日本国債は"3%なら選択肢"ーー金利のある世界での、インカムの選び方|ONZA的市況ニュース
2026-07-09

記事内容:日本国債は"3%なら選択肢"
2026.7.9の日経新聞で、歴史的な高水準にある日本国債の利回りをめぐり、世界最大級の債券運用会社ピムコの運用責任者へのインタビューが掲載されました。
長期金利が3%になれば長期ゾーンの国債も選好する可能性がある、という内容で、利回りが上がった日本の国債を、世界最大級の債券運用会社が投資候補として見直し始めていることを示しています。
まず、長期金利が上がってきた要因の分析です。
2024年3月以降の利上げ局面で、日本の長期金利は政策金利の上げ幅より大きく上昇しました。
背景にあるのは、投資家が長い期間お金を貸すことに求める上乗せ金利(タームプレミアム)の上昇です。
上乗せ金利は、国の信用リスク、インフレリスク、需給のミスマッチの3つに分けられますが、信用リスクは大きく変わっておらず、インフレと需給の2つが大きい、との分析です。
足元では骨太の方針の原案の発表が金利を押し上げているようだとしつつ、金利上昇を日本の信用リスクの悪化で説明するのは無理がある、との見方を示しています。
財政の拡張が意識されると、投資家が長く貸すことへの上乗せをより求めやすくなるためです。
次に、需給の目詰まりの背景です。
日銀の正常化ペースが非常にゆっくりで、政策金利がどこまで上がるかの到達点(ターミナルレート)が見えにくい、との見方が根強くあります。
投資家としては、政策金利がもう上がらないと思えたタイミングで買いたいため、それが見えないうちは国債の需要が細りやすい構図です。
利上げの過程で政府とのあつれきが生じる可能性もゼロではないとしつつ、最終的に日銀は物価の安定と通貨の信認を優先して行動するとみています。
投資のスタンスについては、日本の利回り曲線(イールドカーブ)が非常に急で、期間の長い債券ほど利回りの上乗せが大きい形になっているため、超長期ゾーンを選好しているとのことです。
金利水準は、日本の経済成長率や今後のインフレ、財政の動向に見合う水準になってきたとして、長期金利が3%になれば長期ゾーンも選好する可能性がある、と述べています。
財政については、過度には悲観していない、との評価です。
総額で見た債務残高は非常に多いものの、資産を差し引いた純額では突出して悪くはなく、借金に頼らずに政策経費を賄えているかを示す基礎的財政収支(プライマリーバランス)も、おおむね均衡していると指摘します。
ただ、政権発足当初に1.6%程度だった長期金利は3%に近づき、金利環境は変わりました。
金利が上がったからには、これまで以上に慎重な財政運営が必要で、10年先やその先まで持続可能な経路を描けるかが重要だとしています。
金利上昇の環境では、発行する国債の年限の見直しや情報発信といった、国債管理政策の重要性も一段と高まるとの指摘です。
ポイント:機関投資家から見た日本国債
👉 国債の利回りが"選択肢"になる水準に
世界最大級の債券運用会社が、長期金利3%なら長期ゾーンの国債も選好する可能性に言及しました。
👉 金利上昇の主因はインフレと需給
信用リスクは大きく変わっておらず、インフレリスクと需給の目詰まりが大きいとの分析です。
👉 買いのタイミングは"利上げの終わり"
政策金利の到達点が見えたときに買いたい投資家が多く、見えないうちは需要が細りやすい構図です。
👉 財政は過度に悲観せず、ただし慎重に
純額の債務や基礎的財政収支は悪くない一方、金利上昇後はより慎重な財政運営が必要としています。
不動産との関係:金利のある世界での、インカムの選び方
国債の利回り上昇は、債券投資の話にとどまらず、不動産のインカムを考えるときの比較対象にもなってきます。
預金や債券がほとんど利息を生まなかった時代が終わり、インカムを生む資産を比べて選べる時代になった、ということです。
満期まで保有すれば利回りを見込みやすい国債は、インカムを比べるときの基準の一つ、いわば基準線になります。
不動産の家賃インカムは、これとは性質が異なります。
違いが出る軸は、主に2つです。
1つは、実物資産であること。
通勤需要や駅距離、人の流入といった立地と実需が保たれていれば、家賃は物価や周辺相場に沿って中長期で見直される余地があり、満期まで固定の利回りを見込む国債とは、インカムの動き方が違います。
もう1つは、借入を使って取得できること。
金利のある世界では、変動を主軸にしつつ金利が上がっても返せる余力が前提になりますが、名目の返済額が決まっている借入は、インフレ下では実質的な負担が軽くなる面があります。
一方で、国債の利回りが上がると、投資家が不動産に求める利回りにも影響が及びます。
国の信用力に裏付けられた国債でその利回りが得られるなら、不動産には空室や修繕といった手間に見合う上乗せが求められやすくなるためです。
だからこそ、価格と家賃のバランスを見る目は、これまで以上に大切になります。
どちらを選ぶかに全員共通の正解はなく、性質の違いを知ったうえで、自分の余力に合わせて組み合わせることが出発点になります。
ONZAとしての整理
金利のある世界に戻ったことで、インカムには比べる基準ができました。
基準ができたからこそ、不動産の家賃インカムも、その中身、つまり家賃を支える立地と実需、そして無理のない借入かどうかを確かめる価値が上がっていると整理しています。
比べる目を持つ投資家が増えるほど、実需に支えられた物件の強さは、数字で確かめやすくなります。
基準線のある時代ほど、家賃を支える中身を一つずつ確かめる基本が効いてくると考えています。
まとめ
👉 記事内容の要点
世界最大級の債券運用会社が、長期金利3%なら長期ゾーンの日本国債も選好する可能性に言及した
長期金利上昇の主因は、インフレリスクと需給の目詰まりとの分析(国の信用リスクは大きく変わらず)
利回り曲線が急なため超長期ゾーンを選好し、買いのタイミングは政策金利の到達点が見えるかどうかがカギ
財政は過度に悲観していないが、金利上昇後はより慎重な財政運営と、10年先まで持続可能な経路が重要と指摘
👉 行動指針
金利のある世界では、インカムを生む資産を比べて選ぶ(国債の利回りは基準線の一つ)
不動産は、家賃が立地と実需(駅距離・人の流入・賃金と家賃の見合い)に支えられているかで中身を確かめる
借入は変動を主軸にしつつ、金利が上がっても返せる余力で組む
価格と家賃のバランス(利回り)を、周辺相場と照らして確認する
ご相談について
投資用でご検討の方
国債の利回りが基準線になる時代は、物件の見極めがこれまで以上に効いてきます。
想定家賃が周辺の実需に見合っているか、価格と家賃のバランスは適正か、金利が上がっても回る借入かまで、無理のない組み立てを一緒に整理いたします。
売却をご検討の方
金利のある世界では、買い手が物件に求める利回りや借入の条件も変わります。
いまの市況での値付けと、売買が成立するまでの時間も踏まえて、売り急ぎにならない進め方を一緒に確認します。
居住用でご検討の方
住まいは、金利や相場の先読みよりも、暮らしやすさと無理のない資金計画で選ぶのが基本です。
変動・固定の考え方や、金利が上がっても返せる余力の持ち方から、一緒に整理していきましょう。
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