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金価格の予想引き下げ続々、タカ派FRBで下落――中長期は「財政悪化で再浮上」も|ONZA的市況ニュース

2026-06-25

金価格の予想引き下げ続々、タカ派FRBで下落――中長期は「財政悪化で再浮上」も|ONZA的市況ニュース

記事内容

2026.6.25の日経新聞で、金(ゴールド)価格の見通しを引き下げる動きが相次いでいると報じられました。
米ゴールドマン・サックス(GS)は2026年末の金価格予想を、1トロイオンス(約31.1グラム)あたり5400ドルから4900ドルへ引き下げました。シンガポールのユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)も、4800ドルから4300ドルへ下方修正しています。
金価格は足元で4000ドル台と、1月につけた最高値の5500ドル台から約1割下がっています。

引き下げの引き金は、米国の利上げ観測の高まりです。
米連邦準備理事会(FRB)が6月17日まで開いた会合(FOMC)が「想定以上にタカ派的」(GS)と受け止められました。タカ派とは、物価を抑えるために利上げなどの引き締めに前向きな姿勢のことです。
ウォーシュ新議長が初めて取り仕切る会合で、物価の安定に強い意欲を繰り返し示したことから、市場ではFRBが年内に利上げに踏み切る可能性が高まったとみられています。

ここで効いてくるのが、金の性質です。
金は、保有していても利息や配当を生みません(無利息です)。
相場は、実際に利上げが起きる前から「これから金利が上がりそうだ」という観測を先に織り込んで動きます。金利が上がると、利息を受け取れる債券や預金の魅力が相対的に高まるため、利息のつかない金は投資先としての妙味が下がり、買いが入りにくくなります。
実際、現物の金を裏付けに株式のように売買できる上場投資信託(金ETF)への資金流入は、伸び悩んでいます。

下げ圧力は、金利だけではありません。
二つ目は、株式市場へのマネーの移動です。超大型の新規株式公開(IPO)や半導体株高に沸く株式市場が投資マネーを引きつけ、妙味の下がった金が換金されている面も大きい、とマーケットアナリストの豊島逸夫氏は指摘します。
三つ目は、安全資産として金を買う動機の後退です。米国とイランが戦闘終結の覚書に署名し、原油高が一服したためです(ただし供給制約の解消には時間がかかり、警戒は残ります)。

ただし、中長期では強気の見方が根強く残っています。
各国の債務悪化や、中央銀行による金の買い入れといった、金価格を押し上げてきた環境が続いているためです。市場では2027年中に再び最高値を更新するとの予想も出ています。

その代表が、国際調査機関ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)のデイビッド・テイト最高経営責任者(CEO)です。
テイト氏は、足元の下落を「一時的な調整」とみています。再浮上の理由として最も重視するのが、国家の債務問題です。
各国の財政悪化に改善の兆しが見えないなか、お金(通貨)そのものへの信頼がゆらぐと、その価値は薄まります。お金の価値が下がるぶん、同じ金でもより多くのお金と交換できるようになる――つまり金の価格は上がって見えます。市場の関心が利上げ観測から世界の債務拡大へ移れば、この力が効いてくる、というのがテイト氏の見立てです。
実際、新興国を中心に中央銀行が外貨準備に占める金の比率を高めており、中国・インドや、約30年ぶりにインフレを経験する日本でも、個人の金投資の裾野が広がっているといいます。


ポイント

👉 金価格の予想引き下げが相次ぐ

GSは26年末予想を5400→4900ドル(1トロイオンス=約31.1g)、UOBも4800→4300ドルに下方修正。足元は4000ドル台で、1月の最高値5500ドル台から約1割安です。

👉 引き金はタカ派FRBと利上げ観測

6月のFOMCが「想定以上にタカ派的」と受け止められ、ウォーシュ新議長が物価安定に強い意欲。市場は年内利上げの可能性が高まったとみています。

👉 金は「無利息」がハンデになる

金は持っていても利息・配当を生みません。金利が上がると、利息のつく債券や預金に資金が向かいやすく、金の妙味は相対的に下がります。

👉 株への資金移動も逆風

大型IPOや半導体株高で株式市場が資金を集め、妙味の下がった金が換金されている、との指摘もあります。

👉 中長期は「財政悪化で再浮上」の声

各国の債務拡大や中央銀行の金買いは続き、WGCのCEOは下落を「一時的な調整」と判断。通貨価値の希薄化が意識されれば金は再び上がる、との見方です。


不動産との関係――金と比べて

金も不動産も、インフレや通貨価値の希薄化に対して価値を保ちやすい「実物的な資産」として見られる点は共通します。違いは、価値の支えられ方です。
金は、利息も家賃も生みません。その価値は、需給や通貨への信認で決まります。だから金利が上がると、利息を生む資産に見劣りして、価格が押されやすくなります。
不動産は、家賃という継続的な収入を生み、実際に住む・借りる人の需要に支えられています。金利上昇は不動産にも逆風で、買い手のローン負担が増えて価格に下押しがかかりますが、家賃という収入の土台がある点が、金とは異なります。
金には売買のしやすさ(流動性)や世界共通の価値という強みがあり、不動産には収入と実需という強みがあります。性格の違う資産です。


ONZAとしての整理

今回の金の話を一段引いてみると、「安全資産」と呼ばれるものは、二つの逆向きの力で動いていると整理できます。
一つは金利です。金利が上がると、利息を生まない金は不利になり、不動産も価格に下押しがかかります。短期の値動きは、この力に大きく左右されます。
もう一つは、インフレや財政への不安です。お金の価値が薄まる懸念が強まると、実物的な資産は見直されます。中長期の支えは、こちらの力です。

私たちが不動産で重視するのは、この二つの力に振り回される前に、その価格を家賃や地域の実需という「土台」がどれだけ支えているか、です。
金利が動く時代ほど、自分の持っている資産が何に支えられているかを確かめる姿勢が、効いてくると考えています。


まとめ

👉 要点

金価格の予想引き下げが相次ぐ(GSは26年末5400→4900ドル、足元は最高値から約1割安)。引き金はタカ派FRBの利上げ観測で、無利息の金は金利上昇に弱い

ただし中長期は、財政悪化・通貨価値の希薄化・中央銀行の金買いを背景に「再浮上」の声も根強い

「安全資産」は、金利(短期の逆風)と、インフレ・財政不安(中長期の支え)という二つの力で読むと整理しやすい

👉 行動指針

金も不動産も、金利の動きと、インフレ・財政の両面でみる

不動産は、価格が家賃・地域の実需という土台に対して無理のない水準かをみる

FRB・各国の金利と財政、中央銀行の金買いの動きを、相場の前提として継続的に確認する


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