市場は一瞬で壊れる?――「かりそめのマネー」の指摘、資産の"本質的な価値"を問い直す|ONZA的市況ニュース
2026-05-10

記事内容
2026.5.10の日経速報ニュース(日経QUICKニュース編集委員・永井洋一氏)で、「市場は一瞬で壊れる――『ゆでガエル』日本、株と国債に試練」と題した記事が掲載されました。
表面上は好調に見える金融市場ですが、その内側には構造的なリスクが静かに積み上がっているという内容です。
日経平均株価は2月27日から5月7日にかけて7%上昇した一方、市場全体をより広く反映する東証株価指数(TOPIX)は同期間で2%下落しています。
一部の銘柄だけが上昇しているという、少し歪んだ構造が見えてきます。
こうした株高の背景にあるのが、記事が指摘する"かりそめのマネー"です。
国債を担保にお金を借り、そのお金を再び金融資産に投じ、さらに担保にして借りる――という循環型の資金の動きのことで、消費や設備投資といった実需には向かわず、金融市場の中を回り続ける性質があります。
米国株の割高度を示すCAPE(景気循環調整後の株価収益率)はS&P500ベースで約40倍に達しており、2000年のITバブル期のピークに近い水準です。
また日本国債は市場で実際に売買される「流通比率」が32%(米国は81%)と低く、何らかのショックが起きた際に金利が急騰するリスクをはらんでいます。
記事はこうした状況を「ゆでガエル化」と表現し、リスクへの感度が低下したまま危機が近づいていることへの注意を促しています。
ポイント
① "かりそめのマネー"とは
国債を担保にしたお金が金融資産に再投資され循環する構造のことです。
実需を伴わない資産高を生みやすく、2022年の英国「トラス・ショック」のように一瞬で逆回転するリスクがあります。
② CAPE約40倍という水準
景気の波を平均化した上で株価の割高・割安を測る指標で、約40倍はITバブル期に匹敵します。
AIバブルへの警戒が必要な水準として記事では言及されています。
③ 日本国債の流動性リスク
流通比率が低い状態でショックが起きると、国債が急落(=金利が急騰)するリスクがあります。
グローバルサプライチェーン圧力指数も4月に1.82まで上昇しており、供給不安が高まっています。
④「ゆでガエル化」という警鐘
危機やルールへの感度が低下した結果、リスクの蓄積に気づきにくくなっている状態を指します。
株高への歓喜がリスクの声をかき消している、という構図です。
不動産との関係
金利上昇リスクと住宅ローンへの影響
日本国債の流動性リスクが顕在化すれば、長期金利がさらに上昇する可能性があります。
背景としては、日銀の利上げ以降すでに固定金利は上昇基調にあり、今後の動向次第では住宅ローンの借入条件にも影響が出てくる可能性があります。
変動金利でローンを組んでいる方は、返済計画を改めて確認しておく価値があるかもしれません。
株高バブル懸念と実物資産への関心
実需を伴わない株高は、崩れるときも速い可能性があります。
こうした局面では、価格変動が相対的に緩やかで、家賃という実需に裏打ちされた収入を生む不動産に関心が向きやすくなる傾向もあると考えることができます。
"流動性"という視点
日本国債のリスクとして流動性の低さが挙げられているように、不動産においても「売りたいときに売れるか」という流動性は重要な判断基準です。
都心・駅近・RC造といった実需に支えられた物件は、市場が揺れた局面でも相対的に需要が保たれやすい傾向があります。
ONZAとしての整理
「市場が上がっているから安心」という感覚を、一度立ち止まって見直してみることも大切かもしれません。
今回の記事が伝えるのは、上昇しているように見える市場の内側に構造的な脆さがある可能性があるということです。
"かりそめのマネー"が支える資産高は、何かのきっかけで一気に動く可能性もあります。
そういった局面で改めて意識したいのが、資産の軸を分散しているかどうかという視点です。
株・債券・現金だけに集中している状態では、金融市場が揺れたときに同時に影響を受けるリスクがあります。
家賃収入という実需に裏打ちされた収入を持つ不動産は、そういった局面での"別の軸"になり得る可能性があります。
利回りの高さだけを追いかけるのではなく、資産性と流動性を兼ね備えた物件を選ぶ視点が、長期的な資産形成においてはより重要になってくるとも考えることができます。
まとめ
・株高の内実には"かりそめのマネー"による循環がある可能性があり、実需を伴っているとは限らない
・CAPE約40倍という水準はITバブル期に匹敵し、AIバブルへの警戒が必要
・日本国債の流通比率は32%と低く、金利急騰リスクを内包している
・市場が揺れる局面だからこそ、資産の"流動性"と"実需の裏付け"を確認する視点が重要
行動指針
・現在の資産配分(株・現金・不動産など)のバランスを改めて確認してみる
・変動金利でローンを組んでいる方は、固定金利への借り換えシミュレーションをしておく
・不動産を検討している方は、利回りだけでなく「売りたいときに売れるか」を物件選びの基準に加えてみる
・金融市場の動きに左右されにくい、実需型の収入を資産の一部に持つことを検討してみる
ご相談について
投資用でご検討の方
金融市場の不透明感が増す局面だからこそ、実需に支えられた家賃収入という"別の軸"を持つことを検討される方が増えています。
資産性と流動性を兼ね備えた物件選びを一緒に考えます。
売却をご検討の方
金利や市場の先行きが読みにくい今、保有物件の現在価値を把握しておくことは重要な判断材料になります。
売り時・買い替えのタイミングも含めてご相談ください。
居住用でご検討の方
金利の先行きが不透明な今、固定・変動どちらでローンを組むか、どのエリア・構造の物件を選ぶかは長期的な家計に影響します。市況を踏まえた物件選びのご相談もお気軽にどうぞ。
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