住宅ローンの金利タイプ、変動か固定かーー3人の専門家はどう見るか|ONZA的市況ニュース
2026-06-06

記事内容
2026.6.6の日経新聞で、住宅ローンの金利タイプ(変動か固定か)について、3人の専門家に選び方を聞いた特集が掲載されました。
日銀の政策金利の引き上げを受け、以前は年0.5%以下も多かった変動型の最優遇金利が年"1%"程度まで上がり、これから借りる人がどう選ぶかが論点になっています。
足元の水準は、変動型が"1%"台、全期間固定型は"3%"台が主流で、両者の差はおよそ"2%"あります。
この差をどう捉えるかで、専門家の見方も分かれています。
住信SBIネット銀行社長の円山法昭氏は、"固定が基本"という立場です。
本来は通常の景気サイクルで年2〜4%が妥当で、いまの1%は銀行が自助努力で抑えた"お得な状態"だと指摘し、多額のローンに金利変動のリスクまで重ねることに慎重な見方を示します。
ただし、収入や資金に余裕がある人、5〜10年で住み替える前提の人なら変動も選択肢としています。
ライフルホームズ総研の中山登志朗氏は、"変動で借り、繰り上げ返済"を勧めます。
2%の金利差は大きく、低い変動で借りつつ、住宅ローン減税の還付金を蓄えて減税期間後に繰り上げ返済する方法や、固定と変動を組み合わせるミックスローンで上昇リスクに備える考え方です。
将来の売却を視野に入れるなら変動型に元金均等返済、ずっと住み続けるなら固定型、と使い分けも示しました。
MFS取締役の塩沢崇氏は、"変動、ただし借入額は年収の5倍まで"という立場です。
塩沢氏は、日銀の政策金利が2027年までに1.5%程度まで上がる可能性を見込み、固定と変動の差が逆転する可能性は低いとみています。
返済の最初の10年の利息負担を低い金利で通過できる変動が有利としつつ、借入を世帯年収の5倍までに抑え、金利がさらに2%上がっても返済が続くかを確認すべきだとします。
一方で、原油高や財政・賃金次第ではさらに上昇する余地もあるため、金利上昇が心配なら固定も十分あり得るとも述べています。
ポイント
👉 金利上昇で変動の最優遇も"1%"程度に
以前は0.5%以下も多かった変動が1%まで上がり、固定(3%台)との差はおよそ2%です。
👉 固定を基本に置く見方(円山氏)
多額のローンに金利変動のリスクまで重ねることに慎重な立場です。
👉 変動を軸にリスク抑制策をセットにする見方(中山氏・塩沢氏)
繰り上げ返済や借入額を年収5倍までに抑えるなど、上昇への備えを組み合わせます。
👉 どちらの立場も"金利だけで決めない"
団信などの商品性、住み続けるか売却するか、賃金やインフレの見通しもあわせて選ぶ点は共通しています。
住宅ローンの金利タイプをどう選ぶか
3人に共通するのは、目先の金利の数字だけで決めない、という姿勢です。
そのうえで、変動と固定それぞれの性格を整理しておくと、自分に合う選び方が見えやすくなります。
変動型の魅力は、足元の金利が低く、当初の返済額や利息負担を抑えられる点です。
注意点は将来の金利上昇で、繰り上げ返済や借入額を抑える、賃金の上昇で吸収できるかを見るといった備えをセットにする考え方が示されています。
多くの変動型住宅ローンでは、返済額の見直しを5年ごと、増額幅を原則25%以内に抑える仕組み(いわゆる5年・125%ルール)が採用されることがあります。
ただし、金融機関や商品によって適用の有無が異なるため確認が必要です。
固定型の魅力は、返済額が完済まで変わらず、家計の見通しを立てやすい点です。
注意点は足元の水準が変動より高いことで、金利や収入の先行きが読みにくい人や、ずっと住み続ける前提の人に向くという見方が示されました。
住み替えや売却を視野に入れるなら、変動型に元金均等返済を組み合わせて元金を早く減らす、という選択肢も挙げられています。
どちらが正解という話ではありません。
収入の安定性や資金の余力、住み続けるか売却もありうるか、賃金やインフレの見通しによって、合う選択は人それぞれです。
団信などの保障内容も含め、商品全体を比べることが、3人に共通する助言といえます。
ONZAとしての整理
金利タイプ選びで大切なのは、いま金利が何%かという一点ではなく、自分の収入・暮らし方・住む期間という前提に、その金利タイプが合っているかを確かめることです。
専門家の見方が分かれるのは、前提が人によって違うからで、まずは自分の前提を整理することが出発点になります。
ローンは、金利の数字だけでなく、返済の設計や団信、繰り上げの余力まで含めた全体で考えるものです。
その全体像を一緒に描けるかどうかが、長く無理なく住宅ローンと付き合ううえでの土台になります。
まとめ
👉 記事内容の要点
金利上昇で変動の最優遇も1%程度に上がり、固定(3%台)との差はおよそ2%になっている
円山氏は固定を基本に(多額のローンに金利変動のリスクまで重ねることに慎重)
中山氏・塩沢氏は変動を軸に、繰り上げ返済や借入を年収5倍までに抑える備えを勧める
いずれも、団信・住み替えの有無・賃金の見通しを含めて、金利だけで決めない点は共通する
👉 行動指針
変動・固定は"金利の数字"だけで選ばず、商品性や返済設計も含めて比べる
自分の前提(収入の安定性・資金余力・住み続けるか売却もありうるか)を先に整理する
賃金やインフレ、金利の先行きをどう見るかを、自分なりに持っておく
一つの意見に決めつけず、複数の専門家の見方を判断材料にする
ご相談について
投資用でご検討の方
投資用ローンは住宅ローンと融資条件や金利体系が異なりますが、金利上昇への耐性や保有期間、出口の考え方を確認する点は共通します。
返済の設計や収支を一緒に整理いたします。
売却をご検討の方
将来の売却も視野に入れるなら、元金の減り方や残債の見え方も判断材料になります。
お持ちの物件やご計画に合わせて、進め方を一緒に確認します。
居住用でご検討の方
変動・固定のどちらが向くかは、収入の安定性や住み続ける期間によって変わります。
金利が上がった場合の返済も見ながら、無理のない選び方を一緒に考えていきましょう。
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