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外国人の不動産取得規制は見送りーー価格と市場をどう見るか|ONZA的市況ニュース

2026-06-05

外国人の不動産取得規制は見送りーー価格と市場をどう見るか|ONZA的市況ニュース

記事内容

2026.6.5の日経新聞で、政府・自民党が夏に向けた外国人政策のとりまとめで、マンションなどの不動産取得への規制には踏み込まない方針だと報じられました。
実態の把握に時間がかかるため、まずは調査やデータ集積の環境整備を優先する考えです。

自民党の外国人政策本部(新藤義孝本部長)は6月4日に政府への提言をまとめました。
規制については、「国土交通省が実施する国籍情報を含むマンション取引実態調査の結果も踏まえ、改めて検討すべき」との記述にとどまっています。

見送りの背景には、いくつかの事情があります。
まず、外国人がどれだけ取得しているのかの実態が、まだつかめていません。
現状は国交省が購入者の住所から推測している段階で、国外に住所のある購入者が2025年1〜6月に登記した物件は、東京都心で"7.5%"、東京23区で"3.5%"でしたが、これが外国人の割合とは限りません。

国際的な制約もあります。
世界貿易機関(WTO)の協定には外国人や外資を差別しない"内外無差別"の原則があり、米国や韓国は加盟時の留保で規制ができますが、日本はその留保を入れていないため、規制にはハードルがあります。
政府の有識者会議でも「現時点で取得規制すべきだというデータや理屈が整っていない」との意見が出ています。
また、外国人だけを規制しても、日本人名義の背後で外国人が事実上の所有者となる"抜け穴"が生じうるとの指摘もあります。

一方で、透明化に向けた動きは進みます。
法務省は10月から、不動産登記の申請書に国籍の記入を義務づけ、本人確認書類の提出を求めます。
デジタル庁も、国籍情報を政府内で共有するデータベースを2027年度にも整備する予定です。
自民党の提言は、法人の実質的な所有者を把握する法整備にも触れ、土地所有の透明性を高めるよう求めています。

この規制論は、2025年7月の参院選で急速に浮上し、自民党と日本維新の会の連立合意にも法案策定が明記された経緯があります。
背景には都心の不動産価格の高騰がありますが、外国人による短期売買が値上がりの主因との指摘については、裏付けるデータは乏しいのが実情です。
価格の上昇には、建設資材の高騰や、好立地が限られていることといった要因もあると記事は指摘しています。

ポイント

👉 政府・自民が外国人の不動産取得規制に踏み込まず

夏のとりまとめでは規制を見送り、実態把握とデータ整備を優先する方針です。

👉 見送りの理由は"実態が不明"と"国際協定の制約"

外国人の取得実態がつかめておらず、WTOの内外無差別原則も規制のハードルになっています。

👉 透明化の動きは進む

10月から登記に国籍の記入を義務づけ、2027年度には国籍情報のデータベースも整備されます。

👉 価格高騰の主因=外国人の短期売買、とは言い切れない

短期売買が主因との指摘はデータが乏しく、建設費の高騰や好立地の希少も要因とされています。

不動産価格・市場の見方

今回の見送りだけで、短期的に不動産市場の前提が大きく変わるとは見込みにくいです。
当面は現状のまま、登記での国籍記入やデータベース整備といった"透明化"が進んでいく段階です。

価格の動きを読むうえでは、複数の要因が重なっていることを押さえておくことが役立ちます。
建設資材の高騰、好立地の希少性、そして国内の実需――通勤時間や駅距離、単身世帯の流入、地域の雇用・賃金、賃貸の入退去回転、住宅ローンを使う居住需要などが、現在の価格を支える要因として挙げられます。

海外マネーの影響が相対的に大きいのは、都心の大型物件や高級レジデンス、一等地の商業地など一部の領域です。
一方、一般的な区分マンションやファミリー向け、地方の賃貸などは、通勤需要や賃貸需要といった国内の実需に支えられる傾向があります。
仮に海外マネーの動きが変わっても、直ちに価格が下がるというより、買い手層の厚み、売却までの時間、値付けの難しさといった流動性面に差が出る可能性があります。

透明化が進めば、誰がどれだけ所有しているかが見えやすくなり、買い手にとって判断材料が増える可能性があります。
価格が実需で説明できるのかどうかを、データを踏まえて見極めやすくなる局面です。

ONZAとしての整理

不動産を見るときに大切なのは、その物件の需要が何に支えられているかを掘り下げることです。
通勤・居住・賃貸といった実際の使われ方が、価格を長く支える土台になります。

透明化が進む局面では、この"実需で説明できるかどうか"という軸が、これまで以上に効いてきます。
制度の変化を、物件を見極めるための材料として受け止める姿勢が、長く不動産と付き合ううえでの軸になります。

まとめ

👉 記事内容の要点

政府・自民は夏のとりまとめで外国人の不動産取得規制に踏み込まず、実態把握を優先する

10月から登記に国籍記入を義務づけ、2027年度には国籍情報のデータベースを整備する

価格高騰の主因が外国人の短期売買との指摘は裏付けが乏しく、建設費や好立地の希少も要因とされる

👉 行動指針

"外国人規制"のニュースは、実態把握と透明化がどこまで進むかを確認しながら読む

価格の話は、建設費・立地・実需など複数の要因で捉える

物件は、実需で価格を説明できるかどうかを軸に見て判断する

ご相談について

投資用でご検討の方

所有者情報や取引実態の透明化が進む中で、価格が実需で説明できる物件かどうかは、長期で持つうえでの大切な視点です。
海外需要に左右されやすい領域か、地域の居住・賃貸需要に支えられる物件かを含めて、収支と出口を一緒に整理いたします。

売却をご検討の方

買い手の厚みは、その物件を必要とする人がいるかに加え、価格帯や融資環境、管理状態にも左右されます。
透明化が進む局面でお持ちの物件が今の市況でどう評価されるか、需要と流動性の面からお伝えします。

居住用でご検討の方

住み替えや購入では、暮らしやすさと周辺の需要を確認すると判断しやすくなります。
地域の居住需要や通勤・生活環境を踏まえて、ご希望に合わせた無理のない選び方を一緒に考えていきましょう。

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