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東京都が子育て世帯向けにアフォーダブル住宅を促進ーー容積率緩和で相場2割安の賃貸を|ONZA的市況ニュース

2026-06-18

東京都が子育て世帯向けにアフォーダブル住宅を促進ーー容積率緩和で相場2割安の賃貸を|ONZA的市況ニュース

記事内容:東京都が容積率緩和でアフォーダブル住宅を促進

2026.6.18の日経新聞で、東京都が、家賃高騰のなかでも新婚・子育て世帯が都心に住み続けられるよう、都心の大型再開発にあわせて"アフォーダブル住宅"と呼ばれる割安な賃貸住宅を広げる方針だと報じられました。
米ニューヨークや英ロンドンが先行する取り組みで、東京都も海外の事例を参考に供給に乗り出しました。
事業者が再開発の周辺にこうした住宅を整備することを評価し、複合ビルなどの容積率を緩和します。
年内にも、住友不動産などによる中央区や渋谷区の再開発に初めて適用するとしています。

まず、アフォーダブル住宅とは何かを整理します。
これは、おおむね周辺相場の8割以下、つまり"2割ほど安い"家賃で提供される賃貸住宅です。
主な対象は新婚世帯や乳幼児を育てる子育て世帯で、世帯年収の上限を設けて入居者を絞ります。

整備が進む背景にあるのは、都心の家賃高騰です。
投資マネーの流入などを背景に住宅価格が上がると、その物件を買って貸す側は、取得費や利回りを確保するために必要な賃料を高めに見積もりやすくなります。
需要の強い地域では、その分が家賃に転嫁されやすく、賃料も上昇してきました。
東京カンテイによると、東京23区の5月の分譲マンション賃料は1平方メートルあたり5078円と、1年前から8%上がっています。
家賃が上がると収入の限られる新婚・子育て世帯などは都心に住み続けにくくなります。
そこで都が進めているのが、こうした世帯を対象に絞って割安な住まいを供給し、住み続けられるよう支える今回の取り組みです。

ここで都が使うのが、"容積率"の緩和です。
容積率とは、敷地面積に対する延べ床面積の割合で、その土地にどれだけの規模の建物を建てられるかを示します。
都市機能の向上につながる公共貢献に応じて、この上限を緩める仕組みがあります。
容積率が緩和されると、同じ土地でも建てられる床面積が増え、賃貸やオフィス、商業床などから得られる収入の余地が広がるため、不動産の収益性に直結します。
そこで都は、事業者が周辺にアフォーダブル住宅を整備することを公共貢献とみなし、その見返りに容積率を上乗せします。
事業者は開発の採算が良くなり、住民は割安な住宅を得られるという、双方に利点のある仕組みです。

具体的な再開発も動き始めています。
住友不動産は2032年度までに中央区築地で29階建てと31階建てのビル2棟を建て、あわせて区内の既存マンションを子育て世帯向けのアフォーダブル住宅約50戸(約40〜50平方メートル)に改修します。
都はこの計画などを評価し、再開発エリアの容積率を本来の600%から約1350%まで緩和します。
東急不動産も渋谷区神南で2033年度に24階建てのビルを建てる計画で、容積率は約600%から1230%まで緩和される見込みです。

今回の特徴は、離れた場所での貢献を評価する点です。
容積率の上乗せは、これまで公開空地や地下鉄駅との接続など、再開発エリア内の施設整備が中心でした。
これに対し、エリアから離れた場所の施設整備を評価して容積率を上乗せする手法は"隔地貢献"と呼ばれます。
エリア外でアフォーダブル住宅を整備することを、新たな隔地貢献として認める形です。

住宅供給を増やす動きは、再開発以外にも広がっています。
都は2026年度中に、整備するアフォーダブル住宅の戸数に応じてマンションの容積率を緩和する制度も導入する方針です。
このほか、総額200億円超の官民ファンドを通じて計350戸を自前で供給し、東京都住宅供給公社(JKK東京)の1200戸も転用して月内に募集を始めます。
千代田区はオフィスビルの住宅への転用などを促し、大阪府でも住宅供給公社が地方公社で初めて個人向け社債を発行するなど、自治体にも動きが広がっています。

ポイント:子育て世帯向けの割安賃貸を増やす都の仕組み

👉 都が容積率緩和でアフォーダブル住宅を促進

家賃高騰のなかでも子育て世帯が住み続けられるよう、相場2割安の賃貸を都心再開発にあわせて広げ、年内に住友・東急の再開発へ初適用します。

👉 アフォーダブル住宅は子育て世帯向けの割安賃貸

相場8割以下の家賃で、新婚・子育て世帯などを対象に世帯年収の上限を設け、家賃高騰のなかでも都心に住み続けられるよう支える住まいです。

👉 容積率緩和が事業者の動機になる

割安住宅の整備を公共貢献とみなして容積率を上乗せし、開発の収益性を高める見返りの仕組みです。

👉 再開発以外にも広がる供給

官民ファンドで350戸、JKK東京で1200戸を供給するなど、自治体にも動きが広がっています。

家賃はなぜ上がるのか、子育て世帯支援としての割安賃貸はどこまで届くか

家賃が上がる背景には、いくつかの力が重なっています。
低金利や投資マネーの流入で住宅価格が上がり、それを買って貸す側のコストが上がれば、家賃にも反映されやすくなります。
加えて、仕事や暮らしの利便性を求めて人が都心に集まり続けると、限られた住宅をめぐる需要が強まります。
需要が供給を上回る場所ほど、家賃は上がりやすくなります。

今回の制度は、この家賃高騰のなかでも新婚・子育て世帯が都心に住み続けられるよう、相場2割安の住まいを供給して支えることが主な狙いです。
対象を子育て世帯などに絞り、世帯年収にも上限を設けた、必要な層の住居費を下支えする性格が強い仕組みで、市場全体の家賃を下げることを目指すものではありません。
対象世帯や戸数が限られるため、民間賃貸の家賃水準そのものへの影響は地域や価格帯によって異なり、全体としては限定的にとどまります。

東京都が容積率緩和や官民ファンドで子育て世帯向けの割安賃貸を増やそうとしている今、対象となる世帯にとっては住まいの選択肢が一つ増えることになります。
一方で対象も募集のタイミングも限られるため、対象外の世帯も含め、購入と賃貸のどちらを選ぶにしても、暮らしと無理のない負担のバランスで考えることが大切です。
賃貸経営の側から見れば、家賃を支えるのは、通勤需要や駅距離、単身・子育て世帯の流入、地域の賃金水準、賃貸の入れ替わりやすさといった、その場所の実需です。
人が集まり続ける立地ほど、賃料は底堅く保たれます。

この動きは東京が先行していますが、大阪でも公社が資金調達に動くなど、関西の主要都市にも広がっていく可能性があります。

ONZAとしての整理

家賃の上昇は、投資マネーの流入や都心への集中といった、私たち個人には動かしにくい大きな流れが背景にあります。
公的な割安賃貸は、その流れのなかで新婚・子育て世帯が都心に住み続けられるよう支える動きですが、対象も戸数も限られます。
だからこそ、住まいも資産も、制度の追い風を当てにしすぎず、自分の暮らしや収支に無理がないかを軸に選ぶことが大切です。

住むなら、月々の家賃と住宅ローン返済、管理費や修繕積立金、将来の住み替えやすさまで含めて冷静に比べ、長く納得できる選択を。
貸すなら、人が集まり続ける立地で、実需に支えられた賃料を組み立てる。
都心の家賃上昇に公的な供給策が出ている今の局面でも、足元の需要を見て判断することが、結局は効いてきます。

まとめ

👉 記事内容の要点

東京都が、新婚・子育て世帯が都心に住み続けられるよう支えるため、都心の大型再開発にあわせて相場2割安の"アフォーダブル住宅"を広げる方針で、年内に住友・東急の再開発に初適用する

容積率(敷地に対する延べ床面積の割合)を緩和し、割安住宅の整備という公共貢献の見返りに開発の収益性を高める仕組みで、事業者と住民の双方に利点がある

背景は都心の家賃高騰で、東京23区の5月の分譲マンション賃料は1平方メートルあたり5078円と1年前から8%上がっている

官民ファンドで350戸、JKK東京で1200戸を供給するなど再開発以外にも広がり、大阪府でも公社が資金調達に動いている

👉 行動指針

家賃が上がる背景(投資マネーや都心集中で住宅価格が上がり、賃料に転嫁されやすい流れ)を押さえる

公的な割安賃貸は子育て世帯を対象に年収上限・戸数を絞った的の狭い支援であり、市場全体の家賃を下げる施策ではないと理解し、制度を当てにしすぎない

住むなら、家賃と購入の総負担(ローン・管理費・修繕積立金・住み替えやすさ)を比べ、無理のない範囲で選ぶ

貸すなら、人が集まり続ける立地で、実需に支えられた賃料を組み立てる

ご相談について

投資用でご検討の方

家賃や供給の動きが出ている局面では、その賃料を支える実需と立地が、これまで以上に大切になります。
通勤利便性や駅距離、単身・子育て世帯の入りやすさ、賃貸の回転率、想定賃料まで含めて、無理のない収支の組み立てを一緒に整理いたします。

売却をご検討の方

家賃や価格の動きは、物件種別やエリアによって買い手の動きを変えます。
価格だけでなく、買い手層、売買が成立するまでの時間、賃貸に回す場合の見込みまで踏まえて、売却の進め方を一緒に確認します。

居住用でご検討の方

住まいは、相場の高い・低いよりも、暮らしやすさと無理のない負担を軸に考えると、長く納得して住めます。
購入と賃貸のどちらが合うかも含めて、ご希望に合わせた進め方を一緒に考えていきましょう。

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