市況ニュース

マンション修繕の不正根絶をーー大規模修繕の談合疑惑に公取委がメス、設計コンサル関与の疑いも|ONZA的市況ニュース

2026-08-25

マンション修繕の不正根絶をーー大規模修繕の談合疑惑に公取委がメス、設計コンサル関与の疑いも|ONZA的市況ニュース

記事内容:マンション修繕の不正根絶を求める社説

2026.8.25の日経新聞で、マンション修繕を巡る不正の根絶を求める社説が掲載されました。
施工会社の不正疑惑が相次いでおり、関東と東海地方の大規模修繕工事で談合をした疑いで、公正取引委員会が調査に乗り出しています。
資材や人件費の値上がりを背景に修繕費が高騰するなか、住民に不当な負担増を強いたとすれば到底許されない、と社説は指摘します。

公取委は7月下旬、東海3県のマンション大規模修繕工事で談合を繰り返したとして、施工会社27社と設計コンサルタント会社を立ち入り検査しました。
遅くとも数年前から、事前に受注予定業者や価格を決めていた疑いがあります。
関東でもすでに似た構図の談合疑惑が発覚しており、公取委は30社超に課徴金納付命令と再発防止の排除措置命令を出す方針と報じられています。
社説は、全国的に談合が繰り返されていた可能性を否定できないとしています。

見過ごせないのは、これらの不正に設計コンサルタントが関わっている疑いがあることだと社説は続けます。
現在主流となっている設計監理方式では、設計コンサルが修繕計画の作成から施工会社の選定支援、工事監理までを担います。
本来は、公正な立場で管理組合に助言し、工事内容をチェックする役割です。
そのチェック役が施工会社の意向に沿って費用を水増ししたのであれば、住民への背信行為にほかならない、と社説は厳しく批判しています。

こうした問題は以前から指摘されてきました。
一部の設計コンサルが、バックマージンを支払った施工会社に有利な工作をした事例があるとして、国土交通省は2017年に管理組合の団体へ注意喚起の通知を出しています。
それでも不正を根絶できないとすれば、ゆゆしき事態だと社説は述べます。
マンション修繕を巡っては、施工会社の社員が住民になりすまして管理組合の会合に出席する不正も明らかになっており、刑事事件に発展した例もあります。
修繕需要は今後さらに高まる見通しです。
業界全体に厳しい目が向けられていると受け止め、徹底した再発防止策をとらねばならない、と社説は結んでいます。

ポイント:社説の要点

👉 大規模修繕の談合疑惑に公取委がメス

東海3県では施工会社27社と設計コンサルタント会社が立ち入り検査を受け、関東では30社超に課徴金納付命令などが出される方針と報じられています。

👉 チェック役の設計コンサルに関与の疑い

設計監理方式では、設計コンサルが修繕計画の作成や施工会社の選定支援を担い、公正な立場で管理組合に助言する役割を負っています。

👉 2017年の注意喚起後も不正が続く

国土交通省が管理組合の団体に通知を出した後も根絶できておらず、住民へのなりすましなど別の不正も明らかになっています。

👉 修繕需要は今後さらに高まる見通し

資材や人件費の値上がりで修繕費が高騰するなか、社説は業界に徹底した再発防止策を求めています。

修繕積立金は自分のお金ーー中古選びと保有中にできること

大規模修繕の費用は、区分所有者が毎月積み立てる修繕積立金から支払われます。
談合や水増しで工事費が実勢より高くなれば、その分だけ積立金は予定より早く減ります。
積立金が不足すれば、積立額の値上げや一時金の徴収につながり、保有コストが上がります。
逆に、必要な修繕が適正な価格で行われている建物は、外壁や設備の状態が保たれ、住み心地だけでなく、貸す場合の家賃競争力や売る場合の評価にもつながります。
修繕の適正さは、住む人にもオーナーにも、収支と資産価値の両方に関わる問題です。

中古マンションを選ぶ段階では、確認できる資料があります。
いずれも仲介会社を通じて取り寄せられます。

資料確認すること
修繕履歴大規模修繕の実施時期と工事内容
長期修繕計画次の工事の予定時期と想定費用
修繕積立金の状況残高と、値上げや一時金の予定
総会議事録工事や業者選定がどう決められてきたか

積立金の残高が計画に対して足りているか、値上げの予定が現実的かは、購入後の負担を左右します。
総会議事録では、見積もりの取得先の数や選定理由、工事費の増額の理由が説明されているかが確認の目安になります。
すでに保有している場合は、管理組合の運営に関心を持つことが、不自然な選定や費用の変化に早く気づく第一歩になります。
社説が示した構図は、チェック役であるはずの設計コンサルが施工会社側に付くというものでした。
だからこそ任せきりにせず、大規模修繕の際には複数社から見積もりが取られているか、選定の過程が総会で説明されているかを確かめる。
賃貸に出して管理を委託していても、管理組合の一員としての議決権は所有者にあります。
総会資料に目を通すことが、その入り口になります。

ONZAとしての整理

今回の社説は不正の告発ですが、裏を返せば、修繕がきちんと回っているマンションの価値を示す話でもあります。
修繕積立金が計画的に積み上がり、工事の決め方が透明なマンションは、必要な修繕を適切な時期と内容で実施しやすく、建物の状態が長く保たれ、住む人に選ばれ続けます。
売買の場面でも、管理や修繕の記録が整っていると、買い手が将来の修繕負担や建物の状態を確かめやすく、検討時の安心材料になります。
区分マンションの堅実さは、立地だけでなく、こうした維持管理の積み重ねとセットで成り立ちます。
中古を選ぶときに管理状態まで見ることは、遠回りに見えて、資産価値を確かめる近道だと考えています。

もう一つは、修繕費は上振れしうる前提で構えることです。
社説の前提にあったのは、資材や人件費の値上がりでした。
この上昇が続けば、従来の単価を前提にした長期修繕計画は、見直しが必要になりえます。
修繕需要が今後さらに高まる見通しも踏まえると、確認は早いほど選択肢が残ります。
購入前なら、長期修繕計画と積立金の水準が現実的かを確かめる。
保有中なら、値上げの議論を先送りにしない。
負担の話に早く向き合うことは、建物の競争力を保つための前向きな投資にもなります。

まとめ

👉 記事内容の要点

関東と東海のマンション大規模修繕工事で談合の疑いがあり、公取委が東海の施工会社27社と設計コンサルを立ち入り検査

関東では30社超に課徴金納付命令などが出される方針で、全国的に談合が繰り返されていた可能性も指摘される

チェック役であるはずの設計コンサルの関与が疑われ、2017年の国交省の注意喚起後も不正が続く

資材や人件費の高騰で修繕費が上がるなか、修繕需要は今後さらに高まる見通し

👉 行動指針

中古選びでは修繕履歴・長期修繕計画・積立金の残高と値上げ予定・総会議事録を取り寄せて確認する

保有中は管理組合の運営に関心を持ち、大規模修繕では相見積もりと選定過程の透明性を確かめる

修繕費は上振れしうる前提で、積立金の計画と値上げの議論に早めに向き合う

管理状態まで見ることを、立地と並ぶ物件選びの軸に据える

ご相談について

投資用でご検討の方

収益物件は、家賃だけでなく修繕積立金や管理の状態まで含めて収支が決まります。
検討中の物件について、管理関連の資料の見方から一緒に確認いたします。

売却をご検討の方

修繕や管理の記録が整っていることは、売却時の安心材料になります。
保有物件の状況とご意向に合わせて、売る・貸す・持ち続けるの選択肢を一緒に確認します。

居住用でご検討の方

住まいは、暮らしやすさと無理のない資金計画で選ぶのが基本です。
中古マンションの管理状態の見方も含めて、一緒に整理していきましょう。

お気軽にお問合せください。

不動産に関するご相談は、LINEからお気軽にどうぞ。毎日7:00〜21:00、無料で対応しています。