市況ニュース

銀行預金が金利競争にーー不動産売却の大口顧客に1.5%、資産規模で広がる差|ONZA的市況ニュース

2026-08-05

銀行預金が金利競争にーー不動産売却の大口顧客に1.5%、資産規模で広がる差|ONZA的市況ニュース

記事内容:預金の争奪戦が、金利競争に発展

2026.8.5の日経新聞で、銀行による預金の争奪戦が金利競争に発展してきたことが報じられました。
みずほ銀行は8月上旬にも、不動産を売買した大口顧客向けに定期預金の金利を年1.5%に引き上げます。
相続や退職金を狙った高金利商品も増えており、利用者が受ける恩恵は金融資産の規模で差が広がっています。

背景には、金利のある世界で融資の収益力が回復したことがあります。
融資を伸ばすには、その実質的な原資となる預金が必要で、預金集めは銀行経営の最優先課題になりつつあります。
ただ、銀行はこれまで預金金利の引き上げに慎重でした。
預金金利を上げると、貸出金利との差である利ざやの縮小につながるためです。
日銀が政策金利を1%程度に引き上げても、三菱UFJ銀行の普通預金の利回りは0.4%にとどまります。
6月の利上げでは、政策金利の0.25%の上昇に対し、メガバンクの普通預金金利の引き上げ幅は0.1%でした。
全体の金利は上げずに、まとまった資金を持つ大口顧客に絞って優遇する。
これが今回の金利競争の構図です。

変化が起きたのは大口の顧客向けです。
みずほ銀行は、不動産を売買して1年以内の個人を対象に、1年物の定期預金の金利を1.5%に引き上げます。
1年物定期の通常金利0.5%の3倍で、不動産売買契約書や本人確認書類があれば利用できます。
1億円を預けた場合の受取利息は、税引き前で150万円です。
マンションなどの売却益でまとまった資金を得た優良顧客に照準を絞る狙いで、住宅価格の上昇を背景に売却益を得る個人も増えており、銀行にとっては預金獲得の好機となっています。
資産運用対策など、次の取引にもつながりやすいとされます。
みずほは、株式や不動産など保有資産を売却して資金を集約する75歳以上を対象にした優遇策も打ち出します。
ほかの大手も動いています。
三井住友銀行は4月、相続資金や退職金を原資とする3カ月物定期預金の金利を3.5%に引き上げました。
三菱UFJ銀行も2月、同様の資金を他行から預け替える場合に、富裕層向けの定期預金金利を3%上乗せする優遇策を始めています。
三井住友信託銀行は4月から、不動産を売買した個人向けに3カ月物定期預金の金利を2.2%に設定しました。

預金金利が物価上昇に追いつかなければ、預金で買えるモノやサービスの量は減っていきます。
普通預金のままでは実質的な購買力が目減りする時代に、資金の置き所を模索する大口顧客を奪い合う構図です。
元本割れのリスクがある投資信託などより定期預金を選ぶ中高年層は依然として多い、との大手銀行の声も紹介されています。
日銀によると、10億円以上ある定期預金の残高は3月時点で前年比64%増の1.2兆円に増えました。
国内銀行の定期預金の残高全体も、6月末時点で265兆円と前年同月比12%増え、普通預金の伸び率0.1%を上回っています。
一方で、小口の預金との利回り差は開いています。
新規に受け入れた定期預金(期間6カ月以上1年未満)の利回りは、1000万円以上の大口顧客向けが5月に0.89%と大きく上昇したのに対し、300万円未満の小口顧客は0.496%と、2倍近い差があります。

地方銀行でも、岩手銀行が不動産の売却など相続に伴う資金を対象に、定期預金金利を上乗せする商品を始めました。
ただ、財務基盤が強固な大手行と地方の金融機関との差は拡大しそうだと記事は指摘します。
地方では、相続などを機に首都圏に住む子世代へ資金が移る場面があり、そこで大手行の優遇策が選択肢になりやすいため、地方の金融機関にとっては預金流出の懸念が強まります。
大手行の引き合いが強まれば、東京集中の動きがさらに加速する可能性もあります。

ポイント:預金の金利競争

👉 不動産売却の大口顧客に1.5%の定期

みずほは不動産を売買して1年以内の個人向けに、1年物定期の通常の3倍の金利を8月上旬にも始めます。

👉 相続・退職金向けの高金利商品も拡大

三井住友は3カ月物3.5%、三菱UFJは富裕層の預け替えに3%上乗せなど、優遇が相次いでいます。

👉 背景は融資の原資となる預金の争奪

全体の金利を上げると利ざやが縮むため、まとまった資金を持つ大口に絞った優遇が広がっています。

👉 資産規模と地域で恩恵に差

大口と小口の定期利回りには2倍近い差があり、地方から首都圏への資金流出の加速も指摘されています。

不動産との関係:売却で生まれた資金を、銀行が取り合っている

今回報じられた優遇策の柱の一つは、不動産を売買した個人のまとまった資金です。
みずほの1.5%、三井住友信託の2.2%、岩手銀行の上乗せ商品と、売却資金を対象にした設計が並びます。
住宅価格の上昇でマンションなどの売却益を得る個人が増え、その資金が銀行にとって魅力的な預金の源になっているためです。
不動産を売買して1年以内、売買契約書の提示といった条件は、まさに売却した人を対象にした設計です。
売却を検討している方や売却したばかりの方にとっては、資金の置き場所の選択肢が変わりつつあるという意味で、確認する価値のある動きです。

同時に、この記事からは売却後の実務も読み取れます。
優遇の多くは3カ月や1年といった期間限定の定期預金であり、優遇期間が終わった後のお金の役割は、自分で決める必要があります。
売却の手取りを、住み替えの資金にするのか、当面の生活資金として確保するのか、運用に回すのか。
例えば、住み替えの決済など1年以内に使う予定のある資金かどうかで、選べる預入期間も変わります。
置き場所の金利だけでなく、その資金に次へどんな役割を持たせるかを決めることが、売却の計画の一部になります。
優遇の条件や対象は銀行・商品ごとに異なるため、利用の際は確認が必要です。

ONZAとしての整理

売却のご相談では、いくらで売れるかと同じくらい、売った後の資金計画が大切だと考えています。
今回の記事のように、売却資金には受け皿の選択肢が増えており、期間限定の優遇金利もその一つです。
大切なのは、優遇の期間が終わった後まで含めて、資金の行き先を決めておくことです。
住み替え・生活資金・運用と、目的ごとに置き場所を分ければ、金利の高さに引っ張られずに選べます。

もう一つ、大口と小口で2倍近い利回り差という記事の数字は、金利のある世界の恩恵が資産規模によって異なることを示しています。
ご自身の資金規模で使える選択肢を確認することが出発点になります。
そして、売却して預金に置くという選択肢が広がる一方で、保有を続けて家賃という収入を得るという選択肢もあります。
売却と保有では資金の性質と時間軸が異なるため、どちらが優れているかではなく、目的に合わせて比較することが大切です。
選択肢を並べて確かめることが、後悔の少ない判断につながります。

まとめ

👉 記事内容の要点

銀行の預金争奪戦が金利競争に発展し、みずほは不動産を売買した個人向けに1年物定期1.5%(通常の3倍)を8月上旬にも始める

三井住友の相続・退職金向け3カ月物3.5%など大手の優遇が相次ぎ、背景には融資の原資となる預金集めの最優先化がある

全体の金利を上げると利ざやが縮むため大口に絞る構図で、大口と小口の定期利回りには2倍近い差がある

地方では相続を機にした首都圏への資金流出が課題で、東京集中が加速する可能性も指摘されている

👉 行動指針

売却後の資金は、優遇金利の期間が終わった後の役割まで決めて置き場所を選ぶ

不動産売買後1年以内などの条件・対象は銀行・商品ごとに異なるため、利用前に確認する

資産規模で使える選択肢が異なると押さえ、ご自身の資金規模で確認する

売る・貸す・持ち続けるの選択肢を並べ、資金の形まで含めて比較する

ご相談について

投資用でご検討の方

金利のある世界では、預金と不動産の役割の違いが比較の軸になります。
家賃という収入を生む実物資産としての位置づけから、一緒に整理いたします。

売却をご検討の方

売却は、手取りの試算と売却後の資金計画までがひとつながりです。
保有物件の状況とご意向に合わせて、売る・貸す・持ち続けるの選択肢を一緒に確認します。

居住用でご検討の方

住まいは、暮らしやすさと無理のない資金計画で選ぶのが基本です。
住み替えに伴う売却資金の扱いも含めて、一緒に整理していきましょう。

お気軽にお問合せください。

不動産に関するご相談は、LINEからお気軽にどうぞ。毎日7:00〜21:00、無料で対応しています。