TOPIX、"全入指数"から選別の指数へーー時価総額と売買の活発さで構成銘柄を絞り込み、企業に価値向上を迫る|ONZA的市況ニュース
2026-10-08

記事内容:TOPIXが"全入指数"から選別の指数へ、構成銘柄が大幅に減る
2026.10.8の日経新聞で、日本の代表的な株価指数の一つである東証株価指数(TOPIX)が大きく変わると報じられました。
時価総額や取引のしやすさに基づく選別を経て構成銘柄が大幅に減り、組み入れ銘柄の新陳代謝を通じて上場企業に価値向上を促し、日本株市場の底上げにつながりそうだと記事は伝えています。
TOPIXはもともと、東証1部(現在の東証プライム市場)であれば自動的に構成銘柄となる"全入指数"でした。
ピーク時には2200ほどに達しましたが、市場改革の一環で銘柄数が絞り込まれ、足元では1636に減っています。
今回の改革は第2弾にあたり、2028年7月にかけて銘柄数が段階的に減ります。
同日の"きょうのことば"は、東証改革を上場企業の企業価値向上に向けた制度改革と解説しています。
従来は1部、2部、ジャスダックと新興企業向けのマザーズという4つの市場区分でしたが、2022年4月に、グローバルに事業展開する大企業が中心のプライム、中堅企業が集まるスタンダード、高い成長が期待されるグロースの3つの区分に改めました。
2023年3月にはプライムとスタンダードの全上場企業に"資本コストや株価を意識した経営"を要請して取り組み状況の開示を求め、2025年9月にはグロースの上場維持基準を"上場後10年で時価総額40億円以上"から"5年で100億円以上"に引き上げると発表しています。
一連の改革を通じて上場企業のPBR(株価純資産倍率)や自己資本利益率(ROE)は改善し、国内外から投資マネーが流入しています。
市場区分の再編をきっかけに、TOPIXの構成銘柄は市場区分から切り離されており、10月末には時価総額や売買代金回転率を重視した指数に大きく刷新されます。
銘柄数を絞り込むための"ふるい"となる指標は、どれだけ活発に売買されたかを示す"年間売買代金回転率"で、一定の回転率をクリアすることが求められます。
そのうえで、市場で売買されている株式の総額(浮動株時価総額)を大きい順に並べて累積額の上位97%以内に入ると、構成銘柄にとどまれます。
指数に入っているかどうかで投資マネーの流入量は大きく変わり、企業にとっては死活問題です。
TOPIXに連動する資産の運用規模は160兆円超に上り、指数から外れると巨額マネーの流入が途切れることになるため、脱落すれば株価への悪影響は避けられないとしています。
一方、東証スタンダード、グロース各市場の上場企業には新たなチャンスが生まれます。
これまでTOPIX採用はプライム上場企業に実質限られていましたが、新TOPIXでは基準を満たせばどの市場からでも組み入れの対象になるためです。
光コネクターの研磨機などを手がけるスタンダード上場の精工技研はその一つで、2027年3月期の連結純利益は前期比48%増の92億円を見込み、株価は2022年4月の東証の市場再編前に比べ20倍に高騰しました。
TOPIXの刷新で、プライム以外でも市場が注目する成長銘柄を指数に反映できます。
同社は「新TOPIXへの採用は株式市場での認知度向上につながり、国内外の投資家との接点が拡大する」とコメントし、投資家向け広報(IR)で「英文資料の同時開示など必要な体制整備を進めたい」としています。
2028年10月以降は年に1回の定期的な銘柄入れ替えも実施され、ひとたび組み入れから漏れた企業でも、投資家からの評価を高めて時価総額などの基準を満たすようになれば復活も可能です。
金融機関向けの債権管理システムなどを手がけるプライム上場のアイティフォーは今回漏れました。
同社はこれまで配当性向50%以上を掲げて株主還元を充実させてきており、中期経営計画に基づく成長戦略を進め、市場との対話を継続する方針です。
流動性を重視するTOPIXの選考基準については「上場株式として適切な方向性と感じる」と理解を示しています。
新TOPIXへの市場の評価は総じて高いとしています。
三菱UFJ信託銀行の本間丈明チーフファンドマネージャーは「日本企業に改革を促し、新陳代謝が進むきっかけになる。
組み入れ対象は対話や情報開示に前向きな企業に絞られていく」とみています。
米運用会社ウィズダムツリーの米国最高投資責任者、クリストファー・ガナッティ氏は「銘柄数が減れば海外投資家は指数を複製したりベンチマークとして利用したりすることが容易になる」とし、「日本株への資金配分を低く抑える理由がまた一つ減る」と話しています。
海外では、米S&P500種株価指数は約500銘柄、欧州のストックス600は600銘柄からなり、銘柄が少ないぶん運用しやすいとされ、年金基金などの指数連動マネーを集めてきました。
大型株偏重の動きが強まれば新TOPIXの構成銘柄数がさらに減る余地もあり、資金獲得競争で欧米と対抗できるかも一つの焦点となります。
東証と金融庁が2015年に"コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)"を導入して11年がたち、不断のガバナンス改革は日本株上昇の原動力となってきました。
新指数はこの流れを後押しすることになるとしています。
ポイント:新TOPIXの選別の仕組み
👉 "全入指数"から選別の指数へ
もともと東証1部の銘柄なら自動的に入っていた指数が、売買の活発さと浮動株時価総額で選ぶ指数に変わり、1636の構成銘柄は2028年7月にかけて段階的に減ります。
👉 ふるいは売買代金回転率と浮動株時価総額
一定の年間売買代金回転率をクリアしたうえで、浮動株時価総額の累積額で上位97%以内に入ると構成銘柄にとどまれます。
👉 連動する資産は160兆円超
指数から外れると巨額マネーの流入が途切れ、株価への悪影響は避けられないとされています。
👉 どの市場からでも組み入れの対象に
スタンダードやグロースの企業も基準を満たせば組み入れられ、2028年10月以降は年1回の定期的な入れ替えで、漏れた企業の復活も可能です。
不動産との関係:指数の中身はルールが選び、不動産は家賃を生む物件を自分で選ぶ
記事が伝えるのは、TOPIXが"全入指数"から、売買の活発さと浮動株時価総額で銘柄を選ぶ指数に変わり、160兆円超の連動マネーが選ばれた銘柄に向かう構図です。
不動産と並べると、何を持つかを誰がどんな基準で決めるかが違います。
TOPIXに連動する投資信託やETFは、指数のルールに沿って構成銘柄をまとめて持つ仕組みで、指数から外れた銘柄は持つ対象からも外れます。
新TOPIXでどの銘柄が入るかを決めるのは売買の活発さと浮動株時価総額で、配当性向50%以上を掲げてきたアイティフォーも今回は漏れました。
指数を持つ人が受け取るのは、ルールで選ばれた銘柄の値上がり益と配当で、中身は2028年10月以降、年1回の入れ替えで見直されていきます。
銘柄を一つずつ選ばなくても市場の広い範囲をまとめて持てるのが、指数の強みです。
不動産では、どの物件を持つかを持ち主が自分で選び、収益の源泉は入居者が払う家賃です。
そのため選ぶ基準は、その物件が入居者に長く選ばれ続けるかで、駅や需要のある場所からなるべく近いか、同じ条件の供給が増えにくい場所かを確かめます。
持ち続けるかどうかも、家賃と収支を見ながら持ち主が決めます。
一つずつ選ぶ分、選び方がそのまま家賃に表れるのが不動産です。
TOPIXに連動する投資信託を持っているなら、その中身は10月末から2028年7月にかけて、売買の活発さと時価総額に沿って段階的に絞られていきます。
収益の源泉も、何を持つかの決め方も違う株式の指数と不動産を組み合わせることは、資産の分散につながります。
現物不動産と株式の違いについては現物不動産 vs 株式(インデックス投資)── レバレッジ・インカム・流動性で整理するで整理しています。
ONZAとしての整理
今回の記事で目を引くのは、TOPIXが1636銘柄から2028年7月にかけて段階的に絞られ、160兆円超の連動マネーの向かう先が、売買の活発さと浮動株時価総額で選ばれた銘柄に限られていく点です。
指数を持つ人は、こうした選別の結果をまとめて持つことになります。
ONZAは、賃貸経営は物件を正しく選べば成り立つと考えています。
正しく選ぶとは、入居者に長く選ばれ続ける物件を選ぶことで、今の賃貸需要に加えて、需要がこの先も続くか、同じ条件の供給が増える余地がないかを将来の視点で見極めます。
株式の指数では選別をルールに任せられる一方、不動産では選ぶ基準を自分で持つことになるため、両方を持つ場合は、それぞれの選ばれ方を分けて考えるのが基本です。
まとめ
👉 記事内容の要点
TOPIXはもともと東証1部の銘柄なら自動的に入る"全入指数"だったが、年間売買代金回転率と浮動株時価総額で銘柄を選ぶ指数に変わり、1636の構成銘柄は2028年7月にかけて段階的に減る
TOPIXに連動する資産は160兆円超で、指数から外れると巨額マネーの流入が途切れ、株価への悪影響は避けられないとされる
新TOPIXでは基準を満たせばスタンダードやグロースの企業も組み入れの対象になり、2028年10月以降は年1回の定期的な入れ替えで復活も可能になる
市場の評価は総じて高く、銘柄数が減れば海外投資家が指数を複製しやすくなり、日本株への資金配分を低く抑える理由が減るとの見方が出ている
👉 行動指針
TOPIXに連動する投資信託を持っているなら、10月末からの刷新で、中身が売買の活発さと時価総額に沿って段階的に絞られていくことを把握しておく
株式の指数は銘柄の選別をルールに任せられ、不動産は物件を自分で選ぶため、両方を持つなら収益の源泉と選ばれ方を分けて考える
不動産を選ぶときは、入居者に長く選ばれ続けるか、需要がこの先も続くか、同じ条件の供給が増える余地がないかを確かめる
ご相談について
投資用でご検討の方
株式の指数とは違い、不動産は家賃を生む物件を一つずつ選んで持つ資産です。
検討中・保有中の物件が入居者に長く選ばれるかを、周辺の募集賃料や競合する供給まで含めて一緒に確認いたします。
売却をご検討の方
売るときも、買い手は物件を一つずつ選びます。
お持ちの物件の立地や状態を踏まえて、どの属性の買い手に選ばれやすいかを整理し、売り出しの時期と進め方を一緒に考えます。
居住用でご検討の方
住まいは、暮らしに合うかどうかで一つを選ぶものです。
通勤や子育て、無理のない資金計画を軸に、住まい探しを一緒に整理していきましょう。
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