財務省が相続土地の評価額を最大93%下げーー国が引き取った土地の"出口"づくり|ONZA的市況ニュース
2026-06-17

記事内容:財務省が相続土地の処分制度を見直し
2026.6.17の日経新聞で、財務省が、国が引き取った「相続土地」の民間への売却を促す新たな仕組みを導入する方針だと報じられました。
評価額を最大で"93%"引き下げられるようにし、地方を中心に増える相続土地の活用を促します。
6月17日に開く財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の国有財産分科会で、案を示すとしています。
はじめに、前提となる制度を整理します。
背景にあるのは、2023年に始まった「相続土地国庫帰属制度」です。
これは、相続したものの価値が低く放置される恐れのある宅地や農用地などを、国が引き取る制度です。
相続した土地が放置されると、所有者がわからない土地(所有者不明土地)が各地で増え、管理されないまま周囲に悪影響を及ぼしたり、売買や公共事業の妨げになったりします。
そうした事態を防ぐ狙いで設けられた制度です。
ところが、この制度には課題がありました。
国は引き取った土地を一般競争入札で売却しようとしてきましたが、これまでの売却実績は"ゼロ"でした。
もともと価値が低く使い道の乏しい土地が中心で買い手がつきにくいうえ、測量や地下埋設物の調査に手間と費用がかかることも、購入のハードルになっていたためです。
そこで財務省は、処分を進めるために仕組みを見直します。
まず評価額を3割引き下げられるようにし、なお需要が乏しければ3カ月ごとに1割ずつ減額し、最大で"93%"まで引き下げる方向で検討します。
あわせて、これまでの一般競争入札に加えて随意契約も可能にし、測量や地下埋設物の調査をせずに売却できる「現状有姿売買」も取り入れます。
価格を需要に合わせて段階的に下げ、手続きの負担を減らすことで、買い手がつきやすくし、処分までの期間短縮やコスト軽減を目指します。
買い手側は調査費用や手続き待ちの負担を抑えられ、国側も価格交渉の余地を持てるため、入札だけでは成立しにくかった土地の売買につながりやすくなります。
ポイント:相続土地の新たな処分の仕組み
👉 国が引き取った相続土地を最大93%下げ
財務省が、買い手のつかない相続土地の評価額を引き下げ、民間への売却を促します。
👉 段階的に減額し、最大93%まで
まず3割下げ、需要が乏しければ3カ月ごとに1割ずつ、最大93%まで引き下げる方向です。
👉 随意契約と現状有姿売買も導入
一般競争入札に加えて随意契約を可能にし、測量や調査をせずに売る現状有姿売買も取り入れます。
👉 狙いは放置されがちな土地の活用
売却実績がゼロだった土地の処分を進め、地方を中心に増える相続土地の活用につなげます。
相続した土地の"出口"をどう考えるか
相続では、活用の予定がない土地や、遠方で管理が難しい土地を引き継ぐことがあります。
こうした土地の出口には、いくつかの選択肢があり、まずは切り分けて考えることが大切です。
最初に確認したいのは、売却や活用ができる土地かどうかです。
立地や形状、道路への接し方などの条件が整っていれば、市場で買い手がつき、売却や活用(賃貸・駐車場など)につながることがあります。
条件の整った土地には、その土地を使いたい人や事業者の需要があるためです。
一方で、使い道が乏しく、買い手がつきにくい土地もあります。
今回見直される相続土地国庫帰属制度は、そうした土地を国が引き取る仕組みですが、利用には一定の要件や負担金があり、申請すれば必ず引き取られるわけではありません。
制度はあくまで、売却や活用が難しい場合の選択肢の一つとして押さえておくのがよいでしょう。
いずれの場合も避けたいのは、相続した土地を「放置」することです。
放置すると、固定資産税や管理の負担が続くうえ、草木の繁茂や建物の老朽化で近隣に迷惑がかかることもあるためです。
ONZAとしての整理
相続した土地には、「使えるのに気づいていない土地」と「本当に使い道の乏しい土地」が混ざっています。
まずは、売却・活用できるのか、それとも国庫帰属のような制度を検討すべきなのかを切り分けることが、第一歩になります。
今回の新制度で国の処分が進めば、価格が需要に近づくことで、これまで動きにくかった土地でも買い手が現れる可能性があります。
相続した土地の扱いに迷ったときは、まず売却や活用の余地があるかを確かめたうえで、最適な出口を整理していくのがよいでしょう。
まとめ
👉 記事内容の要点
財務省が、国が引き取った相続土地の民間売却を促す新制度を導入する方針で、評価額を最大93%引き下げられるようにする
2023年に始まった相続土地国庫帰属制度で国が引き取った土地は、一般競争入札での売却実績がゼロだったため、段階的な減額・随意契約・現状有姿売買を取り入れる
買い手側は調査費用や手続き待ちの負担が減り、国側も価格交渉の余地を持てるため、入札だけでは成立しにくかった土地の売買につながりやすくなる
狙いは、地方を中心に増える、放置されがちな相続土地の活用を進めること
👉 行動指針
相続した土地は放置せず、まず売却・活用できる土地かどうかを切り分ける
立地や条件が整う土地は、市場での売却や活用(賃貸・駐車場など)の余地を確認する
使い道が乏しい土地は、国庫帰属制度を選択肢の一つとして押さえる(要件・負担金があり、必ず引き取られるわけではない点に注意)
判断に迷ったら、出口の選択肢を早めに整理しておく
ご相談について
投資用でご検討の方
相続した土地や保有する土地に活用の余地があるかは、立地や条件によって変わります。
売却、賃貸、駐車場など、収益につながる活用の選択肢を含めて、土地ごとに一緒に整理いたします。
売却をご検討の方
相続した土地は、市場で売れるのか、制度の活用が向くのかで、進め方が大きく変わります。
立地や条件を踏まえて、売却の可否、想定される買い手層、売却までの段取りまで一緒に確認します。
居住用でご検討の方
相続した土地や空き家を、住まいとして活かす道もあります。
建て替えやリフォーム、住み替えまで含めて、ご希望に合わせた進め方を一緒に考えていきましょう。
お気軽にお問合せください。
不動産に関するご相談は、LINEからお気軽にどうぞ。毎日7:00〜21:00、無料で対応しています。