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不動産投資額が過去最大2兆円超え――プロが見ている不動産市場の今|ONZA的市況ニュース

2026-05-12

不動産投資額が過去最大2兆円超え――プロが見ている不動産市場の今|ONZA的市況ニュース

記事内容

2026.5.12の日経新聞で、「不動産投資最大2兆円、国内1〜3月 大型取引相次ぐ」と題した記事が掲載されました。

不動産サービス大手のCBRE(シービーアールイー)によると、2026年1〜3月期の国内事業用不動産の投資額(10億円以上の取引が対象)は前年同期比2%増の2兆430億円となり、1〜3月期として過去最大を記録しました。

最も大きかった取引は、東京・汐留の「電通本社ビル」で、カナダの投資ファンド・ブルックフィールドが3000億円で買収しました。
ホテルでは、ジャパン・ホテル・リート投資法人(REIT=不動産投資信託:複数の投資家からお金を集めて不動産に投資し、その収益を分配する仕組み)が「ハイアットリージェンシー東京」(新宿)を1260億円で取得しています。

物件の種類別では、オフィスへの投資が7688億円で最大カテゴリー。
前年に超大型案件があったことから減少したものの、高水準を維持しました。
注目は投資対象の広がりです。

・住宅:前年同期比"60%増"の2451億円
・物流施設:前年同期比"48%増"の3414億円
・ホテル:前年同期比"33%増"の2432億円
・データセンター:1560億円の大型取引

投資主体では国内勢の存在感が増しています。
国内投資家(REIT除く)の投資額は前年同期比16%増の8090億円、国内REITも5%増の4610億円。
一方、前年に超大型案件があった海外投資家は12%減の7740億円でした。

2026年の通年投資額は、2025年の6兆9000億円に並ぶ高水準になる見通しで、複数の大手ファンドが多額の投資計画を発表しているほか、企業による資産流動化(保有不動産の売却)の動きも続いています。

CBREの能勢知弥アソシエイトディレクターは「全国的に需要が旺盛で、一層の賃料上昇が見込めると考える投資家は多い」と話しています。


ポイント

① 1〜3月期として過去最大という事実

2兆430億円という数字は、金利上昇局面にもかかわらず不動産への投資需要が衰えていないことを示しています。
通常、金利が上がると借入コストが増えるため投資意欲が下がりやすいですが、今回はそれを上回る需要の強さがあります。

② 住宅への投資が60%増という注目点

オフィスや物流だけでなく、住宅への投資が前年同期比60%増というのは個人投資家にも関係する動きです。
これは「賃料が上昇している・今後も上昇が見込める」という市場の判断を反映しているとも考えることができます。

③ 国内勢の存在感が拡大

海外投資家が12%減少する一方、国内投資家が16%増加しています。
背景としては、円安・ドル高の環境下で海外勢がドル建て収益の目減りを意識しやすい状況が続いており、その分を国内の投資マネーが補っている構図があります。

④ データセンター・物流という新たな需要軸

AIブームと物流拡大という実需が、データセンターや物流施設への大型投資を動かしています。
これらは今後も需要の続きやすいカテゴリーとして注目されています。


個人投資との関係

賃料上昇期待が投資需要を動かしている

今回の投資拡大の根底にあるのは、「賃料が上がる・上がり続ける」という投資家の見立てです。
CBREの専門家がそう明言しているように、需要の強さが賃料を押し上げ、それが物件価格の下支えにもつながる構造になっています。
機関投資家が過去最大水準で動いているという事実は、その見立てを裏付けるものといえます。

住宅系不動産への波及

住宅への投資が60%増という動きは、居住用・投資用を問わず住宅系不動産の市場が活況にあることを示しています。
大型ファンドが住宅に目を向けるということは、それだけ賃料収入の安定性・成長性を評価しているとも考えることができます。

売却環境としても注目の局面

企業による資産流動化の動きが続いており、市場に物件が出やすい環境でもあります。
一方で買い手側の需要も旺盛なため、売り手・買い手双方にとって動きやすい局面が続いている可能性があります。


ONZAとしての整理

プロの投資家が「今、不動産を買う」と判断している背景は何かを考えると、見えてくるものがあります。

金利が上昇しているにもかかわらず、過去最大水準の投資が行われているという事実は重要です。
金利上昇は確かにコストを押し上げますが、それでも動く理由は「賃料上昇という収益の伸びがそれを上回る」という判断があるからです。

個人の不動産投資においても、この論理は共通しています。
金利が上がるから動かない、ではなく、
「賃料収入がどう推移するか」
「物件の資産価値がどう変化するか」
という視点で判断することが重要です。

また、投資対象の多様化(住宅・物流・ホテル・データセンター)が進んでいることは、「不動産=オフィス・マンション」という従来のイメージを超えて、実需に裏打ちされた様々なカテゴリーに資金が向かっていることを示しています。
自分自身の資産においても、何に需要があるかを見極める視点が大切になってくると考えることができます。


まとめ

・2026年1〜3月期の国内不動産投資額は2兆430億円と、1〜3月期として過去最大
・電通本社ビル3000億円など大型取引が相次いだ
・住宅60%増・物流48%増・ホテル33%増と投資対象が多様化
・国内投資家の存在感が拡大、海外勢は減少
・通年では2025年(6兆9000億円)に並ぶ高水準の見通し

行動指針

・「金利が上がっているから不動産は厳しい」という先入観を一度外して、賃料の動きと合わせて判断してみる
・保有物件がある方は、現在の市場環境(買い手需要が旺盛)を踏まえて、売却・保有継続のどちらが有利かを改めて確認してみる
・投資用物件を検討している方は、賃料上昇が見込まれるエリア・需要の継続性という視点で物件を絞り込んでみる
・住宅系不動産への投資需要が拡大している今、自分の資産配分に不動産という軸を加えることを検討してみる


ご相談について

投資用でご検討の方

過去最大水準の投資需要が続く今、賃料上昇が見込まれるエリアや需要の続きやすい物件を一緒に整理します。
数字と現物、どこから確認したいかに合わせてご提案します。

売却をご検討の方

買い手需要が旺盛な今は、売却を検討するにあたって有利な局面が続いている可能性があります。
現在の市況を踏まえた査定・売却タイミングのご相談をお気軽にどうぞ。

居住用でご検討の方

賃料上昇が続く環境では、「買う」という選択肢が長期的なコスト面で有利になるケースもあります。
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