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台湾マネー、日本の不動産へーー都心新築の外国人購入3分の2、円安と有事意識|ONZA的市況ニュース

2026-07-19

台湾マネー、日本の不動産へーー都心新築の外国人購入3分の2、円安と有事意識|ONZA的市況ニュース

記事内容:台湾マネーが日本の不動産に流入

2026.7.19の日経新聞で、台湾の資金が日本の不動産に流入し、市場で存在感を増していることが報じられました。
半導体産業がけん引する好況が背景にあり、高騰する台北市のマンションに比べて、円安の日本は比較的手ごろに映るとされます。
都内で不動産業を営む台湾出身の経営者は、港区のタワーマンションの一室を台湾の富裕層に案内しながら、お金が増えすぎて使い道に困る人も少なくないと表現しています。

規模を数字で確認します。
国土交通省によると、2025年1〜6月に東京中心部の新築マンションを購入した外国人のうち、約3分の2が台湾人でした。
台湾人の購入者は同じ期間に東京23区内で新築マンション192戸を購入し、2024年の1年間と比べて82%増えています。
このデータに、日本に住んでいる台湾人は含まれていません。

流入の背景の1つ目は、台湾の好況と円安です。
台湾積体電路製造(TSMC)に代表される半導体産業はAI(人工知能)ブームの波が続き、主要株価指数の加権指数は年初から62%上昇しました。
経済成長率は16年ぶりの高水準となる10%近くに達する見込みです。
通貨の面でも、台湾ドルは過去10年間で1台湾ドル=3円強から5円強へと対円で上昇しました。
好況で膨らんだ資産の余力に加え、台湾ドル高で同じ資金がより多くの円に換わるため、日本の物件は相対的に手ごろに映ります。
台湾で日本酒輸入会社を営む38歳の経営者は最近、世田谷区の2LDKのマンションを購入し、円の価値が低く日本の住宅価格が年々上昇していることを踏まえて、長期的に期待できる投資だと捉えています。

2つ目は、地理的な近さと有事への意識です。
台湾海峡をはさんだ中国との緊張状態が続くなか、不測の有事をにらんで資産を海外に分散させる人がいます。
余裕がある人は緊張が高まった場合に備えて避難先を求めている、との声も紹介されています。
富裕層の多くは台北市がある北部に住み、羽田までの飛行時間は数時間のため、購入者は空港へのアクセスを重視するとされます。
資産配分の候補は、複数の国と地域に広がっています。
台湾の玉山銀行とKPMGの調査では、富裕層の54%が米国への資産配分を検討し、シンガポールが45%、日本と韓国が29%で続きます。
低税率で英語と中国語が通じるシンガポールに対し、日本の魅力は地理的な近さと、不動産価格の上昇の可能性だと記事は伝えています。

受け皿となる体制も広がっています。
台北富邦銀行が5月に東京支店を開設し、日本に拠点を置く台湾の銀行は10行に達しました。
台北に営業所を置く東急リバブルが台湾の顧客と締結した不動産取引件数は、2024年に前年比で倍増し、その後も高水準を保っています。
三井不動産リアルティも外国人購入者向けにコンシェルジュ本部を立ち上げ、英語と中国語を話すスタッフを配置しており、外国人顧客のうち台湾人は最多で全体の20〜30%を占めるとしています。
銀行の拠点や母国語で相談できる窓口が増えるほど、海外から購入する際の手続きの負担は小さくなります。
購入者は中小企業の経営者や医師などが多く、関心の中心は東京や大阪のマンションで、TSMC熊本工場の影響から福岡市への注目も高まっています。
人気の価格帯は1億〜1億5000万円です。
日本不動産研究所によると、台北の高級マンション価格は4月時点で東京よりも64%高く、東京の価格は世界の主要都市よりはるかに安くロンドンの半額以下です。

一方で、冷静な見方と制度の変化も紹介されています。
投資のみを目的として不動産を買う顧客は減少傾向にあります。
近年の価格急騰で東京のマンション投資の収益性はかつてほど魅力的ではなくなっており、日本の今後の金利動向と価格の先行きに非常に慎重な見方をしているとの指摘があります。
中国本土の購入者が減ったことで台湾の投資家には考える時間の余裕が増え、名目上の収益よりも、本当に生活に便利で魅力的な物件を見つけることの方が重要だという人が増えました。
日本側では、東京で日本人家族の住宅取得がますます困難となり、外国人の不動産投資への視線は厳しくなっています。
法務省は10月から、外国人が購入した不動産を登記する際に、身分証明書の提示と国籍の記入を義務づけます。
購入の制限はしないものの、取引の監視を強化する方針です。
それでも、国境を越えた日本の不動産取引は後戻りしない傾向だとの見方で、記事は結ばれています。

ポイント:台湾マネーの不動産流入

👉 東京中心部の新築購入、外国人の3分の2が台湾人

2025年1〜6月に23区内で192戸と、前年1年間に比べ82%増えました。

👉 背景は半導体好況・円安・有事への備え

加権指数は年初から62%上昇し、対円で上昇した台湾ドルと、資産を海外に分散する動きが流入を後押ししています。

👉 受け皿も拡大、人気は1億〜1億5000万円帯

日本に拠点を置く台湾の銀行は10行に達し、大手仲介も外国語対応の体制を整えています。

👉 投資一辺倒は減少、10月から登記に国籍記入

収益性への慎重な見方が広がり、名目の収益より生活の利便を重視する人が増えています。

買い手が広がる市場で、何を確かめるか

今回の記事が示すのは、東京都心の新築・高価格帯というカテゴリに、海外の買い手という厚みが加わっている実態です。
買い手の裾野が広い市場は、売りたいときに買い手が見つかりやすいという意味で、保有する側には流動性の追い風になります。
記事で確認できる海外需要の厚みは、東京都心や大阪の新築・高価格帯を中心とした動きです。
TSMC熊本工場を背景に福岡市への関心が高まっているという動きは、産業と雇用が住まいの需要を呼ぶという、国内のエリア選びにも通じる視点です。

示唆的なのは、記事に登場する台湾の投資家自身の変化です。
価格が急騰した結果、収益性はかつてほど魅力的ではないと冷静に見ており、名目上の収益よりも、本当に生活に便利で魅力的な物件を重視する人が増えています。
買い手が世界に広がっても、確かめることは変わりません。
その物件の価格や家賃が、そこに住みたい人という実需で説明できるか。
都心の高価格帯には海外需要も価格に織り込まれているからこそ、自分の目的(住む・貸す・持つ)と毎月の収支の軸で見ることが、買う側にも持つ側にも大切になります。

ONZAとしての整理

円安、半導体の好況、有事への備えと、複数の理由が重なって、日本の不動産に海外の資金が向かっています。
その一方で、記事のなかの台湾の投資家自身が、収益性はかつてほど魅力的ではないと冷静に構えていることは、見落とせないポイントだと整理しています。

買い手が世界に広がっても、物件の価値を最後に支えるのは、そこに住みたい人の実需です。
実需で説明できる物件を軸に選ぶこと。
それが、買い手の顔ぶれがどう変わっても揺らがない、不動産の土台だと考えています。

まとめ

👉 記事内容の要点

台湾マネーが日本の不動産に流入し、2025年1〜6月に東京中心部の新築マンションを購入した外国人の約3分の2が台湾人だった

背景には半導体産業の好況(加権指数62%上昇・成長率10%近く)、対円で上昇した台湾ドル、有事に備えた資産分散がある

日本に拠点を置く台湾の銀行は10行に達し、人気の価格帯は1億〜1億5000万円、台北の高級マンションは東京より64%高い

投資のみ目的の購入は減少傾向で、10月からは外国人の不動産登記に身分証明書の提示と国籍の記入が義務づけられる

👉 行動指針

海外マネーの影響は都心の新築・高価格帯が中心と押さえ、市場全体の話と切り分けて読む

売却を考える物件は、買い手の裾野(国内実需に加えた海外需要)が価格と売りやすさにどう効くかを確認する

購入や保有の判断は、名目の利回りだけでなく、実需(住みたい人がいる場所か)と毎月の収支で確かめる

産業と雇用が人を呼ぶエリア(記事では熊本・福岡)の動きを、国内のエリア選びの視点として押さえる

ご相談について

投資用でご検討の方

買い手や借り手の裾野は、物件の価格と売りやすさの両方に効きます。
検討中の物件の想定家賃と価格が、周辺の実需で説明できるかどうか、収支の試算から資金計画まで一緒に整理いたします。

売却をご検討の方

買い手の裾野は、物件のカテゴリやエリアによって異なります。
保有物件のいまの価値と、売る・貸す・持ち続けるの選択肢を、市場の状況を踏まえて一緒に確認します。

居住用でご検討の方

住まいは、暮らしやすさと無理のない資金計画で選ぶのが基本です。
月々の返済と手元に残す余力のバランスを軸に、一緒に整理していきましょう。

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