長期金利が29年ぶり高水準2.6%――金利上昇局面で資産をどう考えるか|ONZA的市況ニュース
2026-05-14

記事内容
2026.5.14の日経新聞で、「日本国債の投資、高金利でも慎重――長期金利一時2.6%、29年ぶり高水準」と題した記事が掲載されました。
金利が動いています。
13日の国内債券市場で、長期金利(新発10年物国債利回り)が一時2.6%に上昇しました。
これはおよそ29年ぶりの高水準です。
中東情勢の混迷が続くなか、原油高騰によるインフレ懸念から債券売り圧力が高まっていることが主な背景です。
記事では、大手生保2社(第一生命保険・日本生命保険)へのインタビューをもとに、市場関係者のコメントも交えながら、機関投資家の現在のスタンスと今後の金利見通しを整理しています。
第一生命・重本氏は「時期は難しい。中東情勢によるインフレや財政への懸念が見通しづらい。値動きも大きく、買って翌週すぐ含み損になるようなことは避けたい」と述べています。
一方で、「日銀が年度内に2回の利上げを進めればイールドカーブ(利回り曲線)は平たん化する。40年債4%前後という現在の水準は魅力的だ」との見方も示しました。
日本生命・河崎氏は「原油高が変わらない限り金利は下がりづらく、積極的に買える状況ではない」と述べ、財政悪化への警戒感も根強いことを指摘。
年度末の長期金利は2.4%程度とみており、中東リスクが長期化すれば3%に達するリスクシナリオもあるとしています。
明治安田アセットマネジメントの大崎秀一氏は「海外では節約政策が進むなか、日本は積極財政姿勢を維持している」と日本財政の特異性を指摘。
東海東京証券の佐野一彦氏は「今後過度なインフレが鮮明になれば3%台をつける可能性もある」と分析しています。
市場では金利上昇が今後も続くとの見方が目立ち、当面は高止まりする可能性があります。
ポイント
① 長期金利2.6%とは何を意味するか
長期金利とは、主に10年物国債の利回りのことで、住宅ローンの固定金利(フラット35など)の基準にもなります。
2.6%という水準は1997年以来29年ぶりで、バブル崩壊後の長い低金利時代とは明らかに異なる環境に入ってきていることを示しています。
② プロの機関投資家でさえ慎重な理由
二つの不確実性が重なっています。
一つは"財政の不透明感"です。
高市政権の積極財政により国債増発への懸念が根強く、「財源論がまだ不透明」(河崎氏)との声が聞かれます。
もう一つは"中東リスク"です。原油高騰によるインフレ圧力が収まらず、さらなる金利上昇を引き起こす可能性があります。
③ 日銀の利上げ見通し
第一生命・重本氏は26年度内に計2回の利上げを予想しています。
日銀が利上げを進めると、短期金利が上昇し、変動金利型の住宅ローンにも段階的に影響が出てくる可能性があります。
④ 年度末の長期金利見通し
日本生命・河崎氏は年度末の長期金利を2.4%程度と予想。
中東リスクが長期化すれば3%到達のリスクシナリオもあるとしており、金利がすぐには下がらない環境が続く可能性が示されています。
ローンと不動産への影響
固定金利への直接的な上昇圧力
長期金利の上昇は、住宅ローンの固定金利(フラット35など)に直接連動します。
すでに固定金利は上昇基調にあり、今後年度末に2.4〜3%という見通しが現実となれば、さらなる上昇は避けられない可能性があります。
背景としては、日銀の政策修正(利上げ・YCC撤廃)以降、長期金利はじわじわと上がり続けており、この流れが続くとみておく方が自然かもしれません。
変動金利はすぐには動かないが油断は禁物
変動金利は短期金利に連動するため、長期金利ほど即座には動きません。
ただし、年度内2回の利上げが見込まれる中で、段階的な上昇は十分にあり得ます。
テンプレートにも記載の通り、変動金利は元本が大きい時期に低い金利で返済できるメリットがあります。
一方で、今後の金利動向を踏まえて自分の状況に合った選択をすることが重要です。
「プロが動けない環境」だからこそ見えてくること
大手生保という日本最大級の機関投資家でさえ国債を積極的に買えない状況が続いています。
財政不透明感と中東リスクが重なり、金融市場全体の見通しが立てにくい局面です。
こうした環境では、値動きに左右されにくく、家賃という実需に裏打ちされた安定収入を生む不動産は、相対的に安定した資産として位置づけられる可能性があると考えることができます。
ONZAとしての整理
「金利が上がっているから不動産は不利」という単純な図式では捉えられない局面です。
確かに金利上昇は借入コストを押し上げます。
ただ今回の記事が伝えるのは、プロの機関投資家でさえ「国債を積極的に買えない」ほど、金融市場全体の見通しが立てにくいということです。
財政への懸念、インフレ圧力、中東リスクが重なる中で、どの資産も一筋縄ではいかない状況にあります。
そういった局面で改めて考えたいのが、"実需の裏付け"という視点です。
国債は値動きが大きく含み損リスクがある。株は上下が激しい。
一方で都市部・駅近の不動産から生まれる家賃収入は、市場の動きに直接左右されにくい性質を持っています。
金利が上がる今だからこそ、"いつ・どのタイミングで・どの金利タイプで借りるか"という判断が、長期的な資産形成に大きく影響します。
焦る必要はありませんが、情報を持って判断できる状態にしておくことが大切だと思います。
まとめ
長期金利が一時2.6%と29年ぶりの高水準を記録
大手生保の機関投資家も財政不透明感・中東リスクを理由に慎重スタンス
年度末の長期金利は2.4%程度、リスクシナリオでは3%も想定される
日銀は年度内に計2回の利上げを見込む声あり、変動金利にも影響の可能性
金融市場全体の見通しが立てにくい中、実需に支えられた資産の相対的な安定性が際立つ
行動指針
住宅ローンを検討している方は、固定・変動それぞれの現在の金利水準と今後の見通しを比較し、自分の状況に合った選択をシミュレーションしてみる
すでにローンを組んでいる方は、現在の返済計画が金利上昇局面でも無理のない水準かを改めて確認しておく
不動産投資を検討している方は、金利上昇を踏まえた収支シミュレーションを改めて確認する
自分の資産が値動きの大きいものに偏っていないか、資産配分全体を見直すきっかけにしてみる
ご相談について
投資用でご検討の方
金利が上昇する局面だからこそ、収支シミュレーションと物件の資産性・流動性をセットで確認することが重要です。
実需に支えられた家賃収入を軸に、長期的な資産形成の観点から一緒に整理します。
売却をご検討の方
金利上昇が続く中でも不動産への投資需要は旺盛な状況が続いています。
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居住用でご検討の方
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