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金市場にマネー回帰ーー2カ月ぶり高値、米利上げ観測の後退と中銀の買い|ONZA的市況ニュース

2026-08-11

金市場にマネー回帰ーー2カ月ぶり高値、米利上げ観測の後退と中銀の買い|ONZA的市況ニュース

記事内容:金が2カ月ぶり高値、マネーが戻ってきた

2026.8.11の日経新聞で、金(ゴールド)市場にマネーが回帰していることが報じられました。
弱い米雇用統計を受けた米利上げ観測の後退に加え、中国など中央銀行の買いも支えとなり、2カ月ぶりの高値をつけています。
基軸通貨である米ドルの信認低下も、買いを後押ししていると記事は伝えています。

まず値動きです。
金価格の国際指標の一つ、ロンドン現物価格は7日、1トロイオンス(約31.1グラム)あたり4371ドルまで上昇し、6月以来の高値となりました。
ニューヨーク先物も4432ドルと、同じく2カ月ぶりの高値です。
直近の買い材料は、7日公表の米雇用統計です。
非農業部門の雇用者数が前月比2万3000人減と、8万3000人増という市場予想に反して減少しました。
雇用情勢の悪化を背景に米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測が後退し、保有しても利息の付かない金の投資妙味が高まりました。
金利が高い局面では、利息を生まない金を持つことは利息収入をあきらめる選択になりますが、金利の見通しが下がれば、そのあきらめる分が小さくなり、金の相対的な魅力が増すという関係です。
マーケット・ストラテジィ・インスティチュートの亀井幸一郎代表は「株式や債券などと一緒に複数の資産を運用する機関投資家などが再び金を買い始めた」と指摘します。

ドル高が和らいでいたことも一因です。
7月末の日米協調為替介入で円安・ドル高の修正が図られ、主要通貨に対するドルの総合的な強さを示すドル指数は、節目の100を下回りました。
ドル安になると、ドル以外の通貨を使う投資家にとってドル建ての金の購入負担が軽くなりやすく、金とドルは歴史的に逆相関の関係にあるとされます。
為替介入は金相場の底堅さを高めたとの指摘も紹介されています。
ファンドへの資金回帰も鮮明です。
現物の金を裏付けとする世界最大級の上場投資信託(ETF)の残高は、7日までの1週間で金額にして110億ドル(9%・約1.7兆円)、裏付けとなる金の量で10トン増加しました。

投資家心理を強気に傾けている根底には、中央銀行による金買いがあります。
中央銀行の継続的な買いは、市場に安定した需要があるという見方につながり、民間の投資家にとっても金を持つ理由を確認しやすくします。
代表格は中国です。
中国人民銀行が7日公表した7月末のバランスシートによると、金の保有量は前月より20トン増えました。
増加幅は2023年10月の23トン以来の大きさで、買い増し期間は統計を遡れる1999年12月以降で最長を更新する21カ月連続になりました。
米国・イスラエルがイランを軍事攻撃した2月以降、購入量を拡大させ続けています。
国際調査機関のワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)によれば、2026年4〜6月に世界の中央銀行は288.9トンの金を買い越しました。
同期間としては、遡れる2010年以降で最大です。
ポーランドや中国、ウズベキスタンがけん引しました。
地政学リスクが高まると、特定の国の通貨や国債への集中を抑えたいという準備資産の分散の需要が意識されやすく、その受け皿の一つとして金が選ばれているとの見方も紹介されています。

もう一つの底流が、ドルの信認への警戒です。
2月以降、短期的には原油高騰に伴う米利上げ観測の拡大という経路で金相場は押し下げられましたが、米国が力による現状変更で国際秩序を毀損したとの見方は少なくないとされます。
亀井氏は「戦費膨張による財政悪化もあり、基軸通貨ドルの信認は一段と揺らぐ」と分析します。
WGCが世界の中央銀行を対象に実施した調査でも、回答者の84%が5年後には外貨準備に占める金の割合が増えていると答えました。
昨年の76%から増えた一方、ドルの割合は74%が5年後に減っていると回答しています。
もっとも、金がこのまま上昇し続けるわけではないとも記事は指摘します。
中東情勢は依然として予断を許さず、原油価格も急騰のリスクをはらんだままです。
短期的にはロンドン現物価格で4420ドルまで上昇余地があるとしたうえで、投資家は米インフレ指標や原油相場をにらみながら金の上値を探る展開になる、との見方が示されています。

ポイント:金市場の回帰

👉 金は2カ月ぶりの高値

ロンドン現物は4371ドル、ニューヨーク先物は4432ドルまで上昇しました。

👉 直近の材料は米利上げ観測の後退

雇用統計の下振れで金利見通しが下がり、利息の付かない金の相対的な魅力が高まりました。

👉 根底には中央銀行の買い

中国は21カ月連続で買い増し、世界の中銀の4〜6月の買い越しは288.9トンと2010年以降で最大です。

👉 ドルの信認への警戒も底流

中銀調査では84%が5年後に外貨準備の金の割合が増えると回答し、74%はドルの割合が減るとみています。

不動産との関係:同じ実物でも、金は価値を守り、不動産は収入を生む

金と不動産は、値動きの仕組みも市場も異なります。
それでもこの記事は、資産を何のために持つのかを考える材料になります。
どちらも、実物としての性質を持つ資産だからです。
金は特定の発行体の信用に依存せず、世界共通の価値として持てる資産です。
不動産は、土地と建物という実物そのものに価値の基礎があります。
通貨や金融資産への警戒が強まる場面で金のような実物が選ばれることがある、という記事の構図は、中央銀行が外貨準備の分散として金を積み増す動きに表れています。

そのうえで、同じ実物でも、収益の生まれ方が異なります。
記事にあるとおり、現物の金は、家賃や利息のような定期的な収入を通常は生みません。
保有の収益は主に価格の変動によって決まり、その分、価値の保存という役割を担いやすい資産です。
一方、賃貸不動産は、保有しているあいだ家賃という収入を生みます。
収入の裏付けは、駅からの距離や周辺の募集賃料といった、そのエリアの実需です。
値上がりを待たなくても、毎月の家賃が収益の中心になる。
ここが、同じ実物である金との大きな違いです。
金は価値の保存を担いやすく、賃貸不動産は収入を得る形にしやすい。
機関投資家が複数の資産を組み合わせて運用するように、保有の目的に応じて役割を分けて考えることが、実物資産と付き合う基本になります。

ONZAとしての整理

中央銀行までが金を買い増しているという事実は、通貨や金融資産の信認は当たり前のものではない、という構えを教えてくれます。
プロの運用者は、一つの資産に寄せず、性質の違う資産を組み合わせてリスクに備えています。
個人の資産づくりでも、この構えは参考になります。
預金、株式・投資信託、実物資産のように、性質の異なる置き場所を目的に応じて組み合わせる。
実物資産の枠の中でも、価値の保存に徹する金と、収入を生む不動産では役割が違うため、何のために持つのかを先に決めることが出発点になります。

もう一つ、記事の金利と金の関係は、金利と不動産の関係を考えるうえでも役立ちます。
利息を生まない資産は、金利が上がると持つことの見送り分が大きくなり、金利が下がると魅力が増す。
不動産は家賃という収入を生むため、金利のある世界では、その利回りが預金や債券と比べられるようになります。
借入を使う場合は、金利上昇で支払利息が増えるため、返せる余力の確認が前提になります。
だからこそ、物件を選ぶときは利回りの数字だけでなく、家賃を支える実需の裏付けまで確かめることが大切です。
収入を生む実物という不動産の役割は、金利のある世界でこそ、確かめる価値が増しています。

まとめ

👉 記事内容の要点

金はロンドン現物4371ドル・ニューヨーク先物4432ドルと2カ月ぶりの高値をつけた

直近の材料は米雇用統計の下振れによる利上げ観測の後退で、利息の付かない金の相対的な魅力が高まった

根底には中央銀行の買いがあり、中国は21カ月連続で買い増し、世界の中銀の4〜6月の買い越しは2010年以降で最大の288.9トンにのぼる

中銀調査では84%が5年後に外貨準備の金の割合増を見込み、ドルの信認への警戒が底流にある

👉 行動指針

通貨や金融資産の信認は揺らぎ得ると押さえ、性質の違う資産を目的に応じて組み合わせる

実物資産の中でも、価値の保存を担いやすい金と収入を生む不動産の役割の違いを理解して持つ

何のために持つのかを先に決めてから、資産の置き場所を選ぶ

不動産は利回りの数字だけでなく、家賃を支える実需の裏付けまで確かめて選ぶ

ご相談について

投資用でご検討の方

収入を生む実物資産という不動産の役割から、一緒に整理いたします。
検討中の物件について、想定家賃の根拠や周辺の募集状況を確認し、収益の計画までご一緒します。

売却をご検討の方

資産の組み合わせを見直す中で、保有物件の役割を確かめたい場面もあります。
保有物件の状況とご意向に合わせて、売る・貸す・持ち続けるの選択肢を一緒に確認します。

居住用でご検討の方

住まいは、暮らしやすさと無理のない資金計画で選ぶのが基本です。
金利の動きも踏まえて、返せる額を軸に一緒に整理していきましょう。

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