オルカンは円安・物価高に強いかーー外貨建て資産は"家計全体"で考える|ONZA的市況ニュース
2026-06-27

記事内容:オルカンは円安・物価高に強いか
2026.6.27の日経新聞で、円安・物価高が長引くなか、全世界の株式に投資する投資信託"オルカン"が家計を守れるかが検証されました。
オルカンは、正式には"eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)"という投資信託で、上場投信(ETF)を除く純資産残高で第1位、12兆円強を集めています。
一本で全世界の株式に投資でき、信託報酬が年0.05775%という低コストが人気で、昨年末時点で国民の約20人に1人、567万人が保有しています。
連動する全世界株指数(MSCI ACWI、配当込み)は、1987年12月の算出開始から今年5月までの38年5カ月で35倍になり、平均年率は9.7%の上昇でした。
この上昇ペースに影響したのが、為替です。
指数の投資対象は、5月末時点で約95%が外貨建て(米国を含む先進国株が83%、新興国が12%、日本は5%)のため、円換算の成績は為替に左右されます。
1ドルが122円から76.3円へと円高が進んだ期間は、現地通貨ベースで指数が5.6倍になった一方、円ベースでは3.4倍にとどまりました。
逆にその後の円安期は、円ベースの年率17.7%が、現地通貨ベースの12.9%を上回りました。
全期間では、円ベースが35倍と、現地通貨ベースの32倍をやや上回っています。
では、物価高には負けないのでしょうか。
記事の試算では、仮に日銀の目標である2%程度の物価高が続いても、長期で見れば、円安期はもちろん円高期でも、全世界株指数の成績は物価上昇を補えていました。
ただし、成績は投資した時期や期間で変わります。
投資期間が5年と短いと、年率で1割強のマイナスになった時期もありました。
一方、10年では全体の85%、15年では98%の時期で平均年率2%を上回っており、物価2%に負けないためには、投資の終了を見込む時期まで、15年以上の長期で持つことが望ましいとされています。
もう一つ、記事のファイナンシャルプランナーが指摘するのが、外貨建て資産は投資成績だけでなく"家計全体"で考えるべきだ、という視点です。
例えば円安が進むと、食料品やガソリンなど輸入の影響を受ける支出は増えますが、外貨建て資産は円換算の価値が増えるため、その支出増や貯蓄の目減りを補ってくれます。
逆に円高になると、外貨建て資産は円換算で目減りしやすくなりますが、その分、輸入の影響を受ける支出は軽くなり、資産の目減りを家計支出の改善が一部補います。
つまり、為替変動による資産の増減と家計支出の変動を総合的に考え合わせることが、長期の資産形成を続けるうえで重要になります。
なお、当面は円安方向との見方が多い一方、米ドルの総合的な為替の水準は1995年以降の平均より約15%高く、長期では円高に振れる可能性も指摘されています。
ポイント:円安・物価高に強い外貨建て資産
👉 オルカンが投信の純資産で第1位
全世界株に低コストで投資でき、約20人に1人が保有する人気の投資信託です。
👉 円高期も長期では年約5%上昇
円換算の成績は為替に左右され、円安期は有利、円高期は不利です。ただし円高期も長期では年約5%上がりました。
👉 過去データでは15年以上で物価に勝ちやすい
5年では負ける時期もありますが、15年では98%の時期で平均年率2%を上回りました。
👉 外貨建て資産は家計収支も含めて考える
為替は資産の価値にも生活費にも影響します。資産の増減と支出の変動を合わせて見ることが大切です。
不動産との関係:円安・物価高に、実物資産という備えも
記事の中心はオルカンでの資産形成の話です。
その中で分散させる先として不動産という選択肢もあります。
円安や物価高に強いとされるのは、外貨建ての資産だけではありません。
不動産のような実物資産も、物価が上がる局面では、家賃や価格が名目で上がりやすい一面があります。
建築費や修繕費、人件費などが上がると、同じ住宅を新たに供給するコストも上がり、既存の物件の価格や賃料にも名目の上昇圧力がかかりやすくなるためです。
ただし、それを実際に家賃へ反映できるかは、その地域の賃貸需要や所得の水準しだいです。
そのため、家賃や価値が続くかは、駅距離や通勤需要、単身世帯やファミリーの流入、生活利便施設の厚みといった、その地域の実需に左右されます。
記事が指摘する"家計全体で考える"視点も、不動産にそのまま当てはまります。
外貨建て・円建て・実物という性質の異なる資産を一つに偏らせず組み合わせるなかで、不動産は、実需に支えられた家賃というインカムを生む分散の一角を担えます。
ONZAとしての整理
円安も物価高も、その先に来るかもしれない円高も、為替や物価は自分で動かせるものではありません。
大切なのは、どちらに振れても家計と資産が極端に傾かないよう、性質の違う備えを分けて持っておくことです。
外貨建ての資産、円建ての資産、そして家賃のように実需で積み上がる実物資産を、無理のない範囲で組み合わせておく。
不動産をその一角に置くなら、利回りや相場の水準だけで判断せず、家賃を支える立地と実需が続くかも合わせて見ておくと、為替や物価が揺れる局面でも安心につながります。
まとめ
👉 記事内容の要点
全世界株に投資する"オルカン"は投信の純資産で第1位(12兆円超)で、約20人に1人が保有する人気の投信
連動指数は長期で平均年率約9.7%上昇し、95%が外貨建てのため円安に強く、過去データでは15年以上の長期で物価2%にも負けにくい
外貨建て資産は、為替が資産の価値にも生活費にも影響するため、投資成績だけでなく、家計収支も含めた"家計全体"で考えることが大切
円安・物価高への備えは外貨建て資産だけでなく、不動産のような実物資産も一面で担える(ただし立地と実需しだい)
👉 行動指針
円安・物価高にも、将来の円高にも、どちらかに賭けず備えを分けて持つ
外貨建て・円建て・実物資産を、一つに偏らせず無理のない範囲で組み合わせる
不動産を持つなら、利回りや相場の水準だけでなく、家賃を支える立地と実需が続くかも合わせて見る
為替や物価は自分で動かせない前提で、家計全体の収支とあわせて考える
ご相談について
投資用でご検討の方
円安や物価高への備えとして実物資産を持つなら、その家賃を支える実需と立地が大切になります。
駅距離や通勤需要、周辺の生活利便性、想定される入居者層、賃貸募集にかかる期間や想定家賃、借入条件まで含めて、無理のない収支の組み立てを一緒に整理いたします。
売却をご検討の方
物価や為替が動く局面では、不動産の買い手の見方も変わります。
価格だけでなく、賃貸に回した場合の見込み、買い手層、売買が成立するまでの時間まで踏まえて、売却の進め方を一緒に確認します。
居住用でご検討の方
住まいは、相場や為替の先読みよりも、暮らしやすさと無理のない返済計画を軸に考えると、長く納得して住めます。
ご希望に合わせて、無理のない進め方を一緒に考えていきましょう。
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