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マンション新制度・国内管理人に利益誘導の恐れーー規約と細則の確認を早めに|ONZA的市況ニュース

2026-08-01

マンション新制度・国内管理人に利益誘導の恐れーー規約と細則の確認を早めに|ONZA的市況ニュース

記事内容:議決を代理できる国内管理人、ルールの曖昧さが課題に

2026.8.1の日経新聞で、4月に始まったマンションの新制度・国内管理人について、ルールの曖昧さと悪用の恐れを指摘する記事が掲載されました。
国内管理人は、海外に住む区分所有者に代わって、管理組合の総会で議決権の行使などができる制度で、4月施行の改正区分所有法で導入されました。
ただ、誰がなれるかといった細かい規定が法律にはなく、独自ルールを定めないと制度が悪用され、外部の思惑で修繕支出などがゆがめられる恐れがあると指摘されています。

背景には、海外に居住するマンション所有者の増加傾向があります。
国土交通省が2025年1〜6月の新築マンションを調べると、東京23区の一部の区では、10%前後を国外に住所がある人が取得する例もありました。
こうした所有者が議決権を行使しない場合、重要な決議を行えない恐れがあります。
スマート修繕の別所毅謙氏は「重要な決議を行えない事態を防止するのに、国内管理人は一定の効果がある」と話します。

一方で、課題は制度の細部にあります。
法律や国が定める管理規約のひな型では、国内管理人の対象者の範囲などが細かく定められておらず、個人だけでなく法人を選ぶことも可能です。
このため専門家は、修繕工事などで利益を得たい工事関係者らが国内管理人を引き受け、自らに有利な方向へ議決権を行使する可能性は排除できない、と口をそろえます。
実際に、選ばれた国内管理人を調べると修繕工事に利害関係のある法人だったと発覚した例が早くも出ている、という関係者の証言も紹介されています。
所有者へのなりすましは、所有者でないと分かった時点で基本的に排除できます。
これに対し国内管理人は、工事関係者などだと分かっただけでは直ちに解任できないケースがあり得るため、さくら事務所の土屋輝之氏は「合法的なりすまし」のような形になりかねないと指摘します。

義務化の動きにも注意が向けられています。
法律では任意の制度ですが、管理規約で義務化する動きが一部で見られます。
5月末には、東京都の築10年ほどのマンションの総会で、管理会社が提案した規約改正案に国内管理人の義務化が盛り込まれたものの、誰がなれるのかといった細則がないことへの不安が噴出し、決議が延期される事例もありました。
義務化されると、海外転勤が決まって時間がない中で、深く吟味しないまま利害関係者を含む個人や法人へ任せてしまう所有者が出てくる可能性も指摘されています。
篠原みち子弁護士は「最低でもマンションの管理や修繕に利害関係をもつ者を国内管理人へ選任することを禁止するといった細則を定めたい」と話します。
土屋氏は、まず海外居住の所有者も含めた実効性のある連絡先を名簿にまとめることが大切で、国内管理人はそれを補完する任意の制度として導入すれば十分ではないか、との見解です。

今回の法改正は大規模で、これに沿って管理規約を改正すると項目が多岐にわたります。
このため、他の項目に埋もれ、十分な検討がないまま国内管理人を導入済みのマンションが存在する可能性も指摘されています。
記事は、規約を確認し、導入や義務付けが行われていた場合は、再改正を含む議論を早めに始めることが大切だとまとめています。
なお、国が定める管理規約のひな型である標準管理規約は、2025年に法改正に合わせて改正され、特別決議ルールの変更など重要な項目が多く含まれています。
自分のマンションの規約と見比べれば、見直しが必要な項目を洗い出せます。

ポイント:国内管理人制度の課題

👉 海外居住者の代わりに議決できる国内管理人が4月開始

改正区分所有法で導入され、東京23区の一部では新築の10%前後を国外居住者が取得する例もあります。

👉 誰がなれるかの細かい規定が法律にない

個人だけでなく法人も選任でき、法律では任意の制度ですが、規約で義務化する動きも一部で見られます。

👉 利益誘導に使われる恐れ

修繕工事に利害関係のある者が就けば議決がゆがむ可能性が指摘され、利害関係法人の選任例の証言もあります。

👉 規約の確認と細則の整備を早めに

他の改正項目に埋もれて導入済みの例もあり得るため、規約の確認と再改正を含む議論が勧められています。

国内管理人の条項を、規約でどう確認するか

記事の指摘を、所有者ができる確認の手順に整理します。
入り口は、いま自分のマンションの規約に国内管理人の条項が入っているかどうかです。
今回の法改正に対応した規約改正は項目が多く、国内管理人の条項は他の項目に埋もれやすいため、改正済みの規約や、これから総会にかかる改正案を条項ごとに確認することが第一歩になります。

条項が入っていた場合は、中身を見ます。
義務か任意か。
対象者の範囲は定められているか。
管理や修繕に利害関係を持つ者を排除する細則や、問題が分かったときに解任できるルールはあるか。
記事が伝えるとおり、細則のないまま導入や義務化が行われていた場合は、再改正を含む議論を早めに始めることが勧められています。
これから総会の議案として出てきた場合も、細則の有無を確認してから賛否を判断することができます。
冒頭の事例のように、不安が残るなら決議を延期して議論を続けるという選択もあります。

照らし合わせる物差しは、標準管理規約です。
国のひな型と自分のマンションの規約を見比べれば、国内管理人に限らず、見直しが必要な項目を洗い出せます。
また、海外転勤などで実際に国内管理人を選ぶ立場になった場合は、時間がなくても、管理や修繕に利害関係を持たない相手かどうかを、選任前に確認したいところです。

ONZAとしての整理

マンションの資産価値を考えるときは、立地や建物の条件に加えて、管理の質も重要な確認材料だと考えています。
総会で必要な修繕を適切に決められるか、議決の公正さを保てるかは、修繕計画の実行と管理運営への信頼に関わるためです。
今回の制度は、その両面に関わります。
海外居住の所有者が議決権を行使しない状態が続けば、決議に必要な賛成を集めにくくなり、意思決定が停滞する場合があります。
国内管理人が適切に選任されれば、この停滞を防ぎ、必要な修繕の議論を進めやすくする効果が期待されます。
一方で、細則のないまま導入されれば、修繕支出がゆがめられる可能性も指摘されているとおりです。
決議ができることと、議決がゆがまないこと。
この両方がそろって、管理が資産価値を支えます。

海外赴任や転勤、相続など、物件から離れて所有する場面は今後も増えていくと考えられます。
専門家が指摘する連絡先の名簿整備が先という順序は、遠隔で所有する場合の基本としても通じる整理です。
そして、こうした管理上の確認は、すでに所有している人だけでなく、購入を検討する人にも関わります。
総会の議事録や規約を確認すると、国内管理人の定めや規約改正の経緯、修繕を巡る議論の状況を把握する手掛かりになります。
管理の中身まで確かめて選ぶことが、長く持つうえでの安心につながります。

まとめ

👉 記事内容の要点

4月施行の改正区分所有法で、海外居住の所有者に代わり議決権を行使できる国内管理人の制度が始まった

誰がなれるかの細かい規定が法律になく、法人も選任できるため、修繕などでの利益誘導に使われる恐れが指摘されている

法律では任意の制度だが規約で義務化する動きが一部にあり、吟味のないまま利害関係者へ任せる選任が増える可能性がある

法改正対応の規約改正は項目が多岐にわたり、十分な検討のないまま導入済みの例もあり得るため、規約の確認が勧められている

👉 行動指針

自分のマンションの規約に国内管理人の条項が入っていないか、義務か任意かを確認する

条項がある場合は、対象者の範囲や利害関係者の排除・解任といった細則の有無を確かめ、なければ再改正の議論を早めに始める

総会の議案では細則の有無を確認してから賛否を判断する

標準管理規約と自分のマンションの規約を見比べ、見直しが必要な項目を洗い出す

ご相談について

投資用でご検討の方

物件選びでは、収支に加えて、管理規約や管理組合の運営状況も大切な確認材料です。
検討中の物件について、規約や修繕の体制まで含めて一緒に確認いたします。

売却をご検討の方

管理の状態は、買い手が確認する材料の一つです。
保有物件の状況とご意向に合わせて、売る・貸す・持ち続けるの選択肢を一緒に確認します。

居住用でご検討の方

住まいは、暮らしやすさと無理のない資金計画で選ぶのが基本です。
管理規約や管理の状態も含めて、一緒に整理していきましょう。

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