家計の平均貯蓄が過去最高2059万円ーー預金から投資へ、資産を増やす選択肢の広げ方|ONZA的市況ニュース
2026-07-07

記事内容:家計の平均貯蓄が過去最高
2026.7.7の日経新聞で、家計の貯蓄が過去最高になったと報じられました。総務省の家計調査(2人以上世帯)によると、2025年は1世帯あたりの平均貯蓄が2059万円で、前年から3.8%増え、比較可能な2002年以降で過去最高となりました。株高を背景に蓄えがふくらむ一方で、平均を上回って増やせる世帯と、取り崩す世帯の差も見える数字です。
家計調査では、預貯金のほか、株式や投資信託などの有価証券、生命保険なども"貯蓄"に分類されます。種類別に見ると、有価証券は前年比63万円(16.7%)増の440万円で、3年連続で増えました。株価が上がると、すでに保有している株式や投資信託の評価額が増え、値上がり期待が新たな資金の動きも後押しするため、有価証券の残高が押し上げられたとみられます。いつでも引き出せる普通預金などの通貨性預貯金は710万円で、18万円(2.6%)増え、全体の34.5%を占めます。この割合は10年前の1.6倍に伸びました。一方、これまで家計貯蓄の主役だった定期預金などの定期性預貯金は511万円で、27万円(5.0%)減り、2002年以降で最も低い金額でした。
背景には、長く続いた低金利があります。金利が低いと定期預金で増える利息は小さく、預けておく妙味が薄れます。そこで、感染症の流行やインフレといったリスクに備えて普通預金で手元の流動性を保ちつつ、余力を少額投資非課税制度(NISA)などに回す世帯が増えました。2025年10月に日経平均株価が初めて5万円を突破し、2026年6月25日には終値で最高の7万2366円をつけるなど、株高がNISA人気に拍車をかけています。もっとも、金利のある環境に戻りつつあり、預金側の条件も変わり始めています。金融機関の預金獲得競争が激しくなり、定期預金の金利を引き上げる動きも相次いでいます。
この伸びをけん引したのは、主に現役世代の勤労者世帯です。勤労者世帯の貯蓄の平均は1717万円と全体を下回るものの、前年より8.7%増えました。専門家は"安定性重視の資産構成を脱し、新NISAなどを活用した資産形成が進んだ"と指摘しています。一方、世帯主が65歳以上で無職の世帯では、貯蓄が平均2494万円と前年比66万円(2.6%)減り、6年ぶりの減少となりました。物価上昇局面では、年金額の伸びが物価の伸びより抑えられる仕組みがあり、その分、高齢世帯で貯蓄の取り崩しが広がった可能性があります。全体平均を下回る世帯はおよそ3分の2にのぼり、インフレに強い資産で備えられる世帯と、余力の乏しい世帯の差が広がりやすくなっている、と記事は伝えています。
ポイント:家計の平均貯蓄の中身
👉 1世帯あたり平均2059万円で過去最高
株高を背景に前年から3.8%増え、2002年以降で最高になりました。
👉 預金から投資へのシフトが進む
有価証券は16.7%増の440万円、定期性預貯金は最低水準に。NISAを活用する世帯が増えています。
👉 けん引役は現役の勤労者世帯
勤労者世帯の貯蓄は8.7%増と伸びが大きく、安定重視から資産形成へと構成が変わっています。
👉 高齢無職世帯は6年ぶりの取り崩し
物価上昇で年金の実質的な伸びが抑えられ、貯蓄を取り崩す動きが広がった可能性があります。
不動産との関係:資産を増やす選択肢に不動産を一枠
今回の記事は、現役世代や余力のある世帯を中心に、家計が安定重視から一歩進んで、資産を育てる方向に動いていることを示しています。その選択肢を考えるとき、株式や投資信託に加えて、不動産も一枠として加えられます。株式や投資信託は毎日価格が動きますが、賃貸不動産は毎月の家賃収入を軸に見る資産で、値動きの源も反応の速さも異なります。値動きの源が違う資産を組み合わせておくと、どれか一つの材料で資産全体が大きく傾きにくくなります。
もう一つ、記事が触れているのがインフレへの備えです。物価が上がる局面では、現金や金利の低い預金は実質的な価値が目減りしやすくなります。不動産は実物資産で、立地や需給が保たれていれば、家賃は物価や周辺相場に沿って中長期で見直される余地があるため、インフレに比較的強い資産とされます。借入を用いる場合も、返済額が名目で決まっているぶん、インフレ下では負担が実質的に軽くなる面があります。変動金利を主軸に考えるとしても、金利が上がっても返していける余力を持って組んでおくことが前提になります。ただし、不動産に踏み出せるかは、与信や物件、諸費用次第で、まとまった資金が必ず要るとも、誰でもすぐ始められるとも言い切れません。
ONZAとしての整理
今回の数字が示すのは、現役世代を中心に家計が"守り"から"育てる"へと動き、その中でインフレに強い資産をどう持つかが差になり始めている、ということだと考えています。資産をどう組むかに、全員共通の正解はありません。
大切なのは、値動きの源が違う資産を、自分の余力に合わせて組み合わせておくことです。不動産をその一枠に置くなら、通勤需要や駅距離、単身・ファミリー層の流入、賃金と家賃の見合いといった、家賃を支える実需が続くか、そして無理のない借入になっているかを確かめておく。物価が動く局面ほど、この積み重ねが効いてくると考えています。
まとめ
👉 記事内容の要点
2025年の家計の平均貯蓄は1世帯あたり2059万円で、前年比3.8%増と2002年以降で過去最高
有価証券が16.7%増える一方、定期性預貯金は最低水準となり、NISAを使った"預金から投資へ"の動きが進む
けん引役は現役の勤労者世帯(貯蓄8.7%増)で、高齢無職世帯は物価高を背景に6年ぶりに取り崩し
全体平均を下回る世帯が約3分の2で、インフレに強い資産で備えられるかどうかの差が広がりやすい
👉 行動指針
資産は、値動きの源が違うものを自分の余力に合わせて組み合わせる
インフレ局面では、実物資産や家賃インカムなど物価に沿って動きやすい資産も選択肢に入れる
不動産を一枠加えるなら、家賃を支える立地と実需(駅距離・人の流入・賃金と家賃の見合い)を確かめる
借入を使う場合は、変動を主軸にしつつ、金利が上がっても返せる余力で組む
ご相談について
投資用でご検討の方
家賃というインカムを、預金や投信とのバランスのなかにどう組み込むかは、余力や他の資産との兼ね合いで変わります。想定家賃が実需に見合っているか、インフレ局面でも家賃を維持しやすい立地か、金利が上がっても回る借入かまで、無理のない組み立てを一緒に整理いたします。
売却をご検討の方
資産の組み替えを考える局面では、いま保有する不動産を持ち続けるか、売って別の形に変えるかも選択肢になります。残債と売却価格の関係や、売却までにかかる時間も含めて、一緒に確認します。
居住用でご検討の方
住まいは、資産形成の話とは別に、暮らしやすさと無理のない資金計画で選ぶのが基本です。変動・固定の考え方や、金利が上がっても返せる余力の持ち方から、一緒に整理していきましょう。
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