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外貨預金の伸びが過去最大ーー家計・企業が円から資産分散、4〜6月に4兆円増|ONZA的市況ニュース

2026-08-21

外貨預金の伸びが過去最大ーー家計・企業が円から資産分散、4〜6月に4兆円増|ONZA的市況ニュース

記事内容:外貨預金が4兆円増、1998年以降で最大の伸び

2026.8.21の日経新聞で、個人や企業が外貨預金を急速に増やしていることが報じられました。
4〜6月期の平均残高は前年同期から約4兆円増え、過去最大の伸びを記録しました。
円の先安観から保有資産を分散する動きが広がり、それ自体が外国為替市場で新たな円安圧力になる循環が起きていると記事は伝えています。

まず、規模感です。
日銀の調査によると、国内の銀行に預けられた外貨預金の残高は4〜6月期におよそ26兆1000億円と、前年同期より18%増えました。
ドル高によって円換算した預金額が膨らんだ影響を除いても、流入額は大きいとされます。
増加額は3兆9772億円と、金融ビッグバンにより外貨預金が全面解禁された1998年以降で最大です。
この規模を測る物差しとして、記事は2つの数字を並べています。
2025年度の貿易赤字額である1.7兆円を大きく上回り、政府・日銀が22〜24年に計7日間実施した為替介入の円買い、1日あたり平均3.5兆円にも匹敵する規模です。
円から外貨へ資金を移す動きがこの規模で積み上がれば、円売り・外貨買いとして相場に影響し得ることになります。

個人の動きです。
個人が保有する外貨預金はおよそ6兆7000億円と8%増えました。
ソニー銀行は5月、外貨預金の残高が8000億円に達したと発表しています。
7000億円を超えた25年2月から、1年3カ月での到達という急速な伸びです。
注目されるのは、行動の変化です。
個人はこれまで、相場の流れに逆らって売買する取引が主流で、円高局面で割安とみた外貨を買うのが一般的でした。
ところが足元は、歴史的な円安局面にもかかわらず、新たにドルなどの外貨に資産を振り向ける動きが出ています。
円がさらに安くなるという見方が、行動を変えているわけです。
外貨取引は売買コストの低い外国為替証拠金取引(FX)が人気を集めてきましたが、老後の資金余力がある高齢者を中心に、投資家の裾野が広がっているもようです。
ドル1強の先を見据えた動きもあり、SMBC信託銀行の浦貴史プレスティア企画部長は「トランプ米政権の発足以降はユーロなど複数の通貨に分散する預金者も増えている」と指摘します。

分散は、預金にとどまりません。
日銀によると、家計が保有する株式など海外の証券投資は3月末に46兆4618億円と、1年間で23%増えました。
個人向け投資信託にも資金が流入し、三菱UFJアセットマネジメントが運用する全世界株式型の投信(通称オルカン)は、純資産残高が13兆円と最高を更新しています。
投資先は世界に分散されますが、全体の6割ほどは米国株です。
企業も外貨を増やしています。
4〜6月期の企業の外貨預金は約19兆3000億円と、前年同期から22%増えました。
ニッセイ基礎研究所の上野剛志主席エコノミストは「円の先安観が根強く、輸出企業が稼いだドルを円に替えることを見送っている」との見方を示し、海外進出を検討する企業が前もってドルを手当てしている面もあると推定します。
日本企業は外貨建ての社債も増やしています。

背景と循環です。
円相場は7月に1ドル=163円台と39年ぶりの安値を付けました。
政府・日銀は7月末に円買いの為替介入に動きましたが、東日本大震災後に1ドル=75円台と戦後最高値をつけた11年からみれば、円の価値は半値以下です。
家計も企業も、円安が継続するシナリオを警戒しています。
円安が続くとみる人が円を売って外貨を買うと、その取引自体が円安方向の需給を増やし、進んだ円安がまた先安観を強める。
先安観が分散を生み、分散が先安観を裏づけるという循環が起きていると記事は結んでいます。

ポイント:円からの資産分散

👉 外貨預金の伸びは過去最大

4〜6月期の増加額は3兆9772億円と、1998年の全面解禁以降で最大です。

👉 個人の行動が変わった

円高で買う逆張りが主流でしたが、歴史的な円安でも新たに外貨へ振り向ける動きが出ています。

👉 分散は預金の外にも

家計の海外証券投資は1年で23%増え、全世界株式型の投信は残高13兆円と最高を更新しています。

👉 分散自体が円安圧力になる循環

先安観からの円売りが新たな円安圧力となる構図を、家計も企業も警戒しています。

不動産との関係:円安への備えは、通貨の分散だけではない

記事の家計の動きは、円の先安観に対して、通貨を分散するという備えです。
外貨預金や海外株は、円以外の通貨に資産の置き場所を移します。
この分散の考え方には、もう一つの軸があります。
通貨の軸に加えて、資産の性質の軸です。
現金や預金のように金額で価値が定まる資産か、土地・建物という実物と家賃収入を伴う資産か。
円の価値が下がる局面で目減りしやすいのは、金額が固定された前者です。
一方、不動産は円建てであっても実物の資産で、その収益である家賃は、物価との相関が強いとされます。
物価が上がる局面では、募集や更新のタイミングで家賃も実勢を追いやすいためです。
もちろん、家賃は物価だけで決まるものではなく、エリアの需要と供給に左右されます。
それでも、円の購買力が下がる局面への備えとして、外貨に替えるという通貨の分散と並んで、実物を持つという性質の分散があるわけです。

さらに、借入の側にも同じ軸があります。
不動産投資のローンは、金額が名目で決まった債務です。
インフレが続く局面では、お金の価値が下がるぶん、固定された名目の債務の実質的な重みは少しずつ目減りしていく面があります。
家賃という収益が実勢を追い、返済の実質的な負担が相対的に軽くなっていく。
実物資産を持ち、名目の債務で借りるという不動産投資の組み合わせは、円の価値が下がる局面への備えの一つの形になります。
ただし、金利のある世界では変動金利の上昇があり得るため、金利が上がっても返せる余力の確認がセットです。
備えとして機能するかどうかは、家賃を支える実需の裏付けにかかっています。

ONZAとしての整理

記事が描く循環は、円安を見込む取引そのものが円安方向の需給を増やし、それがまた先安観を強めるという構図です。
こうした局面で大切なのは、目的から入ることだと考えています。
何に備えたいのか。
円の購買力の目減りなのか、老後の収入なのか、値動きへの参加なのか。
目的が決まれば、備えに合う資産が見えてきます。
外貨預金は通貨の分散、海外株は世界の成長への参加、不動産は実物と毎月の家賃収入。
それぞれ役割が違うため、循環のニュースに急かされず、目的に合わせて組み合わせることが基本になります。

もう一つ、不動産を円安への備えという面から見る場合も、選ぶ基準は普段と変わりません。
家賃を支える実需があるか、供給が増えにくい場所か、金利が上がっても返せる余力があるか。
備えとしての価値は、実需に裏付けられた物件でこそ機能します。
通貨の分散と、性質の分散。
この2つの軸で資産の置き場所を眺めると、ニュースの循環から一歩引いて、ご自身の計画を立てられます。

まとめ

👉 記事内容の要点

外貨預金の4〜6月期の増加額は3兆9772億円と、1998年の全面解禁以降で最大となった

個人はこれまで円高局面で買う逆張りが主流だったが、歴史的な円安でも新たに外貨へ振り向ける動きが出ている

家計の海外証券投資は1年で23%増え、企業の外貨預金も22%増と、分散は預金の外にも広がる

円の先安観からの分散が新たな円売り圧力になる循環を、家計も企業も警戒している

👉 行動指針

分散は、通貨の軸(円か外貨か)と性質の軸(金額で定まる資産か実物か)の2つで考える

円の購買力が下がる局面では、家賃という収益が実勢を追いやすい実物資産の性質を押さえる

名目の債務はインフレ下で実質的な重みが目減りする面がある一方、変動金利の上昇に備えて返せる余力を確認する

循環のニュースに急かされず、何に備えたいのかという目的から資産の置き場所を決める

ご相談について

投資用でご検討の方

実物資産としての不動産の備えは、実需に裏付けられた物件でこそ機能します。
検討中の物件について、想定家賃の根拠や周辺の募集状況、金利上昇時の収支まで含めて、一緒に確認いたします。

売却をご検討の方

資産の置き場所を見直す動きが広がる局面は、保有物件の位置づけを確かめる機会でもあります。
保有物件の状況とご意向に合わせて、売る・貸す・持ち続けるの選択肢を一緒に確認します。

居住用でご検討の方

住まいは、暮らしやすさと無理のない資金計画で選ぶのが基本です。
物価や金利のニュースに急かされず、返せる額を軸に一緒に整理していきましょう。

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