出生数に底入れの兆しーー1〜5月は11年ぶり前年上回る、婚姻数が2年連続増|ONZA的市況ニュース
2026-08-14

記事内容:出生数が11年ぶりに前年を上回る
2026.8.14の日経新聞で、新型コロナウイルス禍を経て続いた急速な出生減が、底入れしつつあると報じられました。
2026年の出生数は1〜5月に前年同期をわずかに上回りました。
婚姻数が2年連続で増えたことが、出産につながっていると記事は伝えています。
まず数字です。
厚生労働省が毎月発表する人口動態統計(外国人を含む速報値)によると、26年1〜5月の出生数の合計は28万2222人でした。
前年の同じ期間の28万979人を0.4%上回り、この期間で前年を上回るのは2015年以来、11年ぶりです。
近く公表される6月の出生数が25年と同水準であれば、上期の合計でも同様に11年ぶりに前年同期を上回ります。
減少ペースも鈍化してきています。
上期の出生数の減少率は、21年に6%近くとなり、その後は3%台後半から5%程度の水準が続いた後、25年は3.1%減まで縮まりました。
底入れの傾向は、通年の数字にも兆候がありました。
6月公表の人口動態統計(概数)では、日本に住む日本人の25年の出生数は前年より1万4937人(2.2%)少ない67万1236人でした。
1899年の統計開始以来で最も少なかったものの、24年まで3年連続で前年比5%を超えていた急速な減少ペースは、やや鈍化しています。
24年はすべての都道府県で前年比減でしたが、25年は東京や石川など4都県で増加に転じました。
日本総合研究所の藤波匠主席研究員は「26年通年は25年を上回る可能性もある」とみています。
底入れの要因の一つが、婚姻数の増加です。
結婚する人の数は、2〜3年後の出生率に影響を与えるとされます。
結婚してから数年のうちに第一子を持つ夫婦が多いため、婚姻の増減は時間を置いて出生数に表れるという関係です。
婚姻数はコロナ禍を経て24年から2年連続で増加し、25年は0.8%増の48万9119組でした。
戦後最少だった23年の47万4741組と比べて、約1.4万組の増加です。
ただし、水準は決して高いとはいえません。
19年は59万9007組で、足元はなお10万組以上少ない状況です。
20年に前年から7万組減ったことなどから、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)は、パンデミックによる結婚の先送りが背景と分析していました。
記事は、慎重な見方も添えています。
婚姻数が大幅な回復とはいいにくいなか、前年を上回る出生数が続くかは見通せません。
25年の出生数は、戦後のピークだった1949年の269万人と比べて3分の1以下に落ち込んでおり、社人研が23年に公表した将来推計人口の低位推計(悲観シナリオ)に近い水準です。
出生数の減少は日本の経済基盤に深刻な影響を与え、経済不安が拭えなければ結婚や出産をさらにためらう悪循環に陥ると記事は指摘します。
政府は7月に決定した骨太の方針で、少子化傾向の反転と、人口減少に対応した社会経済の再構築の両面にわたる対策を打ち出し、26年末に人口総合戦略(仮称)を策定する方針を示しています。
ポイント:出生数の底入れ
👉 出生数が11年ぶりに前年を上回る
26年1〜5月の合計は28万2222人と、前年同期を0.4%上回りました。
👉 減少ペースは鈍化
25年通年は2.2%減と3年続いた5%超の急減から緩やかになり、東京や石川など4都県では増加に転じました。
👉 背景の一つは婚姻数の2年連続増
結婚する人の数は2〜3年後の出生率に影響するとされ、25年は48万9119組まで回復しました。
👉 水準はなお低く、持続は見通せない
出生数は戦後ピークの3分の1以下で、婚姻数もコロナ前より10万組以上少ない状況です。
不動産との関係:結婚と出産は、住まいの需要が生まれる節目
この記事の核心は、婚姻数が2〜3年後の出生に表れるという、時間差のある連鎖です。
実はこの連鎖は、そのまま住まいの需要の連鎖でもあります。
結婚すると、新しい世帯が一つ生まれ、二人で暮らす住まいが必要になります。
多くの新婚世帯は、まず賃貸住宅から新生活を始めます。
子どもが生まれると、部屋数や広さ、保育園や学区といった周辺環境のニーズが変わり、より広い住まいへの住み替えや、購入の検討につながっていきます。
つまり、婚姻数の動きは賃貸の需要を考える手掛かりに、出生数の動きは数年をかけてファミリー向けの住まいの需要を考える手掛かりになります。
今日の婚姻や出生の数字は、数年後の住まいの需要の種だといえます。
もう一つ押さえたいのは、人口の総数と世帯の動きの違いです。
全国の出生数は大きな方向感を示す一方、住まいの需給は、転入や就業地といった地域ごとの条件で変わります。
記事のとおり、出生数の水準はなお低く、人口の総数が減っていく大きな流れは続きます。
それでも、住まいの需要をつくるのは総数だけではありません。
結婚、出産、進学、転勤。
こうしたライフイベントで世帯が生まれ、動くたびに、住まいの需要が生まれます。
25年に4都県で出生数が増加に転じたように、動きには地域差もあります。
住まいや物件を考えるときは、人口の増減の数字に加えて、そのエリアで世帯の動きがあるかどうかまで見ることが大切です。
ONZAとしての整理
婚姻数が2〜3年後の出生に表れるという記事の視点は、需要を将来視点で見ることの大切さを教えてくれます。
ONZAでは、エリアの需要は現在の数字だけでなく、これから持続するかどうかで見ることを基本にしています。
出生数の底入れの兆しは、長期の住まいの需要を考えるうえで、定点で確かめていきたい変化の一つです。
記事が指摘するとおり水準はなお低く、持続するかは見通せないからこそ、婚姻や出生といった需要の種になる数字を、継続して確かめていく構えが基本になります。
もう一つ、賃貸需要の実務の視点です。
賃貸の需要は、世帯の動きに合わせて生まれます。
結婚や進学、転勤の季節に人が動き、駅からの距離や家賃と利便のバランスで部屋が選ばれます。
ファミリー向けであれば、学区や子育て環境も選ばれる理由になります。
物件を選ぶときも貸すときも、その部屋がどんなライフイベントの世帯に選ばれるのかを具体的に描く。
人口のニュースは、誰が、いつ、どんな住まいを必要とするのかという需要の中身まで確かめて読むことが、実務につながる読み方だと考えています。
まとめ
👉 記事内容の要点
26年1〜5月の出生数は28万2222人と前年同期を0.4%上回り、1〜5月ベースでは11年ぶりの増加となった
25年通年の減少率は2.2%と急減ペースが鈍化し、東京や石川など4都県では増加に転じた
背景の一つは婚姻数の2年連続増で、結婚する人の数は2〜3年後の出生率に影響するとされる
出生数は戦後ピークの3分の1以下、婚姻数もコロナ前より10万組以上少なく、持続は見通せないと記事は指摘する
👉 行動指針
婚姻・出生の数字は数年後の住まいの需要の種と押さえ、将来視点で需要を見る
人口の増減だけでなく、結婚・出産・転入といった世帯の動きがあるエリアかを確かめる
賃貸物件は、どんなライフイベントの世帯に選ばれる部屋なのかを具体的に描いて選ぶ
人口のニュースは、誰が、いつ、どんな住まいを必要とするのかという需要の中身まで確かめて読む
ご相談について
投資用でご検討の方
賃貸需要は、結婚や進学といった世帯の動きに支えられています。
検討中の物件がどんな世帯に選ばれるのか、周辺の募集状況や実需の裏付けまで含めて一緒に確認いたします。
売却をご検討の方
世帯の転入や住み替えが続くエリアでは、物件の条件が需要に合えば、検討する買い手の属性を想定しやすくなります。
保有物件の状況とご意向に合わせて、売る・貸す・持ち続けるの選択肢を一緒に確認します。
居住用でご検討の方
住まいは、暮らしやすさと無理のない資金計画で選ぶのが基本です。
ご家族の節目に合わせて、住み替えも含めた住まいの計画を一緒に整理していきましょう。
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