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地銀の不動産融資、過去最大の3兆円増ーー銀行融資に占める不動産向けは18%とバブル期超え、金融庁は審査を重点監視|ONZA的市況ニュース

2026-10-19

地銀の不動産融資、過去最大の3兆円増ーー銀行融資に占める不動産向けは18%とバブル期超え、金融庁は審査を重点監視|ONZA的市況ニュース

記事内容:地銀の不動産融資が過去最大の3兆円増、依存度はバブル期を超える

2026.10.19の日経新聞で、地方銀行の融資が不動産に集中し、この1年で3兆円増えて過去最大の伸びを記録したと報じられました。
大手行を含めた融資全体に占める比率は18%とバブル期を大幅に上回り、融資の半分近くを不動産に依存する地銀もあります。
お金の流れが反転すれば金融システムのリスクになりかねず、金融当局は警鐘を鳴らしています。

日銀によると、国内銀行の6月末時点の不動産業向け貸出残高は120兆7588億円と前年同月比で8.2%増え、3メガバンクも3月末時点で計約38兆円と10%増やしました。
地銀の同残高は6月時点で7%増の47兆2984億円でした。
664兆180億円の銀行融資全体の18%を占め、不動産投資が過熱したバブル期の10%を大きく上回ります。

不動産業向けの融資は、マンションの建設やオフィスなど物件の取得に必要な資金を金融機関が貸し出すもので、個人が貸家を建てるときに使うアパートローンの資金も含みます。
主な借り手は、デベロッパー(開発業者)や賃貸業者、不動産ファンドです。

経営の依存度が高いのは地銀です。
全国地方銀行協会によると、6月末の不動産業向け融資残高は前年同月から3兆1221億円増え、1年間の増加幅としては統計を遡れる2011年以来で最大でした。
住宅ローンを含めると、金額はさらに大きくなります。
横浜フィナンシャルグループ(FG)傘下の東日本銀行は、貸し出し全体に占める不動産業の割合が3月に物品賃貸業を含むベースで47%にのぼり、沖縄海邦銀は融資全体に占める不動産業向けの割合が4割で、島根銀や佐賀共栄銀は物品賃貸業も含めて3割を超えます。
3メガの国内向け貸出に占める不動産業向け融資の割合は、3月時点で18%です。

バブル期との違いは、人口減少に伴う地域経済の縮小です。
地盤とする地域の企業の資金需要が冷え込むなか、地銀は、新規参入しやすく資金需要も旺盛な大都市圏の不動産業への"越境融資"に活路を見いだしました。
金融庁によると、東京都港区など都心5区での不動産業向け融資のうち6割は首都圏外に本店を置く銀行によるもので、2025年3月時点で、全国の地銀の不動産業向け融資の約4分の1がこの地区に集中しています。
不動産サービス大手の米ジョーンズラングラサール(JLL)によると、2026年1〜6月の国内の不動産売買額は前年同期比17%増の3兆7517億円と、同じ期間で過去最大でした。

バブル期には過剰な融資が不動産価格を実態より押し上げる一因となり、大蔵省(現財務省)が1990年に不動産融資の総量規制に踏み切ったことが、バブル崩壊の引き金の一つとなりました。
地銀はリスクを抑えるため審査を厳しくしていると説明しており、東日本銀の担当者は「四半期ごとに算出する市況判断を基に審査の厳格な運用をしている」としています。
佐賀共栄銀は、自行の支店がある地域での融資に限定しています。

関連記事によると、金融庁は不動産融資の増勢に警戒を強めており、2026事務年度(2026年7月〜2027年6月)の金融行政方針で、不動産業向け融資の動向を監視対象の一つに挙げました。
警戒するのは金利の急騰が不動産市況を悪化に転じさせるリスクで、甘い審査で貸し付けていた契約が不良債権になれば、地域金融機関の経営を圧迫します。
地域金融機関を対象としたヒアリングでは、不動産業向け融資の限度額を設定していない銀行もあったといい、金融庁は不動産向けの投融資方針や案件審査、リスク管理などの状況を重点的に確認します。

当局も、すぐに金融システムを揺るがす問題に発展するとまではみていません。
日銀は4月の金融システムリポートで、海外ファンドによる投資物件の売却を機に3大都市圏全域で不動産価格が下落する事態を想定し、リーマン・ショック前のミニバブル崩壊時並みに価格が大幅に下落しても、金融機関の自己資本比率は全体として規制水準を上回ると評価しました。
日本リスク・データ・バンクによると、不動産向け融資の返済が滞る可能性を示すデフォルト率は7月時点で0.39%と、全体の1.22%に比べて低い水準です。
ただ足元では、金利上昇による採算悪化のリスクも懸念され、日本不動産研究所が4月に実施した調査では、開発業者など142社のうち122社がリスク要因として"金利上昇"を挙げました。
記事は、不動産への集中がさらに進めば、何らかの環境変化で価格の下落と投融資の引き揚げが重なった際に、経済ショックを引き起こす恐れもあるとしています。

ポイント:地銀の不動産融資と、金融当局の警戒

👉 不動産業向け融資は銀行融資の18%

国内銀行の残高は120兆7588億円と前年同月比8.2%増え、比率はバブル期の10%を大きく上回ります。

👉 地銀は過去最大の3兆円増

1年間の増加幅は2011年以来で最大となり、融資の半分近くを不動産に依存する地銀もあります。

👉 地域の資金需要の縮小で大都市圏へ越境融資

都心5区の不動産業向け融資の6割は首都圏外に本店を置く銀行によるもので、全国の地銀の不動産業向け融資の約4分の1が集中しています。

👉 金融庁は甘い審査を重点監視

金利の急騰で市況が悪化するリスクを警戒し、投融資方針や案件審査、リスク管理の状況を重点的に確認します。

融資の流れが不動産価格に効く道筋:お金の流入、審査の引き締め、金利の上昇

記事が伝えるのは、地銀を中心に不動産業向けの融資が過去最大の伸びとなり、銀行融資全体に占める比率がバブル期を大きく上回っていることです。
不動産は借入を使って買われることが多いため、金融機関が貸し出すお金が増えるほど、物件を買える人や会社が増え、その買いの勢いが価格を押し上げます。
記事も、バブル期には過剰な融資が不動産価格を実態より押し上げる一因になったと伝えています。
借入という他人資本を使って買えるという現物不動産の性質については
現物不動産 vs 株式(インデックス投資)── レバレッジ・インカム・流動性で整理するで整理しています。

融資の流れが細るときは、同じ道筋を逆にたどります。
金融庁が甘い審査を重点的に監視し、金融機関が審査を厳しくすれば、借りられる額や条件が絞られ、借入を使った買いは減ります。
買い手が減れば、売り出してから買い手が決まるまでの時間も延びやすくなります。
金利が上がれば、同じ物件でも借入の負担が増えるため、買い手が払える価格は抑えられます。
さらに、価格が下がれば担保の評価が下がって融資は絞られやすくなり、融資が絞られれば買い手が減って価格は下がりやすくなるため、記事が指摘するように、価格の下落と投融資の引き揚げが重なると、下落が強まりやすくなります。

借入を使って物件を買う側にとっての実務は、その価格が何に支えられているかを見分けることです。
融資の勢いで上がった部分は、融資の流れが変われば調整を受けやすくなります。
周辺の家賃の水準と、駅からの距離や通勤先への出やすさといった、その家賃を払って住む人や借りる人の需要がこの先も続くかを確かめ、価格を家賃で説明できるかを見ておくことが、融資の流れが変わる局面への備えになります。

ONZAとしての整理

今回の記事で目を引くのは、不動産業向け融資が銀行融資全体の18%とバブル期の10%を大きく上回り、全国の地銀の不動産業向け融資の約4分の1が都心5区に集中している点です。
お金が流れ込む場所では価格が押し上げられ、流れが変われば調整が起きるのは、都心に限らず、どの土地にもいえる融資と価格の関係です。

融資の流れや金利は、個人では動かせません。
家賃は、そこに住む人や借りる人の需要から生まれるため、ONZAは物件を選ぶときに価格の根拠を家賃に置き、家賃を払う需要がこの先も続く立地かを確かめています。
借入を使う場合は、融資の条件が厳しくなる局面もあることを前提に、変動金利を主軸に、金利が上がっても返せる余力をセットにしておくことが基本です。

まとめ

👉 記事内容の要点

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地銀の不動産業向け融資残高は6月末に前年同月から3兆1221億円増え、1年間の増加幅は2011年以来で最大となった

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国内銀行の不動産業向け貸出残高は120兆7588億円で、銀行融資全体の18%とバブル期の10%を大きく上回る

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地域の資金需要が冷え込むなか、地銀は大都市圏の不動産業への越境融資を広げ、全国の地銀の不動産業向け融資の約4分の1が都心5区に集中している

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金融庁は甘い審査を重点的に監視し、当局はすぐに金融システムを揺るがす問題になるとはみていないが、記事は価格の下落と投融資の引き揚げが重なれば経済ショックの恐れもあるとしている

👉 行動指針

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物件の価格が家賃を払う需要に支えられているかを、周辺の家賃の水準と、その需要がこの先も続くかで確かめる

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価格の動きを見るときは、融資の増減や審査の厳しさといった、お金の流れの変化もあわせて見る

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借入を使う場合は、融資の条件が厳しくなる局面もあることを前提に、変動金利を主軸に、金利が上がっても返せる余力をセットにする

ご相談について

投資用でご検討の方

融資の流れが変わる局面では、物件の価格を家賃で説明できるかが、長く持つうえでの土台になります。
検討中・保有中の物件について、家賃の根拠と、金利が上がった場合の収支を一緒に確認いたします。

売却をご検討の方

融資の審査が厳しくなると、借入を使う買い手が借りられる額も変わります。
お持ちの物件の状況とご意向に合わせて、想定される買い手の属性と、売り出しの時期・進め方を一緒に整理します。

居住用でご検討の方

住宅ローンの条件も、金融機関の姿勢や金利の動きで変わります。
暮らしに合う住まいを、金利が上がっても無理なく返せる資金計画で一緒に考えていきましょう。

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