・所得・周辺の供給といった土台に対して、無理のない水準かをみる

価格が家賃や所得の伸びを大きく追い越していた領域ほど、金利上昇で調整の圧力を受けやすい、とみておく

金利・建築費・売り出し戸数(在庫)の動きを、価格の先行き材料として継続的に確認する


ご相談について

投資用でご検討の方

金利のある世界では、その物件の家賃が地域の実需に支えられているかが、長く持つうえでの土台になります。
金利前提を含めた収支と、出口(売却・住み替え)まで一緒に整理いたします。

売却をご検討の方

買い手が値下げを待つ局面では、価格の出し方とタイミングが結果を大きく左右します。
今の市況でお持ちの物件がどう評価されるか、需要と流動性の面からお伝えします。

居住用でご検討の方

価格が踊り場の局面は、慌てずに条件を見極めやすいタイミングでもあります。
暮らしやすさと周辺の需要、金利を踏まえて、ご家族に無理のない選び方を一緒に考えます。

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