値上げ力にマネー集中ーー消費株が高値競演、投資家は企業のインフレ対応力で選別|ONZA的市況ニュース
2026-08-27

記事内容:値上げ力にマネー集中、消費株が高値競演
2026.8.27の日経新聞で、値上げにより利益率を高めている消費・サービス株に資金が集まっていると報じられました。
人工知能(AI)関連株の上昇が一服し、日経平均株価が足踏みするなかでの動きです。
投資家が見極めているのは、企業のインフレ対応力だと記事は伝えています。
26日の東京株式市場では、外食大手のゼンショーホールディングス(HD)株が上場来高値を更新しました。
同社株を最近買い増したという香港拠点の日本株ヘッジファンドの担当者は「集客力が強く、値上げしても客離れが起きにくい」と評価します。
同社が運営するはま寿司は、5月下旬にまぐろを1皿110円から132円に値上げしました。
既存店客数は6月に1%減に転じたものの、7月には再びプラスへ戻し、値上げ後も集客力が衰えていないことを示しました。
8月7日には2027年3月期の営業利益見通しを100億円上方修正して前期比25%増の1020億円とし、値上げ効果で連結営業利益率の見通しは7.3%と、5年前より5.9ポイント高まります。
値上げ力の強さは、海外投資家を引き付けています。
同社の2026年3月末時点の外国人株主の保有比率は17.1%と、23年3月末から10.1ポイント上昇しました。
逆に個人などの割合は30.3%と12.4ポイント下がり、株主優待狙いの個人が買う銘柄から変わりつつあります。
日経平均株価が最高値を付けた6月25日以降に上場来高値を更新した銘柄でも、消費関連が目立ちます。
7月29日にサイゼリヤ、8月6日にはスシローを展開するFOOD&LIFE COMPANIES、12日には良品計画とミズノがそれぞれ上場来高値を付けました。
これらの銘柄の共通点は、今期予想の営業利益率が改善し、2ケタ以上の営業増益を見込んでいることです。
物価高で仕入れコストが増えても、それを上回る値上げを実現できている、インフレ対応力の高い企業といえます。
東証プライム上場企業のうち、2ケタ営業増益と営業利益率改善をともに満たす約550社の株価は、6月25日と8月25日の終値比較で平均6%上昇しました。
この間に日経平均株価は1割弱下げており、インフレ対応力の高い企業への物色が鮮明です。
では、値上げできる会社とできない会社の違いは何か。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの上野裕之チーフストラテジストは「ちょっと良い消費を取り込めるかどうか」と指摘します。
賃上げ効果で実質賃金は6月まで6カ月連続でプラスになったものの、6月の上昇率は1.6%です。
大きなぜいたくはできないが、少し背伸びした消費をしたい。
そのニーズを取り込める企業が、値上げに成功しています。
一方、生活必需品を扱い、値上げが消費者に受け入れられにくい企業の株価は見劣りします。
代表例がスーパーやコンビニで、6月25日からの株価上昇率はイオンが7%高、セブン&アイ・ホールディングスが6%高にとどまり、46%高のゼンショーHDとの差は大きくなっています。
上野氏は「かつてデフレの勝ち組とされたゼンショーHDが、インフレ局面でも勝ち組に回っているのは興味深い」と語ります。
本格的なインフレ時代を迎え、値上げと消費者の満足感を両立できる企業はどこか、投資家は選別を始めていると記事は結んでいます。
ポイント:値上げ力を巡る現在地
👉 値上げで利益率を高める消費株に資金が集中
はま寿司の値上げ後も客足が戻ったゼンショーHDが上場来高値を更新し、サイゼリヤや良品計画なども高値を付けています。
👉 選別の基準は企業のインフレ対応力
コスト増を上回る値上げを実現し、2ケタ営業増益と利益率改善を満たす約550社は、日経平均が1割弱下げるなかで平均6%上昇しました。
👉 分かれ目は、ちょっと良い消費を取り込めるか
実質賃金の上昇率は6月で1.6%にとどまり、少し背伸びした消費のニーズを取り込める企業が値上げに成功しています。
👉 生活必需品の値上げは受け入れられにくい
スーパーやコンビニの株価上昇率は1ケタにとどまり、値上げ力の差が株価の差になっています。
不動産との関係:家賃の値上げ力も、選ばれる理由があるかで決まる
値上げしても客離れが起きにくい、という今回の記事の視点は、賃貸不動産に置き換えて考えられます。
不動産版の値上げ力は、家賃の改定力です。
物価が上がる局面では、管理費や修繕費、保険料といった保有コストも上がっていきます。
収益を保つには家賃も実勢に追随していく必要がありますが、家賃は商品価格と違って自動では上がりません。
募集の入れ替わりや更新の合意といったタイミングで、少しずつ実勢を映していくものです。
そして、家賃を見直しても入居が続くかどうかは、物件が選ばれる理由を持っているかで決まります。
記事の、ちょっと良い消費という言葉は、住まい選びにも当てはまります。
大きなぜいたくはできなくても、少し家賃が高くても駅に近い部屋、住み心地の良い部屋を選びたいという需要は、賃金が上がる局面で厚みを増しやすくなります。
駅からの距離や生活の利便、建物の管理状態といった、選ばれる理由のある物件は、この需要を取り込めます。
一方、家賃の安さが主な理由で選ばれている物件は、見直しの際に近隣の類似物件と比較されやすく、値上げ力を持ちにくくなります。
また、建築費の高騰で新築の募集賃料が上がる地域では、設備や立地が近い既存物件に比較上の割安感が生まれ、家賃を見直せる余地が生じる場合もあります。
ONZAとしての整理
今回の記事で投資家が使っている選別の物差しは、そのまま物件選びに使えます。
インフレ対応力を物件に置き換えると、①需要がこれからも続く立地か②同じような物件の供給が増えにくい場所か③管理と修繕で建物の価値が保たれているか、の3つです。
株式市場が約550社を選び出したように、賃貸市場でも、家賃が実勢に追随できる物件とできない物件の差は、時間とともに収支の差になって表れます。
確かめ方は、株式のような財務指標ではなく需給の反応です。
周辺の同じ家賃帯の募集状況、募集開始から成約までの期間、更新時の入退去の動きが手掛かりになります。
収益の源泉である家賃が物価に追随できるかどうかは、インフレ局面の不動産を考えるうえで、利回りの数字以上に大切な確認点だと考えています。
もう一つ、上野氏の、デフレの勝ち組がインフレ局面でも勝ち組に回っている、という指摘は示唆的です。
局面が変わっても選ばれ続ける背景には、価格に加えて、商品やサービスそのものへの評価があると考えられます。
不動産も同じで、立地や住み心地という価値で選ばれている物件には、局面が変わっても選ばれる理由が残ります。
入居の続きやすさは周辺の空室状況や募集賃料とあわせて確かめていくものですが、価値の裏付けはその土台になります。
物件を持つ・選ぶときに、この物件はなぜ選ばれているのかを一度言葉にしてみる。
価格以外の理由が挙げられるかどうかが、局面を問わず持ち続けられるかの目安になります。
まとめ
👉 記事内容の要点
値上げで利益率を高める消費・サービス株に資金が集まり、ゼンショーHDやサイゼリヤ、良品計画などが上場来高値を更新
2ケタ営業増益と利益率改善を満たす約550社は平均6%上昇し、日経平均が1割弱下げるなかで物色が鮮明
分かれ目は、少し背伸びした消費のニーズを取り込めるかで、生活必需品を扱うスーパーやコンビニの株価は見劣り
本格的なインフレ時代を迎え、値上げと満足感を両立できる企業はどこか、投資家が選別を始めている
👉 行動指針
不動産の値上げ力は家賃の改定力と押さえ、家賃は募集の入れ替わりや更新のタイミングで実勢を映すと理解する
物件のインフレ対応力を、需要の持続・供給の増えにくさ・管理状態の3つで確かめる
少し家賃が高くても選ばれる理由(駅距離・利便・住み心地)があるかを物件選びの軸にする
保有物件は、なぜ選ばれているのかを言葉にし、価格以外の理由が挙げられるかを確かめる
ご相談について
投資用でご検討の方
インフレ局面では、家賃が実勢に追随できる物件かどうかで収支の見通しが変わります。
検討中の物件の需要の裏付けと周辺の募集状況から、一緒に確認いたします。
売却をご検討の方
選ばれる理由のある物件は、売却の場面でも評価されやすくなります。
保有物件の状況とご意向に合わせて、売る・貸す・持ち続けるの選択肢を一緒に確認します。
居住用でご検討の方
住まいは、暮らしやすさと無理のない資金計画で選ぶのが基本です。
物価が動く局面でも、返せる額を軸に一緒に整理していきましょう。
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