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定期借家の家賃上昇が加速ーーなぜ貸し手は強気か、都市部に共通する構図|ONZA的市況ニュース

2026-07-03

定期借家の家賃上昇が加速ーーなぜ貸し手は強気か、都市部に共通する構図|ONZA的市況ニュース

記事内容:定期借家の家賃上昇が加速

2026.7.3の日経新聞で、契約期間の満了後に更新がない"定期借家"のマンション家賃の上昇が、東京23区で加速していると報じられました。
2025年度のファミリー向け大型物件(専有面積70平方メートル超)では、定期借家の平均募集家賃が前年度比7.0%高の46万4387円。
普通借家(34万5986円)より34.2%高い水準で、伸び率でも普通借家の4.7%を上回りました。
本来は家賃が低めになりやすいとされてきた定期借家が、なぜ普通借家より高くなっているのでしょうか。

定期借家は、契約期間があらかじめ決まっていて、更新がない契約です。
住み続けるには双方の合意による再契約が必要で、原則として更新できる普通借家に比べ、貸し手が優位な契約とされます。
同じ物件なら、条件がある分、定期借家のほうが家賃は低くなるというのがこれまでの通説でした。
それでも平均家賃が高いのは、駅近や築浅など、入居者を確保しやすい好条件の物件ほど定期借家の導入が進み、平均を押し上げているためです。
実際、23区のファミリー向け大型物件に占める定期借家の割合は34.9%と、前年度から4.4ポイント上がりました。

では、なぜ貸し手は定期借家を選ぶのでしょうか。
普通借家は、借地借家法で借り手が強く保護されており、入居中の家賃を引き上げるのは容易ではありません。
定期借家なら、契約の切れ目ごとに家賃を見直せるため、物価高で増える修繕費や人件費といった管理コストを、家賃に反映しやすくなります。
また、家賃の滞納や騒音といったトラブルの多い入居者には、普通借家だと退去してもらいにくいため、期間満了で契約が終わる定期借家は貸し手のリスクを抑える手段になる、という指摘もあります。

貸し手が強気になれる背景には、賃貸の需給の締まりがあります。
住宅価格の高騰で当面のマンション購入を断念した人が賃貸市場にとどまり、借り手が増える一方、いい物件は見つかりにくくなっています。
そのため、借り手の側にも定期借家を受け入れる動きが出ています。
子どもの進学に合わせて通学しやすい場所を期間限定で借りる、購入を検討するエリアに試しに住んでみるといった、柔軟な使い方も広がっています。
好条件の物件で定期借家が広がると、再契約のたびに家賃を見直しやすくなるため、募集家賃の平均はさらに押し上げられやすい、との見方が多くなっています。

ポイント:定期借家と家賃上昇

👉 定期借家の家賃上昇が加速

ファミリー向け大型物件で前年度比7.0%高と、普通借家の4.7%を上回りました。

👉 好条件の物件ほど定期借家に

駅近や築浅など入居者を確保しやすい物件で導入が進み、平均家賃を押し上げています。

👉 貸し手がコストを反映しやすい契約

契約の切れ目で家賃を見直せるため、物価高で増える管理コストを反映しやすくなります。

👉 背景には賃貸の需給の締まり

住宅価格の高騰で購入を見送った人が賃貸にとどまり、貸し手が強気になれる環境です。

ほかの都市部でも言えること:定期借家と家賃上昇の構図

家賃の上昇率や定期借家の普及度には、地域差があります。
それでも、今回の家賃上昇を支える要因を分解すると、①物価高で修繕費や人件費などの管理コストが上がっている、②住宅価格の高騰で購入を見送った人が賃貸にとどまり、需給が締まっている、③普通借家では入居中の家賃を見直しにくい、という3つで、いずれも物価や制度にかかわる要因です。
賃貸需要が厚く、駅近や築浅の物件から埋まっていくような都市部であれば、東京に限らず似た圧力がかかりやすいと考えられます。
"コストの上昇を家賃にどう反映するか"は、賃貸需要の厚い都市部で共通して意識されやすい課題です。

物件を持つ側にとっては、物価高の局面で管理コストの上昇を家賃に反映できるかが、収支を左右します。
定期借家はその選択肢の一つですが、成り立つのは、駅距離や通勤・通学のしやすさ、周辺の単身・ファミリー層の厚みといった実需で、入居者を確保しやすい物件であってこそです。
契約形態にかかわらず、まずは周辺の賃料水準を把握し、募集や再契約のタイミングで家賃を見直すことが、賃貸経営の基本になります。
これから借りる側にとっては、定期借家の物件が増えるほど、契約の期間や更新の有無を確認したうえで選ぶことが大切になります。

ONZAとしての整理

物価が上がる局面では、家賃も動きます。
今回の記事は、需給が締まった都市部で、貸し手がコストの上昇を家賃に反映し始めた、という構図でした。
家賃インカムを軸に不動産を持つ側から見ると、立地と実需に支えられた物件は、こうした局面で家賃を見直す力を持ちやすい、ということでもあります。

ただし、それは借り手がつく物件であることが大前提です。
家賃を支える立地と実需が続くかを確かめたうえで、周辺の賃料水準に沿って見直していく。
それが、長く続く家賃収入につながります。

まとめ

👉 記事内容の要点

東京23区のファミリー向け大型物件で、定期借家の平均家賃が前年度比7.0%高と上昇が加速し、普通借家の伸び(4.7%)を上回った

駅近や築浅など好条件の物件ほど定期借家の導入が進み、平均家賃を押し上げている

貸し手が定期借家を選ぶのは、契約の切れ目で家賃を見直せて、物価高で増える管理コストを反映しやすいため

管理コストの上昇・購入見送りによる賃貸の需給の締まり・普通借家の見直しにくさは、賃貸需要の厚い都市部で共通しやすい

👉 行動指針

貸す側は、周辺の賃料水準を把握し、募集や再契約のタイミングで家賃の見直しを検討する

貸す側の契約形態(普通借家・定期借家)は、物件の立地や入居者確保のしやすさに合わせて選ぶ

コストの上昇を家賃に反映できるかは、立地と実需に支えられた物件であることが前提

借りる側は、定期借家が増えるなかで、契約期間や更新の有無を確認して選ぶ

ご相談について

投資用でご検討の方

物価高の局面では、管理コストの上昇を家賃にどう反映するかが収支を左右します。
普通借家・定期借家のどちらが物件に合うか、再契約や募集時の賃料見直しの考え方、想定家賃が実需に見合うかまで、無理のない賃貸経営の組み立てを一緒に整理いたします。

売却をご検討の方

賃貸中の物件は、家賃水準や契約形態が売却価格の評価にもつながります。
いまの家賃が周辺相場に見合っているか、買い手からどう見えるかまで踏まえて、売却の進め方を一緒に確認します。

居住用でご検討の方

賃貸で探す場合も、定期借家が増えるなかでは契約の期間や更新の有無の確認が大切です。
購入も含めて、暮らしやすさと無理のない資金計画を軸に、一緒に整理していきましょう。

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