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金利上昇で不動産株に逆風、米住宅2割安・独大手3割安|ONZA的市況ニュース

2026-06-23

金利上昇で不動産株に逆風、米住宅2割安・独大手3割安|ONZA的市況ニュース

記事内容

2026.6.23の日経新聞で、世界的に住宅・不動産関連の"株"へ逆風が強まっていると報じられました。
各国が利上げに動くなか、金利上昇による業績悪化への懸念が広がり、関連株が売られています。日本でも、業種別の株価指数が年初来安値圏で推移しています。

引き金は、金利の上昇です。
米国では長期金利の指標となる10年物国債利回りが5月中旬に一時4.7%近くと2025年1月以来の高水準をつけ、30年債利回りも一時5.2%台と約19年ぶりの水準まで上がりました。
金利が上がると、おもに三つの経路で住宅・不動産関連株に重しがかかります。
・住宅ローンの返済負担が重くなり、住宅需要が冷える
・物件の取得・開発にかかる借入コストや、借り換え・利払い費が膨らむ
・金利が上がると投資家はより高い利回りを求めるため、利回り(キャップレート=物件価格に対する年間収益の割合)が切り上がり、同じ家賃収入でも物件の評価額(収益÷利回り)は下がりやすくなる

下落幅も大きく出ています。
2月末からの動きをみると、住宅建設や関連資材の企業で構成する「ダウ・ジョーンズ米国セレクト・ホーム・コンストラクション指数」は8%下落しました。個別では住宅建設大手のレナーが22%安、ホームセンター大手のホーム・デポが12%安です。
商業用不動産に投資するリアルティ・インカム(不動産に投資して賃料などの収益を分配するREIT)は10%安、高齢者施設に投資するベンタスも5%安となりました。一方で、同じ期間にS&P500種株価指数は9%"上昇"しています。AI特需を追い風にデータセンター関連が買われるなか、不動産関連は取り残された形です。

欧州でも同じ構図です。
独不動産大手のボノビアは2月末比で28%安、英住宅建設大手のパーシモンは32%安となり、主要600社で構成する欧州の株価指数ストックス600(0.3%高)とは対照的でした。欧州中央銀行(ECB)は6月11日に、政策金利を2.0%から2.25%へと、2023年9月以来となる利上げを決めています。

日本も例外ではありません。
日銀は6月16日に政策金利を1%へ引き上げました。31年ぶりの高水準です。業種別の日経平均で「不動産」は6月上旬に年初来安値をつけ、構成銘柄では2月末比で住友不動産が33%安、三井不動産が28%安、三菱地所が22%安と、大手デベロッパーの下落が目立ちます。5月にそろって好決算見通しを示したものの、市場は懐疑的に受け止めています。

先行きも楽観しにくい状況です。
米連邦準備理事会(FRB)は6月17日のFOMCで金利を据え置きましたが、参加者の金利見通し(中央値)は3月時点の「年内利下げ1回」から「利上げ1回」へと転じました。市場の利上げ確率を映す「フェドウォッチ」では、年内1回以上の利上げ確率が足元で9割に達しています。
金利が高止まりすれば、先ほどの三つの重し(需要・借入コスト・キャップレート)が当面続くことになります。岩井コスモ証券の小川浩一郎投資調査部長は「物価高や金利高に伴う生活苦で、不動産への需要は当面回復しないだろう」とみています。インフレの長期化が見込まれ、関連株の回復は当面難しいとの見方が出ています。


ポイント

👉 金利上昇が引き金

米10年債は5月中旬に一時4.7%近く(2025年1月以来)、30年債は5.2%台(約19年ぶり)。借入コストの増加が不動産・住宅関連の重しになっています。

👉 米国の下落が鮮明

住宅建設のレナーが22%安、ホーム・デポが12%安、商業用REITのリアルティ・インカムが10%安。同じ期間にS&P500は9%高で、不動産関連は取り残されました。

👉 欧州・日本も同じ構図

独ボノビアが28%安、英パーシモンが32%安。日本でも日銀の1%利上げを背景に、住友不動産33%安・三井不動産28%安・三菱地所22%安。

👉 キャップレート上昇が効く

キャップレート(物件価格に対する年間収益の割合)が金利とともに上がると、同じ収益でも評価額は下がりやすくなります。これが不動産の株価・価格の重しになります。

👉 インフレ長期化で回復は当面遠い

FRBは利上げ寄りに転換(年内利上げ確率9割)。物価高が続くあいだは、関連株の戻りは鈍いとの見方です。


実物の不動産価格への影響は

今回のニュースは、世界の不動産"株"が下落したという話です。
気になるのは、実物の不動産価格への影響はどうか、という点だと思います。ここを順にみていきます。

まず、株価と実物の価格では、動くスピードも幅も変わります。
株は金利や投資家心理を映して即時に大きく動きますが、実物の価格は、取引の成立しにくさや値付けの慎重化といった形で、よりゆっくり表れる傾向があります。日々の株価のように、毎日値段が変わるわけではありません。

そのうえで、金利上昇は実物の不動産価格にも下押しに働きます。
ローンを使う買い手の購買力が下がり、投資家が求める利回り(キャップレート)が上がるためで、海外では実物の商業用不動産でも価格調整が進んでいます。

一方で、インフレには反対向きの力もあります。
インフレが続けば家賃や物価そのものも時間をかけて上がっていきやすく、長い目では家賃や実物の価格が底上げされる側面があります。実物資産がインフレに比較的強いと言われるのは、この面が背景にあります。

つまり実物の不動産価格は、金利による下押しと、インフレ・実需による底上げが綱引きする形になります。
実物の価格や家賃は、株価の動きとは別に、金利の先行きとその地域の実需からみていくのが実態に近いと考えられます。


ONZAとしての整理

今回の話を一段抽象化すると、金利のある世界では、"紙の資産(株)"と"実物の資産(不動産)"は、同じ金利の動きでも、効き方も速さも変わってくる、ということだと考えています。
株は金利や期待を映して即座に大きく動き、実物は金利による価格の下押しと、インフレ・実需による底上げが、時間をかけてせめぎ合います。

そのため、市況ニュースの株価の動きと、実物の不動産の判断は、必ずしも直結しません。
大切なのは、株価そのものよりも、金利がこの先どう動くか、そしてその物件のあるエリアの実需――住む人・借りる人の動きがどうかを、地に足をつけてみていくことだと考えています。
金利が動く時代ほど、ニュースの大きな見出しよりも、こうした足元の前提を確かめる姿勢が効いてくると考えています。


まとめ

👉 記事内容の要点

金利上昇を引き金に、世界で住宅・不動産関連株が下落(米ホーム・コンストラクション指数−8%、レナー−22%など)

欧州(独ボノビア−28%)・日本(住友不動産−33%ほか)にも広がり、同じ期間に上げたS&P500とは対照的

インフレ長期化で利上げ観測が強まり、関連株の回復は当面遠いとの見方

👉 行動指針

株価のニュースは、実物の不動産価格の動きとは分けて読む(株は即時に大きく、実物は金利・実需を映してゆっくり)

金利上昇は実物の不動産価格にも下押し要因、インフレは家賃・価格の底上げ要因——両面が綱引きすると捉える

実物の不動産は、株価ではなく、金利の先行きと地域の実需(住む人・借りる人の動き)からみる

日銀・FRBの利上げ路線など、金利・物価の動きは借入計画の前提として継続的に確認する


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金利のある世界では、その物件の家賃が地域の実需に支えられているかが、長く持つうえでの土台になります。
金利前提を含めた収支と、出口(売却・住み替え)まで一緒に整理いたします。

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金利上昇の局面では、買い手の購買力や融資環境の変化が、売却までの時間や値付けに影響します。
今の市況でお持ちの物件がどう評価されるか、需要と流動性の面からお伝えします。

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